尾形と杉元♀がヒロアカ世界に転生して幼馴染する話 作:ゆめ子
杉元の選手宣誓兼優勝予告が終わり、第1種目が発表される。
会場の中央に設置された馬鹿でかいモニターに「障害物競走」とデカデカと標示された。
第1種目は障害物競走らしい。
主審のミッドナイト曰く、コースはスタジアムの外周4kmで計11クラスの総当りレースとなるようだ。しかもコースを守れば何をしても構わない…か。
これは他の奴らからの妨害も視野に入れておいた方が良いだろう。
だが、どんな障害が出てくるかはわからんが、レースならば俺と相性は悪くない。今世の俺の「山猫」の身体能力でなら、短距離走も長距離走も持久走も苦にもならん。杉元もそうだろう。
ゲートが開かれ位置につきまくれとミッドナイトがアナウンスしてくる。
誰もがいい位置につきたがり、皆前へ前へと出ようとしている。
俺は面倒なので後ろの方のポジションを取った。とりあえず単純だが策は考えてある。
杉元も前には行かずに俺の隣に来ていた。
「考えることは一緒にみたいだな尾形ぁ。」
と杉元はニヤリと笑った。
ゲートに付いている開始を合図するランプが点灯する。
3つ目のランプが着くと「スタート!!」と大きな掛け声が上がった。
俺と杉元はその瞬間、大きく跳躍し、ランプが点灯しているゲートの上に飛び乗り、そこを足場に更に跳躍し地面に着地した。
これでもう結構後続との差ができた。
後続は思った通り大人数が狭いゲートを通るのでギチギチと密集していて、通り抜けるのにも苦労してそうだった。
「おっーと!選手宣誓&大胆不敵にも優勝宣言をした1のA杉元・尾形ペアが開幕の大ジャンプで後続を引き剥がしたぞ!!」
プレゼント・マイクが実況しているのだろう。そんな声が届いてきた。
早速杉元が先頭に躍り出た。くそっ相変わらず速えなコイツ…。
杉元の後ろを走っていると、後から冷気が漂ってきた。反射で避けると俺が居た場所と杉元が居た場所が凍っていた。
後ろを振り返ると少し後ろに轟が追走しており、チッと舌打ちをしていた。
やはり妨害してきたか…。だが、俺も杉元もどんどん避けながら走る。
轟は後ろにも足止めのため凍りつかせていたらしく、大勢が足止めを食らったようだった。しかし、轟の妨害を想定していたのかA組連中は上手く回避していた。
「ハハッうちの連中もやっぱり速いな!!」
「笑ってる場合じゃねえだろ杉元。それに前からも来るぞ。」
走っていると、入試で見たような仮想敵がワラワラと出てきやがった。
「さあ、いきなり障害物だ!!まずは手始め…第一関門ロボ・インフェルノ!!」
実況のプレゼント・マイクがそう紹介していた。
入試の時出てきた0ポイント巨大仮想敵までうじゃうじゃ出てきやがった。
だがまあ、こいつらは動きがノロい。サッと攻撃を避けながら駆け抜けていけば特に問題にもならんな。
杉元は…
「邪魔だぁ!!!!!!!」
0ポイント仮想敵まで跳躍し、拳1発で仕留めていた。あの馬鹿、避けた方が速いだろうに…。
「1のA杉元!!ロボ・インフェルノを真正面からパンチ1発で仕留めやがった!!入試ん時も思ったけどなんだコイツ、チートかあ!?」
実況のプレゼント・マイクも杉元の馬鹿力加減に驚いてるようだ。チートと言うのも同意だな。
杉元は次々と巨大仮想敵を仕留めながら進んでいった。
後続の1のA連中も各々のやり方でこのロボット地獄を抜け出しつつあるようだ。
俺はさっさと通過して杉元に並んだ。
「馬鹿正直にぶっ倒しやがって。それで時間取られてりゃ世話ねえぞ。」
「うるせえ尾形!!これから引き離すからいいんだよ!!」
俺と杉元が走りながらそんな会話してると、次の関門が見えてきた。
「オイオイ第一関門チョロイってよ!!んじゃ第二はどうさ!?
落ちればアウト!!
それが嫌なら這いずりな!!
ザ・フォーーーール!!!!」
第二関門は大穴の中、飛び飛びの地面に綱が張ってある。それでどうにかして進めと言うことだろう。
杉元は綱なぞ意に介さず、大跳躍で地面を駆け抜けて行った。
俺は流石に連続の大跳躍なぞ疲れるので、縄を足場に跳躍しながら進んだ。
後ろから轟や爆豪が進んでくるのがチラと見えた。
距離はまだ結構離れてはいるが、油断はできん。素早く第二関門を突破する。
「先頭は一足抜けて下は団子状態!!上位何名が通過するかは公表してねえから安心せずに突き進め!!
そして先頭の杉元・尾形ペア、うん、もうコイツらペアで良いな。杉元・尾形ペアは早くも最終関門!!かくしてその実態はーーーー…
一面地雷原!!!怒りのアフガンだ!!
地雷の位置はよく見りゃ分かる仕様になってんぞ!!目と脚酷使しろ!!
因みに地雷!威力は大した事ねえが音と見た目は派手だから失禁必死だぜ!」
地雷かよ…こりゃ先頭ほど不利な仕様だな。
だが、俺の「山猫」の目と嗅覚があればこれも特に問題にならん。地雷の位置が丸わかりだ。
俺は地雷を避けながら走る。
隣の杉元は…
「地雷だかなんだか知らねえがこれじゃ俺は止まんねえぜ!!!!」
と地雷が盛大に爆発してもお構い無しに真っ直ぐ進んでいった。
「1のA杉元!!なんと地雷原をもろともせずに走り抜ける!!重戦車かなんかかアイツ!?
対して横並びの1のA尾形は少し離れた場所で地雷の位置を的確に把握して避けながら走る!!地味だけどいい仕事してるぜ!!」
全く、隣でボンボンやられちゃかなわん。俺は杉元から少し離れて走る。
「おっと、ここで轟と爆豪が杉元・尾形ペアを猛追してきた!!だが、まだ距離はそこそこ離れているぞ!?後続もスパート掛けてきた!!だかやはり先頭2人がリードか!?」
そんな実況を聞きながら走っていると、突然後方から何かが大爆発したかのような音が聞こえてきた。いや、したかのような、ではなく大爆発したのだろう。なんと緑谷がその大爆発の爆風に乗って猛追してきやがった。
いや、猛追どころか俺達の頭上を抜いてきやがった。
「緑谷ぁ!!!???」
「ッチ、抜かれるぞ杉元!!走れ!!」
俺達は緑谷を追いかけ、緑谷が失速しなんなく追い抜いたと思ったら、緑谷は持っていた大きな鉄板を思い切り地面に叩きつけてまた爆風に乗りやがった。しかも近くに居た俺を爆風に巻き込みやがって。クソが。
杉元も爆風に巻き込まれていたが、奴はそんな事など構わずに緑谷を追っていった。化け物め…。
「緑谷、間髪入れずに後続妨害!!なんと地雷原即クリア!!イレイザーヘッド、お前のクラスすげえな!!どういう教育してんだ!」
全くプレゼント・マイクに同意だ。
緑谷、お前もまたとんでもねえな。
俺は緑谷・杉元の後を追い、地雷原を抜け、そろそろスタジアムのゴール前に着きそうな時にそのアナウンスは降ってきた。
「さぁさぁ、序盤の展開から誰が予想出来た!?
今一番にスタジアムへ帰ってきたその男ーーー」
…チッ、杉元はダメだったか…。
「緑谷出久の存在を!!!!」
結局緑谷が一位着か、意外すぎる展開だ。
だが、そのすぐあとにアナウンスが流れる。
「二位は序盤からぶっ飛ばしてたこの女!!
杉元佐一!!!!緑谷とは殆ど僅差だ!!、惜しかったな!!」
それを聞き終えないうちに、俺はゴールテープを切った。
「三位は尾形百之助!!杉元が言った二位になる予定の男!!今回は三位だがこれからその実力を見せつけられるのか!?」
…うるせえ、何とかするしかねえだろう。
暫くすると、轟と爆豪が入ってゴールテープを切った。
こいつらも中々早いなと思って見ていたら、思い切り爆豪に睨みつけられた。俺の方が順位が良かったからだろうな。まあ、どうでもいい事だ。
「さあ、続々とゴールインだ!順位などは後でまとめるからとりあえずお疲れ!!」
そうアナウンスされた通り、後続組も続々とゴールテープを切っていった。
「緑谷〜!!お前、すっごいな!!最後まさかあんな風に追い抜かれるとは思わなかったぜ〜!!緑谷って結構無茶するよなあ!!」
杉元は何が面白いのかニコニコしながら緑谷の背中をバシバシ叩いて緑谷に絡んでいた。
緑谷は困ったように「近い…」と呟き赤くなりながら「す、杉元さんの方が凄いよ…最初っからずっと1位だったし、僕は運が良かっただけだよ本当に…」と語っていた。
確かに最後のなんてかなりの博打だったのだろう。だが、その博打に勝ったのも緑谷だ。
杉元もそう思ったのだろう。謙遜するなよとまた緑谷に絡んでいた。
俺は緑谷と杉元のやり取りを見ていると杉元と目が合い、今度はこちらにやってきた。
「尾形もお疲れさん〜。」
「おい、ヘラヘラ笑ってんじゃねえぞ二着。」
「なんだよ!いいだろ二着でも!!お前だって三着じゃん!!」
「うるせえ、お前宣言通り優勝しないと大恥かいて終わりだってこと分かってんのか?」
「分かってるわ!でもまだ1種目目じゃん!!大丈夫だって!!まだまだこれからだぜこれから!!」
「お前なぁ…。」
「杉元さんと尾形君、競技終わったばっかなのに元気だね…。」
緑谷が俺達を呆れたように見ながらそう言った。
暫くしたら飯田が、また暫くして麗日がゴールして緑谷達に近寄った。
「デクくん、杉元さん、尾形くん…凄いねえ!特にデクくんは一位凄い!!悔しいよちくしょう〜!!」
「この「個性」で遅れをとるとは…やはりまだまだ僕…俺は…!」
麗日はともかく、飯田はアイデンティティが揺らいでるようだった。
他の連中を待ってる間に休憩を取り、42人がゴールし終えた所でこの競技は終了した。
どうやら42人が次の種目へと足を進めることが出来るらしい。
42人目以降は足切りとなり、途中でも競技は取りやめになったようだ。
途中でやって来た八百万の尻に引っ付いてゴールするなどというふざけたあのぶどう頭のクラスメイト…峰田を見つけた瞬間、杉元が「何八百万さんにセクハラしてんだてめぇ…!」とアイアンクローをかましていたが、それ以外は特に何事もなく、上位42名が出揃った。
どうやら谷垣もギリギリだが42名の中に滑り込んでいるようだった。
それを目ざとく見つけた杉元がゴールして肩で息をしている谷垣に、「谷垣も結構早いじゃねえか!」と背中をバシバシし叩いていた。谷垣が辛そうだからやめてやれ。
1年全員が再び会場の中央に集められると、ミッドナイトが壇上から声を張り上げた。
「予選通過は上位42名!!!残念ながら落ちちゃった人も安心なさい。まだ見せ場は用意されているわ!!
そして次からいよいよ本選よ!!ここからは取材陣も白熱してくるよ!気張りなさい!!」
本選か…次は何をさせるんだ?と思っていると、中央のモニターにデカデカとそれが標示された。騎馬戦。
騎馬戦…って事はチーム戦か…。
杉元と組むか、と思っていたら、向こうもそう考えたのだろう。杉元がコチラをチラリと見た。
ルールは2〜4人でチームを自由に組み基本的には普通の騎馬戦のようだ。
ただ、振り分けられるポイントは第1種目の順位ごとに変わってくるらしい。組み合わせによってはポイントが全然違う騎馬が出来上がるな…。
そして爆弾が落とされた。
「1位に与えられるポイントは1000万!!!!」
全員が一位通過の緑谷を見た。
緑谷は1000万ポイントと聞いて凄い形相で固まっている。
「上位の奴ほど狙われちゃう下克上サバイバルよ!!」
ミッドナイトの言葉が会場にこだました。