尾形と杉元♀がヒロアカ世界に転生して幼馴染する話   作:ゆめ子

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雄英体育祭編7

セメントを操るセメントスという教師が試合会場の舞台を作り上げ、試合開始のアナウンスをプレゼント・マイクが流し始める。

 

第一試合は緑谷対普通科の心操という奴だ。

プレゼント・マイクのアナウンスによるルール説明では、相手を場外に落とすか、行動不能にするか、「まいった」と言わせたら勝ちのようだ。

道徳倫理は一旦捨て置け、とまで言っていたが、やはり命に関わる様な事まではアウトらしい。ヒーローは敵を捕まえる為に拳を振るう、ねえ…。

やはり、俺や杉元はそういう点に置いてはヒーロー失格なのだろう。

だが、そんなものはどうとでも猫かぶりできる。せいぜい化けの皮が剥がれんように気をつけるだけだ。俺も杉元も、な。

 

さて、緑谷対心操の戦いが始まったが、試合開始の掛け声と共に、緑谷が早々に心操の「個性」に引っかかりやがった。

尾白や緑谷の声を拾うに、どうやら声をかけられ、それに返事をすることが「洗脳」のトリガーとなるようだ。

完全なる初見殺しの「個性」だが、カラクリが分かればそこまで脅威ではないな。

だが、杉元のバカならカラクリを分かっていても声を返しそうな気がするな…。

まあ、もし心操と杉元が戦う様であれば、返事を一切せずに一瞬で場外に出すなどして勝負に挑めとアドバイスするしかないな…。

 

勝負の行方を見守っていると、「個性」に掛かった緑谷が場外まで歩いて行こうとしていたが、場外寸前に緑谷が自身の「個性」を暴発させてストップした。

 

そこからは早かった。

もう一度口を開かせようと、心操が緑谷を煽るが、種が割れてるトラップにわざわざ引っかかるはずもなく、そのまま緑谷が心操を場外へと背負投して終わった。

 

「あれ、知らなかったらかなりヤべぇ「個性」だな。完全に初見殺しだぜ。」

杉元は感心したように心操の「個性」を褒め讃えた。

「ああ、アイツが初戦の相手じゃなくて良かったな杉元、絶対ありゃ負けてたぞ。」

「それを言うならお前だってそうだろ。」

確かに、アレは知らなければ俺も負けていただろう。

「良く緑谷アレに勝てたな〜、やっぱり緑谷も凄いやつだぜ!」

…そうだな、緑谷、アレに打ち勝つとは一体どういう神経してんだかな。

 

第一試合の話をしていると、治療から戻った緑谷が、麗日・飯田達のところに座ったところで第二試合が始まろうとしていた。

第二試合は、瀬呂対轟だ。

まあ、順当に行けば轟の圧勝だろう。

 

瀬呂は開始直後、テープを素早く射出し、轟の身体を縛り上げるとそのまま場外へとぶん投げようとしていた。

戦略的に最善だったが、轟は一瞬で瀬呂を凍りつかせ、巨大な氷山を作り上げた。

………とんでもねぇ火力だな…。いや、この場合氷力か?

あの凍てつかせる速度、俺でもギリギリ避けられるかどうかだな…。同じブロックだったらかなり危うかった。

 

瀬呂に対するドンマイコールの中、杉元は目をキラキラ…いや、ギラギラさせながら言った。

「やっぱり轟の野郎は凄まじいな…早く俺もやり合いたいぜ…。」

あの攻撃力を見た直後にこう言えるんだからお前は本当に化け物なんだろうな。

まあ、実際に杉元ならば轟相手でも力技でなんとか出来るだろう。そこは信頼してるぜ杉元。

 

第三試合は上鳴対B組の塩崎とかいう女生徒の試合だ。

杉元はこの次が初戦となる。

杉元が控え室へ行くため席を立つ直前に、一言だけ「油断するなよ」とだけ伝えておいた。

杉元は「おう、勝ってくる」と返事を返し、対戦相手の飯田と連れ立って出ていった。

 

第三試合、上鳴の「個性」はかなり厄介と言える強「個性」だが、今回は対戦相手の塩崎の「個性」と相性最悪だったため、完封の上、上鳴は瞬殺された。

塩崎の頭髪の茨の蔓が上鳴を縛り上げ、大量の茨の蔓が上鳴の電気を遮ったからだ。

 

上鳴も相性最悪とはいえもう少しやりようが合っただろうが、焦って全てを台無しにしたな。まあ、負けたヤツの事を考えても仕方ない。

杉元が次の試合に勝てば次に当たるのが、塩崎だ。杉元の個性ならばあの茨の蔓も引きちぎって終わりそうだがな。

 

第四試合、とうとう杉元の試合が始まる。

相手は飯田だ。

正面戦闘で杉元が負けるとは思えないが、相手は飯田だ。油断は出来ないだろう。

両者とも出揃う。

 

「ザ・中堅って感じ!?ヒーロー科飯田天哉!

バーサス

2位、1位と強すぎる女!!同じくヒーロー科杉元佐一!!」

 

 

プレゼント・マイクが両者の口上を読み上げる。そして試合開始の声が上がった。

 

飯田が騎馬戦の最後に見せた超加速で、杉元の元まで一瞬で迫った。

杉元相手だ。一気に方を付けに来たか。

杉元の背後に周った。背中でも取って場外へ出そうって魂胆か?紳士的な事だ。

だが、杉元相手にそれは悪手だろう。

 

背後に回り杉元の体操服を掴んだ飯田だったが、杉元もそれに反応して背中に回された飯田の腕をガッチリと掴んだ。

「飯田よォ、お前の事だから俺に怪我させないように場外に放り出そうとでもしたんだろうけどよお…。それじゃあ俺は倒せないぜ?」

杉元は凄絶な笑みを浮かべ、捕まえた飯田を反対側まで思い切りぶん投げた。

 

飯田はそのまま何も出来ずに会場の壁まで飛んでいきぶち当たり、崩れ落ちた。

 

「飯田君、場外!!2回戦進出!杉元さん!!」

主審のミッドナイトが声を張る。

 

「一瞬の決着だ〜!!重たそうな飯田をこの距離ぶん投げやがった!!この女、強すぎる〜!!」

プレゼント・マイクも負けじと実況した。

 

杉元の初戦も見た事だし、そろそろ俺も控え室に行くとするか。

次の次が俺の試合だ。

第五試合の芦戸対青山も対策を立てるためにも見ておきたかったが、仕方ないだろう。

 

俺が控え室に向かうと、丁度杉元も控え室に戻ってきたようだ。

飯田が居ないが、恐らくコイツに盛大にぶん投げられ壁に叩きつけれたせいで脳震盪にでもなったのだろう。保健室にでも行ったか。

 

「お疲れさん、杉元。一瞬だったが良かったのか?」

「は?何が?」

「あんな一瞬の勝負じゃあ全然目立てないだろ?」

「あー!確かに!!」

「なんだ、分かってなかったのか?お前。」

「あー…でもまあ、良いや。

真剣な試合だし、俺も流石にそこまで気は回せねえよ。」

それもそうだな。舐めて掛かって負けましたじゃ意味もないしな。

 

俺達が控え室に入ると、麗日が緊張しているのか眉間に皺を寄せた形相で控えていた。

杉元がどうしたのか聞いていたら、途中で俺を呼ぶ係員が来た。

どうやら早々に第五試合は決着が付いたようだ。勝ったのは芦戸か…。

俺が控え室を出ようとしたら、杉元が近寄ってきた。

 

「尾形、相手は八百万さんだ、油断していい相手じゃねえ。負けんなよ。」

真剣な顔で言ってきたので、俺は余裕の表情で言い返した。

「負ける予定はねえよ。」

 

選手入場口を出て、試合上に立つ。

反対側の入場口からも八百万が出てきた。

 

「第六試合!!ドンドン行くぜぇ!!

どんなものでも生み出しちまう中々のチートガール!八百万百!!

バーサス

杉元の影に隠れがちだがコイツも充分ヤベー奴!!尾形百之助!!」

 

こんな紹介ですら杉元がチラつくとは、俺達はどんだけペア扱いされているんだろうな。

別に間違いではないので訂正しようとは思わないが。

そんなことを考えていると八百万が、臨戦態勢を取った。

 

八百万、コイツは何でも生み出しちまうのが厄介だ。コイツはコイツで杉元と別ベクトルでチートと言える存在だろう。

だが、モノを生み出すまでの時間もそこそこ掛かる上に、そこまで近接格闘が出来るって柄でもねえだろう?

 

試合開始の声と同時に俺は八百万の所まで一気に間合いを詰めた。

飯田の必殺技程じゃあ無いかもしれねえが、俺も中々速いもんだろう?

 

反応できない八百万の襟首を引っ掴み、そのまま場外近くまで走り、その勢いのまま、八百万を場外へとぶん投げた。

これは恐らく飯田が杉元にやろうとした事まんまだろう。

特に見せ場も盛り上がりも無い戦い方だが、八百万相手にダラダラと持久戦はやりたくないからな。

とりあえず勝ちゃいいだろう。

 

「八百万さん、場外!尾形君2回戦進出!!」

「なんだよ尾形!お前も杉元と同じで場外へ突き飛ばしかよ!あっちゅー間の決着だなおい!もっと盛り上げろよ!!」

アナウンスが喧しい。

 

「うう、全然見せ場も作れませんでしたわ…。」

場外へと吹っ飛ばした八百万は、特に怪我もないようだ。そんな事を呟きながら起き上がった。いや、やはり身体のどこかでも打ったのか、少し痛そうにしていた。

 

勝ちは勝ちだ。俺は髪をかき上げて試合会場をあとにした。

 

控え室に戻ると、杉元達が居た。

「お、どうだった尾形!?」

「勝ったに決まってんだろ。」

杉元が試合の結果を聞いてきたので、簡潔に答えてやった。

 

「おお!八百万さん相手にやったな尾形!まあ、そうじゃねえと俺も困るけどな。」

杉元が笑いながらそう言ってきた。

麗日もこわばった顔で「おめでとう、尾形君」と言ってきた。緊張しているなら無理しなくていいぞ麗日。

 

途中で緑谷が控え室に入ってきた。

どうやら麗日に、対爆豪の策を考えて持ってきたようだ。お人好しだな緑谷。

だが、麗日はその申し出を断った。

麗日もこの体育祭を通して、何か思うものがあったのだろう。

 

「皆将来に向けて頑張ってる!そんなら皆ライバルなんだよね…だから、決勝戦で会おうぜ!」

麗日は覚悟を決めた目で、震えながらもそう言った。

 

俺達が控え室を出て会場の席に戻ると第七試合の切島対B組の鉄哲の戦いが終わろうとしていた。両者とも身体を固くすることが出来ると言う似たような「個性」持ち故か、派手な殴り合いをやっていたようだった。

両者同時ダウンで引き分けのようだが、回復後に腕相撲勝負で決着を付けるとアナウンスされた。

 

第八試合が始まる前に、保健室から飯田が帰ってきた。

「杉元さん!君に負けてしまいとても悔しいが、やはり君は強いな…。俺もこれからもっと精進して次こそはリベンジしようと思う!!」

と、杉元に言っていた。

杉元は「まあ、いつでもリベンジは受け付けるけど、俺も次だって負けないぜ。」

と笑って返していた

 

飯田が緑谷の隣に座るとすぐに第八試合が始まった。爆豪対麗日だ。

他のクラスメイト達も不穏な空気を感じ取っている。

「麗日さん、大丈夫かなあ…。」

杉元も麗日が心配なのかぽそりと呟いた。

あの超攻撃型の爆豪だ。控え室で緑谷が言っていたように例え女子相手でも全く躊躇せずに攻撃をするだろうな。

 

案の定、懐へ飛び込もうと入っていった麗日を爆豪は何度も爆破で迎撃している。

麗日の策はそれも含めての作戦の様だがそれでも爆豪相手に勝つのは難しいだろう。

 

爆豪の余りの容赦の無さに1部の観客からブーイングが巻き起こりもしたが、それは相澤の解説と言う名の説教で沈静化した。

 

麗日は爆豪の爆破で作ったコンクリート片を宙に大量に浮かべ、爆豪目掛けて一斉掃射したが、それも爆豪の強爆破によって全て無に帰された。

 

麗日はまだやる気の様だったが、身体の方が持たず、行動不能と判断され、爆豪の勝利となった。

麗日は負けはしたが、俺の予想以上の動きをして見せた。ここまで戦ったのだ、充分誇っていいだろう。

杉元も「麗日さん、すっげえ頑張ったな」と、優しそうな目でそう言っていた。

 

これで切島と鉄哲の決着が付けば、2回戦進出メンバーが全員出揃うな。

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