Game of Vampire   作:のみみず@白月

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予想外の結末

 

 

「そうです、そんな感じに……完璧ですね。あとはそれにやすり掛けをするだけです。びっくりするほど上手いじゃないですか。」

 

凄まじく器用だな。人形店の店舗スペースの裏にある作業場で、アリス・マーガトロイドはアピスさんの手際に感心していた。絵はちょっとアレだが、こういう作業は得意らしい。私が祖父に人形作りを学び始めた頃の十倍くらいの速度で上手くなっているぞ。

 

八月の真ん中が迫ってきた今日、最近毎日通ってきているアピスさんに人形作りの指導を行っているのだ。今は木製の可動人形の骨組みの作り方を教えているのだが……うーむ、スポンジのようにやり方を覚えていくな。骨組みどころか、今日中に組み方まで終わっちゃうかもしれない。

 

あまりの成長の早さに唸る私へと、アピスさんは内心を読んだような発言を寄越してくる。

 

「大昔にローマの石像職人から石工を学びましたし、東漢末期の頃には許昌で木造建築に携わっていた事もあります。その辺の経験が上手く作用しているんじゃないでしょうか? 素材や規模や道具は違えど、本質的な部分は似通っていますから。」

 

「東漢、ですか。えーっと……確か、西暦紀元が始まった頃の中国の時代区分ですよね?」

 

「ええ、私が許昌に居たのは西暦の開始から二百年後くらいですね。非常に面白い場所でした。それ以前も漢には居たんですけど、その時は鄴で生活していましたから。」

 

むう、アピスさんと話していると不思議な気分になってくるな。美鈴さんは昔の話をあまり頻繁にはしてくれなかったが、アピスさんはそんなに躊躇いなく語ってくれるのだ。私にとっては遠い過去の『歴史』でしかない出来事を、実際に見て聞いた張本人から教えてもらえるというのは……よく考えたら凄いことのような気がしてきたぞ。

 

世の研究者たちは歯噛みして羨むだろうなと苦笑しつつ、アピスさんに対して質問を飛ばす。三国時代の話は美鈴さんもしていた覚えがあるし、ひょっとして彼女とはその時期に出会ったんだろうか?

 

「今では『英雄』と呼ばれている人たちを直に見たことってありますか? つまりその、三国時代の有名人たちを。」

 

「ありますよ。私はまあ、その頃から色々とやっていましたから。曹孟徳や袁本初なんかは遠くから顔を見る機会があったんです。さすがに会話したことはありませんけどね。」

 

「……凄いことですよね、それって。」

 

「どうなんでしょう? 紅さんは昔、普通に人間たちの戦争に参加していましたからね。英雄と呼ばれる人たちと刃を交えるところまで行ったかもしれませんよ? ……ああでも、私も荀文若と親しくしていた時期があります。実に賢い人でした。少々頭の堅い面もありましたが。」

 

かの高名な王佐の才か。さらっと出てきたビッグネームを受けて反応に困っている私へと、アピスさんは淀みない手付きで紙やすりを動かしながら続きを語る。

 

「己の主義の所為で幸せな晩年ではありませんでしたが、あの人は常に自分が歩むべき道を見定めていました。荀令君は王道を補佐する忠臣だったものの、必ずしも覇道を支持する従臣ではなかったということです。私の考え方を少しだけ変えた人ですよ。」

 

「私はアジア圏の歴史には詳しくありませんけど、それでも名前くらいは知ってます。……ちなみに昔のイギリスに居たことはありますか?」

 

「あります。ヘンリー四世の頃です。ちょうどウェールズの諸侯が反乱を起こした時期ですね。」

 

となると、約六百年前か。リーゼ様たちもまだ生まれていない頃だな。脳内の知識を漁りながら確認したところで、アピスさんは昔話を締めてしまった。

 

「戦いも何度か見物しましたよ。物騒な時期だったので長くは留まりませんでしたけどね。……終わりました。次は何をすればいいですか?」

 

「えっと、そしたら接合部の部品と組み合わせましょう。さっき作ったやつです。」

 

「質問があります。この部品は骨組みと一体化させるのではダメなんですか? その方が強度が増すと思うんですけど。」

 

「そこは作り方の違いなので何が正解とは言えませんけど、私はメンテナンスのために別々に作ってます。ジョイント部分は一番壊れ易い箇所なんです。なのでそこだけを交換できるように分離させているわけですね。……強度そのものはアピスさんが言うように一体化させた方がやや増しますけど、いざ壊れた時に全交換になっちゃいますから。ただまあ、関節の可動域が狭い人形ならその選択も有りかもしれません。平たく言えば好みの問題です。素材によっても変わりますしね。」

 

可動のための関節部を見せながら説明した私へと、アピスさんは納得の頷きを返してからジョイントの取り付け作業に入る。それをチェックしつつ私も指導用として使っている人形を組み立て始めたところで……おや、リーゼ様だ。店舗スペースの方からリーゼ様がひょっこり顔を出してきた。

 

「やあ、二人とも。頑張っているようだね。エマがそろそろ昼食だって言ってたぞ。」

 

「あれ? もうそんな時間ですか。」

 

「やっぱり気付いてなかったのか。熱中するのも結構だが、適度に休憩は取りたまえ。……それと、私は今日も出掛けてくるよ。帰りは夜になりそうかな。」

 

ぬう、また出掛けるのか。ハリーとロンの試験はもう終了しているというのに、最近のリーゼ様はほぼ毎日のペースで昼前に家を出ていくのだ。日本から旅行に来ているお客さんを持て成すためらしい。

 

曰く、『未来の手駒作り』をしているそうだが……ちょっと心配だな。もちろんリーゼ様の方がではなく、『手駒』にされようとしている相手の方が。胸中で不安を感じている私を他所に、リーゼ様はアピスさんへと追加の言葉を放つ。

 

「ついでにアピス、調査を依頼したい。八月の下旬までにだ。」

 

「私は人形作りを学びに来ているんです。期限を設けるのであれば、内容によっては受けられませんよ。」

 

「なぁに、簡単な調査だよ。日本の『守矢神社』ってとこの祭神を調べて欲しいんだ。祭神は二柱で、神社そのものはナガノって土地にあるらしい。出来れば神についての詳細な情報付きで提出してくれ。」

 

「そこまで分かっているなら自分で調べてくださいよ。」

 

迷惑そうに言い返したアピスさんへと、リーゼ様は肩を竦めて返事を口にした。

 

「ヤダよ、面倒くさい。紅魔館の調べ物担当が幻想郷に行っちゃったから、馴染みの情報屋に外注するしかないんだ。報酬は払うから調べてくれたまえ。」

 

「『馴染み』になったつもりはありませんけどね。……まあ、いいでしょう。その程度なら旅先でも三日かかりません。近いうちに報告できます。」

 

「大変結構。それじゃ、失礼するよ。」

 

満足そうに首肯して玄関の方へと歩いて行ったリーゼ様を見送りながら、作業に戻ったアピスさんに声をかける。日本の神社か。奇妙な調査依頼だな。

 

「リーゼ様、何をする気なんでしょうか?」

 

「恐らく土着神か何かを飼い慣らすつもりなんでしょう。神をも畏れぬ吸血鬼らしい行動ですね。知らない名前の神社なので、そこまで強力な神ではないんでしょうけど。」

 

「神、ですか。語感だけだと凄く強大なイメージがあるんですけど、実際はそうでもないんですか?」

 

じゃないと『飼い慣らす』のなんて不可能だろう。今まで関わったことのない種族……というか、そもそも種族って言うべきなのかな? 存在? に尻込みする私へと、アピスさんは曖昧な返答を送ってきた。

 

「ピンキリですね。魔女さんでも打ち倒せる神は居ますし、ニューヨークの大魔女でさえ手も足も出ない神も居ます。『神』と言っても様々なケースがあるんですよ。神として生まれたか、神に成ったか、あるいは神を名乗っているだけか。基盤となる『宗教』からして曖昧な概念ですから、そこから派生した神だってそうなるわけです。」

 

「……『様々な神』ですか。一神教を信仰している人からすれば、認め難い定義かもしれませんね。」

 

「いえいえ、至極簡単な話ですよ。彼らからすれば今言った『神』は俗に言う妖怪なんです。正直なところ、使う力が異なっているだけの妖怪の一種と言えなくもないですしね。妖怪が力の源にする恐怖と、神にとってのそれに当たる信仰。この二つは背中合わせの感情ですから。実際神に成った妖怪というのも数多く存在していますし。」

 

「……なるほど、少し分かる気がします。」

 

まあ、恐怖故に崇めるというのは理解できるぞ。アニミズムの源流は大いなる自然への畏れだ。戒律に罰が付き物なように、恐怖と信仰というのは深いところでは共通の感情なのかもしれない。怖いから敬う。それは人間として不自然ではない思考の変遷だろう。

 

妖怪と神との共通点について思考を回し始めたところで、上階から声が響いてきた。エマさんの声だ。

 

「アリスちゃん、アピスさん、ご飯が出来ましたよー!」

 

「はーい、すぐ行きます! ……続きはお昼を食べてからにしましょうか。」

 

「そうですね、ハーフヴァンパイアさんのご飯は美味しいですから。温かいうちに食べるべきです。」

 

然程迷わずに作業を切り上げたアピスさんと一緒に、リビングに続く階段へと移動する。物凄く長生きのアピスさんでも、エマさんの料理はやっぱり美味しいのか。さすがは万能のメイドさんだけあるな。

 

コンソメの匂いが漂ってくるリビングに向かいつつ、アリス・マーガトロイドは毎日それを食べられる幸せを改めて実感するのだった。

 

 

─────

 

 

「……あー、ハリー? キミの名前はハリー・ポッターだったか?」

 

であれば、何故その名前が載っていないんだ。イギリス魔法省の地下二階。魔法法執行部が支配するフロアの廊下の掲示板の前でハリーに問いかけつつ、アンネリーゼ・バートリはもう一度張り出されている羊皮紙を確認していた。……ドラコ・ルシウス・マルフォイと、ロナルド・ビリウス・ウィーズリー。羊皮紙に書かれている名前は何度読み直してもその二つだけだな。どういうことなんだよ。

 

八月十七日の月曜日、今日は先週の月曜と火曜を使って行われた入局試験の結果が張り出される日だ。だから朝早くにいつもの四人で隠れ穴に集まった後、モリーとジニーの見送りを受けてアーサーとパーシーと私たちの六人で魔法省に移動し、今まさに試験の結果を確認しているわけだが……ロンとマルフォイの名前はあるのに、どう見てもハリーの名前が無いぞ。

 

意味が分からん。何かのミスか? あまりにも予想外の展開に思考を停止させていると、私と同じく呆然としているハリーが返事を寄越してくる。力の入っていない声でだ。

 

「確か、僕の名前はハリー・ジェームズ・ポッターのはずだよ。ドラコとロンの間にその名前が無いってことは、つまりはまあ……落ちたってことなんじゃないかな。」

 

「……僕、信じられない。自分が受かったことよりも、ハリーが落ちてるのが信じられないよ。だってそうだろ? 僕が受かってるなら、ハリーはどう考えても受かってるはずだ。いつだってそうだったのに。」

 

「……時間が足りなかったのよ。多分実技の方は問題なかったと思うわ。ハリーなら性格傾向テストもそこまでひどい点数にはならないでしょうし、魔法法の筆記あたりが響いたんじゃないかしら。」

 

どんよりしているハリーと、意味不明だという表情のロン、そして悔しそうなハーマイオニー。放心しながら三人を順繰りに見ている私を他所に、アーサーが苦い顔でハリーに声をかけた。……落ちた? ハリーが? そんなことが有り得るか? ホグワーツ史上最も闇祓いに向いているような卒業生なのに。

 

「ハリー、今回は残念だったね。しかしまだチャンスはあるんだろう? 私の記憶が確かなら、イモリ試験の成績は消えてなくなったりしないはずだ。闇祓い試験の受験資格はまだ残っているよ。」

 

「父さんの言う通りだよ、ハリー。そもそも一発で合格する人の方が少ないくらいなんだ。今の局長のロバーズさんだって三度落ちてるし、一発合格したところでその後の出世に影響するわけでもない。二十五歳の年齢制限までは何度だって受けられるんだから、諦めさえしなければ絶対に闇祓いになれるさ。」

 

「そうよ、ハリー。来年があるわ。来年また挑みましょう。私も手伝うから。」

 

「……うん。」

 

アーサー、パーシー、ハーマイオニーの慰めを受けているハリーは、明らかに無理している感じのぎこちない笑顔でノロノロと首を振っているが……ええい、私は納得いかんぞ。こうなれば責任者に問い質す必要があるだろう。

 

「ちょっとリーゼ、どこに行くの?」

 

「そんなもの闇祓い局に決まっているだろう? ハリーを落としたぽんこつ局長のところだよ。」

 

「まさか貴女──」

 

「心配しなくても今更合格させるようにと迫ったりはしないさ。ただ理由を聞きたいんだ。『個人的に』ね。」

 

そう、個人的に聞きに行くだけだ。だから何が起きてもハリーたちは関係ない。ハーマイオニーの注意を先読みして封じた後、廊下を早足で進んで到着した闇祓い局のオフィスには……おや、ぽんこつ局長どのはこの展開を予想していたらしいな。『やっぱり来たか』という顔のガウェイン・ロバーズが待っていた。

 

「バートリ女史、ポッター君のことですね? 杖に誓って言いますが、評価に私情は一切挟んでいません。むしろ私個人は合格して欲しいと思っていたくらいです。ですが──」

 

「ですが? ですが何だい? 言ってみたまえ。」

 

乗り込んできた私が口を開く前に、用意しておいたのであろう言い訳を連発してくるロバーズを睨み付けてやれば、彼は至極残念そうな顔付きで『ですが』の続きを述べてくる。

 

「魔法法の点数がギリギリで足りなかったんですよ。そこはもうどうしようもありません。性格テストも実技も面接も問題ないどころか高得点でしたが、魔法法の筆記の点数が合格ラインを下回っていたんです。……納得していただけましたか?」

 

「……実技の評価では穴埋めできないのかい?」

 

「闇祓いは魔法法の執行機関です。である以上、最も重視しなければならないのは魔法法への理解度なんですよ。私もあれだけの杖捌きをする候補者を落とすのは惜しいと思いましたが、職務において最重要事項である魔法法をしっかりと把握していないのであれば、闇祓い局の局長として落とさざるを得ません。……同情はします。クィディッチトーナメントで忙しかったんでしょう? それは理解できますし、少ない時間でよくぞここまで覚えたと褒めてあげたいくらいですが──」

 

「分かったよ、もういい。……魔法法の点数がギリギリ足りないだけだったんだね? つまり、そこさえ克服すれば来年の試験でハリーは闇祓いになれる。そういうことだろう?」

 

言い募るロバーズを止めてから冷静な口調に戻して尋ねると、局長どのは心底ホッとしたような面持ちで深々と首肯してきた。

 

「ええ、恐らく合格できるでしょう。魔法警察に渡すのは惜しい人材ですし、こちらとしても来年また受けて欲しいと思っています。ポッター君には是非とも諦めずに挑んでくれと伝えてください。」

 

「ああ、伝えておこう。悪かったね、急に乗り込んできて。失礼するよ。」

 

ロバーズに軽く謝ってから、再び廊下に出てハリーたちの方へと歩を進める。……私にしては冷静さを欠いていたな。どうやら自分で思っている以上に、ハリーが落ちたという事実がショックだったらしい。

 

「やあ、戻ったよ。」

 

「リーゼ、変なことしてないわよね? ……例えばその、ロバーズ局長を脅したりとか。」

 

「するわけがないだろう? 私を何だと思っているんだい? ……まあ、納得のいく説明はもらえたよ。やっぱり魔法法の筆記が問題だったみたいだ。」

 

ハーマイオニーに弁明してから報告すると、ハリーは分かり易く落ち込みながら頷いてきた。原因を強いて挙げるとすれば、ロバーズが言っていた通りクィディッチトーナメントだろうな。七年生の大半をクィディッチに割いたのはやはり痛かったようだ。ハーマイオニーが全力で協力しても無理だったんだから、何をどうしてもこうなる定めだったのかもしれない。

 

「……うん、僕としても納得だよ。詰め込むのが間に合わなかったみたいだね。」

 

「しかしだ、ハリー。それでもギリギリのところまでは迫れていたらしいぞ。来年は恐らく合格するだろうとロバーズも言っていたよ。……元気を出したまえ。長い人生の中のたった一年じゃないか。この七年間色々と頑張ってきたんだから、一年くらいゆっくり過ごしてもバチは当たらないはずさ。」

 

「……リーゼは魔法警察をやらないで闇祓いに集中した方がいいと思う?」

 

「私はそう思うね。キミの場合は金銭的な余裕があるわけだし、この一年は勉強しながら見聞を広めるのに使ったらどうだい?」

 

闇祓い試験の受験資格は、魔法警察部隊の入省試験免除の条件と同じなのだ。だから闇祓い試験に落ちた者はそのまま魔法警察に入隊することが多い。その後試験を受け直して魔法警察から闇祓いになるのは勿論可能だが、居ついてしまう者も少なくないんだとか。

 

私の助言に続いて、パーシーもまた賛同の意見を口にした。

 

「僕もアンネリーゼと同意見だ。魔法警察だって簡単にやれる仕事じゃないんだから、一年目はかなり忙しくなると思うよ。勉強の時間も削られるだろうし、それが原因で闇祓いを諦めた魔法使いだって居るはずだ。ハリーがあくまで闇祓いを目指すのであれば、魔法警察への入隊権利は蹴るべきじゃないかな。」

 

「……だが、一つだけ忘れないように。イモリ試験の結果で入省試験が免除になるのは今年だけだ。来年度以降に他の部署に入省したいとなると、それぞれの部署が定める試験を受けなくちゃいけなくなる。それを踏まえた上で決めるべきだよ、ハリー。」

 

アーサーが飛ばした大人の忠告を聞くと、ハリーはちらりと自分の名前が載っていない試験結果に目をやってから……決心した表情で口を開く。

 

「僕、魔法警察には入らない。来年の闇祓い試験を優先するよ。」

 

「よし、君がそう決めたならそうすべきだね。」

 

うむ、それが一番だろう。アーサーがハリーの肩をポンポンと叩きながら微笑むのを尻目に、ロンへと笑顔で言葉を放つ。ロンは見事に合格したんだから、きちんと祝っておかないとな。

 

「ロン、おめでとう。九月から晴れて闇祓いだね。」

 

「ちょっと複雑な気分だけどな。それに、まだ『闇祓い候補生』だよ。九月からは厳しい訓練の始まりだ。」

 

「なぁに、今までの騒動に比べれば楽なもんさ。来年ハリーに先輩風を吹かせられるくらいになっておきたまえよ。」

 

「まあ、頑張るよ。……というか、僕の同期はマルフォイってことになるのか。そこも若干複雑だな。」

 

そういえばマルフォイも合格したんだったか。条件としてはハリーと同じなのに、よくもまあ合格できたもんだ。……案外努力を惜しまないタイプなのかもしれないな。それを表には出さないのが何ともマルフォイっぽいぞ。

 

羊皮紙に載っている二つの名前を見ながら、アンネリーゼ・バートリは予想外の結末に小さく息を吐くのだった。数々の難敵を打ち破ってきた『生き残った男の子』に、初めての敗北を味わわせたのは闇祓い入局試験だったわけか。何とも皮肉が効いてるな。

 

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