尾形と杉元♀がヒロアカ世界に転生して幼馴染する話   作:ゆめ子

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雄英体育祭編9

いよいよ決勝戦が始まる。

 

と、思ったその前に、何やら俺の攻撃から回復したのだろう爆豪が、予定の無かった3位決定戦をやらないのかとミッドナイトに持ちかけ、ミッドナイトがそう言う熱い展開が好きとのことで決勝前にやり出した。

 

轟対爆豪、俺の予想では轟が勝つだろうと思っていたが、轟は対爆豪戦では最後まで炎を使わずに、場外負けしたらしい。

因みに爆豪は俺の時には出さなかった(出せなかった)大技を披露し、それで轟を場外まで吹っ飛ばしたらしい。

 

緑谷や杉元と戦った時の様に、炎を使っていたら確実に勝てただろうにな。何か轟にも複雑な思いが有ったのだろう。まあ、どうでもいい事だがな。

 

爆豪はその結果に納得がいかず、倒れた轟に掴みかかった所で主審のミッドナイトの「個性」によって眠らせられたとの事だ。

今頃轟と一緒に保健室で寝ているのだろう。

こうして、3位は本人的には不本意だろうが、爆豪に決まった。

 

ようやく決勝戦だ。

俺は準備をして控え室を出た。

 

入場口を出て試合のステージに立つ。

決勝戦だからかかなり観客も熱狂しているのだろう。四方八方から歓声が聞こえる。

杉元も気になったのだろう。周りを見回しながら出てきた。

 

「すげえ歓声だな。下手な試合は出来ねえなこりゃ。」

「ま、決勝戦なんだ。仕方ねえだろ。」

 

もう、試合の合図が出る。

俺は銃を構える。

そう、銃だ。俺が銃を構えたことにより、観客席からざわめきが起こった。

 

「尾形が銃を取り出してザワついてるけどな、これは事前に申請されているから静まっとけ。対戦相手の杉元も納得済みの事だぜー!」

「尾形は普段は銃を扱っているからな。今回はもし決勝で杉元と当たるなら、全力を出したいからという理由だ。わざわざ杉元と共に申請しに来たからな。お互い納得済みなら武器の使用もOKとなった。」

プレゼント・マイクと相澤が交互に解説してきた。

 

俺はレクリエーション前に、杉元に了承を得て、体育祭運営から銃を使用する許可をもぎ取っていたのだ。

コイツ相手なら遠慮は要らんからな。

杉元も遠慮なく使ってこいと言うので、申請も何とか通ったのだ。

 

「全力出せよ尾形あ〜!」

「言われんでもお前相手じゃ全力だ。」

 

スタートの合図が大きく上がった。

 

まず杉元が突撃してくる。

俺は慌てずに杉元の両足を素早く撃ち抜いた。崩れる杉元に観客からの悲鳴が出たが、この位で止まるわけもない。

 

杉元がまだ回復しきらないうちに両肩も撃ち抜いておく。

素早く杉元の元まで走り、杉元の襟首を掴み場外まで投げ飛ばそうとするが、もう足の傷が治ったのだろう杉元が足で踏ん張り投げ飛ばすのを阻止される。

 

杉元はまだ治ってないだろう肩を無理やり動かして俺に掴みかかろうとする。

俺は咄嗟に避けて距離を取る。

両肩撃ち抜いてなきゃヤバかっただろうな。

 

「両足と両肩撃ち抜かれた杉元!!超ピンチの筈がなんだああ!?もう回復しちまったのか!!!???」

「杉元は「超速回復」と言う「個性」も持ってるからな…だが、場外へ投げ出されると気づいてまだ回復しきらん内に無理やり動かしたんだろう。相変わらず無茶しやがる。」

相澤の解説が入る。

 

「いってえええなああああ、このクソ尾形、思い切り撃ち抜きやがって。」

「お前相手だ。当然だろ。前の時みてえに頭撃ち抜かないだけ感謝して欲しいぐらいだぜ。」

 

軽口を叩き合うが、こいつに勝つ打開策が見つからねえ…。

回復した杉元がお返しとばかりに迫り、拳と蹴りのラッシュを俺に向けた。

俺は一発も貰わないように全ての拳と蹴りを捌く。くっそ掠った。掠ってこのダメージかよ。やってらんねえな。

 

杉元の拳と蹴りを全て躱し、隙を見て後ろに跳躍し、また杉元と距離を取る。

 

「杉元の猛ラッシュにピンチかと思った尾形だったが、あの猛ラッシュ全部躱しきったああああ!!やはり、この男の反射スピード半端ねえな!!!!」

 

俺はまた銃を構えると、杉元は照準を合わせないよう左右に走りながら向かってきた。

かなりのスピードだが、俺ならば狙い撃つのもわけはない。

俺は杉元の肩に一発銃弾をぶち込む。

たたらを踏んだ杉元の肩に更に三、四発連射し、同じ箇所にぶち込む。

堪らず跪いた杉元まで一直線に走り、杉元の懐へまた飛び込んだ。

お返しだ、と呟き銃弾をぶち込んでまだ回復仕切らない傷の部分を強化した爪で更に抉った。

杉元も流石に堪らずグアッと呻き顔を歪めた。

その一瞬の隙を逃さずに俺は渾身の蹴りを杉元の腹に決めて、杉元を吹っ飛ばした。

 

「おおっと尾形渾身の強烈な蹴りが決まったああああ!!これは場外へ決まるかあ!?」

 

杉元は盛大にゴロゴロと転がり、場外へと出そうになった。

やったか…!?

だが、その手前で杉元がステージの床に手をめり込ませ、場内へと留まった。

 

チッ…俺は間髪入れずに杉元の元まで跳躍し、更に蹴りを放ち杉元を場外へ出そうとしたが、蹴りを放った方の足を取られてしまった。クソっ。

 

杉元は「お返しだぜ尾形」と行って今度は俺の腹に思い切り蹴りを入れた。

俺は咄嗟にガードしたが、ダメージは殺せずそのまま吹っ飛んだ。

反対側の場外近くまで飛ばされ、更に杉元が大跳躍して追撃してきやがった。

でかい蹴りを転がって避ける。避けた部分のステージが盛大に割れる。馬鹿力が。

 

俺は立ち上がり立て直そうとしたが、その隙を杉元は見逃してくれなかった。

 

杉元が俺の懐に飛び込み、拳のでかい一発を腹に貰い、堪らず俺は場外へと吹き飛んで行った。

あーあ、また勝てなかったか。

 

「尾形君、場外!!よってーーーー杉元さんの勝ち!!!!」

 

「以上で全ての競技が終了!!今年度雄英体育祭1年優勝はーーーーA組 杉元佐一!!!!」

 

歓声が爆発した。

 

…………まあ、俺にしちゃ頑張った方じゃねえか?

にしても杉元から貰った蹴りと拳のせいで盛大に内蔵と肋骨部分と庇った腕が痛え…こりゃ何本か折れてるか…?

 

「おい、尾形大丈夫か?」

この大怪我の原因もとい張本人が、吹っ飛ばされた俺の所まで来て、俺を抱き上げた。

 

「お前の蹴りと拳まともに食らったんだぞ………大丈夫なわけあるか…。」

日常でも杉元と組手を頻繁に行っているが、ここまで大怪我する戦闘は余りやらないので、こんな大怪我は杉元と誘拐された時以来だ。いや、もっと酷い。

 

「わ、わりい尾形…あんまり手加減出来なくて…………」

「おい、手加減しましたとか言ったらまた銃弾ぶち込むからな…。」

「いや、それはねえよ。」

「なら、いい。」

 

杉元は既に怪我も自己回復してピンピンしている。

杉元は俺が運んでやろうか?と完全に善意で言っている様だったが、俺は全力で拒否した。

誰が今の見た目のお前に運んでもらいたがるか。プライドまでへし折る気かてめえ。

 

暫くして、担架ロボットがやってきた。

それに乗り、保健室に運ばれる。

杉元も一緒にくっつい来るようだった。

 

保健室に行くと、まだ寝ている爆豪が目に入った。まあ、コイツが目を覚ませばまた暴れるだろうからな。

 

俺が横になって診察され、レントゲンやら取られると、やはり肋骨が何本か折られていた様だ。痛え訳だよ。あとは打ちみやら打撲やら何やらも有るみたいだ。

折れた肋骨は内蔵を傷つけずに綺麗に折れているとの事から、リカバリーガールの治癒だけで回復出来るようだ。

 

俺が治療を受けていると、A組の奴らが押しかけてきて、杉元におめでとうと祝福したり、健闘を讃えたりした。

俺にも良く戦ったやら、残念だったけど2位おめでとうやら、抱き上げられた時杉元のおっぱいに頭乗せた感想は?やら言われた。

最後のコメントは勿論峰田なので答えの代わりに銃の柄で頭を殴っておいた。

 

治癒を終えて、リカバリーガールに保健室から全員追い出される。因みにこの時爆豪が目を覚まし暴れ出したので教師達が爆豪を拘束するという一面があったがそれはまあ、どうでもいいな。

 

保健室に突撃してきたメンバーに、飯田が居なかったので、杉元が疑問に思い緑谷に聞いたら、家の事情で早退したらしい。

話を聞くと、飯田の兄であるヒーローが敵にやられたということだ。

………ヒーローだからな。戦ってりゃ、敵に殺される事も充分有り得るだろう。

杉元も「そうか、大変だな飯田…。」と飯田を心配しているようだった。

 

席に戻る途中、杉元が、何故爆豪戦の時に炎を使わなかったのかを、轟に問うていた。

 

「緑谷と戦ってキッカケを貰って、お前とも戦って………でも分からなくなっちまってな…。俺が吹っ切れてそれで終わりじゃ駄目だと思った。だからこっちは使えなかった…。精算しなきゃならないモノがまだ有るからな………。」

と杉元に言っていた。

轟のその顔は穏やかだった。

 

「………そっか、今の轟なら、きっと精算出来るさ…。」

そう杉元が言った。

 

表彰式が始まるので1年全員スタジアムの中央に集まり並ぶ。

俺と杉元は表彰台の上に乗れとの指示だったので、杉元が1位、俺が2位の台に立った。

 

「おお!俺、表彰台とか乗るの初めてだぜ!」

杉元はそう言ってはしゃいだ。

 

3位の爆豪は余程この順位が気に入らないのだろう、両腕と口元をガッチガチに固められ拘束されながら表彰台に無理やり立たされていた。

…ここまでやるのなら別に表彰台に立たせなくても良いんじゃねえか…?

杉元も「うわぁ…爆豪……うわぁ……。」と呆れるというか引いていた。

 

「メダル授与よ!!今年メダルを贈呈するのはもちろんこの人!!」

ミッドナイトが声を張り上げると、スタジアム外壁の頂上から、オールマイトが降ってきた。

 

「私がメダルを持って来t」

「我らがヒーローオールマイト!!!!」

 

オールマイトの声とミッドナイトの紹介が被ってしまった。締まらねえなあ。

 

オールマイトがまず爆豪にメダルを渡そうとする。オールマイトは「爆豪少年!」と呼んでから、「こりゃあんまりだな…。」と、爆豪の口枷を取り払った。

 

爆豪は鬼のような形相をし地を這うような声で、「オールマイトォ…こんな順位何の価値もねえんだよぉ…世間が認めても自分が認めなきゃゴミなんだよ!!!!」とぶちまけていた。

オールマイトはそれに対し、不変の絶対評価を持ち続けられる人間はそう多くいないと爆豪を評価した上で、メダルを傷として忘れぬように貰っとけと言い放った。

 

爆豪はそれでも要らぬと突っぱね続け、メダルを受け取ろうとしなかったが、オールマイトは首に掛けるのは諦めて爆豪の口に引っ掛けて強引にメダルを渡した。

 

爆豪の次は2位の俺の番だ。

「尾形少年!!おめでとう!!!!強いな君は!」

首にメダルを掛けられる。

俺は「………どうも…。」と返しておいた。

 

「身体能力もかなりのモノだったが、直接の「個性」でない君の射撃の腕前も確かなものだ。それに判断力も素晴らしかった。更に地力を鍛えれば、取れる選択肢も益々増えるだろう。とにかく、おめでとう!!」

オールマイトはそう言うと俺に抱擁してこようとしたので、やんわりとそれを避けた。

大男に抱きつかれる趣味は無いのでな。

オールマイトは少し寂しそうな表情を浮かべたが、気を取り直して杉元の方へと向かった。

 

「さて、杉元少女!!伏線回収見事だったね。ああ、それは尾形少年もか。」

伏線とは杉元の宣誓の時にした優勝宣言の事だな。俺も巻き込まれたが、杉元の宣言通り、2位を取れたから恥をかかずに済んで一安心だ。

 

「杉元少女、第1種目からその実力を周囲に見せつけ、最後まで他を圧倒するその力で人々を沸かし、魅了し続けたね。正しく君はヒーローでエンターテイナーだったよ。まっこと素晴らしい!!

そして宣言通りの優勝、本当におめでとう!!!!」

 

そう言ってオールマイトが杉元の首にメダルを掛け、杉元と抱擁すると客席が沸いた。

歓声が響き渡った。

杉元はオールマイトの言葉に感動した様だ。

照れながらも笑顔でオールマイトに抱擁し返していた。

 

…………チッ、オールマイトだからと言ってヘラヘラしてんじゃねえぞ杉元…。

 

そして最後にオールマイトが大きな声で、次代のヒーローはその芽を確実に伸ばしていると観客に伝えて、最後の締めの言葉を述べようとする。

 

「てな感じに最後に一言!!皆さんご唱和下さい!!せーの」

「「「「「「プルスウルトr」」」」」」

「お疲れ様でした!!!!!!!!!!」

 

まったく、締まらねえなあ…。

 

体育祭が終了したので、全員体操服を着替えてそれぞれ教室へと戻る。

教室に戻り、早退した飯田以外、全員席についてると相澤が現れ教壇に立ち言った。

 

「おつかれっつうことで、明日明後日は休校だ。」

ああ、そう言えば休みになるんだったな。

 

「プロからの指名などをこっちでまとめて休み明けに発表する。ドキドキしながらしっかり休んどけ。」

 

プロの指名か………俺は2位だし、まあ他の奴らよりも実力をアピール出来てもいるだろう。

さてどの程度プロからの指名が有るのか…また、行きたいと思えるプロから指名が有るか…。

 

そんな事を考えていたら、帰りのホームルームが終わった。………帰るか。

俺はもう既に荷物をまとめてあるので、杉元の席まで行き、「帰るぞ杉元。早くしろ。」と杉元に声を掛けた。

 

杉元は今から帰る準備をするのか、「ちょっと待ってろ尾形。」とゴソゴソしている。

もっと早めに準備しておけ。

 

準備しながら杉元が「プロからの指名だってよ尾形〜どんだけ来るか今から楽しみだよな〜。」と陽気に言ってきた。

まあ、今回1位はお前だし、普通に考えればお前に1番声が掛かるだろうよ。今回の体育祭じゃ超速回復を盾にした無茶という名のスプラッタは見せなかったしな。俺との戦いでは盛大に血を出してたが、無理をした結果ではないからな。

 

「まあ、普通に考えたら、お前のとこに1番来んじゃねえか…?」

そう返すと杉元は「え?そ、そっかな〜?だといいけどぉ〜。」と何故か照れていた。

 

帰る支度が出来た杉元と、他の連中に別れの挨拶をしつつ教室を後にする。

 

「でもよぉ、やったな尾形。」

駅までの道を歩いていると杉元が突然言ってきた。

 

「何がだ?」

「俺が優勝して、お前が2位、俺とお前でワンツーフィニッシュ達成出来た事だよ!!」

 

ああ、確かにお前のおかげで俺も大変だったぜ。

チートなお前と違って俺は一歩間違えれば負けてただろうからな。特に最終種目は組み合わせのおかげと言っても良いだろう。

 

「ああ、その事か。まったく恥じ掻かずに済んで良かったぜ。」

そう返すと杉元は不満そうな顔をした。

 

「それだけじゃないだろ尾形〜!もっと色々有るだろう〜??」

「色々って何がだ。」

何が言いたい杉元?

 

「だぁから、嬉しい!とかやったぜ!とかそういうのだよ!!」

嬉しいやら、やったぜ、やらねえ…。

前世ではそんな感情そうそう感じはしなかったのだがな…。

 

「………まあ、良かったんじゃねえの…?」

「そうそう、そういうのだよ!!そういうの!!」

俺の返答に杉元がにかりと微笑んだ。

…………俺を良くむず痒い気持ちにさせるよな、今生のお前は。

まだ、杉元に言ってなかったことを気まぐれで言ってやった。

 

「………杉元…優勝出来て、良かったな…。」

「!!おう!尾形も準優勝おめでとうな!!」

杉元は益々嬉しそうな顔を俺に向けた。

 

前世では仏頂面ばかりを向けてきたお前だったが、今生で向けてくるそういう顔は、まあ悪くは無いな。

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