マジンサーガの存在を失念していたことに関して前回修正したので初投稿です
※魔神パワーレベル
1で起動の2に翼
34が武装、5で兵器
10まで言ったら因 果 律
マジンガー ハ 無敵
マジンガー ハ 最強
因果 ハ 紡ガレズ トモ
見テイルゾ 貴様 ヲ
忘レルナ マジンガー ト 共ニ 在ル男
敗北 ナド 許サヌ
モシ マジンガー ガ 負ケレバ
(某Vの例のシーン)
塵 ノ ヒトツモ 残サン
「オイオイオイ死んだわこれ」
◇◆◇
「まだ負けてないからセーフッ!!!!」
麗らかな日射し差し込む、駒王学園旧校舎の外れ。
そんな悲鳴と共に鎧依甲児は目覚めた。
「おお、コージ!」
「よかったぁ目ぇ覚めたか!」
甲児に声をかけるのは学友の松田と元浜。この三人に兵藤一誠を加えた『
まぁ近頃は色々とあって四人での行動はご無沙汰だが。
「目ぇ覚めたって……あれ、俺なにしてたんだっけ」
「何言ってんだよぉ」
「ノ・ゾ・キ・ア・ナ……見たろぅ? いつものように」
「……ああ。そういやそうだった」
「逃げる途中でお前急に気絶するんだもんよ。おかげでえらい苦労したぜ」
「ホントだよ」
「そこは保健室に運ぶのが普通じゃないんですかねぇ……」
「バッカお前、あの状況でそんな所まで頭回らないって」
「にしても大丈夫かぁ? 具合悪いとかじゃ……」
「ああ、多分平気……」
見 テ イ ル ゾ
「」←滝汗
「顔色が一瞬で青紫に!?」
「保健室、いや病院行こう! な!?」
「ハハハ。ヘーキヘーキ、チョット夢見ガ悪カタダケ」
「倒れて数分だけでそれってどんな悪夢だよぉ!?」
ハイライトの消えた瞳でうわ言のように呟く甲児の肩を揺さぶる二人。そんな友人達を余所に、共に在る魔神皇帝へと語りかける。
(……なぁカイザー)
『……』
(……カイザー?)
『へーきへっちゃらへーきへっちゃらへーきへっちゃらへーきへっちゃらへーきへっちゃらへーきへっちゃらへーきへっちゃらへーきへっちゃら………』
(あっ…)
◇◆◇
放課後である。
「いやーしかしあれだな」
「?」
「女体の素晴らしさは語るまでも無いが……流石に毎日のように同じこと繰り返してるとマンネリは否めんなぁ」
「それな」
いつものように猥談に興じる甲児、松田、元浜を周囲の女子は汚物を見る眼が生優しく思えるレベルの視線で睨みつけている。なお一誠は純真な少女を保護するために共に席を外している。
「……松田、元浜」
「ん? どした?」
「目を閉じろ」
「「は?」」
「いいから」
甲児の言葉に訝しげな顔をしながらも従う二人。
「よし。んじゃあ、お前らが女子の身体で一番魅力を……感じない箇所を思い浮かべろ」
「はぁ?」
「おいおい、それがなんだって」
「いいからいいから」
不承不承ながらも了承した様子の二人。真剣に思い浮かべているその顔は周囲の女子にしてみればおぞましいことこの上ないことを、当人達は知る由も無い。
「……いいか?」
「ああ」
「けどコージ、いったい何が」
「良いから聞け。その箇所だけを頭に浮かべて、他の場所は全てシャットアウトしろ。……んで、今から言うことを聞き逃すなよ」
頷く二人。
「―――恥部」
「「―――FuOOOOOOOOOOO!!!!???」」
瞬間、歓声。
目を閉じていた変態二人は瞬く間にのけ反ったり前屈みになったりを繰り返し始めた。
「やべー! やべーぞこれコージお前天才かよ!?」
「これは捗る!!」
女子の悲鳴をバックに騒ぎ立てる松田と元浜。友人達の痴態を尻目に、甲児は改めて魔神皇帝へと言葉をかける。
(落ち着いたか?)
『ああ。見苦しい所を見せた』
(今に始まったことじゃないけどな。……それよりも、『因果が紡がれたら奴が来る』ってことだけどさ、それって具体的にはどうしたら来るんだ?)
『速い話が『マジンガーの敗北』だ。『奴』は原初の、そして究極のマジンガー。マジンガーの頂点と言っても良い』
(ふむ)
『『奴』は常にあらゆる世界のマジンガーを認識している。オリジナルのマジンガー、オレとは別の魔神皇帝、異端の技術で生まれた魔神、などをな』
(ってことはやっぱ、いつも監視されてるってことね)
『ああ。だが、存在しているだけならさしたる問題は無い。マジンガーという存在は『奴』という頂点から生まれ、派生していった、謂わば子供のようなモノだからな』
(……なのに負けたらその世界ごと滅ぼすってか?)
『当然だろう。『マジンガーは最強無敵の存在』というのが『奴』にとって唯一にして絶対の持論だ。相手が誰だろうと、無様に負けるようなマジンガーは『面汚し』なのさ』
(……身勝手にも程があるだろ)
『『奴』はもはや正真正銘の『魔神』と言っていい存在だからな。人間やオレのような相手の言葉で左右されるほど軽い存在じゃない』
「……はぁ」
誰もいない背後を見る。ただの教室の風景だが、その中に薄ぼんやりと『奴』の陰を見た。
マジンガーと共に在る者は、例外なく『奴』の監視、あるいは観察対象なのだと、嫌でも思い知らせる。
(……そうだ。まだ訊きたいことあるんだけど)
『なんだ?』
(大昔にやらかした『やべーこと』って何?)
『天界冥界堕天使軍勢と龍達との戦争に殴りこみかけた』
「は?」
『天界冥界堕天使軍勢と龍達との戦争に殴りこみかけた』
「は?」
天界。イメージに相違ない、神や天使達の世界。
冥界。これもまたイメージ通り、魔王を筆頭にした悪魔達の世界。兵藤一誠は人間から転生したここのグループの一人。
堕天使軍勢。文字通り、天界から『堕天』した者達の集団。割と規模は大きいらしい。
龍。そんな三大勢力が束になってもなお恐れる絶対王者の幻想種。赤龍帝と白龍皇の『二天龍』を初めとした、まさしく頂点に立つ存在達。
そんな軍勢に対して魔神皇帝たった一体で戦争に殴りこんだ。
(バカじゃねぇのかお前ェ!?)
『でも負けなかったゾ』
(運よかっただけだろ!? 通りで行く先々で真っ先に俺が狙われるわけだよ!)
堕天使や悪魔といった存在に関わることになってからこっち、魔王に命を狙われるわ堕天使の総督に殺されかけるわ神に喧嘩売られるわ、天使でも堕天使との関わりもそれまで無く、転生悪魔でもない、まさにただの人間が経験するにはハードすぎる日々だった。
(……よく俺と会うまで無事だったなお前)
『戦略的撤退も策の内なんでな』
(逃げるってそれ負けじゃねぇのかよ。実はとっくに『奴』との因果紡がれてたりしねーだろうな?)
『そんなことになってたら世界は大昔に終わってるよ』
(……じゃあなんで)
『フッ』
「あの、コージさん。イッセーさんがよろしければ一緒に部室に、と」
『―――勝ち逃げって良い言葉だよなぁ』
「テメェ二度と正義も魔神も皇帝も名乗るんじゃねぇぞゴミクズ」
「ひっ」
「テメェなにアーシア脅かしてんだコージィィィィィィッ!!!」
「っだゴルァ俺ァ今機嫌悪ぃんだぞイッセェェェェェェッ!!!」
「け、喧嘩はやめてくださーい!!」
教室に飛び込んで来た親友、ちょっと涙目な級友にして戦友。未だに妄想はびこっている学友二人。
カオスである
◇◆◇
「……で、二人ともその有り様、と」
「「こいつが悪いです」」
「は? お前がアーシア脅かしたんだろうが」
「タイミング悪かっただけだっつってんだろ。文句は全部あのゴミクズに言えよ」
「あ、あの、イッセーさん。コージさんも。わたしは気にしてませんから……」
「もっかいやるか? ん?」
「上等だよ表出ろこの野郎」
「 や め な さ い 」
「「はい」」
(そういや生身の喧嘩で負けた場合もアウト判定なのか?)
『どうだろうな。恐らく『鎧依甲児』の負けであって『マジンガー』の負けにはならんと思うが』
(なら大丈夫、か?)
『……きっと、たぶん、恐らくそうなる……と良いなぁ』
(ハッキリしてくれよ(震え))
ゲッペラー「どうよ」
ZERO「見所はある」