アズールレーンカッコカリ   作:文系グダグダ

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プロローグ(作風・世界観の説明)
1:エンタープライズは指揮官と添い遂げたい


「指揮官、好きだ。結婚しよう」

 

 乱入者の一言に通常営業していた執務室の空気が一瞬で凍る。指揮官に交渉策について掛け合っていたブルックリンが書類を思わず落とし、秘書艦として指揮官の補助役及びリマインダーとして背後に陣取っているヘレナは思考が止まり、フリーズする。

 そして、指揮官のお世話とご奉仕という題目で部屋の片隅で侍るベルファストはその眼を大きく見開き、その後の動向を注視していた。

 

 指揮官はそんな中、真正面に居座る乱入者をじいとみる。乱入者は指揮官とは執務机を挟んだ形で見下ろしている。特大の爆弾を落としたと言うのに悪びれも、恥ずかしげも無く悠然としている。

 そして、指揮官の反応を……彼の一挙手一投足すら見逃さんとほかの艦など眼中に無いように彼を見ていた。

 

 見た目や服装はいつものノースリーブの白シャツに黒ジャケット、おそらく下半身は黒のプリーツスカートに黒タイツ、そして黒ブーツであろう。

 しかし作戦予定のない執務室という空間にはあまり似つかわしくない位に彼女のその身には左側に長大な飛行甲板、右に得物である大弓を……一種の完全武装の状態であった。

 

「それは、この間の任務で授かったコレが欲しいということかい?」

 

 指揮官がそう言って、執務机の引き出しから取り出したのはいかにも高級そうな小さな小箱。

 その瞬間、エンタープライズ以外の艦は一斉に視線を向けた。任務の報酬として支払われたコレはリングケースであり、その中身は【誓いの指輪】という代物である。

 知ってか知らずか指揮官はリングケースをパカッ、と開く。箱の中に収められた、宝石も装飾も無いシンプルなデザインの銀灰色の指輪が覗かせる。

 

 ――噂には聞き及んでいた例のモノが現実に……

 

 その指輪の放つ迫力に他に居合わせている艦船は思わず生唾を飲み込んだ。それがヘレナなのか、ブルックリンなのか、ベルファストなのかはわからない。

 

「いいや、違う。

 指揮官……貴方自身が私は欲しいんだ」

 

 しかし、エンタープライズは眼中になどなかった。そんなものには興味はなかったからだ。

 

 【誓いの指輪】はいわば強化装備の一つ。指揮官と艦船とのさらなる信頼関係と絆を深めることにより、さらなる潜在能力を引き出す……というのが大本営の見解であり、指揮官に人脈と権限さえあれば幾らでも用意することが出来、何隻でも活用することが出来るからだ。

 

 こんどこそ他の艦船は言葉を失った。まさに絶句という言葉が似合うほどに。

 もしこの場に居合わせた艦船が気の弱い――例えば、軽巡洋艦のライプツィヒのような者ならば、卒倒しかねないほどであった。

 

 冷たい空気から一変、ピリピリと緊迫した空気が流れる。

 恐らくエンタープライズは執務室に赴く直前に、当母港の倉庫に置かれている強力な艦載機を装備し、強化部品も当母港が保有する最高の物品を装備しているだろうということは明白であった。

 

 傍にいるブルックリンとベルファストは艤装を展開し砲口を向ける。電探をせわしなく作動させ動向を伺う。

 ベルファストに至っては何処から持ち出したのかナイフ投げのように魚雷を持ち、いつでも放つことができるようにしていた。

 ヘレナは指揮官とエンタープライズの間に割って入り、指揮官を抱きしめて庇っている。

 

「ありがとう、大丈夫だ……二人とも艤装を収めて……そうだ。ありがとう、いい子だ。

 そうか……それにしては、少しばかり物騒とは思うが?」

 

 ヘレナの耳元で囁やき、拘束を解いてもらい、ベルファストとブルックリンの艤装の展開をやめさせ矛を収めさせる指揮官。

 そして、指揮官の眼光に対して折れたのか渋々、といった感じに艤装をの展開を解く。

 この場にいる艦船はなんだかんだといって、黎明期から建造で引き当てた艦船達であり、付き合いとしては最古参に近い存在であった。

 指揮官はエンタープライズが早まった真似をしないことを信じており、また彼女たちは指揮官の指示は見誤ることは恐らくは無いだろうと信頼を寄せていた。

 

「こんな時、どうすればいいのかわからなくてな。姉や妹にも聞いたが、はっきりできなかった。

 だけど指揮官にはわかって欲しいから、この格好にしたんだ。私が冗談で言っている訳ではないと」

 

 理由としては武勲艦らしく、そして真面目な彼女らしい物に、指揮官は微笑ましく思った。

 その余りにも可愛らしく思える理由に無意識ながら口角が吊り上り、うっすらと笑みを浮かべるほどに。

 

「ふむ……君の言いたいことはわかった。

 けど、納得したいところがある。君が好きになった理由を教えてほしいな」

 

 エンタープライズとこの指揮官のなれ初めは別に些細なことである。

 とある新人指揮官が戦力拡充の為にコツコツと備蓄していたなけなしの資材と資源をつぎ込んで建造した結果、運良く打ち勝っただけのことだ。

 

「君がエンタープライズか……栄えある武勲艦に力を貸して頂けるとは光栄です。よろしくお願いします」

 

 普段はどこにでもいるような、よく言えば気さくで人の良さそうな、おおよそ英雄や猛将・智将には程遠いような人間のよう……

 彼女は初めに指揮官を一目見た時の印象であった。

 

 事実、彼は兵器である艦船達をヒトと同じように扱い、装備や戦力の拡充のほかにも、寮舎の改築・増築や希望する家具の設置・模様替えを行ったり。

負担がかからないように委託や演習・訓練等の配置転換や、大きな格差が起こらないように練度の平準化や、計画的な強化等を行い。各陣営出身の艦船の文化・陣営の違いで起こる摩擦を少なくするように規律を調整していたのだった。

 

 この間は新人指揮官でもあった為か、大きな作戦に駆り出されることも無く、直接的な脅威度の度合いが低い、後方海域での任務・作戦行動にとりかかってもいた為に、エンタープライズはこの指揮官を文官出身か戦闘の苦手な内政向きに人間なのだろうと思っていた。

 しかし、その艦隊運営における手腕は彼女をも唸らせる程であり、それが大きな魅力に欠けた人物であっても、エンタープライズ含め、黎明期組やそこに近い世代の艦船達にとっては好感が持てた。

 

 だが、彼女はある時を契機に考えを改めることとなる。

 

 

 

   ■   ■   ■

 

 

 

 きっかけは新規に着任した指揮官のお披露目も兼ねた観艦式と航海演習。

 人脈も繋がりも薄い指揮官の為の機会とも、自軍は未だ健在であり、未来の元帥になるやもしれぬ若き獅子達……上層部になりうる程のエリート、国の人的資源が優れていると他方に強調する為の催しであった。

 

――突然の奇襲

 

 新米もいるが、力を誇示するためにベテランも多数配置されており、このような大戦力に挑む奴はいない……と心の奥底では思っていたのだろう。

 そのありえない事が意表を突く形で戦争が始まってしまった。

 

 だが彼は違った。

 

 突如始まった戦闘、演習場として設定された海域は瞬く間に戦場となる中、彼は指示を飛ばす。

 いきなりの急変に困惑するエンタープライズ達をよそに、指揮官は意図を説明する。浮き足立っている我々を見て、奇襲が無事に成功したと確信し、胸を撫で下ろして気を一瞬緩めている敵の寝首をかく……と

 

 その時の声は不思議と威厳と安心感に包まれていた。

 

 指示通り進軍し、彼女達の予想とは裏腹に驚くほどに空襲や遭遇戦も無く、恐ろしいほど静かな戦場にて、その指揮を行う敵軍の中枢艦隊に向けて護衛艦隊の一角を食い破り、その手を伸ばす。

 作戦行動中、エンタープライズ達の戦闘を阻害しない程度に、しかし矢継ぎ早に指示を飛ばす。

 普段とは全く違う、指揮官の声色に艦船達は戸惑いを隠せなかった。

 

 しかし、困惑はすぐに氷解する。

 

 なぜならば、指示通り従った戦艦の砲撃が面白いように敵艦を炎上させ、放たれた魚雷は水平線の彼方から次々に水柱を高々と上げたからだ。

 

「終わりだっ!」

 

 彼女が放った艦載機はまるで魔法のように、敵軍の迎撃や対空砲火を受けることなく、量産型艦隊の大群に突っこみ、爆弾と魚雷で蹂躙する。

 

 ――あの人の指揮の下で力を振るう事に、この上ない快感を感じた。

 

 すべての歯車が噛み合い、面白いように戦果を上げていく様はまるで現実感がなく、非常なまでに高度化された……云わば生きたシステムの様

 2艦隊、計12隻の艦は敵軍を食らい、血を漱ぐ野獣の牙や爪なのだ。

 

 声に成らない断末魔を挙げて、レッドアクシズの艦は爆焔に消える。

 彼女が指揮を採っていた旗艦だったのだろう、敵部隊は波が引くかのように急速に後退を始める。

 

「勝ったのか……」

 

『各員に次ぐ、敵の撤退を確認した。本艦隊は全艦撤収行い、補給及び艤装の修理に取り掛かる。

 これから起こるであろう追撃戦に関してだが、敵軍は勢力圏内に向けて撤退を開始している。

 しかし既に、友軍は対応部隊の編成が終了しており、現在全力で航行中である。快速艦及び空母・巡航全艦を主軸として一部艦隊は敵軍最後尾に位置する殿部隊を足止めしつつ主力部隊を迂回、残存する敵軍主力部隊に攻撃を行い更なる出血を強いる作戦のようだ。

 当艦隊は補給と修理が済み次第、後詰と殿部隊の包囲殲滅に取り掛かる。

 敗残兵とはいえ、殿を志願する以上敵は一種の死兵である、想像よりも激しい抵抗が予測される。気を引き締めてかかれ。

 

 以上だ。

 もう一度、聞いておきたい事はあるか?』

 

 指揮官の指示にエンタープライズが旗艦として指揮を行う艦隊の前衛部隊を務める重巡、プリンツ・オイゲンが眉間にシワを寄せ、不快感と怒りを露にした。

 

「待ちなさい指揮官!私は追撃戦を進言するわ!

 損傷はまだ浅い!このまま敵をもっと、モット沈められる!」

 

 追撃戦は云わばボーナスゲームとも言われることもある、古来より勲功を立てるには一番手っ取り早く、チャンスであるからだ。

 それにプリンツ・オイゲンの言う通り、今のところはまだ誰も耐久が危険域に達していない。

 弾薬に関してはやや心もとないが、道中の友軍の弾薬集積所を活用すれば良い。それこそ撤退時にレッドアクシズの遺棄した物資としての弾薬と応急措置修理装置や、それを載せた補給艦を簒奪すれば問題は無いだろう。

 

『却下する。当艦隊は追撃戦に耐えうる能力を有しておらず、作戦遂行における戦闘力を喪失した状態である。』

 

「だったら、もっと装備を強化しなさいよ!それにもっと強力な装備を寄越しなさい!」

 

 最もな意見だとエンタープライズは思った、だが現実的では無かった。

 確かに強力な……金の装備箱からたまに出てくると言う良質な装備があれば、さらに限界の10段階の強化改修を施すことができるのならば、戦闘を優位に進めていくことができるだろう。

 

――その為だけに、学園の購買部に膨大な資金を費やす指揮官もいると彼女は時折何処からか流れてくる噂として聞き及んでいた。

 

 しかし、金の装備箱から出ている良質な装備は必ずしも手にはいるわけではない。100個もの金の装備箱を開けて手に入らない事もあると言う。

 

 装備の強化改修にしてもそうだ。

 強化の際には資金の他に、装備に適した改修パーツが必要になる。始めはちょっとした資金とそこそこな質の改修パーツで賄えるが、強化改修した度合いに応じてさらに多くの良質な改修パーツと資金が費やされる

 

 それを着任して幾ばくもない指揮官にしろというのは酷な話であった。

 

――さらに指揮官を擁護するならば、着任して短い故に全体的に練度が高くない事も挙げられる。

 これらに関しては時間が解決するのだが、今回の襲撃はそんな指揮官達の艦隊事情も知る由もないだろう。

 

『それは貴様の無能さ故の事だ。

他に質問が無いようならこれで通信を終わる』

 

「クソっ!」

 

 指揮官は冷酷に判断を下し、プリンツ・オイゲンに言い渡した。

 普段のような覇気もカリスマも無い。ただの平凡な一士官のようにしか見えない彼とは違った一面をこの戦闘を通じて彼女たちは見ていた。

 その後質問もなく、時間が押しているのだろう、一方的に通信が切られ、プリンツ・オイゲンは悪態をつく。

 

「どうする? アイツに従うの?エンタープライズ」

 

「指揮官の言うことは理にかなってる。ここは退こう。

 確かに、殿を務めるのは練度の高い者だ。それに比べて、我々は結成されたばかりの新参部隊だ。だから、万全をもって事にあたるのは間違ってはいない。

 そして、既に追撃用の部隊が向かっている以上、戦局はそう悪い結果にはならないだろう。

 

 むしろ、功を焦って損害を出しては、相手が勢いづいてしまうからな」

 

 エンタープライズは指を折りつつ、理路整然に撤退理由についての考察をプリンツ・オイゲンに言い聞かせる。

 

「……ふん、つまらないわね。

凡夫にしては頭が随分キレるのが余計に」

 

「ですが、まだお若いというのに、布陣を掻い潜って指揮中枢を一気に叩きのめすその手腕は私達にとってこれ以上なく頼もしい物です。

ロイヤルメイド隊のメイド長としても……私個人としましても、誠心誠意を以てご奉仕するに十二分に値いたします」

 

「指示通りに雷撃したら、面白いように次々当たって、綾波は楽しい……です。

頼もしい指揮官はバッチコイ……です」

 

 つまらなそうにするプリンツ・オイゲンに対して、ロイヤル所属の軽巡洋艦・ベルファストと重桜所属の駆逐艦・綾波は異なる意見を述べた。

 

「ふーん。じゃ、あんた達はどうなの?アリゾナ、イラストリアス」

 

「指揮官様はこの戦いの勝利に大きく貢献し、イラストリアスの期待に応えてくれました。

だから、イラストリアスも指揮官様の事を認め、この艦隊に勝利をもたらす為に、微力ながら尽力したいと思いますわ」

 

「私は……指揮官様なら、仲間を失わずに戦っていけると、期待しています……

その為に私の力が必要ならば……私はこの大砲で以てこの力を奮いましょう」

 

 ロイヤルの空母であるイラストリアスとユニオンの戦艦、アリゾナの両方は、かねがねこの若き指揮官を有望視する意見であった。

 これ以上意気地になっても意味がないと感じたプリンツ・オイゲンは軽くため息交じりに肩をすくめる。

 

「そう……観念するわ。

 エンタープライズ、信号弾を、撤退しましょ」

 

エンタープライズは事前に支給された信号拳銃を取りだし、撤退の合図として指示された弾薬を装填する。

予期せぬタイミングで始まった初めての実戦。その興奮と死への畏れ、そして勝利の酩酊感をミキサーでグチャグチャにかき混ぜたようなような感情を胸に、信号拳銃を空に向ける。こわばった指がトリガーを引き、撃針が薬室を撃ち、硝煙を立てた時、生の充足が魂を震わせ、肉体に溢れる。

 

 

――これが戦争だ。

 

――戦いに次ぐ戦いの幕開けなのだ。

 

 

   ■   ■   ■

 

 

 

「ふむ、つまりは……一緒に過ごし、共に戦ってきたから……と」

 

「む……そのような単純なものではないのだが……」

 

 エンタープライズの『指揮官の好きな所』話をにべもない形で総括する指揮官に不満げな表情を浮かべる。

 

「まあいい、指揮官。答えを聞かせてくれ」

 

 しかし、論点はそこではない。

 彼女にとっては指揮官の是非を問いたいからだ。

 

「……そうか、気持ちは嬉しいが……断るよ」

 

 指揮官はエンタープライズから視線を外し、目を瞑りしばし黙考する。

 そして、考えを巡らせた後、本当に言ってしまっても構わないだろうか……といった風に躊躇しつつも、落ち着きを払い、聞き間違えの内容なはっきりとした声色でエンタープライズに答えを伝えた。

 

「っ! そうか……しかし、なぜだ?なぜなんだ?」

 

 指揮官の明確な拒絶に彼女の瞳が大きく揺れた。

 しかし、一抹の希望を持つため、理由を問いただす。

 

「それは私は人であり、君は艦船……兵器だからだ」

 

 絶句。

 

 今まで動じなかったエンタープライズが目に見えて狼狽えた。

 しかし、周りの艦船達も指揮官のその言葉にひどく動揺を起こした。

 

「ご主人様、私たちにもわかるように、ご説明をお願いいたします」

 

 言葉が出ない艦船の中、いつもとは違う、震えの混じった声でベルファストは指揮官を問いただす。 

 

「君たちは我々人と同じような体を持ち、感情を持ち、心を持ち、自らの意思でもって自立できる。

そんな君たちをモノとして扱うものもいるだろうが、私にはそうは見えない。

 生存の為に意思を持って行動する。それはいわば、生命に近いものだ。そして人と同じことが出来るのならば、人間と同等に扱うべきだ。

 

 だが、生命とは違い、生み出すことをしない。

 

 細胞分裂によって生まれる我々とキューブから生まれる君たち……根本から違う以上、どこかで線引きされるだろう。イルカとサルが交配できるかね?」

 

 執務室内に重い空気が流れる。

 指揮官の意見はもっともな意見でもある。

 人と限りなく同じでかつ意思の疎通ができるが異なる生き物であり、生命の根幹として子孫を残すなどできない。だからエンタープライズの求めには応えられないのだ。

 

「確かに、私とあなたは違う。

 

 私は兵器、貴方は人。

 

 子供だって産めるかわからない、貴方を悦ばせる事ができるかわからない」

 

 しかし、それくらいで引き下がる彼女ではない。

 

「だけど、貴方を愛しているんだ。止められないんだ」

 

 執務机をドンと叩き、指揮官に詰め寄る。

 興奮からか顔色が少し上気している。

 

「戦争が終わったら貴方はきっと軍から離れる。

 そうなったら私はもう貴方の側に居られない、そんなのは耐えられない!

 逢えない時間を全部、側に居られる一日に引き換える事が出来るのなら、惜しまずに差し出そう。だって、貴方を愛しているから、好きだから……」

 

 肩を震わせて、涙を浮かべながら語る彼女には、指揮官もその思いは本物であることが容易に察することが出来た。そして、エンタープライズは指揮官の右手を取り、両手で包み、自らの胸元に寄せる。

 

「貴方の側に居られるなら愛人でも何でもいい! 貴方が望む事ならどんなことでもなんだってする!

だから……私を連れていって、もらえないか?」

 

 そう語るエンタープライズ。だが、他の艦船は知っている。

 

 ――これは宣戦布告である。

 

 その手をがっちりを捕まえているのはエンタープライズは指揮官の事は絶対に逃がさないという意思表明。

 周りに最古参の一角である艦船ばかりにもかかわらず眼中にないこの行動は指揮官を独占したいという意思。

 

 それがそう思ってか、無意識なのかは知らないがエンタープライズははっきりと意思を示していた。

 そして、それを察したベルファストはその眼に光を宿した。その言葉にヘレナをブルックリンの両名も目に光と欲望の炎を灯す。

 

「兵器は人を選べない、だが私は貴方に使われたい。貴方の指示でその力を使いたいんだ。

 それに生き物が異なる? それがどうした?

 指揮官、貴方はとても素晴らしい人だ。……けど私は兵器でありながら人である貴方に劣情を抱いている、欲情している性癖倒錯者なんだ。すまない」

 

 指揮官は常識的で良識もある。裏目に出たと言えるが、これでは酷と言う物だ。

 

「私は他の国の艦船のような魅力も、姉妹と比べてもあまり面白みがないだろう。

 だけど、指揮官。貴方が望むなら、私はそのすべてを受け入れる。どんなことも喜んでやってみせよう。

 たとえ戦いが終わったとしても、私は貴方についていく。

 

 だから指揮官……

 

 ――私を貴方の色に染めてくれないか?」

 

 

 後に最強と謳われる大艦隊の中枢を担い、仲間から提督と呼ばれたこの指揮官の決断が、人と艦船という間柄に影響を及ぼす事を知らない。

 




素直クール流行らせコラ、流行らせコラ!(気さくな挨拶)

でもこれ正確には重い女系素直クールだなこれ(素に戻る)

ハーメルンのアズールレーンが思いのほか少なかったので生やしました。初投稿です。
鮮度重視で速さを優先したため、推敲及びレイアウトが甘いので、多分週末に直すと思います。

人気と需要と、あるいはやる気があれば多分ほかの娘も書く予定。
候補自体は決まっており、この話に出演している娘が候補になっています。
以下雑談








過去作(IS二次)を読んだことのある人はお久しぶりです。
リハビリがてら書きました。おそらく昔と比べて作風が変わりましたがいかがだったでしょうか?
楽しめたなら幸いです。
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