Game of Vampire 作:のみみず@白月
「うーん、感慨深いね。ヒヨコどもの行進を見られるのも今年で最後か。記念にちょっと脅してみるべきかな?」
無数の蝋燭が浮かぶ古城の大広間。その中央をおどおどしながら通過していく新入りたちを横目に、アンネリーゼ・バートリはポツリと言葉を漏らしていた。一年生の頃のハリーたちもあんな感じだったな。それが今や最終学年か。何とも不思議な気分になってくるぞ。
新たな学期がスタートする九月一日の夜、私たち七年生にとっては最後となる歓迎会が始まろうとしているのだ。さすがに七年生ともなると感慨深くなっている私に対して、隣に座っているハーマイオニーが突っ込みを入れてくる。
「絶対にダメよ、リーゼ。私たちは最上級生として新入生を導かなくちゃいけないんだから、脅すなんて以ての外でしょう?」
「しかしだね、ハーマイオニー。その程度で参ってたらホグワーツでやっていけないだろう? 少し脅かしてやった方がチビどものためだよ。……やあ、新入生諸君。常識知らずのホグワーツにようこそ。この学校じゃ毎年誰かしら死んでるから、次の犠牲者にならないように気を付けて生活したまえ。」
手近なチビどもに笑顔で助言を送ってみると、小さな一年生たちは『不安』を『恐怖』に変えて通り過ぎて行く。可愛いもんじゃないか。初心な連中はからかい甲斐があって面白いな。
「ちょっとリーゼ! ……大丈夫よ、誰も死なないわ。この城はイギリスで一番安全な場所なの。きっと楽しい学校生活になるから。」
大慌てで私の小粋なジョークをフォローしたハーマイオニーは、次にぷんすか怒りながらお小言を寄越してきた。どうしてそんなに怒るんだ。嘘は言っていないぞ。
「純粋な新入生たちに何てこと言うのよ。去年のアレシアみたいになったら大変でしょうが。……大体、死者が出た年なんて全体の半分くらいじゃないの。」
「半分も死者が出てたら相当だと思うけどね。五年生の時は山ほど死んだわけだし、強ち間違いでもないだろうさ。」
「言い方ってものがあるでしょ。……それに、今年は平和よ。もう全部終わったんだから。」
「さて、どうかな。あそこに何か起こしそうな男が座ってるぞ。」
教員テーブルの右側を指差して指摘してやると、ハーマイオニーは苦い表情で黙り込んでしまう。キングズクロス駅を出た時に列車で見た男。フードを目深に被った黒ローブの男がそこに座っているのだ。
今にも死の呪いを放ちそうな怪しさ満点の骸骨男を眺めつつ、明日誰かが殺されたとなれば犯人はあいつだろうなと思っていると、向かいに居るハリーが不安そうに口を開いた。
「本当に死喰い人……っていうか、元死喰い人じゃないよね? マクゴナガル先生が採用した教師なわけだし。」
「僕は身分を偽ってるんだと思うけどな。見ろよ、あのギラギラした目。新入生の中から『獲物』を探してるのかもしれないぜ。」
「ロン、偏見はいけないわ。確かに物凄く怪しく見えるけど、きっとちゃんとした先生なのよ。じゃなかったらマクゴナガル先生が選ぶはずないもの。」
やや自信なさげに放たれたハーマイオニーの発言を受けて、同じく『見た目で判断しない派』らしい咲夜だけが曖昧に頷いたところで、魔理沙とジニーがそれぞれ別の教師についてを口にする。
「それと、あのお婆ちゃんも新顔だよな。見た感じ優しそうな雰囲気だし、あっちはまあ大丈夫だと思うぜ。」
「右側の端っこに居る人も新任ね。魔法薬学と、防衛術と、変身術。どれの担当が誰なのかしら?」
「分からんが、黒ローブは変身術っぽくないかな。雰囲気からして薬学か防衛術だと思うよ。……おっと、組み分けが始まるみたいだぞ。我らが歌う帽子のご登場だ。」
私が話している途中にフリットウィックが椅子を運んできたのを目にして、その上に置かれた継ぎ接ぎだらけの帽子を指して言ってやると、他の在校生たちも徐々にお喋りをやめて帽子に注目し始めた。毎年恒例のお歌の時間がやってきたわけだ。
急に静まり返る大広間を新入生たちだけが怪訝そうに見回す中、組み分け帽子はゆったりとしたペースで高らかに歌い出す。私たちにとってはこの歌も最後だ。今年くらいは真面目に聴いてやるか。
帽子に足はないけれど わたしも旅することはある ここから見えない別の土地 ここでは知れない別の物 思い浮かべて楽しむくらい きっと帽子も出来るはず
遠い景色を見てごらん 海の果てにある景色 森の奥にある景色 聞いた話でいいのなら 私が教えてさしあげよう
北に潜むは雪の城 鷲が守りしダームストラング 他より深きその城は 強き教えを施さん!
美しきは花の城 星が瞬くボーバトン 他より華麗なその城は 耽美な教えを施さん!
南に聳えし岩の城 夢より生まれしワガドゥは 他より優しく健やかで 自然の教えを施さん!
東に佇む海の城 水面に映るマホウトコロ 他より固く忠実で 善なる教えを施さん!
密林に在る金の城 精霊が棲むカステロブルーシュ 他より自由なその城は 自在な教えを施さん!
人が築きし山の城 四つを結ぶイルヴァーモーニー 他より進みしその城は 新たな教えを施さん!
他とは違う六つの城 秘密と魔法に囲まれし 我らが学ぶ六つの城 どれも魅力があるけれど だけど案ずることなかれ 偉大なりしはホグワーツ!
最も古き魔法の城 竜が眠りしホグワーツ 四つの柱に支えられ 他より偉大なその城は 正しき教えを施さん!
紅き獅子が支えしは 勇気と正義を重んじる 気高く挑みしグリフィンドール!
緑の蛇が支えしは 力と野心を重んじる 怜悧に進みしスリザリン!
青き鷲が支えしは 英知と知識を重んじる 賢く学びしレイブンクロー!
黄の穴熊が支えしは 友誼と義理を重んじる 固く結びしハッフルパフ!
早く私を被ってごらん 他より優れしこの城の 他より優れしこの帽子 迷い戸惑う君たちの 道を示してさしあげよう!
うーむ、あの帽子はホグワーツの宣伝大使の座を狙っているらしいな。組み分け帽子の歌が終わって拍手する生徒たちを他所に、呆れた気分でハーマイオニーに感想を呟いた。
「つまり、他の学校よりもホグワーツの方が優れていると主張しているわけだ。なんとも図太い帽子だね。……他校のことを歌に取り入れるのは珍しいんじゃないか?」
「んー、そうね。少なくとも私たちの世代では初だし、聞いたこともないわ。クィディッチで他校と関わるからなのかしら?」
「もしかしたら、遠回しな応援歌なのかもね。帽子もクィディッチ好きとはいよいよ狂ってるぞ。お陰で肝心な組み分けの説明が短くなってるじゃないか。」
最低限の説明はあったが、その部分はいつも通りの内容だったな。……しかし、帽子はどうやって他校のことを知ったんだ? 『聞いた話』と歌っていたし、校長室に居る間に歴代校長からちょくちょく聞かされたのかもしれない。
何にせよ入学した後で他校の『学校案内』を受けても仕方がないだろうと同情していると、フリットウィックがアルファベット順で新入生たちの名前を呼び始める。
「では、呼ばれた生徒は椅子に座って帽子を被るように! アバークロンビー・ハリエット!」
あの感じはマグル生まれか? 呼ばれた黒髪の男子生徒がかなり緊張した面持ちで椅子に歩み寄り、『謎の歌う帽子』を恐る恐る被るのを眺めていると……おいおい、本格的に怪しいな。教員テーブルの骸骨男が、ニタリと笑いながら身を乗り出して組み分けの様子を見つめ出す。黄色い瞳が爛々としているぞ。
「……案外ロンの推測が当たってるのかもね。普通、あんなに真剣に組み分けを見るか?」
獲物を見定めているようにしか見えんぞ。次々と各寮に分けられていく新入生たちのことを、毎回大袈裟な拍手で送り出している骸骨男を指して言ってやれば、ハーマイオニーが歯切れの悪い口調で擁護してきた。
「真剣に組み分けを見るのは良いことでしょう? きっと生徒のことを考える良い先生なのよ。」
「心にもないことを言わない方がいいと思うよ、ハーマイオニー。別にそこまでフォローしてやる必要はないさ。誰がどう見たって怪しいんだから。」
快楽殺人犯が人を殺した時のような満面の笑み。あまりにも不気味すぎる笑顔で子供のように拍手する黒ローブを横目に、諦めが悪いハーマイオニーに肩を竦めていると……おやまあ、恵まれた体格だな。とんでもなくがっしりとした一年生が教員テーブルの前に歩み出る。
「オリバンダー・マドンナ!」
オリバンダーの姓に驚いているのか、似合わなさすぎる名前を哀れんでいるのか、それとも女子であったことが意外だったのか。何れかの理由で騒ついている在校生たちを気にすることなく、昔の仔トロールたちを思い出す体格の新入生は堂々と椅子に座って短髪の上から帽子を被った。
「強そうな見た目だな。……『強そう』って女の子に対しての褒め言葉になるか?」
「人によるけど、迂闊に言うべきじゃないのは間違いないわね。オリバンダーさんの孫とかなのかしら?」
「歳を考えれば曾孫ってのも有り得るだろ。オリバンダー家は横に広がってないみたいだし、血縁関係があるのはほぼ確実だけどな。」
ロンとジニーが推理しているのを尻目に、二十秒ほど迷っていた帽子が高々と寮の名前を宣言する。さすがにこの程度ではハットストールとは言えないが、やや長めの組み分けだったな。
「グリフィンドール!」
「お、グリフィンドールか。どこで迷ってたんだろうな?」
「レイブンクローとかじゃない? ハッフルパフって感じの雰囲気じゃないし、杖作りに関係があるのは何となくレイブンクローな気がするわ。」
「血筋的にスリザリンもアリだし、そもそも杖作りを目指してるかも分かんないけどな。オリバンダー家だからって絶対に杖作りになる必要はないだろ。そこは本人の自由だぜ。」
金銀コンビが会話している間にも、グリフィンドール生たちが盛大に拍手して迎えるテーブルにオリバンダーが座り込む。随分とムスッとしているな。グリフィンドールが嫌だったのか?
離れた位置に座った新入生の態度を怪訝に思いつつ、その後も続いていく組み分けを見守っていると……よしよし、あいつで終わりだ。最後の男子生徒がスリザリンに組み分けされた後、フリットウィックが帽子と椅子を片付け始めた。
「やっと夕食だね。毎年思うんだが、食べながら見るんじゃダメなのか? 絶対にその方が楽しめるぞ。」
「お前な、それだと後から席に着く新入生たちが可哀想だろ。歓迎会で一番歓迎すべき相手に食べ残しを食べさせてどうすんだよ。」
「ああ、なるほどね。盲点だったよ。賢いじゃないか、魔理沙。」
「私が賢いわけじゃなくて、お前が自己中心的すぎるだけだぜ。」
仕方ないじゃないか、吸血鬼なんだから。ジト目の魔理沙にウィンクを返しつつ、立ち上がったマクゴナガルに早く食事を開始しろと念を送っていると……彼女はキリッとした表情で全校生徒を見渡しながら口を開く。
「お帰りなさい、在校生たち。そしてようこそ、新入生たち。今年も皆さんは秋から夏にかけての十ヶ月をこの城で過ごすことになります。勉学に励むも良し、クラブ活動に打ち込むも良し、あるいは将来の目標に向かって自分を高めるのも良いでしょう。一年生の皆さんは七年間という期間が長く思えるかもしれませんが、今年が最後となる七年生は短かったと感じているはずです。過ぎ去った後で『もっとやっておけばよかった』と思わないように、下級生の皆さんには今のうちから努力しておくことをお勧めしますよ。」
ダンブルドアの挨拶を思い出させる切り出し方で、ダンブルドアの百倍は真面目な内容を語ったマクゴナガルは、次に教員テーブルを示しながら話を続ける。そんな挨拶だとホグワーツがまともな学校だと勘違いされちゃうじゃないか。
「そして、今年は新たな先生を三人お迎えしています。先ずは変身術を担当してくださるバイロン・チェストボーン先生。魔法事故惨事部に所属していた元リセット部隊の隊長さんで、変身術の雑誌などに数多く寄稿していらっしゃる高名な方です。」
紹介に従って席を立ったのは、こちらから見て右側の端にいる六、七十代ほどの小太りの男性だ。あまり特徴を感じない青いローブの男は、ぺこりと軽くお辞儀してから再び腰を下ろす。あの年齢で元惨事部ね。つまり、第一次魔法戦争の『役立たず期』に所属していたわけか。態度からもそんなにやる気を感じないし、ちょっと不安になる教師だな。
そんな私の内心を気にするはずもなく、マクゴナガルは黒髪の老婆に視線を移して次なる紹介を口にした。
「次にマリー・ラメット先生。元々はミラージュ・ド・パリというフランスの新聞社で記者をされていた方です。昔から教職に憧れがあったということで、フランスからお招きして防衛術の担当をお願いすることになりました。」
……マリー・ラメットだと? 五十年前に事件に関わったあのマリー・ラメットか? 咲夜と魔理沙もアリスから名前を聞いていたようで、三人で顔を合わせて驚く中、立ち上がったラメットは穏やかな笑顔で自己紹介を放つ。当時アリスと同い年くらいだったから、今は七十前後ってことになるな。
「ごきげんよう、皆さん。マリー・ラメットです。新しいことにチャレンジするのは難しい歳かもしれませんが、皆さんと一緒に精一杯学んでいきたいと思いますので……どうかよろしくお願いしますね?」
そう言ってお茶目な感じにウィンクしたラメットに、生徒たちがまあまあの規模の拍手を送った。『優しげで冗談が通じそうなお婆ちゃん先生』ってとこか? ある程度の人気は確保できたらしい。
「なあ、リーゼ。あの人って五十年前の事件に関わってた人だよな? ……このタイミングで偶然ホグワーツの教師になるって有り得るか?」
「有り得るか有り得ないかで言えば有り得るだろうさ。もちろん怪しくはあるけどね。……ただまあ、ラメットは五十年前も犯人扱いされただけで実は何の関係もなかったんだよ。」
「だから今回もそうだってのは安直すぎると思うけどな。」
「とはいえ、素直に怪しむのもそれはそれで安直だろう? ……後で探りに行くよ。五十年前といい、今回といい、本当に何の関係もないなら無自覚に厄介なヤツだね。」
最低限身体が人形じゃないかは私でも確認できるだろう。魔女お得意の『脳手術』を施されているならどうにもならないが、まさか怪しいからといっていきなり追い出すわけにもいかない。嫌な時期に面倒な女が来ちゃったな。
魔理沙に肩を竦めながら新たな問題にため息を吐いていると、拍手をしていたマクゴナガルが最後の一人の紹介を始めた。紹介される前に狂気じみた笑顔で勢いよく立った骸骨男のことをだ。
「そして最後にメイナード・ブッチャー先生。長年薬学の研究をされている方で、前任のスラグホーン先生のご紹介で魔法薬学の授業を引き受けてくださいました。」
ほう、スラグホーンの紹介なのか。マクゴナガルの紹介にうんうん頷いた黒ローブは、フードを取って薄気味悪い顔をさらけ出しながら自己紹介を語り出す。血色が悪い上に髪が疎らで、ひどく痩せているせいで餓死寸前の病人に見えてしまうな。リドルに匹敵する『人外っぽさ』を醸し出しているぞ。
「こんばんは、可愛い生徒たち。校長閣下のご紹介に与りましたメイナード・ブッチャーです。何か困ったことがあったらいつでも話しかけてください。」
うーん、不気味。話している内容はまともなのだが、地の底から響くような嗄れ声が全てを台無しにしているな。新入生どころか下級生の大半があまりにも闇の魔法使いっぽいその雰囲気に怯える中、ハーマイオニーの拍手を皮切りにパラパラとした歓迎の音が投げかけられる。ミス・監督生が義務感に駆られて拍手したのは間違いないだろう。
「……どうだい? ハーマイオニー。これでもまだ真っ当な教師だと思うのかい?」
「声がちょっと特徴的なだけで、言ってることはまともだったじゃないの。」
ふん、怪しいもんだぞ。目を逸らしながら擁護するハーマイオニーに鼻を鳴らしていると、歪にニヤリと笑って着席したブッチャーを見たマクゴナガルが話を再開した。あんなもん絶対に悪役の笑い方だろうが。
「さて、細かい注意事項は食後に回しますが、食事に入る前にもう一つだけ重要な連絡をさせてもらいます。……今年一年をかけて『七大魔法学校対抗クィディッチトーナメント』が開催されることが決定しました。先程組み分け帽子の歌に出た七校がそれぞれ代表チームを選出し、トーナメント戦で優勝を争うという内容です。試合は各校の競技場で行われる予定なので、ホグワーツに他校の生徒が滞在することや、あるいは他校に応援のためにお邪魔することがあるかもしれません。そういった時にはホグワーツ生としての誇りと節度を忘れずに行動するよう心掛けてください。」
途端に騒つく大広間の生徒たちに、マクゴナガルは声を少しだけ大きくして続きを語る。
「よって学内のクィディッチリーグは中止となり、今月末に代表選手選抜のための公開試験を行います。参加を希望する生徒は二週目の終わりまでにフーチ先生に申請するように。公開試験で実力を示した後、全校生徒の投票によって代表選手を決める予定です。」
そういう方法で選出するのか。魔法界にしては民主的なやり方にマクゴナガルの流儀を感じていると、魔理沙と咲夜がこそこそ話をし始めた。
「うへぇ、投票制かよ。そうなると各寮で票が割れそうだな。誰だって自寮のヤツが代表になって欲しいだろうしさ。」
「でも、全校生徒が参加できるなら公平なシステムよ。そうじゃないとその人が代表選手に相応しいかを誰が判断するかで揉めるでしょう? 今回は炎のゴブレットみたいな魔道具を使えないんだから。」
「まあ、そうだけどよ。……全校生徒の前で試験ってのはさすがに緊張しそうだな。」
「いつも全校生徒の前で試合をやってるでしょうが。今更何言ってるのよ。」
そりゃそうだ。呆れた顔で突っ込む咲夜に、魔理沙は頭をポリポリ掻きながら返答を返す。
「『試験』ってなると別なんだよ。……よう、ハリー。月末までみっちり練習しておこうぜ。ロンとジニーもやるだろ?」
「だね、後で細かいルールをフーチ先生に聞きに行こうよ。僕はもちろんシーカーの代表を目指すけど、『併願』できるならチェイサーも狙いたいから。キーパーとかビーターは専門的だからさすがに無理だろうけどさ。」
「僕は……うん、一応受けてみようかな。試験で調子が良かったら選ばれるかもしれないし。」
「ニールとアレシアも誘ってみましょ。最悪自分が選ばれなかったとしても、グリフィンドールの『弾数』は多い方が良いわ。」
顔を寄せ合って『作戦会議』を始めたグリフィンドールチームの面々を前にして、咲夜やハーマイオニーと一緒にやれやれと首を振る。他のテーブルもトーナメントの話題一色なのを見るに、暫くの間はクィディッチの話に付き合わされそうだ。
アリスの問題に集中させてくれよと大きなため息を吐きつつ、アンネリーゼ・バートリはマクゴナガルの食事開始の合図を待ち望むのだった。