いつも一緒に   作:スメシレンジャー

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第2話:ギルドに行こう!

気づくと周りはさっきまでの薄暗い部屋の様な場所ではなく、やたらおかしな看板がついている大きな建物の前に立っていた。その目の前にある建物も含め周りの建物はレンガ造りの中世のヨーロッパを彷彿とさせる様な建物が幾つも立ち並んでをおり、歩く人々も獣人ぽい人やエルフみたいな人もちらほらいる。加えて、馬車も砂埃を立て道の真ん中を通っている。現代の日本では決して見る事のできないの数々光景だった。

 

「凄いな、本当に異世界なんだな。というか、この看板センスねーな」

 

異世界に来た事にはしゃいでいると腰にガンベルトをつけているのに気づいた。

 

「おぉー本当に拳銃があるよ」

 

ホルスターにしまってある拳銃と換えのマガジンをみて呟く。特に意味は無い。つっ立ってるのもつまらないので道に沿って歩いてみる。しばらく適当に歩いていると上着の内側のポケットに謎の違和感に気づいた。そこでポケットに手を突っ込む。すると中から手帳のようなものと手紙が入っていた。手紙にはこう書かれていた。

 

『この手紙を見ているということは無事に転生できたようですね。あなたが居る場所はアルカデと言う国のレデンドという町です。そこは冒険者達が集まる事で有名な町です。あと、商売の町としても有名ですよ。もし、冒険者になりたかったらギルドに行くといいですよ!ギルドではカードの申請ができます。あ、因みにカードと言うのは冒険者用の免許証みたいな物です。それには、ステータスとかレベルとか能力などが記載されます。商売人になりたいのでしたら、商業ギルドに行って商業許可証などを貰ってきてください。その後で、店を開く事ができます。あと、喋れるようにしていたのですが、文字を読める様にするのを忘れてたのであらゆる単語や文法などが書かれてる手帳を入れておきましたので辞書代わりに使ってください。最後に1つ、冒険者ギルドはやたらおかしな看板が付いてる大きな建物ですよ!それでは、良い旅を!』

 

ふむふむ、僕はつまり話せるけど字は読めないといことか。えっそれ辛くね。まぁいいか。今いる町はここはそこそこ、有名な町なのか。まぁ異世界に来たんだ。冒険者になりたいよね、という事で冒険者ギルドに行きますか!。・・・んッ?ちょと待て・・・最後の所なんて書いてあった?やたらおかしな看板が付いてる建物だと!まさか・・・さっきの所かァァァアアア!!

 

僕は来た道を引き返す羽目になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハァハァ・・・オェ・・・やばい吐きそう・・・」

 

来た道を戻ってやたらおかしな看板が付いたギルドまで戻ってきた。吐きそうな気持ちを抑えて中に入る。中はそこそこ綺麗で活気に溢れている。僕は手帳を開きながら受付を探す。

 

「受付・・・受付・・・多分あれかな?わぁ・・・これまたおかしな看板で・・・なに、このデザイン流行ってんの?だとしたらこれのデザイナー絶対に美的感覚が迷走してるぜ」

 

そんなこと言いつつ受付カウンターらしき所まで行き、そこにカウンターにいた女性に話しかける。

 

「すみません、ここ受付であってますか?」

 

念の為に聞くとその女性は

 

「はい、そうですが・・・あら、見ない顔ですね?カード登録をしに来たんですか?」

 

「はい」

 

「分かりました。少々お待ちください。」

 

そう言って女性は座っていた椅子から立ち上がり後にあった箱からカードらしきものを取り出す。

 

「これがカードになります。1番上の欄に名前を書いてください。そうすると勝手にステータスの欄などが埋まっていきますので」

 

言われるがままに名前を書く。すると、おそらくステータスと書かれている所などに文字が浮かび上がってきた。

 

「終わったぽいですが…」

 

「では少し見せてください。名簿に名前とステータスなどを書き込むので」

 

そう言われて女性に渡すと

 

「んッ?名前の所なんて書いてあるんですか?」

 

「柳沢康一と書いたは・・・あ、そっかここだと漢字は使えないのか・・・。書き直した方がいいですか?」

 

「いえ、大丈夫です。いやーそれにしても見たことない字ですね。差し支えなければ出身をを教えて貰ってよろしいでしょうか?」

 

カードから視線を外し訪ねてくる。ここで日本です!と言ってもお前は何を言ってるんだ?と言われるだけなので

 

「東の方の国ですかね」

 

「へぇー、東の方の国はこんな字を使うところがあるんですね〜知らなかったです」

 

そう言って彼女は視線をカードに落とす。すると

 

「ステータスははっきりいって普通ですね…でも魔力は凄い数値をたたき出してますよ!あ、でもよく見たらどの属性の魔法適性がないみたいなんで魔法は使えないですね…宝の持ち腐れとはこのことですね。というかここまで魔力高くて適正なしの人なんて始めてみましたよ。」

 

「嘘・・・だろ」

 

異世界まで来て魔法が使えないなんて・・・。その前に魔法適正てなにさ

 

「魔法適正は簡単に言ってしまえば魔力を他のものに変えられるいわば変換機能みたいなものですね。例えば火属性に適性があれば魔力を火に変えることができます。ですが、適性は大体1人に1つだけの場合が多いです。例外で2つ以上適性がある人もいますが、かなり稀ですね。逆に貴方みたいに適性がない人もいますが、魔法が使える人と入ればそこそこの確率で魔法適正がつきます。もし、それでもだめなら魔術を覚えることをおすすめします」

 

なんかしれっと、考えてた事読まれた。

 

「その魔法と魔術の違いはあるんですか?」

 

そうきくと彼女は

 

「効果に大した違いはないのですが発動の仕方が違います。魔法は言葉と魔力と適正の力で発動します。魔術は術式に魔力を注ぐことで発動します。魔術は魔法とは違い適正がいりませんが、術式を書かなければいけないので時間がかかります。ですが魔術は応用がきくので使う人も多くいます。」

 

ほほう~つまりは適正が無くとも魔法が使えると・・・いいね!

 

「それでは、ヤナギハラ コウイチさん。貴方の旅路に栄光がありますように!」

 

「あの、名前間違ってます…」

 

締まらねぇ・・・

 

 

 


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