罪の王がダンジョンに居るのは間違っているだろうか?-リメイク!   作:ユーリ・クラウディア

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#9

最早集が右腕を隠す理由は無く、いのりを取りもどす為なら躊躇する事など有り得なかった。勢いよく解かれる包帯の下から現れる紫の結晶で出来た腕、その甲には王たる証が記されヴォイドの輝きが吹き荒れる。

初手は集のヴォイド結合によって生み出された弓での絨毯爆撃、恙神涯がGHQに使用した物とは若干異なり、アポカリプスによる浸食攻撃では無く純粋な破壊力に重点が置かれている。

それに対してモンスターは結晶で射線を塞ぎ防御する。

 

集はヴォイドを即座に切り替え綾瀬のエアスケーターで一気に加速しながら距離を詰める。視界がふさがったモンスターは急激な接近に気付くのが遅れ焦りを見せる。だが、流石にこの程度で突破できる程弱い訳では無い。モンスターは周囲の結晶を操り集を迎撃する。

大量の結晶が集に目掛けて飛来する。四方から来る攻撃に集は足を止める事無く四楓院のヴォイドである花弁の盾で正面の攻撃のみを防ぎそこから強行突破、自身を追尾してくる攻撃を八尋の命を切るハサミで切り落とす。

攻防は一進一退、戦力は互角、に見えて若干集が出力的に上回っている。

 

アポカリプスとヴォイドの激突は兎に角派手な戦闘である。基本を技によって処理する冒険者とモンスターとの戦いと違い、謂わば化け物と化け物の戦いである。速攻性が高いにもかからわらず長文詠唱に匹敵、場合によっては上回るエネルギーのぶつかり合いによって展開される戦闘が地味であるはずもない。

 

颯太の全てを開くカメラによって抉じ開けられる射線、そして、そこから無理やり捻じ込まれる高出力の弾道、何時か衛星を撃ち抜いたあの結合ヴォイドには劣るが、それでも重力操作のヴォイドと銃身となる強固なヴォイド、その他複数の名も無きヴォイド達によって構築されたそれらによって繰り出される必殺の一撃。それはモンスターを容易に撃ち抜く。

 

「――!?」

 

しかし、魔石を撃ち抜く事に失敗した為か半身が消し飛んだはずのモンスターは即座に再生を開始し、僅か15秒で全快された。その間集も止めを刺す積りで居たがアポカリプスの結晶によって阻まれ、刺し損ねた。

高エネルギー同士のぶつかり合いは一種の天災と変わりなく景色を、地形を瞬く間に変えていく。特に集の攻撃は一撃毎の質量が桁違いであり余波だけで低レベル帯のモンスターや冒険者は容易く屠られるだろう。対するモンスターの攻撃は兎に角範囲が広い。絨毯爆撃も格やといった勢いである。更にはそれを行いながら高速詠唱で超高火力魔法を繰り出してくる。規格外の一言に尽きる。この光景を見せられた面々が無事なのは偏に集の立ち回りが上手いからと言う他ない。全ての攻撃は彼らがいない方向に向かって繰り出されている。モンスターに彼らを気にする保有がない為にこそ発生し得る事である。モンスターは集を異常なまでに警戒し、過剰な攻撃を繰り出し続ける。

しかし、それですら集に届いていないのだからどちらが異常なのか分からなくなる。

 

「やっぱり、このままじゃダメか…。」

 

一瞬の空白、集はそう呟やいた。

そして彼は自身ステータスを思い出す。

 

 

*****

シュウ・オウマ

Lv.2

力B796

耐久659

器用A832

敏捷A893

魔力A802

アビリティ

【死神】I

 

自身が殺すと定めた相手と相対した時にステータス極大補正

隠形にも中補正

 

魔法

【浄化の灯火】

常時強制発動中

詠唱不要

淘汰の抑制、拘束

 

スキル

【淘汰の収束点】

罪の権化、王の権能、それは全てを受け入れ、拒絶し、束ね、至る。

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【業の到達点】

獲得経験値に+補正(極)

罪を背負う程効果上昇

 

【罪の英雄王】

罪を背負った英雄であり、同時に王でもある。その偉業は在来人類の救済、そして黙示録への反逆

淘汰の収束点の効果緩和

 

*******

 

文字化けしている【淘汰の収束点】。実の所文字化け、集には読めていた。

何故ならこの部分が日本語で書かれていたからである。この世界は不思議な事に言葉が日本語である。しかし文字が日本語とは全くの別物なのである。それによって最初は四苦八苦させられたものである。

そして、日本語は神ですら言語として全く分からず、傍から見ればよく分からない模様にしか見えないと言う寸法である。

 

スキル

【淘汰の収束点】

罪の権化、王の権能、それは全てを受け入れ、拒絶し、束ね、至る

一時的に超越種へと存在を押し上げる

罪を数えろ

 

人を次のステージへと押し上げる淘汰、その先に待つものは何なのか。集は知っている。だからこれまで使わなかったし、誰にも教えてこなかった。超越種、この世界ではつまり神の事を指す。人が神へと至る大罪。罪の王、その偉業への報酬であり戒め。それがこのスキルである。自身はもう既に人とは言えないナニカであると、そう訴えかけてくる。

 

この身を汚し切った僕が超越種なんて、皮肉なモノだな…。

ヴォイドを振るいながら言葉を紡ぐ。

 

この身既に王へと至り、その姿は血と怨嗟に汚れた

罪とは僕で、僕とは罪

明日を願って友を振るい、愛する者すら剣とする

終末の世界に意味などなく、求める事も無い

世界は正により形どられ、負により彩られる

我が身は負、罪を数えし大罪の王

友を殺し、最愛を殺し、自分を殺した

悲しみを、世界が悪意に変える

故に…我が身は今、全てを曝け出す

悪意がこの身に溶けてしまうまで

【淘汰の収束点】起動

世界は今、罪を知る

 

一面に広がる結晶の大地が脈動する。花咲くかのように結晶は天に向けて突きあがり世界を構築していく。

 

「僕は王、血濡れの王、罪を清算せんが為に今ここに全てを…。」

 

集が犯した罪とは即ち、友達の、愛おしい人の心を武器として戦った事。そして、全ての心を受け取り、全てを引き受けるその在り方は人類全ての負債をその身に集め大罪へと至らしめる。

[Guilty Crown]

The atonement and conviction world(セイサンノセカイ)

 

 

モンスターが纏っていた結晶すらも奪い取り、逆に蝕ませていく。

結晶に包まれ逃れようと暴れるモンスターしかし、さながら氷に閉ざされようとする異形のモノの様に蝕み包まれていく。そして最後には結晶の世界と共に砕け散る。

 

静かで音も無い世界、ただ一人佇む集の後ろ姿が神秘的で、神格を感じさせる異質な様に、世界は一人の神の誕生を認識した。

 

::::

 

舞い降りる光、何処から()でたのかは定かではないが、その光が人の型を取っており、少女の姿をしているのは遠めに見ても分かった。

それが、自身の探し求めていた少女である事は考えるまでも無く脊髄反射で解った。

ゆっくり自分の元へ降りて来る光、そっとガラス細工を扱うかのように丁寧に優しく抱える。徐々に収まる光に思い出したかのように重みが現れる。目を瞑る彼女の顔は最後に見た時と寸分変わらず、綺麗なままであった。

 

 

薄っすらと開かれたその瞳は昔から変わらずにそのままの世界を感受している

 

 

少しだけ周りを見た後、僕の顔を覗く

 

 

逡巡ガ読み取れる

 

 

ソレ以外にモ怪訝、ギ念

 

 

「アナタハ…ダレ?」

 




おや?風向きが怪しいぞ?


The atonement and conviction world(セイサンノセカイ)
まあ色々考えてたらいつの間にかエミヤ見たいになってたけど仕方ないと思う。
セイサンノセカイ、つまりは清算と凄惨のダブルミーニング的なヤツ。見るに堪えない凄惨な情景、罪を償う清算の為の情景って感じで…。直訳すると贖罪と断罪(信念)の世界とかそんな感じになる。
スキルなのに詠唱が必要なのは効果が頭可笑しいから。超越させる。逆説的に其れって神になるってことだよね?って具合にハッチャケたから常時発動駄目だよね?って感じでこれは暗証番号を声紋で解除している感覚に近いです。一応欄に罪を数えろって書いてあるでしょ?つまりは集が自分で罪だと思う事を言えばいいのですよ。

前のオッタル戦で戦闘描写は燃え尽きていたらしい事に気付きました。だから全く戦闘描写が上手く書けない事に悶々としながら仕上げました。
正直超短けぇ。
そしてついに明かされた文字化けの中身、当初は正直なんも考えて無かった。其の内思いつくだろって感じで乗りで文字化けさせたからアホみたいな方法で中身暴露させてもうたなって感じで複雑な気分、それに中身も全く考えたなかったら完全にそっちも思いつき。
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