Game of Vampire   作:のみみず@白月

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記念写真

 

 

「可愛いわ。こんなに可愛い存在は他に居ないんじゃないかしら? 可愛すぎて頭がおかしくなりそうよ。」

 

頭がおかしくなるのはさすがにマズいんじゃないか? 小さな赤ん坊を抱きながら可愛いを連呼しているジニーを見て、アンネリーゼ・バートリは呆れた表情を顔に浮かべていた。

 

六月最後の日曜日である今日、私は隠れ穴に遊びに来ているのだ。ハリー、ハーマイオニー、ロンといういつもの三人に加えて、ウィーズリー兄弟の長兄たるビルとその妻であるフラー、モリーとアーサーとジニーも一階のリビングルームに居るわけだが……大人気じゃないか、ヴィクトワールどのは。魅了でも使っているんじゃないだろうな?

 

ヴィクトワール・ウィーズリー。まだまだ庭小人サイズの彼女は、五月二日に誕生したばかりのビルとフラーの長女だ。勝利という名を与えられたその子はウィーズリー家らしからぬ明るいブロンドの持ち主で、顔付きも若干母親の方に似ている気がする。ヴィーラの血も中々やるじゃないか。ウィーズリー家の血に打ち勝つとはな。

 

黄色い声を出しながら赤ん坊を囲んでいる女性陣を眺めていると、同じテーブルに居るビルが話しかけてきた。ちなみにアーサーも同席しているものの、残る面子は全員向こうでヴィクトワールに夢中だ。ジニーやハーマイオニーもかなりのものだが、ロンは更にひどいな。姪っ子にデレデレじゃないか。

 

「そうだ、マーガトロイドさんにお礼を伝えてくれませんか? 子育て用の人形、本当に助かってるって。」

 

「『子育てちゃん』か。役に立っているようで何よりだよ。帰ったら伝えておこう。」

 

「役に立ってるなんてもんじゃありませんよ。……多分これは子育てを経験しないと分からないと思いますけど、あの人形があるのと無いのじゃ苦労が段違いです。フラーも心から感謝してます。子育てちゃんが居なかったらと考えるとゾッとしますね。」

 

そんなにか。至極真面目な面持ちで語っているビルに対して、アーサーが苦笑しながら相槌を打つ。

 

「お前が生まれた頃も大変だったな。初めての子供だから何もかもが手探りだったし、眠る時間すらまともに確保できなかったからね。モリーが不安定になってよく泣いていたのを覚えているよ。」

 

「……母さんが泣くほどだったの?」

 

「きっときちんと出来ているかが不安だったんだろう。私もヘトヘトだったよ。……だがまあ、チャーリー以降は騎士団の人たちが手伝ってくれたからね。もちろん戦争中は別の苦労や心配事があったが、子育てに関してだけは大分楽をさせてもらったかな。」

 

「キミの息子たちは不死鳥の騎士団に育てられたわけか。イギリス魔法界では箔が付きそうな逸話じゃないか。」

 

そうなると、ハリーやロングボトムあたりは同じ『揺り籠』で育ったことになるわけだ。クスクス微笑みながら言ってやれば、アーサーは深々と頷いて返事をしてきた。

 

「ええ、イギリス魔法界を守った騎士たちに育ててもらいました。だから皆立派になってくれたのかもしれませんね。」

 

「ヴィックもそうなってくれるといいんだけど、今のところは面倒を見るので精一杯かな。」

 

「そういえば、呪い破りの仕事はどうなっているんだい? 育休を認める小鬼ってのは想像できないんだが。」

 

イギリス魔法省にはそういったシステムがあるらしいが、グリンゴッツとなると未知数だな。レモネードを飲みながらふと気になったことを尋ねてみると、ビルは肩を竦めて応答してくる。

 

「今はダイアゴン横丁での内勤に回してもらってます。丸々休みとはいきませんでしたけど、勤務時間も少し短くしてくれました。助かってますよ。」

 

「ふぅん? 気を使ってはくれるのか。意外だね。」

 

「小鬼たちは人間との付き合いが長いですからね。『子育て観』の違いは当然ありますけど、その辺は案外気遣ってくれるんですよ。落ち着いたら現場に復帰しようと思ってます。」

 

「ちなみに、あの子が成長したらホグワーツに通わせるのかい?」

 

今度は恐る恐るという様子のハリーが抱っこしているヴィクトワール。そちらに目をやりながら問いかけた私に、ビルは難しい顔付きで曖昧に応じてきた。まあうん、そこは揉めるだろうな。

 

「未定ですね。僕とフラーはホグワーツかボーバトンならどちらでも構わないという立場なんですけど……母さんとお義母さんは、意地でもそれぞれの母校に入れたいみたいでして。後々揉めるかもしれません。」

 

「然もありなんってところだよ。誰だって母校の方に入れたいだろうさ。……アーサー、キミはどうなんだい?」

 

「私の希望は無論ホグワーツですが、何よりも優先すべきはヴィクトワール当人の選択ですよ。入学の歳になる頃には自分で判断できるようになっているでしょうし、ホグワーツかボーバトンならどっちを取っても間違いはありません。孫に任せます。」

 

「『勝利』を冠しているならホグワーツの方が似合うと思うがね。……それよりもだ、ミドルネームを変えるつもりはないのかい? 縁起が悪いぞ。今ならまだ間に合うんじゃないか?」

 

名前の話で思い出した忠告を飛ばしてやると、ビルは苦笑いで首を横に振ってくる。ヴィクトワール・スカーレット・ウィーズリー。それが彼の娘の正式な名前なのだ。フランス人なんだかイギリス人なんだか分からなくなっちゃっているじゃないか。

 

「まあその、僕とフラーの縁はスカーレット女史が結んでくれた縁だとも言えますから。それに『スカーレット』はフランス魔法界だと人気がある名前なんですよ。向こうの両親もミドルネームについては諸手を挙げて賛成してくれました。」

 

「ヴィクトワール単品は良い名前だと思うが、総合すると『スカーレットの勝利』になってしまうのが非常に嫌な組み合わせだね。レミィの小生意気なしたり顔が頭に浮かんでくるよ。」

 

「『紅の勝利』。お義父さんとお義母さんは正にそこを気に入ってくれたんですけどね。」

 

苦笑を深めながらのビルが呟いたところで、ハーマイオニーがこっちのテーブルに歩み寄ってきた。ようやく赤ん坊の魅了から解放されたらしい。ロンとハリーは未だ支配され続けているようだが。

 

「可愛かったわ。リーゼは抱っこしなくていいの?」

 

「赤ん坊は怖くて触れないよ。キミたちは抱っこしていたようだが、間違えて落としたらとか考えないのかい?」

 

「ちゃんと抱っこすれば大丈夫よ。テディの時も似たような反応だったけど、リーゼってたまに変な心配をするわよね。」

 

普通は心配になるだろうが。大体吸血鬼なんだぞ、私は。吸血鬼は人間の赤ん坊を抱っこなんてしないものだ。……咲夜を除いてだが。ハーマイオニーに抗議のジト目を向けていると、アーサーが昔を懐かしむように口を開く。

 

「騎士団の頃、スカーレット女史も同じことを言ってましたよ。『吸血鬼は赤ん坊を抱いたりしない』って。」

 

「珍しくレミィが正しいね。……フランは普通に世話をしていたのかい?」

 

「よくしていましたよ。抱っこして寝かし付けたり、翼の装飾具であやしてました。」

 

「……なら、赤ん坊の世話はフランが担っている分野ということにしておこう。私たちは分業システムを採用しているんでね。」

 

フランはともかくとして、私とレミリアはそういうことが出来るタイプではないのだ。私が適当な言い訳を放った直後、向こうから泣き声が響いてくる。誰かがヴィクトワール閣下の機嫌を損ねてしまったらしい。

 

「誰が原因かは知らんが、『勝利の女神』を泣かせたらしいね。愚かなことを仕出かしたもんだよ。このままだと敗北は必至だぞ。」

 

「うちの女神は気紛れですから、またすぐに機嫌を直しますよ。……あーでも、結構泣いてますね。ちょっと行ってきます。」

 

私のジョークに反応したビルは、慌てて席を立って愛娘の方へと近付いていくが……まあ、立派に父親をやっているようで何よりだぞ。ウィーズリー家の新世代第一号か。その名の通り、次の世代を勝利へと導いてくれる存在になることを祈るばかりだ。

 

中々の声量の泣き声を響かせている赤ん坊を横目にしつつ、アンネリーゼ・バートリはレモネードが入ったグラスを傾けるのだった。

 

 

─────

 

 

「卒業おめでとう、二人とも。」

 

真紅の列車を使った、最後の移動。それを終えた私たちをホームで出迎えてくれたアリスに返事をしつつ、霧雨魔理沙は大きく伸びをしていた。いやはや、感無量だな。これでとうとう私たちの学生生活は完璧に終わりか。短かったような、長かったような、何とも言えない不思議な気分だぞ。

 

「ん、ちゃんと卒業してきたぜ。」

 

「ただいま、アリス。……リーゼお嬢様、無事に卒業できました。」

 

「ああ、よくやったね。キミが立派に卒業できて嬉しいよ。……ついでに魔女っ子、キミも上出来だ。褒めてあげよう。」

 

「へいへい、ついででも嬉しいぜ。」

 

素直じゃないヤツだな。皮肉げな笑みで言ってきたリーゼに苦笑いで応答してから、四人でホームの隅の暖炉へと歩き出す。ちなみに咲夜がジト目でこちらをひと睨みしているのは口止めのためだ。銀髪ちゃんはホグワーツ城を離れる際、ちょっとだけ涙ぐんだのをリーゼとアリスに知られたくないらしい。

 

「明後日は隠れ穴で食事会を開いてもらえるんだろ?」

 

『はいはい、黙ってますよ』というアイコンタクトを返した後、手紙に書いてあった予定を確認してみれば、アリスがこっくり頷いて肯定してきた。

 

「そうよ、貴女たちの卒業記念パーティーって感じになりそうね。日曜日だからみんな参加できるんですって。」

 

「ヴィクトワールも来るか?」

 

「ビルが参加するって言ってたらしいから、連れてくると思うわ。会いたいの?」

 

「そりゃあ会いたいぜ。咲夜と二人で楽しみにしてたんだよ。最近のジニーからの手紙の内容が『ヴィックだらけ』だったからな。」

 

むしろそれ以外の内容が皆無だったぞ。ジニーはすっかり姪っ子の魅力にやられてしまったらしい。やれやれと首を振りながら報告すると、最初に暖炉に入ったリーゼが肩を竦めて反応してくる。

 

「ジニーだけじゃないぞ。今や誰も彼もがヴィクトワール閣下に夢中さ。同性もお構いなしに魅了しているあたり、ヴィーラの血の所為ではないらしいがね。……マーガトロイド人形店。」

 

「ああそっか、フラーの娘なんだもんな。ヴィクトワールにはヴィーラの血が入ってるのか。」

 

緑の炎と共に消えていったリーゼを見送りながら今更思い出している私に、続いて暖炉に入ったアリスが応じてきた。

 

「単純な割合で言うと、八分の一がヴィーラってことになるわね。何となくそんな雰囲気はあったわよ。会ってみれば分かると思うわ。……マーガトロイド人形店。」

 

「成長したらビルは大変かもな。父親としては、娘に『悪い虫』が群がってくるのは歓迎すべきことじゃないだろうしさ。」

 

「けど、異性に対しての魅力があるっていうのは一つのメリットよ。フラーさんならそういうのを捌く経験も豊富でしょうし、きちんと『対処法』を教えられるんじゃない? ……先に行くわよ?」

 

「おう、行ってくれ。」

 

こういう場合は本人じゃなくて周囲が大変なのかもな。煙突飛行で消えていく咲夜を見ながら考えた後、私もフルーパウダーを投げ入れて人形店に移動すると……ありゃ、どうしたんだ? 揃って微妙な表情になっているリーゼとアリスとエマの姿が目に入ってくる。

 

「ただいま、エマ。どうしたんだ?」

 

「お帰りなさい、魔理沙ちゃん。……何て言うか、慣れてない所為でちょっと失敗しちゃったんです。」

 

「キミたちの帰還を祝ってクラッカーを鳴らそうとしたらしいんだよ。だがまあ、タイミングを誤ったね。私に鳴らしても意味ないだろうに。」

 

「だって、お嬢様が一番最初に現れるとは思ってなかったんですもん。おまけに二発目は不発でしたしね。大失敗です。湿気っちゃってたんでしょうか?」

 

なるほどな。クラッカーで迎えようとして最初に移動したリーゼに鳴らしてしまい、残る一発はそもそも鳴らなかったということか。咲夜と顔を見合わせて締まらないなと苦笑しつつ、らしいっちゃらしい出迎えだぞと勝手に納得していると、エマが持っているクラッカーが突然乾いた音を響かせた。時間差で破裂したようだ。

 

空中に『おめでとう!』という文字の形の火花が一瞬浮かんで消えたのを、五人が五人とも『今更か』という顔付きで目撃した後、エマが苦い笑みでパンと手を叩いて事態を進行させる。クラッカーについては無かったことにするつもりらしい。

 

「はい、二人とも卒業おめでとうございます。お祝いのケーキを作っておきましたから、みんなで食べましょう。」

 

「あー……うん、気持ちはしっかりと伝わってきたぜ。ありがとよ、エマ。」

 

「ありがとうございます、エマさん。嬉しいです。」

 

「……こういう時に限って上手くいかないんですよね、私って。でも、ケーキの方は自信作なので大丈夫です。沢山食べてください。」

 

咲夜が目標としているパーフェクトなメイドどのにも、意外な弱点があったわけか。変なところで抜けているのは主人に似ているな。そしてそんなエマが手で示したダイニングテーブルにあったのは、名誉を挽回して余りあるほどの見事な二つのホールケーキだ。

 

何とまあ、こんなに豪華なケーキを見たのは初めてだな。サイズこそ一人でもギリギリ食べ切れてしまう程度の小さな物だが、砂糖菓子やフルーツの装飾がこれでもかと言うほどに載っているぞ。金粉や花の形の砂糖菓子で彩られている派手なチョコレートケーキと、ミントや落ち着いた色の果実が添えてあるベリー系の大人っぽいケーキだ。チョコが私用で、ベリーが咲夜用か。それぞれの好みのケーキを作ってくれたらしい。

 

「おいおい、いいじゃんか。本職のパティシエが作るケーキって感じだぜ。こんなの有名なケーキ屋とかでも滅多にお目にかかれないぞ。」

 

「……凄いです、エマさん。写真に撮っておきたいくらいです。」

 

「おっ、いいな。そうしようぜ。ちょっと待ってろ、カメラがどっかに入ってるはずだから。」

 

この二つのケーキが並んでいるシーンは、写真で切り取っておくだけの価値がある光景だぞ。咲夜のアイディアを受けてトランクを漁っている私に、エマが照れている感じの面持ちで突っ込みを入れてきた。

 

「いやぁ、そこまでではないと思いますけどね。二人が七年間頑張ったお祝いのケーキですし、ここ二年くらいはアリスちゃんのお陰でお菓子作りの『修行』が出来ていたので、その集大成ってことも兼ねて特別時間をかけて作ってみたんです。こういうのを毎日のように作ってる本職の方には敵いませんよ。」

 

「これはさすがに『敵ってる』だろ。でなきゃ本職のパティシエが化け物すぎるぜ。……リーゼとアリスも入ってくれよ。折角だし、卒業記念の一枚にしようぜ。」

 

「残念ながら、写真に写るのは好きじゃないんだ。私が撮ろう。テーブルのそっち側に並びたまえ。ケーキ越しに撮るから。」

 

「お前が『写真嫌い』なのは重々承知してるけどさ、今日くらいは一緒に写ってくれよ。後で見返した時にリーゼだけ居ないのは勿体無いじゃんか。」

 

こればっかりは譲れんぞ。私からカメラを受け取ろうとしたリーゼに主張してやると、アリスも首肯して援護してくる。今から撮る写真は『人形店組』の思い出の一枚なのだ。いつか絶対に懐かしんで見返すことになるだろうし、そうやって見た時にリーゼが欠けていては意味がない。平時はリーゼの主義を優先してもいいが、今回は意地でも食い下がらねば。

 

「リーゼ様、この写真だけはみんなで写りましょうよ。撮るのは『写真ちゃん』に任せれば大丈夫ですから。」

 

「キミ、そんな人形まで作っていたのか。……しかしだね、私は『証拠』を残すのが嫌いなんだよ。これはもうバートリの吸血鬼としてすり込まれた感情なんだ。決して咲夜と魔理沙の卒業を祝っていないわけではなく、私の本能とも言える部分が──」

 

「リーゼお嬢様、ダメでしょうか? 一枚だけ。この写真だけでいいですから。」

 

「私からもお願いします、お嬢様。咲夜ちゃんと魔理沙ちゃんにとって記念になる一枚なんですよ? お嬢様だけが不在だと違和感が出ちゃうじゃないですか。」

 

おー、珍しく四対一だ。この件に関しては影を受け取った忠実な従者たちも敵に回ったらしい。言い訳の途中で『おねだり』してきた咲夜と、結構強めの口調で言い分を述べたエマ。『我窮する』という表情でそんな二人を交互に見たリーゼは、観念するようにポツリと承諾を口にした。

 

「……分かったよ、一回だけだぞ。撮り直しとかはしないからな。」

 

渋々という感情を前面に押し出したままのリーゼではあるが、それでも了承するってのは私たちの卒業を重く見てくれているからなのだろう。だって普段の彼女なら絶対に拒否するはずだ。やっぱり素直じゃないヤツだな。

 

そんなことを考えながらふよふよとこちらに寄ってきた『写真ちゃん』にカメラを渡して、ダイニングテーブルの向こう側に五人で並ぶ。ちゃんとケーキの正面をカメラの方に向けた咲夜を横目にしていると、写真ちゃんが身振り手振りで細かい指示を出してきた。少し寄れとか、顔の位置をズラせとか、そういうやつをだ。めちゃくちゃ詳細に指示してくるじゃないか。

 

「……アリス? あの人形、非常に鬱陶しいんだが。『ポーズ指定』をやめさせたまえよ。そこはこっちの都合だろうが。」

 

「写真ちゃんは『最高の一枚』を目指すための人形なんですよ。……まあでも、これはちょっとやり過ぎですね。後で再調整しておきます。」

 

リーゼの文句にアリスが応答したところで、ようやく写真ちゃんは構図に満足したようだ。小さな身体と片手を使って器用にカメラを支えつつ、もう片方の手でカウントダウンを始める。写真ちゃんが示す数が五、四、三、二、一と減っていき、全部の指が折られた瞬間──

 

「……ほら、終わりだ。食べようじゃないか。」

 

フラッシュが焚かれたのを確認したリーゼが、そそくさとソファの方へと移動していってしまう。……まあ、間違いなく撮れただろ。写真ちゃんもサムズアップしているし、特に問題はなかったようだ。現像が楽しみだな。

 

「本当に苦手だよ、こういうのは。何だかムズムズしてくるぞ。……キミたち、その顔は何だい? やめたまえ。その微笑ましそうな顔を今すぐやめたまえよ。」

 

リーゼが写真を苦手としている理由は、ひょっとするとバートリ家とは関係がないところにもあるのかもしれないな。ソファでむくれているリーゼを四人で眺めつつ、霧雨魔理沙はくつくつと喉を鳴らすのだった。

 

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