Game of Vampire   作:のみみず@白月

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反転

 

 

「まあ、思ってたよりかは酷かったな、うん。」

 

紅い談話室のソファで落ち込むハリーの肩を叩きながら、霧雨魔理沙は慰めの言葉を放っていた。そりゃあ多少は『おバカ新聞』に流されるヤツが居ることは分かっていたが、まさかここまでだとは思っていなかったのだ。

 

ホグワーツの新学期初日の昼休み。たった二つの授業を終わらせた段階で、目の前のハリーは既に打ちのめされている。原因は『否定派』の連中の冷たい目線。つまり、ヴォルデモートの復活を信じたくない連中のことだ。

 

まさか日刊の記事に載っていたように、ダイアゴン横丁の一件が単なる『身代金目当ての誘拐事件』だと信じてるヤツがこんなに居るとは思わなかった。……あの時何人死んだと思ってるんだよ。バカばっかりか?

 

いやまあ、冷たい目線を向けてくるだけならマシなほうだ。最悪なのは『ディベート』を吹っかけてくるヤツである。そういうヤツは決まって日刊予言者新聞を片手に、やれ妄言だとかやれ証拠がないだとか捲し立ててくるのだ。そのくせヴォルデモートの名前一つ口には出せない。うんざりするぜ。

 

昼休みで既にいっぱいいっぱいのハリーへと、今度はロンが元気付けるように話しかけた。ちなみに咲夜とハーマイオニーは大広間にサンドイッチを取りに行ってくれている。昼食はここで済ますことにしたのだ。

 

「でもさ、真逆のことを言ってくれてるヤツも沢山居るだろ? っていうか、そっちの方がずっと多いじゃないか。元気出せよ、ハリー。みんながみんな君を否定してるわけじゃないんだ。」

 

その通り。ハリーに文句を言ってくるヤツもいるが、励ましてくるヤツはそれ以上に存在しているのだ。要するに、『肯定派』の連中である。割合で見ると、七割以上がきちんとイギリスの『問題』に目を向けているらしい。

 

朝食の大広間ではレイブンクローのぽっちゃりした七年生が、『君は正しいことをしている』と言っていきなり握手を求めてきたし、変身術の帰りにはディゴリーと仲の良かったハッフルパフ生たちが涙ながらの感謝を送ってきたそうだ。『セドリックを連れて帰ってきてくれてありがとう』と。

 

他にもリー・ジョーダンがハリーを嘘つき呼ばわりしたスリザリン生に呪いをかけた結果、記念すべき学期初の減点を受けてグリフィンドールの寮点を『マイナス』にしたり、チームメイトのケイティ・ベルが『日刊信者』のレイブンクロー生に向かって糖蜜パイをぶん投げたり、かくいう私も今朝ルームメイトと大喧嘩を繰り広げたばかりだ。……あの分からず屋め。

 

「うん、でも……。」

 

ロンの言葉でも元気を取り戻し切れないハリーに、今日の予言者新聞を見ていたリーゼが言葉を放った。若干強めの、突き放すような口調だ。

 

「ハリー、キミはもう決めたはずじゃないのかい? キミの覚悟は下らない中傷なんかで折れるものだったのか? ……だとすれば、私は少しばかりキミを見誤っていたことになるが。」

 

その言葉にハッと顔を上げたハリーは、バツが悪そうに首を振って口を開く。……私には何のことだか分からんが、ハリーにとっては何かを思い出させる言葉だったようだ。

 

「……ううん、違うよ。こんなことで折れたりしない。」

 

「結構。それならキミに良い知らせをあげよう。朝食の時はそれどころじゃなかったからね。……ほら、見たまえ。」

 

言いながらリーゼがこちらに差し出してきた日刊予言者新聞には……『魔法省、違法な強制捜査。無実の家を家捜し!』との文字が踊っている。良い知らせか? これ。

 

「よう、リーゼ。お前は無実の家に違法な強制捜査をするのが好きなのか?」

 

「大好きさ。よく読めばキミも好きになるぞ。」

 

何のこっちゃ。もう一度私が目を落とす間も無く、ハリーの声がその真意を教えてくれた。

 

「強制捜査を受けた家は、カロー、マクネア、ノット、ヤックスリー……それにクラッブ、ゴイル、マルフォイ! 他にもパーキンソンとか、フリントとか。スリザリン生の名前が沢山載ってるよ!」

 

「んふふ、魔法省の体制が固まって、ようやく大っぴらに動き出せるようになったんだ。これでイギリスの盤面は大きく動くぞ。我々の狼煙がようやく上がったのさ。」

 

ご機嫌な感じでリーゼは言っているが……んー、よく読むと成果は上がってないみたいだぞ。どの家からも違法な品物なんかは発見されず、その点をこの記事では叩きまくっているようだ。

 

ロンもそこに気付いたようで、ちょっと残念そうな顔でポツリと呟く。

 

「でも、何にも見つからなかったみたいだぜ。なーんにも。マルフォイの家なんか、絶対に何かあるはずなのに。」

 

「なぁに、構いやしないよ。魔法省だって端から成果が出るとは思っちゃいないさ。ネズミはそこら中にいるし、連中だってとっくの昔に危ない物は何処かに移動させてるはずだ。……重要なのは、『強制捜査が行われた』って事実なんだよ。つまり魔法省は自分の立場を鮮明にすると同時に、『準死喰い人』に向けての軽い牽制を放ったのさ。」

 

「牽制?」

 

「そうだ。特に名家への強制捜査ってのはデカいぞ。ボーンズとスクリムジョールはもはや名家の看板は強力な盾にはならないってことを証明したんだよ。その行動を以ってね。」

 

ニヤニヤと笑うリーゼは心底楽しそうだ。他人の、それも敵の不幸は彼女にとって最上級の幸せらしい。リズミカルに動く翼が彼女のご機嫌の程を物語っている。

 

「分かるかい? イギリス魔法界の常識が一個ぶっ壊れたんだ。一見すると無様な魔法省の失態の記事だが、気付く者は気付くだろう。そして今頃慌てふためいているだろうね。安全圏だと思ってた場所が、実は奈落のお隣だったんだから。」

 

「んー、いまいちピンとこないな。結局逮捕とかは出来てないんだろ? 今までとあんまり変わらないんじゃないか?」

 

首を傾げながら聞いてみると、リーゼはかなり分かり易い説明を寄越してくれた。

 

「では、想像してみたまえ。ある日来客があってドアを開けたら、イカれたグルグル目玉が部下を引き連れて立ってるんだ。当然秘密の床下収納なんかも無意味だし、屋根裏の隅っこまで根掘り葉掘り調べられる。しかも、暇さえあれば執拗に、何度も何度も訪れてくる始末だ。……どうだい? そうなる可能性があるってのは、充分な牽制になってるとは思わないか?」

 

「ああ、よく分かったぜ。『軽い牽制』どころじゃないってことがな。」

 

悪夢だぞ。それもかなりの悪夢だ。……そういえば闇祓いの局長はムーディだったか。ハリーとロンにとっても想像するだに恐ろしい光景だったようで、顔を引きつらせながらコクコク頷いている。

 

私たち三人の表情を見ながら、リーゼは至極満足そうにこの話題を締めた。

 

「そろそろ連中は気付くだろうさ。十五年前とは状況が違うってことにね。あの頃ノックの音に怯えるのは死喰い人以外の魔法使いだったが、今回は真逆になるわけだ。……ふん、精々怯えて暮らせばいい。嘗て自分たちがやっていたことを後悔しながらね。」

 

まあ……うん、因果応報ってやつだな。少なくとも私は死喰い人に同情したりはしないし、それは大多数の魔法使いが同意するところだろう。正直言って、ざまあみやがれだ。

 

しかしまあ、『ムーディがこんにちは』ね。何かの標語にしたら効果があるんじゃないか? 顔写真付きのポスターかなんかにしてダイアゴン横丁に貼り出したら、もしかしたら投降してくるヤツが出てくるかもしれんぞ。

 

お喋りしながら談話室の扉を抜けてくる、大量のサンドイッチが盛られた皿を手にしたハーマイオニーと咲夜を横目に、霧雨魔理沙は名案だと一人で頷くのだった。

 

 

─────

 

 

「教科書を開いて、読みなさい。質問があったら言いなさい。以上。」

 

そら見ろ、誰もが予想していた事態が起こってるぞ。出席も取らずにそれだけを呟いたパチュリーを前に、アンネリーゼ・バートリはどデカいため息を吐いていた。

 

初日最後に訪れた、闇の魔術に対する防衛術の初授業である。歓迎会でのダンブルドアの言葉を聞いたグリフィンドールとハッフルパフの生徒たちは、どんな授業になるのかとワクワクしていたようだが……まあ、この有様だ。私は知ってたさ。

 

困惑。部屋を包む感情にパチュリー以外の全員が気付いている中で、グリフィンドールで最も勇敢な生徒が質問の声を上げた。我らがハーミーちゃんだ。……ただまあ、今回ばかりは蛮勇だぞ、ハーマイオニー。相手が悪い。

 

「あの、それだけですか? つまり、教科書を読むだけだと?」

 

「そうよ。」

 

あまりにも端的な返答を受けて呆然とするハーマイオニーに、肩を竦めて助言を送る。どうもパチュリーはここまでの授業で精神をすり減らしているようだ。恐らく他の授業でも同じようなやり取りがあったのだろう。『省エネモード』になっちゃってるな。

 

「ハーマイオニー、普通なら『そうよ』の後に尤もらしい理由が来るだろうが、今のパチェにそれを期待するのは無駄だぞ。言われたことにしか答えないはずだ。」

 

「それって……分かったわ。ノーレッジ先生!」

 

「なに?」

 

「この授業の目的は、闇の魔術に対する対抗手段を『実践的』に習得することのはずです。本を読むだけでは問題があるのではないでしょうか?」

 

ハーマイオニーとパチュリーの『対決』を生徒たちが固唾を飲んで見守る中、紫の魔女は尚も手元の本に視線を落としたままでポツリと呟く。

 

「具体的に、何が問題?」

 

「つまり、その……実際に使えなければ、『習得した』とは言えないはずです。」

 

「使っていいわよ。試したいならあれにどうぞ。」

 

言いながらパチュリーが手で示したのは……カカシだ。教室の隅に三体のカカシが立っている。……おい待て、なんで翼が付いてるんだ? それもやけにリアルな皮膜付きのやつが。

 

「キミね、翼は取りたまえよ。特定種族への差別だぞ。反吸血鬼教育でもする気かい?」

 

「付いてた方がやる気が出るでしょ。私は出るし、誰もが出るわ。」

 

聞いた瞬間に最短の動作で失神呪文を撃ち込んでやると、差別魔女は事もなさげに杖なし魔法でそれを防ぐ。おのれ邪悪な魔女め。反社会的教育を施すなど看過出来んぞ。私は正義の吸血鬼なのだ。

 

「さっさと取るんだ、紫しめじ。翼を付けたいならふくろう小屋の羽毛派どもから毟ってくればいいだろう? そんなんだから根暗って言われるんだぞ。」

 

「はい、グリフィンドールから三点減点。理由は反抗的な吸血鬼の反抗的な態度ね。」

 

「よしよし、よく分かった。夜闇に気を付けたまえよ? 陰湿魔女。吸血鬼を敵に回すと後が怖いぞ。」

 

「はい、教師への脅迫行為。更に一点減点。」

 

覚えとけよ。後で絶対に仕返ししてやるからな。一連の『ジャレ合い』に他の生徒たちがドン引きする中、今度はハッフルパフの生徒が抗議の声を放った。いいぞ、マクラミン……マクミラン? ええい、誰でもいいからとにかく文句を言ってやれ。

 

「あの、校長代理。今年はフクロウ試験がある年です。だから本を読むだけっていうのは……困ります。」

 

「どうして?」

 

「だって、その……教えてくれないんですか?」

 

「教えるべきことは書いてあるわ。全部。何もかも。だから私が読み上げるか、貴方たちが読むかの違いよ。なら読んだ方が早いでしょ?」

 

この世の道理を説くかのような口調のパチュリーに、生徒たち全員の心が一つに纏まる。『今年はハズレだ』と。……その通りだぞ、みんな。それも今世紀最大のハズレだ。ご愁傷様。

 

「あの人、クィレルといい勝負だぜ。」

 

「ご明察だ、ロン。ちなみに私が思うに、教師としてならクィレルの方がマシだと思うよ。何故ならクィレルは教科書を読み上げようとはしてたからね。頻繁に私に悲鳴を上げるせいで聞き取り難かったが、それでも蓄音機代りにはなっただろう?」

 

昔のパチュリーならギリギリ教師役は務まったかもしれない。そも私だって彼女から杖魔法を習ったのだ。とびっきり分かり易かったとも言わないが、少なくとも分かり難くはなかった。

 

しかし、今のパチュリーは……うん、無理だろうな。少しばかり思考回路が魔女寄りになり過ぎている。彼女は別に意地悪でこう言っているわけでなく、心の底からこれが最も適した教育方法だと思っているのだろう。

 

この時点で大半の生徒が諦めの方向に舵を切り始めたが、若干名は無謀な抵抗を続けるつもりらしい。もちろんハーマイオニーもその一人だ。

 

「つまり、理論を理解していれば問題なく魔法を行使出来るということですか?」

 

「理論というか、一連の方法ね。別に細かい部分を理解する必要はないわ。それと、その通りよ。前提となる魔法力を所持しているのであれば、書いてあることを書いてある通りにやれば行使出来るでしょう。」

 

平坦な、諭すような口調のパチュリーに、ハーマイオニーが何か言い返そうとするが……おや、今度は別の生徒が噛み付いたぞ。ハッフルパフの、スミスだったっけ? 何にせよ平凡な名前のヤツだったずだ。

 

「要するに、ノーレッジ先生は僕たちに何一つ教えるつもりはないということですか?」

 

「私は必要な情報が揃った本を提示したわ。五年生に習う必要のある呪文、習得しておいた方が良い呪文、そのどちらもがあなたたちの目の前にある七冊の本に載ってるの。おまけに質問にまで答えてあげるのよ? かなり『親切』な対応だとは思わない?」

 

うーん、私は思うぞ。パチュリーが『他人』に対して行うことにしては、凄まじく親切だと言える部類だろう。……だがまあ、生徒たちにとってはそうではあるまい。尚も反論をしようとする数名の生徒を封殺するように、パチュリーは小さな声で長台詞を続ける。

 

「私はあなたたちの『ママ』じゃないの。餌が欲しくてピーチクパーチク喚こうが無駄よ。きちんと餌の取り方も、取るべき場所も教えたわ。後は自分たちで探しなさい。……餓死するも、冬に備えて蓄えるも、それはあなたたちの自由。好きになさいな。」

 

言うと、パチュリーは『終わり』とばかりに本を読む作業に戻ってしまった。まあ、なんだ。超放任主義ってことだな。今年の防衛術は常に自習というわけか。

 

そしてハーマイオニーもさすがに諦めたようだ。大きなため息を吐いてから、ポツリポツリと文句を呟き始める。ちょっと怖いぞ。

 

「信じられない。ホグワーツの教師としての責務を完全に放棄してるわよ、あの人。」

 

「んー、そうだね……身内だから擁護するわけじゃないが、パチェはパチェなりに考えた結果こうしているんだと思うよ。彼女にとっての最効率の授業形式はこれなんだ。」

 

「違うのよ、リーゼ。私は授業形式が『正しくない』とは言っていないわ。七冊の本も、推薦図書から選んだ三冊も、きちんと全部読んだもの。……そうね、確かに正確かつ完璧に情報は揃ってた。見事よ。脱帽だわ。教科書のチョイスには文句の付けようもないわね。お小遣いが貯まったら残りの推薦図書も全部買う予定よ。」

 

褒め言葉を連発したハーマイオニーは、次に一転して文句を言い始めた。どうも彼女だけは他の生徒とは別の部分に怒っているらしい。

 

「ただ、この授業形式は『適してない』のよ。ホグワーツはあくまで基礎教育を施すための学校なの。生徒全体の理解度を平均的に上げるべきであって、個々の突出した生徒を生み出すことじゃないでしょう? あの感じだと質問にも正確に答えてくださるでしょうし、伸びる人は一気に伸びるはずよ。この本にきちんと目を通して、自己鍛錬を怠らないような生徒はね。……でも、伸びない人は全然伸びない。分かるでしょう? ノーレッジ先生は自ら学ぼうとしない生徒を『切り捨てた』のよ。それは責務の放棄だわ。」

 

「つまり、ああいう生徒を見捨てちゃったと。」

 

不貞腐れて堂々と居眠りを始めたハッフルパフ生を指差して言うと、ハーマイオニーは威厳たっぷりに頷きながら肯定の返事を放つ。そら、こっそり聞いてたロニー坊やが慌てて教科書を開いてるぞ。

 

「せめて、こういう授業は専門教育を行う場でやるべきなのよ。……まあ、イギリス魔法界にはあんまり無いわけだけど。マグルで言う大学とか、そういう類の施設でね。そこなら文句なんて何も無いわ。学ぼうとしない人が悪いだけよ。……でも、ここはホグワーツで、生徒たちは未成年なの。そこで教師をやる以上、学ばせようという努力をしなきゃいけないのよ。」

 

見事な大演説にペチペチと拍手を送った後で、ハーマイオニーに悲しいお知らせを伝えるために口を開く。パチュリーがそのことを考えた上でこうしているのか、それとも天然でやってるのかは不明だが、一つだけ確かに言えることがあるのだ。

 

「ハーマイオニー、キミは大いに正しい。全くもってキミの言う通りだ。……だがね、パチェは教師ではなく、学者なんだ。教え導く者ではなく、自ら探究する者なんだよ。いいかい? 後天的にそうなったんじゃない。生まれた時から、本質的にそうなんだ。……だから彼女には『学ぼうとしないヤツ』の思考回路なんぞ理解出来ないのさ。理解出来ないものを慮ることは出来ないだろう? こればっかりはダンブルドアの人選ミスを嘆くしかないね。」

 

『大学なら適している』というハーマイオニーの言葉が全てを物語っているな。パチュリーはガキに手取り足取り教えてやるほど優しくはないし、生徒たちも自ら熱心に学習するほど成熟してはいない。……五年生でさえこれなら、一年生とかはどうなるのだろうか? さすがに同情ものだぞ。

 

「よく分かったわ。ノーレッジ先生がどんな人なのかってことがね。……何にせよ、貴方たちは教科書をきちんと読むのよ、ハリー、ロン。そして自分で実技の練習さえするのなら、少なくともフクロウ試験を落とす心配はないわ。」

 

かなり疲れた表情のハーマイオニーの言葉を聞いて、ハリーとロンはコクコク頷きながら教科書を読み始めた。今のハーマイオニーに逆らうのは得策とは思えなかったようだ。

 

そして私は超ヒマ状態。これまでは授業風景を見たり、ハリーたちにちょこちょこっと助言をしたりも出来たわけだが……おいおい、何一つやる事が無いじゃないか。私もご本を読めってか?

 

次からは暇つぶしの何かを持ってくることを誓いながら、アンネリーゼ・バートリはハッフルパフの生徒を見習って机に寝そべるのだった。

 


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