尾形と杉元♀がヒロアカ世界に転生して幼馴染する話 作:ゆめ子
入学2日目。
雄英高校のカリキュラムではもう入学2日目で通常授業が始まる。
午前中は必修科目の英語数学などの普通の授業だ。やはり雄英。腐っても進学校だ。レベルが高いのが分かる。一応中学までの復習と、少しの予習を杉元にも施してきたから授業には遅れをとりはしない。杉元も何とか授業についていけるようだ。
昼は食堂で食べた。ばあちゃんにこれから毎日作ってもらうのも悪いので昼は専らここの食堂で食べることになるだろう。
杉元は母親が作ってくれるらしいが、初日位はクックヒーローが作るというランチを食べたいからと言って弁当は持ってこなかったらしい。杉元は無駄に的確なグルメリポートを披露しヒンナヒンナと言いながら美味そうに食べていた。
そして午後からの授業は「ヒーロー基礎学」だ。これはヒーロー科特有の授業のようだ(当たり前か)。カリキュラムによれば、戦闘訓練や救助訓練などを行うらしい。まあ、ヒーローになる為には戦闘や救助は切っても切れないだろう。単位数も最も多い。
多くの生徒がソワソワしながら待っていると、オールマイトが大きな声でドアから普通に入ってきた。
ただのスーツではなくヒーロースーツだ。
俺は特にヒーローに興味もないので詳しくは知らなかったが、何でも銀時代(シルバーエイジ)のコスチュームとやららしい。無駄な知識がひとつ増えた。
オールマイトに憧れている杉元も周りと一緒にはしゃいでいるようだった。
今日は早速戦闘訓練らしく、生徒全員ヒーロースーツに着替えるように促された。
雄英のヒーロー科には「被服控除」なるものがあり、入学前に「個性届け」「身体情報」を提出すると学校専属のサポート会社がコスチュームを用意してくれるシステムがある。それに加えて「要望」を添付するとできるだけその「要望」に沿ったコスチュームに仕上げてくれるらしい。
だが、自前でコスチュームを持ってくるのも良いとのことだ。
俺と杉元のヒーロースーツは、俺の父親が社長をしている「花沢重工」に任せてある。
「花沢重工」は主にヒーロー達の武器開発を手がけている大手の会社らしいが、ヒーロースーツの開発にも力を入れていきたいらしい。
俺たちのヒーロースーツもその先駆けとして快く作製してくれた、と腹違いの弟である勇作が言っていた。
因みに杉元の分も勇作が口添えしてくれたようだ。
今世の勇作も何かと兄様兄様と煩わしいが、まあ、いい。使えるものは何でも使っておけばいい。
どんなコスチュームにするか杉元に聞いた時、お前は折角だからあの第七師団の軍服っぽいものにしろと言われた。
なんでわざわざと思ったが、杉元が言うには前世で着ていた軍服なら前世であった奴らに認識してもらいやすいのではないかとのことだった。
まあ、別に機能が良ければ特に不都合はないので俺と杉元で前世で着ていた第七師団の軍服を思い出しながら要望に記載した。
杉元は、前世で被っていた軍帽が欲しい。それ以外はなんでもいいやと投げやりに言っていたので、じゃあお前も軍服っぽいものにしろと言ってやった。それなら軍帽を被っていても不自然ではないからな。
そう言うと杉元は何の不満を言うことなく了承した。…自分から言ったことだが、コイツに少しは自分が着る服ぐらいに頓着しろと言いたくなった。
俺も機能がよければどうでもいいとは思ったが、それでもコイツは一応今世では女だろう。全く女らしくないなと改めて感じた。
…いや、自分が着る服のことは頓着しない杉元だが、そう言えばコイツは少女漫画やら小動物やら花やらと、可愛いものが好きだったなと思い出し、別の点では女らしいっちゃ女らしいのか…?と思った。(だがその趣味は男だった前世からだったな…)
ヒーロースーツに着替え終わり、集合場所に移動する。…こりゃまんま第七師団の軍服だな…。素材やら性能やらは段違いだろうが…。着心地も全く違うなと思いながら他の奴らを待つ。着慣れたものだったため俺は特に手こずることなく着替えられたが、普段着ないような服に手こずってる連中も多いのだろう。杉元もまだ来ない。
…あいつ1人で着替えられてるのか…?
杉元のヒーロースーツへの要望は「軍帽」と「軍服」としか書かなかったので一体どんなスーツになっているのやら…。
チラホラ集まってきた中、杉元はまだ来ない。アイツ遅いなと思いながら待ってると、ようやく杉元がやって来た。
「やっと着替えられた…。」そう言いながら杉元が来た。杉元のヒーロースーツは要望通り軍帽&軍服だ。デザインなどは丸投げしたのだが、軍帽はともかく、軍服は「軍服風」と言っていいほど魔改造されていた。嵩張らなくていいとは思うが、パツパツすぎるのでは無いだろうか?防御力はそれなりに有るのだろうが…。
俺と同じ花沢重工で作ったからかは知らんが、俺と揃いのヒーロースーツにも見えなくもない。まあ、それに関しては別に良いのだが。
「遅かったじゃねえか杉元。なんだ?1人じゃ着替えられなかったか?」
「ちっげーよ!1人でも着替えられたわ!着替えられたけど…その、目のやり場に困って…あんまり早く着替えられなかったんだよ…くそっ。」
杉元が頬を染めながらそう言った。未だに男の感性なのだろう杉元は、周りが女子だらけの更衣室ではさっさと着替えられなかったようだ。全くウブな野郎だ。(今は野郎ではないが)
「つーか、尾形お前、本当にまんま第七師団だな。要望通りだけど。これなら前の奴らがお前を見ても誰だかすぐに分かっていいな!ははっやっぱりこれにして正解だったな。」
「お前のほうは…………パツパツ過ぎじゃねえか?」
「俺だって好きで着てんじゃねーよ!そんでまさかこんなだとは思ってなかったよ!!」
「ま、いいんじゃねえか。俺と揃いの様にも見えるし。可愛いぜ杉元。」
「可愛いとか言うんじゃねえクソ尾形!!あと別に揃いじゃねえだろ!!」
またも顔を赤くして怒ってくる杉元だ。
格好も相まって全然怖くはないが。
「おふたりさん、お揃いのスーツなの?やっぱり仲いいね〜!そんで軍服モチーフ?カッコイイ!!」
着替え終わって既に集まっていた麗日が杉元に話しかけてきた。やはり杉元と揃いのスーツだと思われている。
「いや、麗日さん別にコイツとお揃いってわけじゃないぞ…」
「えーでも尾形くんと杉元さんのスーツ、デザインとか凄くそっくりだよ!!カッコイイし可愛いよ!」
「いや、コイツの親父さんの会社にコイツと一緒にスーツの要望丸投げしたらこうなっただけだから!!あと可愛いっていうなら麗日さんの方がずっと可愛いぞ」
「えへへ、可愛いだなんて…ありがとう〜。
え、でも杉元さん達被服控除使ってないんだ?尾形くんのお父さんの会社ってヒーロースーツ作ってたりするの?」
「あー…それは」
「おい、喋りすぎだ杉元…。」
俺はあまり父親の事を周りに話したい訳では無いから会話を遮った。杉元もそれに気づいたのか「わりい、尾形。」と珍しく謝ってきた。
「………一応ヒーロー武器とかを作ってる所らしいが、ヒーロースーツにも力を注ぎたいらしくてな。それで俺と杉元のヒーロースーツを頼んだんだ。」
「へーそうなんだ!良いお父さんだね!」
「……………そうかもな…。」
まあ、前世の俺と母を捨てた父親よりは、こうして子の要望を聞き届ける位はしてくれる父親は、まあ、大分良い父親なのだろう。
…今世の俺は祝福された道を歩けているのだろう。
その後遅れて緑谷が最後にやって来た。
麗日や杉元は地に足ついてるなどという褒め言葉なのか微妙な言葉で褒めていた。ぶどう頭の生徒は何を見て何を思ったかは知りたくもないが「ヒーロー科最高」と緑谷に絡んでいた。
これで全員揃った。
「始めようか有精卵共!戦闘訓練のお時間だ!!」オールマイトがそう叫んだ。
今世では尾形にはきちんと祝福された道を歩いて行ってもらいます。杉元♀さんと共にな!!