尾形と杉元♀がヒロアカ世界に転生して幼馴染する話   作:ゆめ子

31 / 40
雄英体育祭編8

1回戦が一通り終わり、小休憩を挟んだら第2回戦をやるとアナウンスが流れた。

第2回戦のトップバッターは緑谷だ。席を立って控え室に向かっていった。

 

緑谷の次の相手は轟か…正直轟相手では緑谷の荷が重いだろう。だが、あの超パワーを轟に直接的ぶち当てられれば可能性は無くはない。

 

そう考えていたら、試合会場で何かやる様で動きがあった。

どうやら切島と鉄哲の決着をつけるために、腕相撲する為の台をセメントスが作ってるようだ。

切島と鉄哲がデカい試合会場でこじんまりと腕相撲で決着を付けるというシュールな状況だ。

そんなシュールなバトルに勝ったのは切島だった。

これで2回戦進出メンバーが全員出揃ったな。

 

2回戦、まずは轟対緑谷だ。

俺は杉元によく観察しておけよと伝えておいた。

どちらが勝っても油断出来ない相手だからな。

杉元もそれが分かってるのか素直に頷いていた。

 

スタートの合図直後に、轟が広範囲のデカい氷結を緑谷に向けた。

やはり轟も緑谷のあの「個性」を用心したのだろう。

緑谷は迫る氷結を指一本で相殺していた。

だが、弾いた指は腫れ上がってもう使い物にはならなさそうだ。相変わらずデカい代償だな。

何度も襲う氷結から身を守る為に、ドンドン指をダメにしてってりゃジリ貧だぞ緑谷。

 

途中で切島が観客席に戻ってきた。

爆豪との会話の中で、爆豪が気になることを言っていた。

コイツは強烈な範囲攻撃もポンポン出せる訳じゃねえだろうと、轟の事を指して言っていたようだが、それは自分にも返ってくる言葉だろう。

恐らくこいつの強力な爆破にも、出せる威力の限度ってもんが有るのだろう。

そこを突けば俺にも充分勝ち目が有るな…。

 

そんな事考えてる内に試合が進む。

もう緑谷はボロボロだ。全部敵の攻撃じゃなくて自分の攻撃の反動ってのが逆にすげえがな。

 

だが、緑谷はまだ諦めていないようだ。

いや、それどころか、「熱」の方を使わない轟に対し全力を出せと挑発している。

…相手が全力出してない内に倒せるなら倒しちまった方がいいだろうに、コイツは何を考えてるんだろうな…。

 

轟は、氷を使い過ぎたからか、体に霜が降りてから動きが格段に鈍くなっている様だ。

緑谷に懐に入られて一発貰った。

だが、ここで場外まで吹っ飛ばせなかったのは緑谷に取っては致命的だろう。

杉元だったら、今の一撃で場外まで吹っ飛ばせただろう。失敗したな緑谷。

 

だが、緑谷はそんな事お構い無しのようだ。

緑谷は、轟に必死で何か伝えている。

喧騒の中で拾いづらいが、どうやら緑谷は全力を出さない轟にイラついてる様だ。

だが、轟は轟で、ズケズケと轟の内面に無遠慮に入り込んでくる緑谷は鬱陶しいのだろう。

あーあ、聞いてられねえぞこんな青臭いやり取り。

 

だが、緑谷の粘り勝ちの様で、轟はとうとう「熱」の方を使い出した。

 

最後は両者とも全力を出したのだろう。

打ち合いの結果、大爆発を引き起こし、ステージ中央をぶち壊しやがった。

熱風が、スタジアム全体を襲った。

 

結局緑谷は打ち負けたのか、場外へと飛ばされ、轟が3回戦進出となった。

 

「すげえ試合だったな尾形…。」

「…ああ、そうだな。」

「緑谷は本気出した轟に勝ちたかったんだろうけど、なんかそれだけじゃ無さそうだよな…。」

「……………さあな。」

俺達が知ったこっちゃない理由だろう。

 

ステージ中央が崩壊した為、修復作業の時間が出来たので、麗日・飯田・蛙吹・峰田と共に緑谷にお見舞いに行こうと杉元が言い出した。

…お前、次試合だろうが。

そう言ったが、杉元が聞くはずもなく、俺も強制的に緑谷の見舞いに行くこととなった。

だが、保健室まで緑谷の見舞いに来たはいいが、緑谷は今から手術らしい。派手にやったな緑谷。

 

手術だという緑谷の為、リカバリーガールに保健室から追い出された。

そのまま杉元は控え室に行くようだ。

 

「杉元、次の相手は茨の蔓使いだ。対策は考えてるんだろうな?」

そう俺が聞くと

「ま、何とかするさ。」

と返した。何とかする、だとコイツなんも考えてないんじゃねえだろうな………まあ、コイツの「個性」だ。何とでも出来るだろう。

「そうかよ、油断はするなよ。」とだけ返しておいた。

 

一緒にいた麗日、飯田、蛙吹、峰田が口々に杉元を激励し、杉元は控え室に去っていった。

 

観客席に戻るとステージの補修も終わったようだった。

杉元対塩崎の戦いがもうすぐ始まる。

 

「上鳴を完封&瞬殺した塩崎!!

バーサス

これまた飯田を瞬殺した杉元!!

まさしく女傑対決だー!!!!」

 

スタートの合図と共に、塩崎が髪の茨の蔓を伸ばし、杉元に絡みつかせ完全に拘束した。

杉元の奴、避けれる癖にわざと捕まりやがったな…。

 

「おおっと!杉元!!塩崎の茨に絡みつかれたー!!これには流石の杉元もなす術なしか!?」

そんな実況が流れるが、杉元はそんなヤワではないだろう。

 

思った通り、杉元は絡みついた茨を無造作に引きちぎり蔓の拘束から難なく脱出した。

これには対戦相手の塩崎も大いに驚いたようだ。いや、対戦相手所か大勢の観客や教師達も驚いてるか。

 

「杉元、塩崎の拘束を引きちぎったー!!?」

実況も熱が入ってら。

 

塩崎は近づいてくる杉元に猶も茨の蔓を差し向けるが、その全てを杉元は引きちぎり、塩崎の前まで悠々と近づいた。

 

「どうする?まだやるか?」

杉元がそう問うと、塩崎は悔しそうに項垂れ、「参りました」と小さな声で負けを認めた。

 

「塩崎さん降参!杉元さんの勝利!!」

「あの茨の蔓を易々と引きちぎりやがったぞおおお!!どんな握力してるんだー!?パワーの底がまだまだ見えないぞ杉元ーーー!!!!3回戦進出だー!!!!」

 

杉元は危なげ無く勝利した様に見えたが、もしもあの蔓の拘束から抜け出せなかったらどうするつもりだったんだあのバカ。

そう小言を言ってやりたいが、次は俺の番だ。観客席を立ち、急いで控え室に向かう。

 

控え室で待っていると、すぐに係員に声を掛けられ、入場する。

次の相手も女か…。まあ、男でも女でも俺は関係なく戦うがな。

対戦相手の芦戸も出てきた。

 

「強力な酸攻撃にトップクラスの運動神経の芦戸!!

バーサス

えっぐい反射神経&スピードに的確な判断力の尾形!!

さあ今度はどちらに勝利の女神は微笑むのかー!?」

 

スタートの合図が大きく響いた。

コイツは強烈な酸攻撃が厄介な奴だったな。

俺は芦戸に向かって走り出した。

芦戸は俺に向かって次々と酸を掛けてくるが、俺はそれら全てを左右に避けながら接近する。

この程度の速さなら対応は簡単だ。

しかし、この酸、コンクリートを溶かすほどだが、試合に使って大丈夫なのだろうかとそんな事すら考えていた。

 

易々と芦戸の懐に入り込む。

芦戸は近接格闘でコチラに殴りかかったが、腕を取りひねり揚げて床に引き倒す。

そのまま体重を掛けて伸し掛ると、下から「痛い痛い痛い痛い!!!!!」という悲鳴が上がった。

 

俺は「さあ、どうする??降参するなら止めてやるが?」

と聞くと芦戸はもがきながらも「降参なんかしないってば!!」

と返してきた。

 

俺は更に体重を掛けてやると益々悲鳴が上がり、最終的に涙声で「こ、降参しますー!だから退いてえええええ!!!!」という声が会場に響いた。全く、最初からそう言えば余り痛い思いもしなくて済んだだろうによ。

 

「芦戸さん降参!尾形君勝利!!」

 

俺が退いてやると半泣きで芦戸が超痛かった〜ううーでもめちゃめちゃ悔しい〜と言っていた。

 

「やっぱりえっぐい反射神経だな尾形!!そんでお前結構ドSなんじゃな〜〜い!!??3回戦進出だー!!」

誰がドSだ誰が。

 

勝負を終えて控え室に戻ると杉元が待っていた。

「勝ったんだろうな?」

「当たり前だろ。」

「ま、そうじゃなきゃ困るからな。」

短いやり取りをして観客席へ杉元と連れ立って向かう。

 

爆豪と切島の戦いはもう始まっている様だ。

席に戻る途中で、緑谷と飯田に出くわした。

緑谷はもう手術は終わったのだろう。

 

「緑谷ー!手術終わったんだな。大丈夫か?」

「あ、うん杉元さん。もう大丈夫だよ。

所で2人とも、試合どうやって勝ったの?特に塩崎さんのイバラの攻略とか…。僕もちゃんと見たかったなあ…。」

手術で見れなかったのだろう。緑谷がそう呟いた。

 

「俺は絡んできた茨、力ずくで全部引きちぎって勝った。」

「ええっ!!あの強力そうな拘束引きちぎったの杉元さん!?や、やっぱり凄いパワーだね…。」

「コイツ、ゴリラだからな。」

「誰がゴリラだクソ尾形!!!!」

「ゴリラだろうあんな力に頼った勝ち方しやがって。お前わざと拘束受けただろう?拘束引きちぎれなかったらどうするつもりだったんだ?あ?」

「うっ、い、良いだろちゃんと引きちぎれたんだからよぉ!」

「はあああ、たくっお前は本当に脳筋だな…。」

 

俺と杉元が言い合いしていると、緑谷が慌てて、「お、尾形君はどうやって勝ったの?」と聞いてきたので答えてやった。

 

「俺は芦戸の酸攻撃をひたすら躱して接近。芦戸を引き倒して上に乗っかって体重掛けてやって降参させた。」

「ああ、あれは素晴らしい手際だったな。尾形君。俺でもあんなに素早く避けられるかどうか…。」

「そうだったんだ。凄いね。2人の戦いちゃんと見たかったよ。」

「後でVTRを見させてもらうといいぞ緑谷君。」

 

談笑している内に、爆豪達の試合も動いた。

爆豪の爆破を硬化で耐えていた切島だったが、とうとう耐えきれ無くなり、その綻びを爆豪が怒涛の爆撃で切島を沈めた。

 

「爆豪えげつない絨毯爆撃で3回戦進出!!

これでベスト4が出揃った!!」

そうアナウンスが流れた。

次は準決勝、轟対杉元だ。

 

杉元が行ってくると控え室に戻ろうとしたので、また俺は声を掛けた。

 

「杉元、あの轟が相手だ。全力出せよ。」

そう言えば、杉元は

「おう!全力で暴れてくるぜ!!」

と大きな声でそう返した。

 

緑谷や飯田も杉元さん頑張ってね、と声を掛け、杉元は控え室に去って行った。

 

「轟君と杉元さんの戦いかあ…凄い試合になりそうだね。」

観客席に戻り、緑谷がそう言った。

「ああ、かなり激しい戦いになるだろうな。」

飯田が緑谷にそう返した。

 

「激しい戦いになるだろうが、まあ、アイツが勝つだろ。」

俺がそう言うと、緑谷達は「杉元さんのこと信頼してるんだね。」と言って笑った。

信頼なんかじゃねえよ。今までの杉元のデタラメな戦い方を見てりゃ、誰だって思うことだろうよ。

 

試合ステージに轟と杉元が出てきた。

「お互い超強力な個性持ちだ!!これは激しいバトルになるんじゃねーの!?

轟焦凍 バーサス 杉元佐一!!!!」

 

試合の合図が大きく響いた。

轟は開始直後、全力で杉元に対して氷結を繰り出した。

会場から大きくはみ出す氷山が出来上がった。

 

「おーっと!轟、開始直後に全力だー!!

杉元は思いっきり氷山を食らったが大丈夫かー!!??」

 

そんな実況が流れる。

すると馬鹿でかい氷山が爆発したかと思う程、弾け飛んだ。会場にデカい氷の結晶が降り注ぐ。

杉元が氷山を拳で粉砕したのだろう。

 

「轟ぃ〜!!こんなんじゃ俺は倒せねえぜ?

緑谷の時みてぇに炎使ってこいよおお!!!!」

杉元の挑発が大きく響いた。

 

轟は猶も氷結で杉元を凍らせようとするが、全て拳一つで相殺する。

緑谷と違って杉元は自滅なんてしないぞ轟、さあどうすんだ?

 

杉元が轟の所まで一気に跳躍した。

空中で轟の襟首を掴みあげ、そのまま一気に場外へと投げ飛ばした。

「舐めてんじゃねえぞ轟ぃ!!!!」

 

杉元は本気で場外へと投げようとしなかったのだろう、轟は投げ飛ばされはしたが、地面に転がるように投げ飛ばされたので地に手をついて氷壁を作り、場外負けを回避できた。

 

「轟、てめぇが何を思って炎を使わないのかは聞いたけどよお、でもそれじゃあ、俺には一生、勝てねえぞ!!!!」

 

杉元がまた跳躍し、轟が跪いている所まで一気に距離を詰め、拳を放ち、轟は間一髪で飛び避けた。

杉元の放った拳でステージがドゴオオオオンと音を立てて盛大に割れる。

まあ、割れはしたが、戦闘は続けられない程では無いから戦闘は続行するだろう。

思った通り、主審からは何も無かった。

 

「杉元、ステージを拳一つで盛大にぶっ壊しやがったー!!!!この女もう何でもアリだな!!轟、防戦一方だー!!!!どうする轟ー!?」

実況も白熱している。

 

「轟、俺は緑谷みたいにてめぇに言葉を尽くさねえが、良いのかおい、てめえがこのままなら確実に俺に負けるぜ?だからよお、そっち側、使って来やがれ!!そっち側だって確かにてめぇの力だろ轟ぃ!!!!」

 

杉元はそう言って轟を追い詰める。

チッ、杉元、あのバカ、勝てる内にさっさと勝っときゃ良いのにお人好しが過ぎるぜ。

杉元も杉元なりに轟の身の上話を聞いて何か感じているのだろうが………。

 

杉元の気迫に気圧されたのか、言葉が響いたのかは分からねえが、轟は緑谷の時と同じように炎を出しやがった。

杉元の馬鹿が、これで負けたら承知しねえからな。

 

「杉元………緑谷もそうだが、ほんとお前らお節介だな…。これでお前が負けても知らねえぞ?」

「はっ、お前がそれ使った上でねじ伏せてやるよ!!!!」

 

轟が炎を全開にして、杉元に打って出る。

轟が全力の業火を杉元に打ち込む。

会場が炎の熱気で満たされた。

 

だが、杉元は不敵な笑みを浮かべ、渾身の一撃でそれをかき消しやがった。

「おおおおおおおおおおおお!!!!俺は、不死身の杉元だああああ!!!!!!」

 

杉元の一撃は熱風までかき消し、上昇気流により、一時的ににわか雨まで降らせやがった。………全力の杉元なんぞ早々見ないからな。やはりコイツは化け物だ。

 

試合の方はというと、衝撃に備えて氷壁を張り巡らしていた轟は、その氷壁すら吹っ飛ばされて、場外へと転がされていた。

 

「なんだこれ雨まで降ってきやがった!?天気すら変えたってかあ!?規格外すぎるぜ杉元佐一!!

轟場外!!杉元、決勝進出だ!!!!

てか準決勝でこれかよ!?」

 

「凄いね、杉元さん…まるでオールマイトみたいだ。」

「ああ、あの最後の超絶パンチ、とんでもなかったな。」

緑谷達が杉元の規格外さに改めて驚愕している様だ。

杉元の決勝進出。俺が言った通りだったろ?

 

さて、次は俺の番か…だが、杉元がステージをバキバキに壊したせいで、ステージ補修に少し時間が掛かるだろう。

俺は観客席を立ち、のんびりと控え室にでも向うか。

 

席を立つ時、緑谷と飯田に「尾形君も頑張ってね!!」とエールを貰う。

俺は一応「ああ。」とだけ答えて控え室に向かった。

 

控え室に入ると杉元が居た。

「ちゃんと勝ったぜ尾形。」

ニヤリと杉元が言った。

 

「ああ、だがやりすぎだろうこの馬鹿。」

俺がそう言うと「お前が全力出せって言ったからじゃねえか!」とギャーギャー騒いだ。だからって限度ってもんが有るだろうよ。

まあ、勝てたから良いか。

 

「お前も相手はあの爆豪だぞ、やり辛えとは思うけど絶対勝てよな!!」

杉元が真剣な顔で言ってくるので、俺も「負けねえよ。」とだけ返しておいた。

 

ステージの修復が思いの外早く終わったようだ。係員が呼びに来た。

「勝てよ!」と猶も言う杉元に背を向け片手だけ上げて振り返らずに準決勝のステージに向う。

 

ステージにはもう爆豪が立っていた。

こちらを思い切り睨みつけてくる。

 

「銃野郎、てめえに勝って、その後あの傷女にも勝って、この体育祭は俺が優勝するぜ。」

爆豪が睨みながらそう宣言した。

 

「今は銃持ってねえって言ってんだろ阿呆。それにお前じゃ杉元には勝てねえし、俺にも勝てはしねえぞ、爆発野郎。」

そう煽りかえしておく。

 

「勝って傷女は守るってかこの腰巾着野郎が。」

「アイツが俺に守られるってたまかよ。その目は節穴か?頭湧いてんのか?」

 

罵りあいが白熱してくるが、主審に両者とも静かにと注意され、お互い口を紡ぐ。

爆豪は一言、「殺す」と言って黙り、俺を睨みつづける。

 

「爆破キリングキング!!派手野郎爆豪!!

バーサス

えげつないスピードスター!!影の実力者尾形!!」

 

スタートの合図が響いた。

さて、爆豪か…コイツの爆破は本当に厄介だな。

合図直後、爆破でブーストしてコチラにぶっ飛んできた爆豪の爆破を早速躱す。

 

「お得意の銃がなけりゃ、てめえは攻撃力ゼロの雑魚だろ!!逃げることしか出来ないカスが!!」

 

言いたい放題だな爆豪。確かに俺は銃がなければかなり攻撃力がダウンするが、攻撃手段が無い訳では無い。ある意味これは切り札だったから準決勝で見せたくなかったんだがな…。

だが、ここで出さずに勝てはしないだろう。

仕方ねえな…。

 

爆豪の爆破ラッシュを全て紙一重で躱す。

コイツは時間が経てば経つほど動きが良くなってくる変態だ。早めに決着をつけねば。

 

「オラオラ、躱すのが精一杯か!?腰巾着ちゃんよお!!!!」

 

「爆豪の爆破ラッシュに堪らず尾形も防戦一方かー!?だが、このラッシュを全て躱しきる尾形も並じゃねえ!!このピンチどうするー!?」

 

爆豪から少し距離を取り、わざと隙を作る。

爆豪がそれを見逃さずに両手で爆破を仕掛けて来る。

掛かった。

 

俺は爆破を紙一重で避け、爆破し終えた所を逃さずに、爆豪の両の掌を思い切り「山猫」の両の爪で引き裂いた。

 

「があああああああああ!?」

爆豪の悲鳴が響き渡った。

爆豪の掌は深々と切り裂かれ、血が滴り落ちた。

 

「尾形ここに来て隠し球ーーー!!!!?

何と尾形、爪を巨大な肉食獣の様に変化させ、思い切り爆豪の掌を引き裂いたー!!!!

爆豪、これは大ダメージだああああ!!

てか尾形、爪ってウル〇ァリンかよ!!」

 

誰がウ〇ヴァリンだ。あそこまで爪長くねえし手の甲からは飛び出してねえよ。

 

「クソがああ、てめえそんなもん隠してやがったのか…!!クソがああ!!」

爆豪が辛そうに唸りながら言った。思い切り引き裂いたからな。かなり痛いだろう。

だが、これで爆豪お得意の爆破はもう使えないだろう。

 

「痛そうだな爆豪、早く負けを認めて保健室にでも行って見てもらってこいよ。」

「誰が負けるかクソ爪野郎。てめえなんか爆破なんぞなくても殺してやるよ!!」

「そうかよ。それにしても元気だなお前。」

 

俺が親切で、そう、親切で言ってやったのに、爆豪は負けを認める気は更々無いようだ。

俺は素早く走り、爆豪の拳を屈みながら躱して、今度は両足を思い切り切り付けた。

服の上からだが、俺の「山猫」の爪と腕力ではそんなもの諸共せず、爆豪は堪らず膝を地につけた。

 

両の掌と両足をダメにしたのだ。もうこれで奴は思う様に動く所か、戦闘なんてもう無理だろう。

 

「流石にもう降参するだろ?」

俺はそう爆豪に問うたが、爆豪は

「誰がするかカスが!!!!ぶっ殺してやる!!!!」

とまだ鼻息荒く叫んだ。

 

俺は主審のミッドナイトに

「だ、そうだが、どうする?

この状態で降参しねえから、次はコイツの両肩でもぶっ刺してやろうかと思ってるんだがアンタどう思う?」

と伝えると、ミッドナイトは

「これ以上は爆豪君は戦闘続行なんて無理ね。だから貴方もこれ以上攻撃しちゃダメよ。」

と返してきた。

 

「爆豪君行動不能!!よって尾形君決勝進出!!」

とミッドナイトが大きな声で叫んだ。

 

爆豪は「ふざけんな!!まだ俺はやれるわ!!」とミッドナイトに叫んだが、「どう見ても無理でしょ爆豪君。もう立てない上に手も駄目でしょう?早く保健室へ行ってリカバリーガールに診てもらいなさい!!」

とにべも無く行動不能と判断された。

 

俺は猶も喚き続ける爆豪を放って、控え室に戻った。

少しすると杉元、緑谷、麗日、飯田が控え室になだれ込んできた。

 

「決勝進出おめでとう尾形君!!爆豪君相手に勝っちゃうなんて凄いわ〜!!」

「おめでとう、尾形君。かっちゃんの爆破全部躱したのも凄かったけど、あんな隠し球持ってたなんて全然気づかなかったよ!!あれも「個性:山猫」の能力の1部だよね!?」

「尾形君、俺もスピード重視のヒーローとして、君と戦ってみたかったよ。決勝進出、おめでとう!!」

 

麗日・緑谷・飯田に、そう矢継ぎ早に祝福の言葉を贈られた。

 

「勝ったな、尾形。」

杉元はそれだけ言った。

 

俺は「ああ、これで俺は最低でもお前が言った2位には宣言通りなれるな。」とニヤリと笑い、続けて言った。

 

「だが、ここまで来たんだ。お前にも負けるつもりはねえぞ。」

「上等だ尾形!寧ろ全力出さなかったらぶっ飛ばすからな。」

「ああ、お前を倒して恥じ掻かせてやるよ。」

「はっ、言ってろ尾形!勝つのは俺だ!!」

 

俺と一通り喋って杉元は別の控え室へと去っていった。

 

いよいよ杉元と決勝戦か…。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。