やはり俺がカバネリなのは間違っている。   作:ガタオガタ

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第六話

「はぁはぁはぁ…」

 

「んーまぁ可もなく不可もなくって所かな?十分扱えてるけど、メインの武器にはならないんじゃない?」

 

陽乃による八幡の指導が始まって2時間が経過していた。陽乃からみた八幡の薙刀術はなんとか及第点をあげれるレベルにしかなっていなかった。

 

「…正直、自分でも思います。自分にこの武器は合ってません」

 

「だよねー。比企谷君は自分の何が行けないと思う?」

 

「…やっぱ1番は距離の取り方じゃないですかね?自分にはこんな長い得物はあまりあってない気がします」

 

「せいかーい!比企谷君相手との距離の取り方下手くそ!それに隙だらけ!薙刀の特性を全然生かせてない!」

 

 

自分の駄目な所を見事に言い当てた八幡は、自分の事を客観的に見れているだけ、冷静さは失っていないのだろう。しかし、陽乃からの厳しい叱咤には流石に来るものがあったのか、八幡は顔を歪め、陽乃の目線から逃げていた。

 

「ここでお姉さんからのアドバイス!」

 

「この2時間の稽古で、私が分かったことは、比企谷君には長物の得物は無理だよ。まぁ自分でも分かってるみたいだけど。君には無難に刀かな?でも体の使い方はピカイチ!正直単純な格闘技なら私でも適わないと思うよ」

 

陽乃からのアドバイスを貰った八幡は、薙刀の様な長物を諦めることを決意したが、陽乃の言葉に気になることがあった為聞き返していた。

 

「自分そんなに体の使い方上手ですかね?仮に上手だったとしたら、なんで武器を扱えないんすか?」

 

「そんなの簡単なことでしょ?比企谷君の身体能力に、武器っていう余計なものを上乗せしてるから思うように扱えないんだよ」

 

八幡の質問に対して陽乃は呆れ顔でそう言い、それを聞いた八幡は納得したのかため息を零した。

 

「比企谷君は刀は扱えるの?」

 

「町で剣術は習ってました。主にカウンターの技ですけど」

 

八幡の発言に陽乃は驚愕し、半ば悲鳴を上げながら八幡に詰め寄った。

 

「カ、カ、カウンター!?そんな剣術が扱えて、比企谷って苗字…比企谷君…もしかして君、比企谷一心さんの息子…?」

 

「え?親父の事知ってるんですか?」

 

「いやいや!知ってるも何もめちゃくちゃ有名な剣術家じゃん!なんで息子である君がそんなことわからないの!」

 

先程までの陽乃からは想像出来ないほど驚きを顕にした表情に八幡は戸惑いつつも、なんとか返事を返していた。

 

「い、いやそんなこと言われましても、俺は町から出たことありませんし、親父もそんな素振りは見せてませんでしたよ?まぁなんで家にあんな立派な道場があるのかは疑問でしたけど、門下生なんて俺以外には2年ほど前にみんな出ていきましたから」

 

陽乃が驚くのは当然の事だろう。なにせ比企谷一心は日ノ本でもかなりの有名人なのだから。

そして八幡がその事を知らないのも当然である。八幡の妹である小町が産まれた時に比企谷一心は自分の故郷に帰り、道場を立てひっそりと生きていたのだから。

 

「はぁ…まぁいいわ。でも納得。君がその年でなんでそんなに体さばきが異常な程に上手いのかよく分かったよ」

 

「あれ?さっきそんな事言ってましたっけ?」

 

「んーでもそうだなー。君があの比企谷一心の息子だって言うんなら剣術を教えても意味無いし…そうだ!静ちゃんに体術を習おっか!」

 

「え?無視?」

 

陽乃の先ほどの言葉との違いを指摘した八幡を陽乃は見事にスルーし、八幡の次の稽古の予定を思案顔で立てていた。

 

「よーし!さっそく静ちゃんの所に行くよ!」

 

「はぁ…俺ってこういう運命なのね…」

 

昨日に引き続き、自分の予定を勝手に決められている八幡はもはや反論することすらせずに悟りを開いたかのように呟きながらさっさと移動を開始した陽乃の後に着いて行った。

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