いろいろな短編みたいなの集めてみた   作:トマト嫌い8マン

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完全に見切り発車な奴ですね

ラブライブ!とのクロスオーバーは色々見ましたが、
このタイプは初めて、かな?

続く予定はないので、もしこのアイディア貰いたい!って人いたら教えてください。
譲ります笑


まさにそれは再来と呼べる出来事で(八幡×ラブライブ!)

演奏が終わったその瞬間、ほんの一瞬だけ訪れた静寂。

 

それは次に訪れた大歓声の前触れに過ぎなかった。

 

会場全体に響き渡った歓声を、きっと俺は忘れることはないだろう。

 

隣を見ると、一緒に来ていた奴らも、飛び上がったり声をあげたりと、会場の興奮に包まれていた。

 

その中で一人だけ、俺と同じように静かにステージを見上げていた彼女がこちらを向く。

 

「やったわね」

「ああ。ほんと、あいつらはすげぇよ」

「そうね。それに、彼女たちを支えて来たあなたも、ね」

「そんな大層なことはしてねぇよ。結局はあいつらの努力の成果だからな」

「もちろん彼女たちの努力の成果よ。でも、そこにはあなたの努力も込められているもの。だから、お疲れ様、比企谷君。平塚先生からの依頼は、もう達成されたみたいね」

 

決して大きな声で話していたわけではなかった。それでも、そう言って微笑む彼女の言葉は、周りの音を超えて、耳に届く。

 

「そうかもな……」

「ええ」

「まぁ、確かに変わったかもしれないな。あいつらと、それにお前らといたから。だから、まぁ、これからも頼むわ」

「ふふっ。ええ、友達ですもの」

「……だな」

 

最後に微笑み、彼女は再びステージを見つめる。俺も視線を戻すと、丁度こちらを向いた少女と目が合う。

 

鮮やかなオレンジを彷彿とさせる彼女は、ウィンクしてピースサインを見せる。それに軽く手をあげ応えると、彼女は他のメンバーと共に観客へ顔を上げる。

 

いよいよ始まるのは最後の曲。彼女たちの積み重ねたものは、今日、終わりを告げる。

 

「それじゃあ、行っくよ〜!」

 

その9人の少女たちは観客へと手をあげる。

 

「「「「「3(スリー)」」」」」

 

「「「「「2(ツー)」」」」」

 

「「「「「1(ワン)」」」」」

 

『———、ミュージック、スタート!』

 

その瞬間、視界が真っ白になった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「ん……んぁ?」

 

ボーッとする意識をはっきりさせるために頭を振る。どうやらバスの中で眠ってしまっていたらしい。

 

「随分懐かしい夢だな」

 

先ほどまで見ていた光景を思い出す。そう、あれは高校3年、奉仕部として受けた最も長期的で、最も密度の濃ゆい依頼の話。

 

忘れることはない、なんであの時思ったが、こうして夢にまで見ているのを考えると本当に忘れられない出来事だったらしい。

 

懐かしさに口元が緩むのを自覚しながらも、不思議と引き締める気にはならなかった。まぁ、実際引き締めなくても大した問題はないだろう。

 

今このバスには、自分以外の乗客はいないのだから。

 

 

「しかし、本当に田舎って感じだな……」

 

外を流れる海の景色に目をやりながら、一人呟く。

 

静岡県沼津市内浦。

 

愛すべき千葉を離れ、今日からここが俺の住む場所となる。

 

理由は単純、職場がここだからだ。

 

そう、専業主婦を目指していたはずが、比企谷八幡、現在22歳。バリバリの新人教師として、沼津の学校で教えることとなったのだ。

 

いや、元々は違った。本来は母校であるはずの総武高校で働くはずだったのだ。しかしそれは一本の電話で覆されることとなった。

 

 

 

『はぁ……沼津の高校、ですか?』

『ああ。そこの理事長から是非君に、と連絡があってね。当然こちらとしても急な話だったんだが、相手の強い要望があってね』

 

電話越しでも彼女、平塚先生の声から戸惑っているのがわかる。どうやら本当に急に決まったことらしい、しかし、

 

『なぜ俺に?』

『あまり詳しくは知らないが、君に希望を見出した、と言っていたらしい』

『はい?』

『まぁ、それに関しては学校の資料を受け渡すからそれを見たらわかるだろう。とにかく、明日来てもらってもいいか?』

『……わかりました』

 

 

 

そんなこんなで、何が目的なのかはわからないが、俺は沼津の浦の星女学院の教員としてスカウトされたのだった……

 

それにしても、だ。なぜ女学院の理事長から声がけがあったのかが全くわからない。そもそも希望ってなんだ?

 

ちらりとカバンを見る。そこにはこれから行くことになる学校の資料が入っている。

 

全校生徒を合わせても100人にも満たなくなったその学校は、現在統廃合の危機にさらされているらしい。もって三年の現状に、わざわざ俺のような者を呼ぶなんて……

 

「それにしても、なんだかあの頃を思い出すよな、これ……」

 

そんな学校にわざわざ行く奴は相当な物好きだと思われるかもしれない。ただ、あまりにも自分の中で大きなあの依頼と重なって見えて……

 

「まぁ、何ができるかは知らねぇけど……やってみますか」

 

 

時間を確認するために携帯を取り出すと、何件か連絡が来ていたらしい。

 

『貴方ならいい教師になれるかもしれないわね。とりあえず、余計な問題は起こさないように、ね』

『ヒッキー、頑張ってね。休みが取れたら遊びに行くから』

『先輩が社会人とか想像つかないですけど、頑張ってくださいね』

『頑張ってね。八幡ならいい先生になれると思うよ』

『お兄ちゃん頑張ってね〜。あと、小町的にはお義姉ちゃんができると嬉しいな』

『新任教師ともなれば色々と大変でしょう。特に私のように若手だと、色んな厄介ごとを押し付けられるかもしれませんが、頑張ってください。もし悩みとかがあれば気軽に相談してください』

 

懐かしい総武高校の面々からの励ましのメッセージだった。なんか一つ材なんとかから来てた気もするがまぁいいだろう。

 

「ん?」

 

と、あいつらの他にもメッセージが送られてきているのに気づく。

 

『新しい場所でも、ファイトだよ!』

『応援してるよ♪』

『気を引き締めて、鍛錬を忘れずに』

『沼津でもまた一緒にラーメン食べに行くにゃー』

『休みのときに遊びに行きますね』

『頑張りなさい、比企谷先生』

『にこの活躍、ちゃーんとそっちでもアンテナ張ってなさいよ』

『きっと何かスピリチュアルな出会いがあると思うから、そん時は頑張るんやで』

『今度は生徒を支える立場として、その学校の子たちを導いてあげてね』

 

他にも色々書いてあるが、どうやら祝福と応援をしてくれているらしい。示し合わせたように同じ日に送ってくるとか、仲良しかよ。

 

一先ず全員に対し『ああ』とか、『おう』とか『サンキュー』とか返し、携帯の画面を消す。

 

少しだけテンションが上がった俺は、目的地までずっと窓の外を眺めていた。

 

「♪〜♩」

 

気づかぬうちに、鼻歌が漏れていた。

 

何かの始まりの時、つい思い出すこの曲。

 

思考の海に浸かりながらも、目的地まで鼻歌が止むことはなかった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

夕方。

 

既に春休みということもあって、すれ違う生徒は殆どいない。学長からの説明を受け、4月からに向けての準備を整えるべく、俺は新しい我が家へと向かうのだった。

 

校門を出て坂道を下っていると、小さな影が俺の横を走って通り過ぎる。少しかすっただけだったが、その少女は振り返りながら、声を上げる。

 

「あっ、ぶつかっちゃった!ごめんなさい!」

「いや、別に気にしなくていい。かすっただけだ」

 

律儀に足を止めて礼をしながらの謝罪に、一瞬戸惑うも言葉を返す。安堵の表情を浮かべながら、少女が顔を上げる。

 

「良かった〜。急いでたので、ごめんなさい。あっ!このままじゃ間に合わない!あの、すみませんでしたっ!」

 

もう一度だけ頭を下げて、少女はまた走り出す。

 

何故だろう。

 

顔立ちが似ていたわけでもないのに、その姿に知り合いの姿が重なる。出会い方まで似てた気がする。

 

『ごめ〜ん。ぶつかっちゃった』

『いや、別にいい。大したことない』

『ちょっと急いでたから。あ、もうこんな時間!本当にごめんね!』

 

 

 

「人間性が似てる、のか?」

 

少しだけ懐かしい気分になりながら、俺は帰るためにまた歩き出した。

 

 

この時の出会いが、まさかあんなことにつながるなんて、これっぽっちも想像せずに……

 




……続きませんからね

まぁ間が5年で、3年生になってからの展開と解釈すればこうなれるな、なんて思ったので

まぁでも私、ラブライブ!のアニメはどちらもそこまで詳しくないので、書けないです、はい笑

なので前書きにも言いましたが、このアイディア欲しいとかあれば譲りますよ〜笑笑

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