本気のチートで異世界最強   作:豆腐の角に頭をぶつけたい

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執筆時間があまり取れなかったですねぇ…。文をあまり読み返してないので、もしかしたら矛盾点があったり文章がちぐはぐになってるかもしれません。その時は「ここ、こうだったのにおかしくね?」とか、指摘してくれると作者は喜びます。

今回、Fate以外の他作品技が登場します。二尾狼の固有魔法は電気です。さて、分かりますか?(型月ではありません)


とりあえず魔物を食べよう

「やれやれ。この剣(もろ)すぎて草しか生えないんだが。いや、草どころじゃないな。もう森だな、森」

 

意識の戻ったハジメが1番最初に始めたのは彼の十八番(おはこ)である錬成を用いた地形の修復と、死闘の途中で放り投げた鉄の剣を探すことだった。そして今鉄の剣を探し出したのだが…

 

「もうこれ使い物にならないよな?でもなにかの素材にしようにもボロボロになり過ぎて…うん。廃棄しよう!」

 

そこら辺にぽーいと投げた。ハジメとしては軽く、ホントに力を入れず軽く投げたつもりだったのだ。しかし…

 

「えぇ……」

 

なんと鉄の剣だったもの(鉄くず)は壁に思いっきり突き刺さった。それによって、せっかく修復した部分の一部がまた抉れてしまっている。いつもならば「最悪だ…自分で自分の仕事増やすとかアホだろ俺」とか嘆くのだが、今はそれどころではなかった。

 

「もしかして俺、結構強くなった?」

 

ステータスプレートを取り出し見てみたハジメは思わずその上がりように驚愕した。言葉遣いも変わってしまっている。

 

「なんやこれ…なんなんや」

 

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南雲ハジメ 17歳 男 レベル:3

天職:────────

筋力:1237

体力:1056

耐性:1966

敏捷:1487

魔力:2719

魔耐:1030

技能:錬成[+道具作成][+弓矢作成][+高速錬成][+消費魔力減少]・投影魔術・神性・気配遮断・気配察知・黄金律・縮地・カリスマ・言語理解・騎乗・巨獣狩り・剣術[+無明三段突き][+斬撃速度上昇]・格闘術[+威力増大]・直感・高速詠唱[+高速神言]・陣地作成・自陣防御・自己改造[+自己進化]・戦闘続行・千里眼[+読心][+未来視]・全属性適性・全属性耐性・複合魔法・対魔力・魔力操作[+魔力放出][+魔力防御][+効率上昇]・矢避けの加護・勇猛・直死の魔眼・宝具[+王の財宝][+五行山・釈迦如来掌][+流星一条][+消費魔力減少]

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「魔力に至っては2000代、それも後半まで来たのか。あれ…これ絶対元のハジメ君よりも成長速いよね?まだ魔物とか一口も食べてないのにこのステータスって。これラスボス倒すの早く終わるかもしれないんだけど大丈夫かなぁ………耐性が大幅アップしてるのは熊公と長時間殴り合ったからだよな。あんまり嬉しくないけど。で、宝具が増えてるな。これって三蔵の宝具だっけ?」

 

ハジメは成長するのがあまりにも速すぎるために逆に不安になったが、これも転生特典のなせる技だろうと納得し、次の行動を起こすことにした。

 

「よし、じゃあ神水のあるところに行こうか。ここから遠くなければいいんだけど」

 

ハジメは現在大怪我をしているのにも関わらず、全く動じていなかった。これも特典のおかげなのだろうか。

 

「魔力は…あんまり回復してないな。どれくらい休んだのかも分からんし、そこはしょうがないか。バビロンの中に日付と時間が分かる時計があればいいんだが」

 

そんな都合よくあるわけがないだろうな。ハジメはそう思いながら王の財宝を使うと…

 

「あった。あったよ。えぇ……しくったかな。もっと早く付けとけばよかったよ」

 

ハジメは無駄にキラキラした高級感溢れる時計を頑張って左腕に巻き付けた。右腕が粉砕骨折しており動かないので、体全体を使ってつける。そして約一分後、準備完了したのか歩き始めた。その速度は、一般人からしたらとても素早く、例えるならばジョギング中の陸上選手と言ったところだろうか。

 

「あれ…神水のある場所ってどう行くんだっけ?確か原作では……あぁ、思い出した。錬成か。俺と戦ったあの熊公よりだいぶ弱体化してる爪熊に襲われて、それから逃げる為にひたすら錬成してたんだっけか。…あれ、原作の爪熊って確か3mくらいだったよな。そう考えると…俺と戦った熊公が異常なのか、それとも原作ハジメくんが戦った爪熊が弱かったのか。まぁなんにせよ、俺はあの熊公と殺り合えて良かったな。原作の爪熊じゃあここまでこれなかっただろうし」

 

ハジメはそう言っているあいだにも錬成をし、壁だったところに正方形の穴を開ける。今のハジメの発言は原作のハジメくんの事を「弱い」と言っているように感じるが、本人にその気はない。至って普通のことを言っているという認識なのである。

 

「錬成、錬成、錬成、錬成、錬成、錬成、錬成、錬成…はぁ。疲れるな。錬成ってもっと楽に出来たりしないのか?」

 

錬成の効果範囲が8m程なので原作よりも楽をしているが、それでも結構きついことには変わりなかった。今でも魔力切れになりそうだし、頭がまだクラクラしているのだ。

 

「うぇ…しかもなんか気分悪くなってきたぞ」

 

それでもその気分の悪さを無視して錬成しながら歩いていると…

 

「これか…!」

 

上からぽちゃん…ぽちゃんと落ちているものを発見した。一件普通の水に見えるが、純度が桁違いである。まさかこれが?なんて野暮なこと、ハジメは言わない。

 

(いささ)か品がないが、ちょっとくらいは許せ」

 

すぐにハジメは顔を上げ、落ちてくる神水を一滴飲んだ。すると瞬く間に粉砕骨折している腕が治り始め、活力が湧いてくる。予想以上の効果だな、とハジメは驚嘆した。身体の一部がミシミシと音を立てているが、問題はなさそうだ。

 

「エリクサーにも勝るとも劣らない回復力。これならギルガメッシュ王も大量にストックしておくことを許してくれるだろうな。鉄の剣は…まぁ、許してくれないだろうけど」

 

神水であれば『何?エリクサー並の回復力をもつ水、だと?ふはははは!中々に面白いな。よい、許す』と言ってくれるかもしれないが、鉄の剣であれば『(オレ)の蔵にたかが鉄剣だと?その不敬、万死に値する!()く死ね、雑種』的なことを言われてしまうかもしれない。そう考えたハジメは、早いところ鉄の剣を使い切ってしまおうと思ったのだった。

 

「…ん?そういえば魔力も回復しているような」

 

ハジメは失念していたのだが、なんとこの神水、魔力も回復させるというスグレモノだったのだ!

 

「これは…原作のハジメくんが貯め込んでおく理由がわかった気がするぞ」

 

ハジメは錬成をし、神水が多く存在するところに向けて歩き出す。周りの道を充分に確保しながら進んでいるのだが、その分多く魔力を消費したとしても魔力切れを起こすことは無い。これは僥倖だ、と少しテンションが高くなってしまう。

 

「錬成っと…この辺が1番多いのか?」

 

歩き出してから数分後、ハジメは神水が一番多く存在する場所にたどり着いていた。ハジメは神水がどのようにして作られているのか知らなかったが、目の前で起きていることを見た瞬間に理解したのだった。

 

「なるほど…さっきは気づかなかったけど、この結晶が神水を作ってるのか。面白い代物だな。大きさとしては30cmから40cmくらいか。神水が流れ出す条件は……この結晶が内包する魔力が限界に達すること(飽和状態になること)か。知れば知るほど興味深いな、これ」

 

ラテン語で『海水』の意味をもつアクアマリンを更に濃くしたようなこの結晶は、実は『神結晶』と呼ばれており、歴史上では既に世から失われたものだ。

 

「取り敢えず…この中で大きそうな結晶をいくらか王の財宝の中に入れておこうか。後々絶対に役に立つ。俺の直感が言ってるんだ。間違っているはずが無いよな…だってこれ、特典の技能だし」

 

ハジメは錬成を駆使して神結晶だけを取り出す。こういう時錬成はとても便利だ。つくづくこの錬成があって良かったと思う。

 

「ありふれた職業だけど、ここまで便利なんだよなぁ。錬成を舐めたら足元すくわれるぞ」

 

クラスメイトには一度似たようなことを言った。錬成師だろうがなんだろうが、使い方次第で最強に君臨することは可能。だからレアな天職だからって調子には乗らない方がいい。慢心なんか論外だ。絶対にするな。強者でもないのに慢心すればそれはただの愚か者。そうならないように日々強くなるため励んだ方がいいよ、と。一見上から目線のウザイ奴、そう思えてしまうだろう。しかしほとんどのクラスメイトはハジメの優しさを知っていた。それ故にこの言葉を心に刻む人が多かったのだ。

 

「結局檜山たちは更正出来なかったし、というかアイツら余計に俺に対するいじめが酷くなってたし。天之河は天之河で相変わらず話を聞いてるのか聞いてないのか分からないくらいの変な解釈するし…あークソ。絶対将来めんどくさいやつやん。出来れば俺の方に厄介事は持ってこないでほしいなぁ」

 

原作を一度読んだことがあるだけに半端ではあるが知識がある。これから起こるであろう出来事の多くを知っているのだ。

 

「まぁ、後のことはあとの俺に任せよう。きっと何とかしてくれるだろうしね。んじゃ、疲労が蓄積されてきたので一休みしますか」

 

ハジメは思考放棄をし、すぐさま眠り始めるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「南雲ハジメが奈落の底に落ちてから四日が経過した。彼のクラスメイトたちは既に南雲ハジメは死んでいると思っており、更に国王たちからの圧力で捜索は断念。メルド団長たちは悔しがっていたが、どうすることも出来なかった。その時南雲ハジメが行っていたのは…!なんと人間には猛毒であると言われている魔物の調理であった」

 

最近人と接していないため人肌が恋しいハジメ。それを1人で喋ることで紛らわせていた。傍から見ればもうヤバいやつ確定である。もし人がいたならば

 

「ママー。あれ何?」

 

「こら!見ちゃいけません!」

 

というテンプレが起きるくらいだろう。

 

「バビロンの中に入っているこのすんごい包丁。魔物の肉もスッパスッパ切れちゃうね。これで料理もやりやすい。手入れが大変だけど」

 

父がゲームプログラマー、母が少女漫画家であるハジメは、よく親や自分のためにご飯を作っていた。そのため家事全般は得意なのだ。一家に一人欲しいくらいである。

 

「だけど…調味料がないよな。火は安心安全の"火種"があるとして………ん?あぁっ!困った時のバビロンさんだった!」

 

ハジメはバビロンから胡椒(コショウ)や醤油、一味唐辛子など色々調味料を取り出す。料理酒やみりんも忘れずに。

 

「ぶっちゃけこんなに使わないんだけど…調味料が多いとデキる男!って感じがするしまぁいいか」

 

鼻歌で気分を盛り上げながら魔物の肉を焼いていくハジメ。今作っているのはウサギちゃんのステーキだ。さっき二尾狼のステーキを作り終えたので、今はウサギちゃんの方に着手しているのだ。

 

「肉肉肉肉肉…肉ばっかりだな。三大栄養素のタンパク質をとれるってのはいいことかもしれないけど流石にそれ以外もとりたいな」

 

タンパク質というのは筋肉や臓器を構成する上で大変重要な栄養素である。そのため強くなるにはしっかりと摂取しておいた方がいいのだが…さすがに飽きというものもあるし、食べすぎるのもあまり良くはない。

 

「よし、出来た」

 

じゃあ食いますか。と、ハジメは左手にコップを持ち右手に箸を持った。コップの中には神水が入っており、いつでも準備OKだ。

 

「いただきまーす」

 

ハジメはそのまま豪快に二尾狼のステーキにかぶりついた。

 

「うん、美味しい。って言うとでも思ったかヴァカめ!」

 

テンションをここまで上げないと食べることが出来ないほど二尾狼の肉は不味かった。

 

「うーん。控えめに言って不味い!じゃあ次、生きている頃は可愛かった…ん?可愛かった?まぁいい。ウサギちゃんの肉だ」

 

ハジメは二尾狼の肉より美味しいことを願おうと思いながらかぶりついた。

 

「うん…ん?さっきよりマシやんけ」

 

ハジメは驚愕した。普通に二尾狼よりマシだったのだ。

 

「これなら食べれ…る…か…グッ!がぁぁぁ!いっ…ひ、ぐぅ!」

 

すぐに痛みを和らげるために神水を飲むハジメ。しかし痛みが引くのは一時的なもので、すぐにまた痛みが襲ってくる。

 

「あっ…が!ぐぅぅ!」

 

唇をかみしめ痛みを必死に我慢しようとするが、それでも声が漏れ出てしまう。

 

「いっ…!ぎぃぃぃぃあぁぁぁ!」

 

完全に声を抑えることが出来なくなってしまった。呼吸も苦しくなっており、激痛に悶え苦しんでいる。自分という存在が作り替えられていく感覚にハジメは嫌悪感を露わにするが、それどころではなくなった。先程よりも数段キツい痛みが彼を襲ったのだ。あまりの辛さに絶叫するハジメ。そうでもしないとやっていけない。すると、ハジメの身体に変化が現れた。なんと脈動を始めたのだ。それと同時にミシミシ、メキメキ、とあまり人の身体から鳴ってはいけない音がする。しかし次の瞬間には治っていることから、神水の効果なのだろうと容易に想像出来た。繰り返される破壊と新生。ハジメの肉体は破壊されるたびに強くなり再生していく。その過程でハジメが予想していたことが起きた。なんと髪の毛の色が日本人特有の黒から、まるでお年寄りみたいな真っ白になってしまったのだ。それだけではない。ハジメの身体に魔物が持つ赤黒い線が浮き出た。厨二病ならば喜ぶだろうが、あいにくだがハジメは厨二病ではない。こんなのを見ても喜ぶどころか恥ずかしがるだろう。

 

「はっ…はっ…はぁ…ふぅ…」

 

数分後。痛みは完全に引いていた。ハジメはゆっくりと呼吸をし、よいしょっと。と立ち上がった。

 

「うわぁ…覚悟はしていたが、やっぱり好かないな。この線があるとなんか魔物にでもなった気分だ。これについては原作ハジメくんに全面同意だな」

 

と、背筋を伸ばした時、大きな違和感を感じた。

 

「ん?身長が伸びてるな。170は確実に越えてるぞ、これ」

 

急に目線が高くなったことに気づいたハジメ。しかし伸びたことによる問題も発生する。

 

「身長が高くなるのは構わないんだが…うーん。急に伸びるとズレが起きそうだし、暫くは体術とかの修行だな」

 

そう。ハジメが懸念していたのは急に身長が伸びたことによっていつも通りのパフォーマンスが出来なくなるのでは、ということだった。

 

「幸い時間はあるんだ。ゆっくりと調整していこうか。……あ、そういえばステータスはどうなったんだ?魔物を食べたってことは固有魔法が増えているだろうし、ステータスも上昇しているはずだ」

 

そう言って懐からステータスプレートを取り出した。

 

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南雲ハジメ 17歳 男 レベル:5

天職:────────

筋力:1400

体力:1230

耐性:2000

敏捷:1760

魔力:2900

魔耐:1420

技能:錬成[+道具作成][+弓矢作成][+高速錬成][+消費魔力減少]・胃酸強化・投影魔術・神性・気配遮断・気配察知・黄金律・縮地・カリスマ・言語理解・騎乗・巨獣狩り・剣術[+無明三段突き][+斬撃速度上昇]・格闘術[+威力増大]・直感・高速詠唱[+高速神言]・陣地作成・自陣防御・自己改造[+自己進化]・戦闘続行・千里眼[+読心][+未来視]・全属性適性・全属性耐性・纏雷・天歩[+空力]・複合魔法・対魔力・魔力操作[+魔力放出][+魔力防御][+効率上昇]・矢避けの加護・勇猛・直死の魔眼・宝具[+王の財宝][+五行山・釈迦如来掌][+流星一条][+消費魔力減少]

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「ステータスが原作と結構違っていたからちゃんと上昇するか不安だったところもあったが…問題なく上がってるな。よしよし…この調子で頑張っていこう。二尾狼とウサギちゃんは食べたからもう食べてもあんまり上がらないし…そうだ。今度は爪熊辺りを狙うか。というか、ステータスがかなり見づらいな。もっと見やすくできないものか…」

 

派生技能があると余計見にくいのだが、まぁこれは仕方ないだろうと無理やり納得した。

 

「よし、じゃあそろそろ固有魔法の方に移って行くか。まずは…そうだな。"纏雷(てんらい)"から検証してみよう」

 

ハジメは電気をイメージしながら"纏雷"を発動させてみた。

 

「お…なんだ、心配してたけど問題なくちゃんと使えるな」

 

固有魔法はイメージが重要なのだ。イメージが強ければ強いほど威力を発揮する。無論、レベルや保有魔力量によっても変わるだろうが。

 

「…そういえば、"纏雷"が使えるなら試してみたい技があるな。日本の金って持ってたっけ?いや、別に日本の金じゃなくてもいいけど」

 

ハジメは王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)を漁った。すると、

 

「お、見つけた。そういえば何かあった時のために財布の中に小銭を大量に入れてたんだったな。財布をバビロンの中に入れてたのが幸いしたよ」

 

財布の中から十円玉を取り出し、ピンッ!と弾くハジメ。一体何をするのだろうか。

 

「よし。いけそう…だな」

 

十円玉をキャッチする。そしてもう1回十円玉を弾き──

"纏雷"を使いながらそれを弾くようにして撃ち出した。バチバチバチ!とハジメの右手が電気を纏っている。そう。ハジメが今試したのは『とある魔術の禁書目録(インデックス)』や『とある科学の超電磁砲(レールガン)』にて、主人公、またヒロインの御坂美琴(みさかみこと)が使っている技。その名も『超電磁砲(レールガン)』。物体に電磁加速を加えて放つというそれは、音速の3倍を優に超える。目の前に塞がる障害物は全てなぎ払い、周りには衝撃波を撒き散らすほどの大技だ。摩擦によって弾丸として使うコインやお金が溶けてしまうため射程は短いが、これは充分に使えるだろう。

 

「うん。文句なしだ…使うまでの時間を除けば素晴らしいね。しっかし、いっぺん使ってみたかったんだよな、この技。今無性に感動してるよ」

 

ハジメは前世でオタクというわけではなかったが、友人に重度のオタクがいたためによく色々なアニメだったりライトノベルだったりの話を聞かされてきた。そしてその中でとあるのことを聞いたのが高校生の時で、その時こういうのを1回でいいからやってみたいと思うようになったのだ。つまり、友人が前世のハジメをサブカルチャーに引きずり込んだのだ。

 

「…おっと、感傷に浸るのもいいけど次に進もう。時間があるとはいえこうしているのはもったいないからな」

 

こうしてハジメが次に試すのは"天歩"だ。高速移動の際には重宝されるだろう。一気に踏み出そうとした瞬間、魔力が足元に集まりそれが爆発した。

 

「げっ!?」

 

結局前に行くことが出来ず上に跳んでしまった。いつの間にか目の前には天井があり……

 

「ぐはっ!?っつー!」

 

ハジメの頭が天井にめり込み、ぶら下がった状態になった。ハジメはそのせいでテンションが下がりに下がったためしばらくそのままでいる。そして数分後、天井から脱出したハジメはブツブツブツブツ何かを言っていた。

 

「なんで俺はこういう時に限っていつもいつもやらかすんだ。はぁ…やっぱり俺ってなにか呪われてるよね?なに?ここってギャグの多い世界だったのか?もっとシリアスでユエちゃんマジ正妻みたいなハジメくんがラブコメしながら『俺の前にひれ伏せ雑魚ども!フハハハハ!』みたいな魔王っぷりを発揮する世界じゃないの?ここまで不運って…技能に書いてないだけでホントは何かバッドステータスがあるんだろう?そうならもうステータスプレートにちゃんと書いてくれたらいいのになぁ」

 

色々爆発したハジメ。どうやら一人が寂しすぎて情緒不安定になっているようだ。あと、たまにギャグのようなことが起きるのは『南雲ハジメ』が主人公だからである。本人は知る由もないのだが。

 

「…俺はなんて恥ずかしいことを。こんなの知人に見られたら社会的にお陀仏してしまう」

 

数分後、気を取り直してハジメは"天歩"の派生技能"空力"を試すことにした。これは恐らく名前のままだろう。

 

「空力ってからには空間に足場を作ったりする技能だろうな。つまり空を歩くことが出来るわけだ」

 

ハジメはそのまま何も無い空間に乗った(・・・)

 

「うん。これは汎用性高いね。多分これから大量に使っていくんだろうな」

 

ハジメはもうちょっと練習するか、と時間を見ながら"天歩"を使い、また天井にぶら下がるのだった。

 

「もう…勘弁してくれよ………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そういえば、なにかの漫画でワカメみたいにヌルヌルした動きを見せるキャラクターがいたな。やっぱり柔軟性ってのは重要だと思うし、俺もちょっとだけ試してみるか。やれそうなら取り入れてく感じで」

 

というわけで、二尾狼の攻撃を避けているのは南雲ハジメだった。普段ならば二尾狼?用はねぇ!と即コロコロしていたのだが、今日は少し違っていた。なんとハジメ、目隠しをしているのである。

 

「目隠しをしながらワカメのように柔らかく…中々難しいけど、毎日長座体前屈とかいう体力テストで多くの人がお陀仏するやつをやっていたおかげで少し柔らかいし、使えるな」

 

「グルルルゥ…ガゥ!」

 

二尾狼は激怒していた。目隠しをされている上にここまで舐めプされているのだ。むしろ怒らない方が異常である。

 

「グル…ガァウ!」

 

大勢の二尾狼がハジメを囲み、電撃を放ってくる。それをギリギリ避けていくハジメ。二尾狼はハジメが今の攻撃も避けたことに驚愕していた。

 

「ん?ワンコロ、それで終わりか?」

 

ハジメが今やっていたのは空気の流れを感じるんだ!とかいう常人では不可能なことだ。まだ完全に出来ている訳では無いので即反応することが出来ないのだが、即反応出来るようになるためには二尾狼がうってつけの相手だった。もちろん気配察知の技能は使っていない。使っていたら修行にならないからだ。

 

「じゃあ、そろそろ終わりにして…と。今日の昼ごはんはコイツらだな」

 

ハジメはバビロンの中から鉄の剣を取り出し一匹を約0.07秒ほどで殺した。熊公と殺りあってた時は0.1秒程度だったのだが、いつの間にか成長している。そして、あまりの速さに二尾狼は唖然としていた。

 

「……」

 

狼でも口を大きく開け、放心するということがあるようだ。

 

「ほほぅ。なるほどなるほど。これは勉強になるな」

 

ハジメはクスッと笑い、最後に纏めて10を超える放心中の二尾狼を倒したのだった。

 

「二尾狼の美味しい食い方って何かないのかねー。そのままステーキにしたらクソマズ料理だし、うーん。そこまで臭みがあるって訳でもないんだよなぁ…一体何が原因なんだろ。まぁいいや。そのうちなんとかなるでしょう」

 

二尾狼を倒してから数十分後。血抜きをして自分の仮拠点に二尾狼を置いておくハジメがいた。

 

「結局爪熊は見つからないし、どこに行ったんだろうなぁ。流石にそこまで個体が少なすぎるってことはないだろうし…隠れてるのかね?」

 

流石にないか、とハジメは笑ったあと、余計な考えを捨てた。が、実はそうなのである。爪熊たちは、自分よりも明らかに強い爪熊(熊公)の気配をビリビリと感じていた。そしてそれが倒されたとわかった途端に隠れ始めたのだ。

 

「うーん。本気で爪熊がいないようならどんどん『オルクス大迷宮』を攻略していくしかないよな。どうしようかなぁ…」

 

ハジメは原作と違って地球(故郷)へ帰りたいなどとは思っていない。何故ならあっちではこの世界のように戦うことが出来ないし、自分の能力的にはこちらの方が適しているからだ。精々両親や向こうの世界にいる友達は元気なのかな?程度である。やはり2度目の生だとこうなってしまうのだろうか。

 

「概念魔法か。概念魔法ねぇ…手に入れるためには神代魔法がいるみたいだけど、どうしたものかな。手に入れたらステータスプレートに書かれる。書かれたら技能欄がさらに見えにくくなる。ホント、どうしたものかなぁ」

 

今でも技能が多くてステータスプレートが見にくいのに、これ以上増えたら欄が無くなりそうだな、とハジメは困っていた。

 

「あ、そういえば完全に話逸れるけど…この世界って並行世界の概念はどうなってるんだ?やっぱり型月の世界みたいに編纂事象(へんさんじしょう)剪定事象(せんていじしょう)に分かれてたりするのか?」

 

尽きない疑問に心が踊り始める。ハジメは迷宮の攻略をどうするか考えていたはずなのに、今は完全に別のことを考えていた。よく話が逸れていくちょっと残念なハジメくんである。ちなみに編纂事象(へんさんじしょう)剪定事象(せんていじしょう)の説明を簡単にすると、編纂事象は選択肢に多少の違いがあっても未来は同じになるという並行世界。一方、剪定事象はその全く逆で、完全に別世界となり最後には滅びゆく並行世界だ。このことは頭の片隅に入れておいたほうがいいかもしれない。

 

「……まぁその辺はまた後で考えても大丈夫か。とりあえず、迷宮攻略を始めますかね。あんまり気は乗らないけど」

 

ハジメは軽く肩や首を回し、服装を整えて出発するのだった。




ステータスプレートに新たな宝具が…?これは熊公と殴りあった結果貰えたものですね。いわば友情の証。そこに痺れる憧れるぅ!

はい。スミマセン。

このハジメくんは寂しがり屋です。数日間一人ぼっちなので、結構メンタルブレイクしてます。
ハジメくんは型月について詳しくないです。作者も詳しくはな
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