そんなわけで、リアルタイムで観てたこの作品を
ちょこちょこドラゴンナイトの設定も混じってたりしますけどね
ライダーバトルは続いていた。私は多くのライダーと出会い、助け合うこともあれば戦うこともあった。敗北したライダーは強制的にコアミラーと呼ばれる物質の中にとらわれた。その中には・・・由比ヶ浜さんもいる。彼女は私を助けるために私をかばって・・・私はどうしても許すことができなかった。彼女を倒した、あのライダーを。
「雪ノ下さん、ごめんね。ここで君を倒してしまうのは」
「くっ」
目の前にはその時のライダー。紫色の体にコブラを思わせるマスク。どういうわけか彼は異常なまでに私に執着している。話を聞いた限りでは以前私に告白して振られたことがあるらしいのだけれど。
「大丈夫だよ、ほんのしばしのお別れだ。僕が勝ち残って、君をよみがえらせてあげる。そうしたら僕たちは、永遠に一緒だ」
そういいながら彼はバックルからカードを取り出し、彼の専用のカードリーダー、ベノバイザーへ装填した。
「ユナイトベント」
バイザーから発されたその声とともに彼が契約している3体のモンスターが現れる。そのうちの一体、エビを思わせるモンスター・・・彼が由比ヶ浜さんから奪った・・・そのことがひどく悔しい。そして3体は合体し新たなモンスターへと変化した。
「じゃあ、またね」
そして彼は引いた。私にとどめを刺すためのカードを。3つのマークが描かれている、彼の最強のカードを。
「ファイナルベント」
彼との戦闘のダメージが大きい。私はその場から動くことができずにいた。彼は走り込みそのまま私を蹴りで吹き飛ばした。その方向にはあのモンスター。腹の口を大きく広げ私を丸ごと飲み込もうとしてた。空中で体制を整える暇もなく、バイザーも衝撃で手元から離れてしまった。絶体絶命、私はもうどうすることもできなかった。
由比ヶ浜さん、ごめんなさい。貴方の仇をうつって約束したはずなのに・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「アドベント」
私が待ち受けていた終わりは来なかった。突如現れた別のモンスターに王蛇のモンスターが弾き飛ばされたからだった。誰かが私を助けた?一体誰が?
私を助けたモンスターはすぐに目に入った。大きな龍。自らの契約者を守るかのようにその周りを飛んでいる大きな龍。そのライダーには見覚えがあった。鉄仮面のようなマスク、龍の紋章、左手のバイザー。とても見覚えがある。そのライダーもまた私の知り合いが変身したものなのだから。
「葉山・・・君?」
「またか・・・またかまたかまたか……葉山隼人ぉお!」
彼の姿を見た王蛇が先ほどまでの余裕をなくして叫んだ。
「僕は貴様が気に入らなかったんだよ!イケメンでリア充でおまけに雪ノ下さんと幼馴染だと?殺す!殺す!ここで貴様を殺してやる!彼女は君ではなく僕の隣にいるべきなんだ!」
攻撃対象を変えた王蛇が彼に向かっていく。その拳を難なく受け止めた彼は反撃した。今までも何度か葉山君が王蛇を止めようとするのは見てきた。しかし元来人の善性を信じる彼は止めようとする気持ちの方が強いため相手を倒すための攻撃をためらうことも多かった。しかし今の彼はいつもと違った。相手を倒すのにためらいがない王蛇はライダーの中でも強かった。それこそ本気で倒そうとしていた私をあしらえるくらいには。でもその王蛇が今押されていた。
「本当に・・・葉山君なの?」
その声に龍のライダーはこちらを一瞥し、肯定するでも否定するでもなく再び敵を見据えた。バックルからカードを取出しバイザーに装填する。
「ファイナルベント」
再び現れた龍は彼の周りを飛び回る。ゆっくりと浮上した彼は蹴りを放つ構えを取る。同時に龍から黒い炎が放たれる。王蛇は間一髪それをかわしたがその後ろにいた彼のモンスターはその炎の直撃を受けてしまう。その炎は王蛇のモンスターの足を地面に縫い付けるかのように動きを封じた。動けなくなったモンスターに彼の必殺の蹴りが決まる。その爆発に吹き飛ばされた王蛇が目の前まで転がってくる。しかし彼には変化が起きていた。毒々しい紫色から体は黒く変色し、バックルの中央にあった蛇の紋章も消えていた。それは彼が契約を失ったあかし、ブランク体と呼ばれる姿。今ならやれる。今なら倒せる。
「ソードベント」
バイザーにカードをセットし専用の武器、ウィングスラッシャーを召喚する。起き上がろうとした彼の前に立つ。
「由比ヶ浜さんの、敵・・・」
両手で勢いよくウィングスラッシャーを振りおろし王蛇の体を一閃する。すると彼の体は粒子状になり消えていく。少しずつ少しずつその体は消えていき、ついには完全に消えた。彼もまたコアミラーの中に転送されたのだ。カードデッキを残しながら。
ようやく果たせた。ずっと倒そうと思っていた相手を倒すことができた。でも私一人の力ではどうにもできなかった。だから、感謝の気持ちは伝えなくてはならないだろう。私は葉山君を探した。
見つけた。一人で長い廊下を歩いているその姿を。おそらくミラーワールドから外に出ようとしているのでしょう。その前にお礼を言わなくては・・・
「はや「雪ノ下さん!」えっ!?」
私の後ろから聞こえた声、それは間違いなく葉山君のものだった。振り向きながらその姿を確認すると鉄仮面のようなマスク、赤い複眼、龍の紋章に腕のバイザー。その姿は間違いなく葉山君の変身するライダー、龍騎のものだった。じゃあさっきの彼は?もう一度確認しようとしたけどそこに彼はもういなかった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
俺は一人、手にしたカードデッキを眺めながら物思いにふけっていた。
「やっちまったな~」
こんなところで作戦が崩壊するとは・・・もともと姿を見せるつもりはなかった。13人のライダー、その最後の二人になるまでは。それまでは姿をかくし、ひそかにモンスターや彼女に危害を加える可能性のあるライダーをつぶす。そういうつもりだったのに・・・
「けどまぁ、しょうがねぇよな」
幸い自分のことは葉山だと思い込んでくれているようだ。最初あいつのライダーとしての姿を見たときはびっくりしたがな。だってほとんど俺の色違いってだけだったわけだし。まぁあっちの方が正義の味方っぽいからどっちかというと俺が色違いの偽物ポジションだよな~、まぁそれでいいんだけど。
俺の願いは決まっている。その願いのためなら俺は頑張れる。やるしかないだろうから。雪ノ下はその優しさゆえに本気でほかのライダーをすべて倒したいとは思っていないだろう。むしろあの紫のライダーに対するものは大切なものを奪われた怒りからくるものだっただけで基本的にはこの戦いを好んでいない。それは葉山も同様だ。それでいい。あいつらはモンスターとだけ戦っていればいい。人知れず人々をモンスターの脅威から守る正義のヒーローはあいつらには似合っているだろう。なら俺はあいつらに知られぬように残るライダーを、見落とされそうな脅威を殲滅するだけだ。
そう決めた俺は鏡の中から覗き込んでくる相棒、ドラグブラッカーに目配せし歩き出した。
黒き龍は赤き龍の影であり、影として赤き龍の裏を生きる・・・
なお、当初の考えでは最終的に
龍騎=葉山と、リュウガ=八幡のタッグが……って感じでした
いや、流石にもう覚えてないですけどね