Game of Vampire   作:のみみず@白月

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魔術師の工房

 

 

「地図に描いてあるムカデの集合体みたいなものが線路だとすれば、目的地は多分この家ですね。……随分とボロボロに見えますけど。」

 

マグルの鉄道がすぐ近くを通っているパリ十五区の外れ。目の前に立つ古ぼけた一軒家を見つめながら、アリス・マーガトロイドは少しだけ緊張していた。見た目は伝統的なパリの民家といった具合だな。二階建ての細長い造りで、庭らしい庭は無し。没個性的なこの家が魔術師の工房だとは誰も思うまい。

 

とんでもない絵を描く変わり者の妖怪から情報を仕入れた私たちは、その足で魔術師の工房へと殴り込みをかけようとしているのである。とんとん拍子に進む状況に困惑していないと言えば嘘になるが、リーゼ様や美鈴さんが関わっているならこんなものだろう。さすがに半日足らずで住処まで特定できたのは予想外だったけど。

 

板が打ち付けてある二階の窓を見上げながら考えていると、リーゼ様が錆び付いた柵を開けて敷地へと入って行く。躊躇ないな。防衛用の魔法とかはかかっていないんだろうか?

 

「あの、プショーが中に居るかを確認しなくてもいいんですか? 家の前で張り込んだりとか。」

 

ペンキが剥がれたドアに手をかけるリーゼ様に聞いてみれば、彼女はべキリという音と共にドアを開きながら……破壊しながら返事を返してきた。

 

「魔術師がお行儀良くドアから入るわけないじゃないか。危険無くして報い無し。先ず突っ込んでから考えればいいさ。」

 

「分かり易くていいですねぇ。私が先行しましょうか?」

 

「キミはアリスの護衛役だ。ピッタリくっついておきたまえ。」

 

「はいはーい。」

 

ドアノブが取れてしまった半開きのドアを蹴り飛ばしたリーゼ様の指示を受けて、美鈴さんが私の背後にささっと移動する。そしてドアの向こうにあったのは……むむ、真っ暗だな。どうやら玄関の先は長い直線の廊下になっているらしい。外からの明かりである程度の距離までは見えるが、廊下の奥は真っ暗闇だ。

 

とはいえ、まともに見えていないのは私だけだったようで、リーゼ様と美鈴さんは当然のように奥を指しながら話し始めた。リーゼ様は分かるけど、美鈴さんもか。案外夜目が利く種族だったりするのかな?

 

「なんとまあ、うんざりするほど長い廊下じゃないか。拡大魔法か? ずーっと先に下り階段が見えるね。」

 

「魔術師の工房なんだから当たり前ですけど、外観通りの広さではないみたいですね。……どうします? 素直に『順路』に従いますか? 片っ端から壁をぶっ壊してみてもいいですけど。」

 

「迷うところだが……まあ、とりあえずは普通に進んでみようか。従わないとたどり着けないタイプだったら厄介だし、強行するのは行き詰まってからにしよう。」

 

そう言って玄関を抜けていくリーゼ様に続いて、私も真っ暗な廊下を歩き出す。……ドアも窓もないな。歩くたびにギシギシと音を立てる板張りの床、ありきたりな花柄の壁紙、そして等間隔に設置された蝋燭がない燭台。そんな内装が延々続いているようだ。

 

そのままリーゼ様の背中を追って五十メートルほど歩いたところで、我慢できずに小さく声を上げた。普通の目しか持っていない私にはこの辺りが限界だ。まだまだ先は続いているようだし、想像していたよりも遥かに長い廊下だったらしい。明かりを用意しないとまともに進めないぞ。

 

「……杖明かりを灯してもいいですか? 何も見えなくなってきました。」

 

「ああ、構わないよ。プショーが中に居るとして、さすがに入ったのはバレてるだろうしね。」

 

「それじゃ、ルーモス(光よ)。」

 

リーゼ様の端的な了承の返答を聞いて、ホルダーから抜いた杖に明かりを灯してみると……うわぁ、不気味だな。前も後ろも普通の家っぽい廊下がずっとずっと続いている。入ってきた玄関の明かりが微かに見えているのでまだマシだが、ちょっとした悪夢に出てきそうな光景だ。

 

「……何を考えてこんな廊下を作ったんでしょうか?」

 

青白い杖明かりに照らされた、延々と続く不気味な廊下。そこを歩き続けながら疑問を発してみると、最後尾を進む美鈴さんが応じてきた。

 

「単なる趣味じゃなければ防衛のためでしょうね。狭い通路ってのは色々と便利ですから。例えばほら、ああいうことをしたりとか。」

 

『ああいうこと』? 苦笑しながら美鈴さんが視線を送っているのは、私たちが通ってきた背後の廊下だ。玄関に続くその細長い通路をよく見てみると……ひょっとして、崩れてる? 崩れてるじゃないか!

 

杖明かりが届かない距離なのではっきりとは確認できないが、入り口側から徐々に床板が崩れ落ちているらしい。こちらに近付いてくる崩落の光景を指差して、私が口をパクパクさせていると……面倒くさそうな顔のリーゼ様が暢気に批評を寄越してきた。

 

「分かるよ、アリス。ありきたりな仕掛けだと言いたいんだろう? さっき『妖怪もどき』も言ってたが、プショーにオリジナリティが欠けてるのは間違いないらしいね。」

 

「いやいや、それはどうでも良いんです。このままだと落ちちゃいますよ? 結構なスピードで崩れてますし、走った方がいいんじゃないですか?」

 

「無駄だよ。キミの目じゃ見えないだろうが、前の方からも崩れてきてるからね。挟み撃ちってわけさ。」

 

「じゃあ尚更どうにかしないとマズいじゃないですか!」

 

どうしてそんなに余裕なんだ。のんびりした口調で説明してきたリーゼ様に言い放つと、彼女はジト目で背中の翼をパタパタ動かしてくる。……そっか、翼か。そりゃそうだ。リーゼ様は飛べるんだった。

 

「アリスは私が持つよ。美鈴は足に掴まりたまえ。」

 

「おっけーです。……でも、落ちたらどうなるんですかね? どうせ向かう先は下り階段なんですし、あえて落ちてみましょうか?」

 

「やめておいた方がいいんじゃないかな。幾ら何でも『強制ショートカット』ってことはないと思うよ。どうせ別の場所に繋げてあるとか、延々落ち続けることになるとか、そんな感じだろうさ。」

 

リーゼ様と美鈴さんが話している間にも、バキバキという音が前後から迫ってくる。前方から崩れてくる床板が私にも視認できるようになったところで、リーゼ様が私の胸あたりに手を回してぐいと持ち上げた。脇の下に腕を通すような格好だ。……昨日みたいに横抱きにされるのを期待してたんだけどな。密着度が高いからこれもまあ悪くはないが。

 

「よっと。……なるべく動かないでくれたまえよ?」

 

「はい、了解です。」

 

うなじに当たるリーゼ様の息にドキドキしていると、それまで足を置いていた床板が物凄い勢いで壊れた後、その下にあった真っ暗な空間へと落ちていく。……いくら待っても落下音が聞こえてこないな。とんでもなく深いか、あるいは底なんて無いのかもしれない。

 

抱えられた状態で眼下の深淵を見つめる私に、リーゼ様がゆっくり飛行しながら声をかけてきた。ちなみに美鈴さんはリーゼ様の左足首を片手で掴んでいる。私だったら掴むのも掴まれるのも一苦労な状態だが、二人にとってはなんてことないようだ。

 

「懐かしいね。十年くらい前にキミを抱っこして中庭を飛んだのを思い出すよ。」

 

「私が箒に上手く乗れないから、空に慣れさせるためにやってくれたんですよね。……重くないですか?」

 

「重さは平気だが、大きくて持ち難くはなったかな。……魔女ってのはちっちゃくなれないのかい? 若返ることは出来るんだろう?」

 

「薬とかを使えば不可能ではないですけど、子供の姿だと社会的な制限がありますから。二十代か三十代くらいの姿が一番生活し易いんじゃないでしょうか?」

 

パチュリーはそもそも外出しないので、賢者の石を呑んだ卒業時の年齢で止めているが……私は三十歳手前くらいの大人の女性になろうかな。そんなことを考えていると、リーゼ様が苦々しい声色で意見を飛ばしてくる。

 

「私としては若い方がいいかな。欲を言えばまだ背が伸びてなかった二年生か三年生の頃がベストだが、卒業直後の姿でもギリギリ許容範囲だよ。」

 

「……大人の私は嫌ですか?」

 

「キミがそうしたいなら我慢するさ。だけど、あんまり大人になり過ぎちゃうのは少し寂しい気がしてね。並んで歩いた時に違和感が凄いだろう? 親子が逆転しちゃうよ。」

 

むむう、リーゼ様がそう言うなら卒業直後まで戻しちゃおうかな? 確かにリーゼ様と並ぶ分にはそっちの方が収まりが良さそうだし、事情を知らない人にリーゼ様を指して『お子さんですか?』なんて聞かれた日にはどう反応していいか分からないぞ。

 

ただまあ、どっちにしろリーゼ様の方を親と思う人は居ないだろう。良くて姉妹ってとこかな。抱っこされて運ばれながら年齢についてを思考していると、視線の先に薄っすら階段らしきものが見えてきた。その手前五メートルほどの床板は無事なようだ。

 

「つくづく意味不明な構造ですね。階段も直線みたいですし、拡大魔法どころか空間を弄ってるんでしょうか?」

 

「アリスちゃん、こういうのを細かく分析してるとおかしくなっちゃいますよ。適当に受け入れるくらいがちょうどいいんです。」

 

「……まあ、『適当に受け入れる』技術に関しては結構自信があります。ホグワーツで嫌ってほど学びましたから。」

 

ぷらんぷらん揺れながらの美鈴さんが寄越してきたアドバイスに、苦笑いで頷いて応じたところで……おっと、到着か。リーゼ様が階段の目の前にそっと降ろしてくれる。美鈴さんは靴を脱ぎ捨てる時のように雑に振り落とされたようだが。

 

「……従姉妹様、ちょっとは私に気を使ってくれてもいいんですよ?」

 

「キミは頑丈だから平気だろう? ぞんざいな扱いは信頼の証だよ。」

 

「礼節の問題ですよ、これは。」

 

呆れたように言いながら、美鈴さんはノーモーションで……びっくりしたぞ。いきなり壁をぶん殴ると、砕けた壁の破片を緩やかな下り階段の先に投擲した。距離を測りたかったらしい。

 

「おー……こっちも長いですね。私には見えないんですけど、従姉妹様は終点が見えてます?」

 

「見えてるよ。コンクリートっぽい灰色の地面が覗いてるだけだがね。」

 

「歩かせるのが好きみたいですねぇ、件の魔術師さんは。私はまだ会ってないですけど、段々嫌いになってきまし──」

 

うんざりしたように愚痴りながらの美鈴さんが、何気なく階段の一段目に足を置こうとしたところで……へ? 何が起こったんだ?その姿が一瞬にして下方へと消えていく。落とし穴に落ちた時みたいな消え方だ。

 

「め、美鈴さん?」

 

慌てて近付いて確かめてみれば、尋常ではないスピードで階段を下りていく美鈴さんの姿が目に入ってきた。下りていくというか、あれは斜めに落下していると言うべきなのかもしれないな。階段の段鼻ギリギリをなぞるようにして、三十五度くらいの浅い角度で『落ちて』いる。物理学者が見たら困惑しそうな光景だ。

 

「……どうしましょう?」

 

謎すぎる状況に当惑しながらリーゼ様に問いかけてみると、彼女はアホらしいと言わんばかりの顔付きで額を押さえて答えてきた。

 

「『斜めに落ちていく門番』というのはそれなりに愉快な光景だったが、落ちたからには追わなきゃいけないだろうね。……キミはどうなってるんだと思う? 私は見た目の角度と実際の角度が違うんじゃないかと予想してるんだが。」

 

「えーっと……そうですね、その可能性はあると思います。私たちには緩めの階段に見えてますけど、実際は九十度の落とし穴なんじゃないでしょうか?」

 

「なら、さっきと同じように『攻略』しようか。この『びっくりハウス』は翼がある種族向きじゃないみたいだね。」

 

大きくため息を吐きながら再び私を抱っこしたリーゼ様は、ひょいと階段の方へと一歩を踏み出す。すると……おお、不思議な感じだな。感覚としては明らかに落下しているのだが、視覚的には斜めに移動している。認識のズレで少し気持ち悪くなってきたぞ。

 

軽い乗り物酔いの時のような気持ち悪さに耐えつつ、背中に当たるリーゼ様の感触で気を紛らわせながら暗闇の中を結構な時間落下していると、底が見えると共に降下のスピードが緩やかになっていく。リーゼ様が調整してくれているらしい。

 

そして着地したのは打放しのコンクリート床。正に『地下室』って感じの雰囲気だな。くらくらする感覚に耐えながら杖明かりを翳してみれば、中々に不気味な光景が見えてきた。いくら人形好きの私でもこれはぞわりと来るぞ。

 

「人形、ですね。」

 

四方を灰色のコンクリートに囲まれた地下室の中には、信じられない数の多種多様な人形たちが立ち並んでいる。大きさは指人形サイズからトロール顔負けの巨大なものまで様々で、姿形もいっそ清々しいほどにバラバラだ。かなり広い空間なので端までは光が届いていないが、それでも千体を優に上回っているのは間違いないだろう。

 

一番近くに立っている等身大のピエロ人形を眺めながら呟いた私に、リーゼ様が身も蓋もない評価を送ってきた。

 

「何事も程々が一番ってのがよく分かる光景だね。キミの作業部屋より『人形密度』が高い空間は初めて見たよ。」

 

「これ、全部プショーが作ったんでしょうか? だとしたらとんでもない腕ですね。ここまで多様な作風を取れるっていうのは異常ですよ。」

 

なにせ伝統的な糸が付いたマリオネットやぬいぐるみのような布人形、リアル寄りの蝋人形や人体模型もあれば、電気を使うらしい機械仕掛けの自動人形まで置いてあるのだ。素材も機構も分野も違う膨大な数の人形たち。これだけ種々雑多な人形を作るためにはどれほどの知識が必要になるのだろうか?

 

不気味さと、驚愕。そして僅かな敗北感。そんな感情に支配されている私を他所に、リーゼ様は先に『墜落』していた美鈴さんに声を……なんて事をしてるんだ、あの人は!

 

「それで美鈴、キミは何をしているんだい?」

 

「ご覧の通り、人形を片っ端からぶっ壊しまくってるんですよ。」

 

けろりとした顔で本人が自供しているように、美鈴さんは一心不乱に人形を壊して回っているようだ。とんでもない犯罪行為をしている『殺人形妖怪』に大急ぎで駆け寄って、左腕をがっしり掴んで蛮行を止めにかかった。

 

「ストップです、美鈴さん! ストップ! ……気でも狂ったんですか?」

 

「いやぁ、アリスちゃんからの冷たい目線は従姉妹様のより効きますね。……よく考えてください、アリスちゃん。件の魔術師は人形使いなんですよ? だったら後々動き出すに決まってるじゃないですか。」

 

「でも、全然動いてないじゃないですか!」

 

「分かってないですねぇ。こういうのは部屋の半分くらいまで進むと、いきなりギギギって動き出して一斉に襲いかかってくるもんなんですよ。物語のアホな登場人物とかは騙されるんでしょうけど、賢い私はこの身に宿りし『かしこ力』で事前に解決しちゃうわけです。」

 

言いながら巨大な鎧人形を右手一本で持ち上げた美鈴さんは、それを思いっきり振りかぶって……あああ! オートマタが! 精巧な自動人形が集まっている区画にぶん投げてしまう。ちゃんと見たかったのに!

 

無残に破壊された十体ほどのオートマタを呆然と見つめた後、我に返って悪事を続けようとする超極悪妖怪の服をがっしり握り締めて、それを全力で後方に引っ張った。もうやらせないぞ、大量虐殺者め!

 

「ダメです! もうダメです! ……動いてから対処すればいいじゃないですか! 疑わしきは罰せずが世のルールでしょう? 作者がどうあれ、人形に罪はありません!」

 

「ところがアリスちゃん、妖怪の世界では疑わしきは討てが原則なんですよ。恨むならわざとらしく人形を配置した魔術師を恨んでください。」

 

「ダメですってば! ……リーゼ様、助けてください! このままだと全部壊されちゃいます!」

 

美鈴さんにずりずりと引き摺られながら助けを求めてみると、リーゼ様は何故かジト目で返答を寄越してくる。

 

「……私抜きで随分と楽しそうにしてるね、二人とも。敵地で遊ぶのはやめた方がいいと思うよ。」

 

「遊んでないです! 愚行を止めてるんです!」

 

「私だって遊んでないですよ。事前の対策は兵法の基本でしょう? 罠がありそうなら先んじてぶん殴っておく。それが出来る武人ってもんなんです。」

 

「聞いたことないですよ、そんなの!」

 

ええい、こうなったら魔法で止めるしかないな。人形を守るためなら仕方がないのだ。杖を抜いて何の呪文を使おうかと考え始めたところで、リーゼ様が鋭く注意を飛ばしてきた。

 

「……漫才はそこまでにしておきたまえ。お客さんだぞ。」

 

お客さん? 急に声色が変わったリーゼ様のことを訝しむ間も無く、美鈴さんが素早い動きで私を抱えてリーゼ様の横に移動した。急すぎる移動でぐえってなっちゃったぞ。そのことに抗議しようと顔を上げてみれば──

 

「いやはや、本当ならもう少し奥で待っている予定だったのですが、頭のおかしな行動を取り始めたので我慢できずに出てきてしまいましたよ。……それ以上壊さないでいただけますか? ここは単なるギャラリーですので。」

 

プショーだ。昨日と同じように燕尾服姿で、昨日と同じように五体満足。リーゼ様に捥がれたという腕と足は『修理』したらしい。人形たちの隙間を縫ってこちらに歩み寄りつつ、かなり迷惑そうな顔付きで説明を放ってきたプショーに対して、リーゼ様が大きく鼻を鳴らしながら返事を返す。

 

「ふん、だったら分かり易く看板でも立ててそう書いておきたまえよ。あの廊下と階段の先にこれがあったら勘違いするヤツが出ても仕方がないだろう?」

 

「まともな常識がある存在ならいきなり壊したりはしないと思いますが……まあ、いいでしょう。改めて私の工房にようこ──」

 

と、格好を付けた動作でプショーがお辞儀しようとするが……うーむ、容赦なさすぎるぞ。刹那の間に近付いた美鈴さんが燕尾服の変質者を蹴り飛ばした。一瞬で移動したのが妖術なのか体術なのかは不明だが、何にせよ彼女は会話の終了を待つほどお行儀が良くなかったらしい。

 

凄まじい速度でボールのように吹っ飛んでいくプショーを見ながら、アリス・マーガトロイドは美鈴さんを敵に回すことの厄介さを再認識するのだった。……味方でもちょっとだけ厄介かもしれないが。

 

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