やはり俺がカバネリなのは間違っている。   作:ガタオガタ

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第一話

俺のできることは...

 

 

「はぁはぁ...逃げるぞ小町!!」

 

 

「ど、どうしたのお兄ちゃん...??」

 

 

「カバネだ!カバネが町を襲ってる!!だから急いで逃げるんだ!!」

 

 

「わ、わかったよ!お兄ちゃん!!」

 

 

この世界には噛んだ人間をウイルス感染させ同族に変える怪物・カバネが存在し、世界を覆いつくしている。

ここ、極東の島国・日ノ本では、駅と呼ばれる砦を駿城という装甲蒸気機関車で従来するというカバネから隔離された

堅牢なインフラを整備することで生活が保たれていた。

カバネによる被害はひどく、毎日どこかで人間が殺され、カバネへと姿を変えていた。

そんな生き抜くことさえ難しい、いつ死んでもおかしくない世界である一人の少女カバネへと姿を変えようとしていた。

 

「ガァァァァア!!」

 

 

「!!小町...後ろだ!!避けろ!!!」

 

 

「!!お兄ちゃん!!お兄ちゃん!!!」

 

少女は少年の声で後ろから迫ってくるカバネに気付き、左前方へと飛び込むようにして回避した。

 

「小町早く立て、あのカバネが起き上がる前に逃げるぞ」

 

偶然だが、少女が回避したときカバネは少女を捉えるために飛びかかっていた。

そのため空中で捉えるべき対象が急に移動したため地面へとたたきつけられていた。

 

「う、うん」

 

再び少女が逃げようと地面を踏み込んだそのとき

 

「ホァァァァアアア!!!」

 

先ほどとは別のカバネが少女の足を掴み、転ばせていた。

 

 

「小町!!!ちくしょう!!!小町を離せ!!!!」

 

 

 

「痛い!!痛いよ!!お兄ちゃん!!」

 

 

少年は、少女の足を掴んでいるカバネを何度も踏みつけ、外すことに成功した。

 

 

「お兄ちゃん...足が痛いよぅ」

 

 

「小町...乗れ、俺が背負っていく」

 

 

「分かった...無理はしないでね?」

 

 

「ああ、休める所を探そう。少し飛ばすぞ」

 

 

まだ幼い少年たちが二度もカバネによる攻撃で死なずに済んだのは奇跡といっても過言ではない。

そんな少年たちに三度目の奇跡が舞い降りる。

 

 

どれくらい走っただろう。一人ならまだしも今俺は小町を抱えている。

体力なんてとっくに切れてる。それでも走れるのは、小町がいるからだろう。

俺は最悪死んでもいい。この町の人間たちは皆俺をいじめてきた。

逃げてる最中に町の人の死体や襲われて要るところを見た。自分の視界で人が死んでいく。

小町はそんなところを目撃するたびに涙を流していた。それも当然だろう。

小町は俺と違い社交的で、友達もたくさんいたし、大人たちにも可愛がられていきてきた。

そんな人たちが死んでいくんだ。涙を流して当たり前。

そんな小町と違い俺は、なにも思わなかった。何の感情もわかない。

そんな自分が怖くも思えたが、当然の感情だと言い聞かせて納得した。

親もいない。小町を守るのは俺だ。なにがなんでも守り抜く。

そんなことを考えながら走っていると、小さな蔵を発見した。

 

「小町...あそこで休憩するぞ」

 

 

 

 

「小町...足は大丈夫か?」

 

 

「うん、掴まれた時は痛かったけど今は大丈夫」

 

 

「そうか...ならよかった」

 

 

「お兄ちゃんこそ大丈夫?小町抱えたまま走って...疲れてないの?」

 

 

「おう、これぐらい平気だぞ」

 

 

「そっか!ありがとね!!お兄ちゃん!!」

 

 

「気にするな、それよりここにはカバネがいないみたいだ。休めるうちに休んでおこう」

 

 

「うん、もうみんなの事思い出しそうだから寝るよ

ほんとにありがとね、お兄ちゃん。おやすみ」

 

 

「おう、おやすみ小町」

 

 

こうして俺は今日一日小町を死なせずに済んだ。

正直運が良すぎたから、明日からが不安だがやるしかない。

小町は絶対に死なせはしない!!!!

そんなことを考えながら俺は深い眠りについていた。

 

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