尾形と杉元♀がヒロアカ世界に転生して幼馴染する話   作:ゆめ子

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雄英体育祭編6

最終種目は一対一のトーナメントバトルか…これは組み合わせがかなり重要だな…。

もしも杉元とすぐにでも当たるような組なら目も当てられん…が、こればっかりは天に任せるしかないな。

 

「トーナメントか…!毎年テレビで見てた舞台に立つんだあ…!」

切島が感慨深げに言った。

 

「形式は違ったりするけど例年サシで競ってるよ。去年は確かスポーツチャンバラしてたハズ。」

醤油顔の男…瀬呂が他のクラスメイトの毎年トーナメントなのかという疑問に答えていた。

 

去年はスポーツチャンバラだったのか…対杉元戦ならばそちらの方が勝利の確率が上がったのになと残念な気持ちになる。

 

「それじゃあ組み合わせ決めのくじ引きしちゃうわよ。組が決まったらレクリエーションを挟んで開始になります!」

と、主審のミッドナイトがくじ引きの箱を取り出しながら言った。続けてレクリエーションは進出者16名は参加するかしないかは自由とのことだ。

俺は参加する気は無いが杉元はこういうのに興味ありそうだな…。

 

一位チームからくじを引く様にミッドナイトが促そうとした時、クラスメイトである尾白が突然辞退を申し出た。

プロに自分の力を見せる機会をわざわざ自分から潰す行為に、他のクラスメイト達から批難の声が上がった。普通はそうだろう。

 

「騎馬戦の記憶…終盤ギリギリまでほぼボンヤリとしかないんだ。多分奴の「個性」で…。」

と尾白が答えた。

「奴の個性」というのは…記憶が無いということから恐らく洗脳系の「個性」か…。

尾白が組んでたのは他にA組の青山と、谷垣、そして谷垣と同じ普通科の奴か…。

確かコイツは数週間前に爆豪に宣戦布告をしていた奴だな…しかし洗脳系の「個性」だと推測出来るが厄介な「個性」だ。

奴と当たれば、その発動条件を探らないとならないだろう。

 

尾白はチャンスの場と分かった上で辞退するようだ。プライドの問題なら仕方ないだろう。周りのA組の女子達は尚も尾白に考え直すように言い募っていたが、奴の意思は固いようだ。ついでに何故チアガールの格好をしているのか疑問を呟いていた。

 

尾白がそう言っていると、今度は谷垣も辞退を言い出してきた。

「すまない、同じ理由で俺もこの戦いには辞退させてもらう…。何もしていない俺がこの舞台で戦うのは相応しくないだろう。」

そう谷垣が言うと、杉元は「………良いのか谷垣。お前ヒーロー科編入を狙ってんだろ?このチャンス逃すのか?」と真剣な顔で問うていた。

 

「………ああ、正直悩んだが、そこのA組の奴が言った通り、これは俺のプライドの問題だ。………ヒーロー科編入はここで諦めはしないがな。」

そう谷垣は答えていた。

杉元もそれに納得したのだろう。

「そうか…まあ、お前がそういうんなら俺は何も言わねえよ。」と返していた。

 

主審のミッドナイトはこういう展開が好みとの事で2人の棄権を認めた。因みに尾白、谷垣と同じグループであり、同じく洗脳されてたであろう青山だけは辞退せずに最終種目に参加するようだ。まあ、選択は人それぞれだからな。

 

繰り上がりで、B組から2人が新たに選出され、やっとくじ引きとなった。

 

上位のチームからくじ引きとなったので、まず俺がトップバッターで引くこととなった。

その後、緑谷、麗日、杉元とくじを引いていった。

俺と杉元はなんと奇跡的に上手く駒を進められれば、決勝戦で当たるという割り振りとなった。これで一先ずは安心だな。

次々とくじを引いていき、全員引き終わった。

 

くじの結果、俺は初戦から八百万とやり合う事になった。俺の決勝までのブロックでは、他に芦戸や青山、切島、麗日、爆豪なんかが居る。

初戦から八百万とは遣りづらそうだが、まあなんとかなるだろう。

爆豪…初戦の相手の麗日には悪いが、順調に駒を進めれば、恐らくコイツと準決勝をやり合う事になるだろう。面倒な相手だ。だが、勿論負ける気はしないがな。

 

杉元の方は、A組で言えば、緑谷や轟、瀬呂、上鳴、飯田達が居る。

初戦は飯田だが、まあ杉元ならば余裕だろう。厄介なのは轟や上鳴か…だが、まあ杉元の「個性」ならばものともしないだろう。

寧ろヤバいのは普通科の洗脳系だと思われる「個性」持ちの奴だ。もしも掛かってしまい、自分から場外に出ろと命令されでもしたらそこで終わりだ。

緑谷がそいつと初戦で当たるからよく見ておくべきだろう。

まあ、もしかしたら案外緑谷がサクッと倒してしまう可能性も有るが…。

 

俺がそう思考を巡らせていると、またアナウンスが掛かった。

「よーしそれじゃあトーナメントはひとまず置いておいて、イッツ束の間。楽しく遊ぶぞレクリエーション!」

これからレクリエーションが始まる様だ。

 

「ヨーッシャ!尾形、レクリエーションだぜ!!折角だから俺達も何か参加しようぜ!!」

杉元が呑気にレクリエーションに参加しようと誘ってきた。言うかもしれないと思ったが、やはりコイツは阿呆だな。

 

「しない。お前…これから本選なんだぞ。ちったあ緊張感を持ったらどうだ?これから戦うヤツら観察するとかでもしたらどうだ?」

俺は呆れながら言ったが、まあまず無駄だろう。

「その緊張を解すんだよ!!それに今からじたばたしたってしょうがないだろ?良いから、お前も出るぞ尾形!!」

案の定、俺の声は聞き届けられなかった。

 

「……………はあ、分かった。しょうがねえから1回だけ付き合ってやる。1回だけだからな。」俺は1回だけと譲歩して杉元に付き合ってやることにした。

「あと、その前に運営本部に行くぞ。」

「え?なんで運営本部なんかに??」

杉元はそう言って首を傾げた。

これはお前の許可もなきゃいけねえからな。

一緒に来てもらうぞ杉元。

「良いから行くぞ。」

そう言って俺は杉元の腕を引いて、ある許可を得るために運営本部まで歩いていった。

 

手続きは恙無く終わったが、しばし時間を取られた。杉元が「おい、戻らねえとレクリエーション終わっちまうじゃねえか!!」とギャンギャン言いながら急かし、今度は杉元が俺の腕を掴み、試合会場に引っ張っていった。

 

試合会場に行くと、最後のレクリエーションらしい借り物競争の参加者を募集していた。

杉元は「あー!もう最後じゃねえか!!アレでいいからやるぞ尾形!!」と募集している場所まで俺を引っ張っていった。

俺と杉元は滑り込みで同じチームで競技することになった。

意外なことに、本選に出る予定の上鳴や瀬呂も出場するようだ。

お前ら今からそんな事してて良いのか?と思わなくもなかったが、人の事は言えん状態なので特に何も言わなかった。

 

借り物競争はどんどん進み、杉元の出番となった。

杉元はお題の紙が落ちているところまで誰よりも早くたどり着いたが、拾ったお題を見てワタワタしていた。そんなに難しいお題を引いたのだろうか?

 

借り物競争が終わったであろう峰田が通りがかりに「オイラのお題、「背脂」だったぞ…あんなお題クリアできるわけねえじゃねえか!」と愚痴っている声が聞こえた。

 

杉元も難しいのを引いたのだろう。

あたふたした後、杉元はチアガールとして応援していた八百万のところに一直線に進んだ。因みに杉元は運営本部に行く前に着替えたいと言って、既に運動服に着替えていた。チアガール姿は笑えたからそのままで良かったのにな。

 

杉元は八百万に頼みこんで何かを出してもらっていた。…あれは枕だろうか?確かにこんな場所で枕を所持している者など殆ど居ないだろう。杉元があたふたしていたのも頷ける。

 

杉元を観察していたが、俺の番が回ってきた。素早くお題の紙のところまでいき、その中から適当な紙を拾う。

…………このお題は………。

俺は紙に書かれているお題に一瞬だけ呆けたが、すぐに借り物競争を終えた杉元の元に行く。

 

「杉元、こっちに来い。行くぞ。」

俺は杉元の返事を待たずに杉元の腕を掴み、ゴール場所まで走る。

杉元は「は??なんだよ尾形!!てかお題、なんだよ!?」と走りながら言ってきたが、とりあえず無視して走る。

 

ゴールまで行くと、お題を回収している係員に、「お題とお題のモノを見せてください。」と言われたので、紙を見せて杉元を前に押し出した。

 

係員は「………はい、OKです。」と言うと、別のゴールした奴の方に歩いていった。

 

「おい、尾形!いい加減何なのか教えろよ!!」と杉元がうるさく騒ぎ立てたので教えてやった。

 

「うるせえな、お題はコレだよ。」と、紙を見せてやった。

「………は…………?」

杉元がポカンと呆けた。

 

お題にはデカデカと「恋人」と書かれている。

 

杉元は大きな声で「尾形てめえええええええ!!!!」と真っ赤な顔をして殴りかかってきたので、俺は「ははははは」と、愉快な気持ちで杉元の拳からトーナメントが始まるまで逃げ回った。

 

レクリエーションが終わり、ついにトーナメントが始まった。

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