Game of Vampire   作:のみみず@白月

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別離の朝

 

 

「……んぅ。」

 

またか。一切の音が無い静止した世界の中、サクヤ・ヴェイユは柔らかいベッドからもそもそと抜け出していた。カーテンがぼんやり朝陽で照らされているのを見るに、早朝の時間で止まっているらしい。今日はあまりズレなくて済んだな。

 

寝汗で張り付いた白いネグリジェを脱ぎ捨てつつ、髪を纏めていた愛用のシュシュを外してバスルームに向かう。普段ならきちんと服を畳んでから行くのだが、今この世界で動けるのは私だけ。だったら誰に気を使う必要もないだろう。

 

アグアメンティ(水よ)。」

 

杖魔法で陶器の洗面器に水を満たして顔を洗うが……むう、やっぱり水道が使えないのは面倒くさいな。時間が止まっている時に使えない物というのは結構あるのだ。パチュリー様は距離が関係しているのではないかと推察していたが、私もそれで合っている気がする。蛇口を捻ると数秒間だけ水が出た後で止まってしまうのは、きっと水道管の奥の方の水が停止したままだからなのだろう。

 

まあ、それでも便利な能力には違いない。顔を拭いて下着をぽぽいと脱いで洗濯カゴに投げ入れた後、それを持ってスリッパだけを身に着けた状態で部屋に戻る。ベッドと、机と、クローゼットと本棚と小さな暖炉。昔はもっとずっと大きなお部屋を使わせてもらっていたのだが、レミリアお嬢様に頼み込んでここに移してもらった。遠慮したわけではなく、単純に狭い方が落ち着くからだ。

 

それに、広すぎるとお掃除が大変だし。自分の選択が正解だったことにうんうん頷きつつ、クローゼットから出した下着とメイド服を身に着けていく。ちなみに最近はガーターベルトを使うようにしているのだが、これは小悪魔さんからのアドバイスに従った結果だ。使うとソックスがずり落ちなくなりますよって。

 

やけに薄い布切れみたいな下着を勧めてきたり、ヘンなポーズを要求してきたりと小悪魔さんは怪しい発言が多いものの、こればっかりは大助かりだったな。私は丈が長いソックスが好きでよく使っているのだが、あれはずり落ちるとかなり間抜けな見た目になってしまうのだ。メイドとしてそんな姿を晒すのは宜しくない。しかし、これさえあればいつでもピンと張った状態をキープできるのである。

 

学校でも使おうかなと悩みながら着替えを終えて、ベッドを綺麗に整えてからネグリジェを洗濯カゴに回収して部屋を出た。ついでに能力も解除してやれば、一瞬にして世界に音が戻ってくる。

 

鳥や虫の鳴き声、窓を打つ風の音、木材が軋む微かな物音。今日も問題なく能力を解けたことにホッとしながら、カゴを片手に洗濯室目指して一階の廊下を進んでいると……おお、妖精メイドたちがお引越しの準備をしているようだ。ゴミにしか見えない『たからもの』を大事そうに持った妖精メイドの行列に出くわしてしまった。

 

「……貴女たち、そんなに沢山どこに隠してたの?」

 

二つに割れた皿や私が赤ちゃんの頃に使っていたプラスチックのコップ、この館では本物の凶器になり得る水鉄砲、空気が抜けたバスケットボール、持ち主不明の折れた杖。その他にも大量のガラクタを運んでいる五十匹ほどの妖精メイドに問いかけてみると、彼女たちは一斉に『シー!』のポーズをしながら答えを口にする。

 

「色んなお部屋に隠してたの。ないしょだよ、ないしょ!」

 

「お引越しで壊れちゃうかもしれないでしょ? だから安全なところに運んでるの。」

 

「ないしょだからね!」

 

うーん、面白い生態だな。隠し場所を忘れるリスよりは賢いわけか。私が無言でこっくり頷いたのを見て、妖精メイドたちはビシリと敬礼した後でふよふよとすれ違っていった。まあうん、あの程度ならお嬢様方も目くじらを立てたりはしないはずだ。むしろ取り上げて騒がれる方が面倒だろう。

 

結構離れたのにまだ聞こえてくるヒソヒソ声……つまり、普通に騒がしい会話をしながら遠ざかっていく『隠密行動』には不向きな集団を尻目に、洗濯室に入って中央の台にカゴを置く。ここは基本的に館中から洗濯物を集めてくるエマさんと私しか利用しない部屋で、たまに美鈴さんが自分の洗濯物を持ってくるくらいなのだが、ずっと前に一度だけアリスが居たことがあったっけ。

 

私がどうしたのかと聞くと物凄い早口で謎の説明をした後、そそくさと居なくなってしまったのを思い出しながら部屋を出て、今度はレミリアお嬢様の部屋に向かって歩き出す。紅魔館を転移させるのは今日の夕刻なのだ。その前にお嬢様の洗濯物も洗っちゃった方がいいだろう。

 

向こうでは美鈴さんが『洗濯係』になるはずだが……ぬう、不安だな。色落ちさせたりしちゃわないだろうか? 前までは一人で紅魔館の雑務を担当していたんだし、その辺は大丈夫だと思うけど、後で一応確認しておいた方がいいかもしれない。

 

エマさんにも話しておこうと心のメモ帳に書き込みながら階段を上って、二階の廊下をどんどん進んで行くと、やがて紅魔館の中心部にあるレミリアお嬢様の私室のドアが見えてきた。

 

「……えい。」

 

ノックしようと振り上げた手を止めて、能力を使ってから勝手に部屋に入り込む。……明日の今頃はもうレミリアお嬢様は遠く離れた場所で、何年かの間は会えるかも分からなくなってしまう。だから今日だけ。今日だけだ。

 

私しか動けない世界だと自覚しつつも忍び足になって、そろりそろりと天蓋付きのベッドに近付いていくと……愛用の枕をギュッと抱いてすぴすぴ眠っているレミリアお嬢様の姿が目に入ってきた。この場面だけだと小さな女の子にしか見えないな。

 

「……失礼します、お嬢様。」

 

何となく一声かけた後、ベッドに入り込んでレミリアお嬢様を背後から抱きしめて、その髪に鼻を埋めてぐりぐりする。皆の前では何でもないように振舞っていても、寂しいものは寂しいのだ。ほんの少しだけ甘えるくらいなら許されるだろう。

 

安心する匂いと感触を感じながら、最後にもう一度だけギュッと抱き締めてベッドを出た。うん、これで大丈夫。リーゼお嬢様もアリスもエマさんも居るし、数年くらいは耐えてみせねば。ホグワーツを卒業した後、立派に成長した姿をお見せしよう。

 

乱れてしまったベッドを寸分違わぬ位置に戻して、一度廊下に出てから能力を解除する。そして大きく深呼吸してから、ノックをしつつ何食わぬ顔で部屋に呼びかけた。

 

「レミリアお嬢様、咲夜です。少し早いですが、やることがあるとおっしゃっていたので起こしに来ました。」

 

本当はもうちょっと後に起こす予定だったのだが、早い分には問題ないと言われていたので大丈夫なはずだ。ドアの前で十秒ほど返事を待っていると、中から眠そうな声が返ってくる。

 

「んー……少し待って頂戴。」

 

「はい。」

 

言われた通りに待つこと一分。メイドらしくジッと動かず待機する私に、レミリアお嬢様が入室の許可を送ってきた。

 

「もう入っていいわよ。……おはよ、咲夜。」

 

「おはようございます、レミリアお嬢様。早めに来ちゃったんですけど、大丈夫でしたか?」

 

「ん、構わないわ。今日はやることが多いし、むしろ助かったくらいよ。」

 

吸血鬼が早起きというのはおかしいのかもしれないが、レミリアお嬢様は私が物心付いた頃から不規則な生活をしているのでそこまで珍しいことでもない。ちなみに妹様はほぼ夜型生活で、リーゼお嬢様が昼型生活という状態だ。妹様が吸血鬼にとって正しい生活サイクルを送っているのに対して、リーゼお嬢様はホグワーツでの癖が抜けないのだろう。

 

不規則な生活を一手に支えているエマさんの『メイド力』に改めて感心しつつ、レミリアお嬢様の朝の準備を手伝うために時間を止めて、大きなクローゼットから必要な物を取り出していく。今日は大事な移住の日だし、お嬢様はお気に入りのドレスを選ぶはず。靴も磨きたてのやつにしておくべきだな。

 

ベッドの近くにドレスやヘアブラシ、一度濡らして軽く絞ったタオルや歯磨きセットなどを用意した後、能力を解除して時間を動かした。

 

「髪を整えますね。」

 

「ん。」

 

最近は然程抵抗なく身の回りの世話をさせてもらえることに内心で喜びつつ、殆ど自分でやってしまうリーゼお嬢様はどうすれば『攻略』できるのかと悩んでいると……タオルで顔を拭いていたレミリアお嬢様が閉め切った遮光カーテンを横目に口を開く。

 

「うー、昼前までに残りの手紙を書き終えないといけないわね。物理的な転移の準備は問題なさそう?」

 

「一応割れ物なんかは緩衝材で包んだりしましたけど、パチュリー様は衝撃はないだろうって言ってましたし、特に問題ないと思います。」

 

「それはどうかしら。あの魔女は昔、自信満々に同じことを言って紅魔館とムーンホールドを『衝突』させたのよ。前科がある以上、今回も気を付けた方がいいでしょうね。」

 

「……家具も固定しておきますか?」

 

パチュリー様が失敗するというイメージは私にとって難しいものだが、お嬢様にとっては至極簡単なものだったらしい。大欠伸をしながらこくりと頷いたレミリアお嬢様は、眠そうな顔で別の予定を語り始めた。私に聞かせようとしているわけではなく、脳内の思考を整理するための独り言に近いのだろう。

 

「美鈴に温室の件を確認しないとだし、リーゼにも私無しの魔法界での注意事項を……そういえば、フランはちゃんと戻ってきてるのよね?」

 

「えっと、私もさっき起きたところなので分かりません。陽が昇ってもエマさんが何も言ってこないってことは、多分深夜に戻ってきたんじゃないでしょうか?」

 

昨日の夕方、妹様はブラックさんやルーピン先生たちに別れを告げに行ったそうだ。ゴドリックの谷や私の両親の墓、それにアズカバンにも寄ると言ってたっけ。私の答えを受けたお嬢様は不安げに翼を揺らした後、組んだ足に頬杖を突いて小さく首肯する。

 

「ま、そうね。戻ってこなかったらエマが知らせに来るでしょ。……念のため着替えたら地下に行くとして、そのエマは何をしているの?」

 

「昨日の夜の時点ではリーゼお嬢様やアリスの荷物を整理してました。今は倉庫で備品のチェックをしてるんじゃないでしょうか? それが終わったら二人で私とエマさんの荷物の整理を終わらせる予定なんです。」

 

「忙しないわね。……バートリの使用人を褒めるのは業腹だけど、エマがこっちに残るのはかなりの痛手だわ。美鈴一人で広くなった館を管理できるか不安だし、パチェから小悪魔を借りようかしら?」

 

お嬢様もやっぱり不安なのか。……そういえば美鈴さんが館を管理していた頃は『ムーンホールド地区』が無かった上に、住人もレミリアお嬢様と妹様だけしか居なかったんだった。この際妖精メイドたちは計算から外しちゃっていいだろう。

 

パチュリー様のお世話の分は小悪魔さんが居るから差し引きゼロとしても、ほぼほぼ二倍の広さを一人でどうにかするのは大変そうだな。家畜小屋や畑なんかの維持業務もあるわけだし、幻想郷の『偵察』なんかも自由に動ける美鈴さんがやることになるはずだ。

 

本人はとんでもなく忙しくなることに気付いているのだろうかと疑問に思い始めた私を他所に、自己完結したらしいお嬢様は思考を切り上げて着替えに移る。

 

「……その辺の些事は向こうに着いた後で考えましょうか。今日の夜からマーガトロイド人形店での生活になるわけだけど、そっちは大丈夫なの? 今は金髪の小娘が住み着いているんでしょう?」

 

「寝室なんかはアリスや魔理沙が片付けておいてくれるそうです。パチュリー様がトランクを改造してくれましたし、リーゼお嬢様の住居も確保できました。」

 

「人形娘やリーゼなんかどうでも良いのよ。いい大人なんだから勝手にどうにかするでしょ。それより、貴女の部屋は?」

 

「まだ未定なんです。人形店は寝室が三つあるのでそのうちの一つになるか、もしくはトランクの中の部屋に住むか……向こうに行ってから適当に決めることにします。なんなら魔理沙と相部屋でも問題ないくらいですし。」

 

物置とかはさすがに嫌だが、部屋であればどこでも構わないのだ。苦笑しながら返答を口にすると、お嬢様は不機嫌そうな様子で注意を飛ばしてきた。

 

「貴女の好みに口を出すつもりはないけど、嫌なら嫌ってはっきり言うのよ? 一年の大半はホグワーツに居るんだし、夏の間だけマグルの高級ホテルに泊まり込んだっていいくらいなんだから。」

 

「それはむしろ落ち着きませんよ。私は多少狭い方が好きなので心配いりません。……お嬢様は私が居なくても平気ですか?」

 

「全然平気じゃないし、嫌だし、困るけど、それでも何とか我慢するわ。だから貴女も我慢しなさい。代わりに卒業したらずっと一緒よ。」

 

「……はい。」

 

ちらりと私を見ながら放たれた台詞に、切ない気分で返事を返す。レミリアお嬢様の方も寂しいと思ってくれるのであれば、私もなんとか我慢できそうだ。そのまま整え終わった髪をチェックしてから、パジャマを回収してカゴに入れた。

 

ついでにベッドを整えようと枕に手を伸ばしたところで、立ち上がったレミリアお嬢様は歯ブラシを咥えながらドアへと歩き出す。

 

「それじゃ、先ずはフランのところに行ってくるわ。その後は執務室で手紙を書くから、暇な時に美鈴を呼びつけて頂戴。朝食は不要よ。」

 

「かしこまりました。」

 

ぺこりとお辞儀しながらお嬢様の背を見送って、ベッドや小物の整理をした後に私も部屋を出た。次は……むむむ、どうしよう。今美鈴さんに知らせに行くのは早すぎるだろうし、エマさんにやることはないかと聞きに行くか。

 

そうと決まれば目指すは倉庫だ。階段を下りて一旦洗濯室に戻ってお嬢様の洗濯物を置いた後、ムーンホールド側の地下にある一番大きな倉庫に向かって歩を進めていると、月時計がある中庭に急に誰かが現れたのが視界に映る。パチュリー様? どうやらパチュリー様が中庭に姿あらわししてきたらしい。

 

「こんな朝早くに外出してたんですか? パチュリー様。」

 

珍しく図書館でも研究室でもない場所で出会った紫の大魔女に声をかけてみれば、パチュリー様は少しだけバツが悪そうな表情で肯定の言葉を寄越してきた。聞いちゃ悪かったのかな?

 

「ああ、咲夜。……そうね、少し出てたわ。墓参りに行ってたの。両親の墓と、ついでにもう一箇所。」

 

「そうだったんですか。……転移の準備は大丈夫ですか? 何かお手伝い出来ることがあれば言ってくださいね?」

 

「終わってるから平気よ。そっちこそ人手が必要ならこあを使っていいからね? 放っておいても働く貴女と違って、あの悪魔は要求しないと働かないの。忙しい時に遊ばせとくのは勿体無いし、何かあったら遠慮なく引っ張り出しなさい。」

 

うーむ、容赦がないな。小悪魔さんの抗議が聞こえてきそうな発言を曖昧な笑みで受け流すと、パチュリー様は図書館の方へと向かいながら会話を締めてくる。

 

「私は夕方まで図書館に居るつもりだから、何かあればそっちに来て頂戴。」

 

「はい、了解です。」

 

ふわりと浮き上がって私が歩くのと同じくらいのスピードで飛び去って行くパチュリー様に一礼した後、再び倉庫がある方向に足を踏み出す。……『両親の墓』か。そりゃあパチュリー様は元々人間なんだから、よく考えればご両親のお墓が存在しているのは当たり前だ。幻想郷に旅立つ前にお参りに行くのもおかしくはないだろう。

 

でも、なんだかひどく意外な行動だと感じてしまうな。同じ魔女でもこれがアリスなら変だと思わないのに。『人外感』が強いからなのか、それとも年齢の問題なのか。自分の中の謎を解明しようとしていると、ちょうど地下からの階段を上ってくるエマさんの姿が目に入ってきた。

 

「エマさん、おはようございます。」

 

「あれ、咲夜ちゃん? 早起きさんですねぇ。」

 

そう言ってニコニコ微笑みながら頭を撫でてくるエマさんに、倉庫に続く階段を指差して問いを投げる。

 

「早く目が覚めちゃいまして。……備品のチェックはもう終わりましたか?」

 

「ええ、問題ありませんでした。あれだけ用意しておけば暫くは持つはずです。咲夜ちゃんは自分の荷物の整理に入っちゃっていいですよ? 後はそんなにやることもありませんし。」

 

「実はですね、さっきレミリアお嬢様を起こしてきたんですけど……家具の固定、やっぱり必要みたいです。」

 

「あー……そうですか、要りますか。」

 

私の報告を受けて困ったような笑みを浮かべたエマさんは、がっくり肩を落としながら諦めの首肯を送ってきた。

 

「まあ、やれと言われたならやるしかありませんね。どう考えても全部は無理ですし、倒れ易そうな家具だけ固定することにしましょう。……美鈴さんにも応援を頼みましょうか。」

 

「残念ながら、美鈴さんはレミリアお嬢様が使うみたいです。中庭でパチュリー様が小悪魔さんはフリーだって言ってましたけど。」

 

「じゃあ、そっちに救援要請を回しましょう。水回りのパイプを閉じる作業とかも残ってますから、家具の固定を追加するとなると二人だけじゃ間に合わないかもしれません。」

 

「いざとなったら私が能力を使って間に合わせてみせますよ。」

 

グッと手を握って宣言してみると、エマさんは首を横に振ってやんわりとした注意を放ってくる。優しげな『お姉ちゃん』の顔だ。

 

「無理はダメですよ、咲夜ちゃん。時間が増えても咲夜ちゃんの体力が増えるわけじゃないんですから。自己管理が出来てこそ良いメイドです。常に健康であることが長く働く秘訣なんですよ?」

 

「でも、間に合わなかったら大変ですよ?」

 

「その時は向こうで美鈴さんが何とかしてくれますよ。……よし、それじゃあ先ず図書館に助けを求めに行ってから、ムーンホールド側の家具を手分けして固定していきましょう。」

 

一度伸びをしてから歩き出したエマさんに続いて、私も廊下を進むが……いいのかな? それで。美鈴さんが困りそうな気がするぞ。あるいは長年一緒に働いてきた『戦友』への信頼ってやつなのかもしれない。

 

単に問題をぶん投げただけの可能性を意識的に頭から排除しつつ、サクヤ・ヴェイユは忙しくなりそうな一日が始まったことを感じるのだった。

 


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