…いえ、本人の健康を考えれば受け入れるしかないのです。
欲を言えばゆっきーを加えた新生Roseliaのライブ(以下略)
1話
「瑛太。車の特徴、誘拐の場所、進んだ方向を言え。それぐらい分かるだろ?」
『もちろんっす!…あ、でも
「お前が回収しろ」
『えっ!?そ、そそそんな恐れ多いっすよ!』
「中を見なかったらいいだろ。回収して爺さんとこに置いとけ」
『…了解っす』
「…わかるものなのですね」
「私だと焦って覚えれないよー」
「まぁこういうトラブルのために叩き込んだからな」
「何を教えこんでるんですか…」
「役に立ってるだろ?」
疾斗の言うとおり役に立っている。普通なら使うことがないことだが、事故の証言の時にも応用できるから身につけておいて損することはない。瑛太から情報を得たあと礼を言って電話を切る。
「疾斗、力を貸せ」
「珍しいな。どうした?」
「リサだけなら俺一人で行った。だが、結花も攫われた」
「よし、愁と大輝にも連絡するぞ」
「任せた」
「雄弥くん。警察に連絡したほうがいいのでは?」
「警察は動くのが遅い」
「それに今回の犯行は白昼堂々と行われたやつだ。おそらく警察に圧力をかけるだけの力がある」
「そんな…」
「疾斗くん。妙に詳しいね?もしかして
あー、花音には隠してたのか。まぁ話せば巻き込まれる可能性もあるから当然のことか。…俺は関わってないのに現にリサと結花が巻き込まれたわけだしな。
「雄弥くん…」
「紗夜は花音と一緒にこの建物の中にいてくれ。必ず助けてくるから」
「ですが!」
「ここにいてくれ」
「……わかりました。…約束してください。今井さんと藤森さんと一緒に戻ってくるって」
「ああ。約束する」
「雄弥連絡ついたぞ!大輝にはここに来てもらうことになった」
「何分で来る?」
「5分で来るってよ。近くで遊んでたらしい」
これはまたありがたい偶然だな。あいつが5分って言うなら5分なんだろ。これで紗夜たちの心配はいらなくなった。あとは場所と犯人の特定か。
「愁はバックアップだ。あいつなら全部暴いてくれるだろ」
「…恐ろしいやつだな。疾斗はどうする?」
「お前を送ってってそのまま手を貸すさ。足ないだろ?」
「お前バイクで来てたのかよ」
「当然だろ!」
グッと親指を立ててキメ顔をする疾斗をスルーしつつ、黒幕に目星を立てる。やることが明確になったタイミングで、俺と疾斗の携帯に電話がかかってきた。疾斗には愁からで、俺には
「…雄弥」
「出るしかないだろ」
〜〜〜〜〜
(うっ……。あれ?アタシ寝ちゃってた?……今日はたしか結花と遊んで、買い物をした帰りに……っ!!)
「ここ…どこ…」
どこか古い建物の中ってことだけはわかる。地面も壁も天井もコンクリートがむき出しになってる。携帯を取ろうと上体を起こしたところで、アタシは腕が後ろで縛られてることに気づいた。幸いなのかどうか、足は自由だけど。
「ふん。目覚めたようだな」
「……あなたの差し金ですか?」
「この状況でも年上に敬語を使うか。なかなか胆力がある娘なのか、相手を怒らせないことを考えての行動なのか」
「結花は!結花はどこにいるんですか!!」
この部屋にはアタシとこの男しかいない。たしか結花もアタシと同じように誘拐されたはずなのに。
「あの娘なら別の部屋だ。それよりも余興を楽しもうか?」
「余興?…っ!やめて!近づいてこないで!」
「ははは!流石に察するか!しかし今どきのギャルは男を知らんのか?それはそれでそそるがなぁ」
「ひっ!…やめっ…」
足は縛られてないから距離を取ることはできるけど、恐怖で足がすくんで立って逃げることができない。アタシはすぐに壁に追い込まれてしまった。今になってわかった。足を縛ってなかったのは、
「やだ!雄弥助けて!…助けてよぉ!」
「ははっ!あの男は助けに来たところでここには辿り着かんぞ!…ふん、丁度来たようだな。せっかくならお前も見るといい。そして絶望しろ。お前の想い人が死んでゆく様を見てな!!」
「なにを…いって」
男が大声を上げながら指をさした方向にはモニターがあった。そのモニターの中には、たぶんだけどこの建物の中のどこかが見れるようになってる。映ってる場所は入り口入ってすぐの所みたいで、何十人もの黒服の人が一人の男の子を半円で囲ってた。
「とんだマヌケだな。言ったとおりに一人で来おったわ。それで命を落とすとわかっていただろうになぁ」
「言ったとおり?」
「お前の携帯で電話した。それなら絶対に応答するとわかっていたからな」
「そんな…」
「ほれよく見ておれ。マヌケが蜂の巣にされるさまを!」
「…!雄弥!」
まるでこの男の声に呼応するように、囲んでいた人たちは銃を構えて乱射し始めた。
雄弥が撃たれた。
「や…」
雄弥がゆっくり倒れていく。
「いや…」
倒れた雄弥の体から赤いのが広がっていく。
「いやぁぁ」
あんなの助かりようがない。
「ゆうやぁぁ!ああ、ぁぁあ!」
「ふはははは!呆気なかったな!実に呆気なかった!この儂を蹴落とすからこんなことになるのだ!」
男はひとしきり大笑いしてから、アタシの体をなめ回すように見てきた。アタシの心はグチャグチャになってた。だから…どうにでもなれという思いが出始めていた。けど、あの映像を認められないという思いの方が強い。
「くくくっ、では戦利品をいただくとしようかのー」
「ゆうやぁー。たすけてよー!」
「無駄じゃ無駄!あれを見ただろ!あの男は死んだんだ!」
「死んでない!雄弥が死ぬわけない!…やだ、来ないで!」
「儂があの男を忘れさせてやる」
「いやぁ…」
「随分な上玉ではないか」
足を広げさせられて嫌らしく撫でられる。胸にも手が伸びてくる。アタシはこの後のことが怖くて、いやで、強く目をつむった。だけど溢れてくる涙は止まらない。次々と出てきてアタシの頬をたどって落ちていく。
「ゆうや…たすけて…」
縋らなずにはいられなかった。
願うしかなかった。
届くはずのない思いを。
「なに汚い手でリサを触ってんだクソジジイ」
「なっ、きさばぁっ!」
聞こえないはずの声が聞こえて、さっきまでアタシの足を触っていた手が離れたのがわかった。目を開けたらさっきまでいた男は反対側の壁に頭を打って蹲ってて、代わりにアタシの前には大好きな人が立ってた。
「…ゆう…や?」
「悪いリサ。遅くなった。大丈夫か?」
雄弥はアタシの前にしゃがみこんで、アタシの服装を直してから紐を解いてくれた。自由になった手で雄弥の顔や体をペタペタ触りながら夢じゃないか確認する。
「ほんとに?ほんとに雄弥?」
「当たり前だろ。俺の偽物なんていないし、夢なんかじゃなくて現実だ」
「ほんとに夢じゃない?」
「本当だって。…こうすりゃわかるか?」
「へ?……っ!!??」
驚きのあまり声を上げようとしたけど、アタシは声を上げれなかった。
「……ぁ」
「立てるか?ほら手」
「ありがと。…あ、結花は!?結花もアタシと一緒に攫われて!」
「呼んだ?」
「結花!…よかったぁ」
「リサも無事…とは言えない気もするけど、ひとまずは安心かな?」
「雄弥ァ!何故生きている!!」
部屋のドアの近くにいる結花の所に歩いていってると、痛みが和らいだのか男が雄弥をすごい形相で睨んでた。アタシは咄嗟に雄弥の後ろに隠れて服をにしがみついてた。
「…リサは結花の側にいろ」
「雄弥…」
「大丈夫だから、な?」
「…うん」
「なぜだ!なぜあれだけ撃たれて生きている!」
「相変わらず無能だな、
あ!なんか見たことあるなって思ってたけど、雄弥たちがいる会社の元社長の人だったんだ。ということは、今回のは雄弥への恨みをはらすための復讐。
「なんだと?」
「まず俺のどこに
「なっ!……だが貴様は確実に撃たれたはずだ!そのモニターで……は?なぜモニターにも貴様が映っている!」
「だからあんたは無能なんだよ。それはただのダミー映像だ。ハッキングしたんだよ」
「だ、だがヤクザがいたはずだ!」
「負けるわけがないだろ。ジジイお前、Augenblickを舐めるなよ?」
ーーーーー回想ーーーーー
「所定の場所に一人で来いってよ。あの爺さんは無能だから無視していいだろ」
「これで雄弥に復讐できると思ってるんだろ。それより愁」
『わかってる。場所がわかってるなら最速で行けるようにナビをするよ。それとダミー映像も準備する。そうすれば疾斗のことは隠せるからね』
「さすがだな」
「ふぅ、到着!」
「大輝も来たな。雄弥」
「ああ、さっさと行くぞ。…大輝紗夜を頼む」
「おう!花音ちゃんも守るぜ!」
「あ、ありがとうございます」
「雄弥かましてこいよ!」
「当然だ」
急いで外に出て疾斗のバイクの後ろに乗る。メットには通信機が装備されていて、それで愁と疾斗と通話ができていた。
「犯人は元社長だろ?」
『…うん。ただの復讐みたいだね』
「ははっ、復讐ね。それで眠れる獅子を起こしてちゃあ世話ねぇな」
「誰のことだ」
「『雄弥』」
「獅子じゃないだろ」
「けどお前あきらかブチギレてるじゃねぇか」
「やっていいことと悪いことがある。それを教えこむだけだ」
「だからキレてんじゃん」
『まぁその話はそこまでにして、二人とも気をつけてね。何やらヤクザを雇ってるみたいだから。銃も所持してるみたいだし』
「疾斗、それって問題なのか?」
「俺たちには関係ねぇな」
『やれやれ、人がせっかく心配してあげてるのに。あーそれと気になることが』
「ん?」
愁の気になることを頭に入れながらバイクを所定の建物から少し離れた所に止めた。さすがにバイクで突っ込むのは疾斗に拒否された。
「どう攻め込む?」
「愁の情報を使えばさほど困らないことだろ。…正面からだ」
「雄弥も男だなー。いいぜ、燃えてきた!」
『突入する前に一言言ってね。ダミー映像流すから』
「ああ」
わりと短絡思考になっていることを自覚しながら入り口を蹴破って中に入る。中にいたヤクザ達が走って俺たちを囲うように半円に立ち塞がる。
「…銃あるんだっけな」
「奪うか?」
「いやいらないな。
「酷いやつだな」
「そうでもない」
「何をゴチャゴチャ喋ってやがる!テメェらは大人しくここで永眠してたらしくいいんだよ!」
「三下だなぁ」
「そうだな。…じゃ始めるか」
「雄弥はすぐにリサと結花の所に行けばいい。俺は集団相手の方が得意だからな」
「なら任せた」
「舐めやがって…かかれー!」
『『『ウオォォぉーー!』』』
「…うるせー奴らだな」
周りに指示を出した男に一瞬で近づき、そのまま顔を掴んで後ろの壁に叩きつける。ついでに通る際に左右にいたヤクザたちをなぎ倒しながらだ。
「がはっ!」
「言え。お前たちの雇い主はどこだ」
「はっ!誰がそんなことを……が、ぁぁぁー!!」
「聞こえなかったか?どこにいるか言え」
「……うわ怖えぇ〜」
他のヤクザたちが銃を突きつけて俺を撃とうとするが、俺は捕まえてる男を盾代わりにするこでやり過ごした。
ーーーーー回想終了ーーーーー
「…と、まぁこんなとこだ」
「おのれ、おのれおのれおのれーー!!貴様だけは絶対に許さんぞ。地獄へ落としてやるわぁ!!」
「頑張れ……っと危ないな」
「チッ、かすっただけか」
「雄弥!」
「大丈夫だリサ。かすり傷だから」
横から振られた剣をなんとか避けたが、相手の力量が高く完全には避けれなかった。右眉の上辺りがかすり、そこから血が流れていた。
「ふふっ、ははははは!これで終わりだ雄弥!貴様はここで死ぬのだ!」
「せめて片目は潰したかったんだがなぁ」
「誰だお前」
(こいつが愁が言ってた気になるやつか)
「ひっでぇなぁ
…どうやらトンデモナイ人間をジジイは雇ったようだ。……まぁ俺は何も覚えてないんだけどな。
人外集団は頭のネジが飛んでます。
主人公の過去が明らかに(?)…大して掘り下げません。