明日を掴め(ないです)デビルマシン   作:オパール

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魔神皇帝なんだから無双するのは当たり前だよなぁ?








ゲッペラー「まず因果の果て(うち)さぁ………ゲットマシンの甲板(屋上)あんだけど……」
ZERO「(ブレストファイヤーで)焼いてかない?」


空を走れ(と強いられる)デビルマシン

兵藤一誠と鎧依甲児。

現代の赤龍帝と魔神皇帝は親友同士である。

 

付き合い自体は十年近いほどの時間が経っている。出会った当初から気性等を初めとした様々な面から意気投合し現在に至る。

 

かつて、兵藤一誠が悪魔へと転生することになった事件の際には誰よりも憤り、その一誠を救った恩人でもあるリアス・グレモリーの望まない結婚に、一誠が殴りこむと決めた時にも迷わず協力を申し出るほどには、一誠と甲児の友情は硬い。

幾らかの事件や戦いを経て互いを高めあってきた二人。大昔には魔神皇帝と争った赤龍帝―――ドライグも、そこは認めている。

 

当初は一誠を含めても五人ほどだったリアス・グレモリーの眷属悪魔達も今や大所帯。その追加劇に関わってきた甲児は人間であるが、そのグレモリー眷属の面々にとっても大切な戦友、という認識に落ち着いている。

 

そんな面々であるからして

 

 

 

「光子力ビィィィィィムッ!!!」

 

 

 

二条の光線を掻い潜り、二人の騎士が迫る。

両肩から抜き放った双剣でそれぞれの剣を受け、いなし、弾いて防ぐ。

両者が一斉に斬りかかってきたのを一回転して切り払い。

 

その回転の停止を待つことも無く、第二陣。

色々なサイズの対照的な二輌の人型戦車が襲いかかってきた。

力とタフネスが持ち味の二名。パワー負けするつもりは無いが、流石にそれはタイマンの時に限る。

 

『装甲欠けたら敗北判定ワンチャンあるぞ』

 

などと、以前に宣ったゴミクズ魔神の言葉を思い出す。

人間を遥かに越えた悪魔パワー、まともに受ければ装甲は欠けなくとも衝撃で骨は逝く。

なのでいなす。悪魔とはいえ生身の女性、かつ仲間をキズモノにするわけにもいかないので襟首引っ付かんで全力投擲。魔神皇帝の腕力なら容易いもんである。

 

さぁ次は、と身構えた途端に停止する身体。

次の瞬間、ドデカい落雷が全身を貫いていた。

 

雷に呑まれた身体は再起動、前方上空と後方に敵影ふたつ。

口元のスリットから五本の竜巻を雷擊の発生源に向けて発射。回避行動に移ったことで落雷が消失。再び身体を停止させられる前に剣を一本、背後へと投げた。地面が隆起した。

 

次いで降り注ぐ幾つもの落雷は、低空飛行で回避。そのまま上空の相手に殴りかかる。魔法ガードで防がれはしたものの、魔神皇帝のパワーに偽り無し、防壁の上から殴り抜く。

 

「あっ」

 

思わず力を込めすぎた。綺麗な腹パン状態になった一撃をもらった先輩が吹き飛んでいく。

 

「……ごめんなさい姫島センパイ……」

『後がこえーぞぅ』

「うるせぇ!」

 

この後に起き得るであろうお小言に戦慄しつつ、先輩が吹き飛んでいった先を見る。

 

―――特大の雷と共に、真紅が迸る

 

「合体攻撃はまずいですよ!?」

 

グレモリー眷属の『王』と『女王』。そんな二人の合わせ技ともなれば損傷は必至。

なればこちらも迎え撃たねばならない。敗北と逃走は許されず、背後に『奴』の気配を感じながら、胸のZに力を宿す。

 

「炎と変われ、光子力―――!」

 

力が高まる。

身体を駆け巡る熱い炎を、胸の一点に収束。

 

放たれた、真紅と紫電の特大な一撃。

叫ぶは奥義、果たすは必殺

 

『光子力、臨界突破! 往け、甲児!!』

 

『敵を焼き尽くす光の炎』、その名は―――

 

 

 

 

 

 

 

「ファイヤァァァァブラスタァァァァ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

拮抗する二つの力。真紅の力は『消滅』の性質を持つが、それを放つグレモリー眷属の王以上の力―――リアスの兄たる魔王のそれ―――を知ってる関係上、これで撃ち破れるという自信はあった。それ単体ならの話ではあるが

 

結果は相殺。視界が染まるほどの爆煙の中で、高速で接近してくる音を聞いた。

 

「ウォォリャアアアアアッ!!!」

 

赤き龍。その力は『倍加(ブースト)』。

一定時間ごとに跳ね上がり、解き放つことで神すら屠る力を得る赤龍帝の力。

シンプルであるが故に強力、そして脅威。恐らくはここまでの時間、ずっと『溜め』に徹していたのだと直感的に理解する。

振るわれた拳、防げば損傷はほぼ確実。だが回避という手段に出ることは向こうも承知の上だろう。

 

だから

 

 

 

「ドラァッ!!」

「ヴァッ!?」

 

 

 

拳よりもリーチが長く、また威力も高い身体の部位、即ち脚。

回避と読んでいたであろう親友は、接近の勢いを殺せず、突き出した足裏へとモロに顔面から飛び込んでいた。

 

「ターボスマッシャー……!」

 

姿勢を崩した赤龍帝に左腕から飛び出た拳が突き刺さる。

 

「パァァァァンチッ!!!」

 

続けざまに撃ち放たれた右拳。

 

顔面に直撃食らった赤い龍は、哀れ地面に濃厚なキスを見舞う羽目になった。

 

 

 

 

 

 

 

さて。一体なにをしているのか。

 

早い話が、『リアス眷属九人VS魔神皇帝一体』によるトレーニングである。

もう一度言おう。『九人VS一体』である。

 

王。リアス・グレモリー

女王。姫島朱乃

騎士。木場祐斗、ゼノヴィア・クァルタ

戦車。塔城小猫、ロスヴァイセ

僧侶。アーシア・アルジェント、ギャスパー・ヴラディ

そして兵士。兵藤一誠

 

今や魔界どころかあらゆる勢力の中でもトップクラスの精鋭達を相手にしてきているのだ、この魔神皇帝は(アーシアはサポート特化なので直接の参加はあまり無いが)。

このトレーニングに際し、リアスから眷属達に提示されたことは一つ。

 

『魔神皇帝の装甲を貫けるまでが攻撃力の目安』

 

発想がまさに悪魔的である。

太古の大戦の折に、最強、無敵、あるいは不滅とまで称された魔神皇帝がトレーニング相手とあって眷属一同は大いに涌き立った。

甲児は安請け合いした当時の自分を殴り倒したい衝動に駆られているのを知るものはいない。

 

「」ヌーン

 

一頻りの鍛練が終わり、辛くも無傷で終えた鎧依甲児は死んでいた。

そこから離れた場所では眷属達がアーシアの手当てを受けながら、あーでもないこーでもないと反省会中。心配してくれる奴はいないのか、まさに悪魔、と胸中で愚痴りながら身体を起こす。

 

「よう」

「おうイッセー。悪魔集団による人間いじめの次の算段はついたのか?」

「なんだよそれ……」

 

甲児の隣に腰を下ろす一誠。

互いに言葉は無く、ただただ流れるままに時間が過ぎていく。

しばしの後、一誠がぽつりと呟いた。

 

「……なんか、遠い所まで来ちまったよなァ俺たち」

「あん?」

「いや、さ。俺は部長に救われて、拾われて、悪魔になって。それから、色んなことがあった」

「……ああ」

「赤龍帝……ドライグと一緒に、堕天使や旧魔王や……ヴァーリ達。色んな奴らと戦ってきて、さ」

「……俺は、魔神皇帝に目ぇ付けられて、お前が悪魔に転生するとこ見て。魔神皇帝に恨み持ってる連中から狙われて、戦って……」

 

口に出すと中々にハードな経歴。二人してちょっと凹む。

 

「……俺は悪魔で、赤龍帝で」

「……俺は人間で、魔神皇帝」

「変わっちまったよなぁ、二人して」

「まったくだよ」

「……でも、さ。コージ」

「ん?」

 

一誠が甲児に拳を突きだす。

 

「俺とお前は、変わらない。そんな気がするんだけど……俺だけか?」

「……いや」

 

突き出された拳に、コツッ、と拳で応える甲児。

 

「そうだと良いな、って思ってるよ。俺も」

 

言って、どちらともなく笑い合う。

 

そんな二人にかかる、仲間達の声。

 

立ち上がって、みんなの待つ場所へと歩き出した

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

(―――ああ。走馬灯ってやつか、これ)

 

魔神皇帝の膝が折れる。

その装甲に傷は無い。だが、それを纏う者―――鎧依甲児の身体は、既に限界を迎えつつあった。

ダメージとは、何も傷だけを差すモノではない。頑丈な装甲に覆われているとはいえ、受けた攻撃の衝撃まで殺しきれるわけでもないのだ。

避け損ねた攻撃、受け止めたことで走った衝撃、長時間の戦闘による心身共にかかる疲労。

それら全てが蓄積した結果、魔神皇帝はもう戦闘不能になろうとしていた。

 

 

 

―――魔神皇帝討滅連合

 

現代に甦った魔神皇帝に対し、太古に現れたその脅威を忘れていない者達から始まった、天界、冥界、堕天使の三大勢力を中心とした一大混成軍。

無論、サーゼクス・ルシファーやセラフォルー・レヴィアタンら、四大魔王を初めとしてそれに異を唱える者達もいた。

だが、かつての脅威を伝え聞いてきた三大種族の殆どは、魔神皇帝に畏れを抱くものも少なくない。むしろ逆に多いほどだ。

 

『もしまたあの力が自分達に向けられたら』

 

そんな、鎧依甲児を知る者達からすればありえないと切って捨てる極々僅かな可能性。

だが―――生物の本能、あるいは遺伝子に刻まれた恐怖は、『それだけ』で善なるモノでも滅ぼさずにはいられなくなる。

各勢力の中でも、上に立つ者はその傾向が特に顕著だった。故にこそ、『魔神皇帝滅ぼすべし』という風潮は瞬く間に広がっていき、ついにこの日、魔神皇帝討滅連合が動き出したのだ。

 

三大勢力にそれぞれの勢力から独立した、禍の団(カオス・ブリゲード)外部勢力(アウトサイダーズ)も加わった圧倒的な物量。数だけではなく、その中でもとりわけ優れた実力を誇る者達。

極めつけに、赤龍帝と白龍皇の二天龍さえ参加した軍勢を相手に、魔神皇帝はたった一人。

グレモリー眷属やサーゼクスにセラフォルーといった、ごく一部はどうにか甲児を救い出そうと奮戦するも、実質的には甲児とカイザーだけの孤独な戦争。

勝ち目は無いに等しいが敗北は許されない、という矛盾しているとも取れる状況。それでも戦い続けたその末に―――ついに、魔神皇帝は倒れた。

 

『……魔神パワーレベル7.8。よくこの一戦だけでここまで高められたもんだ』

「言ってる、場合かよ……このままじゃ、俺もお前も殺されて、『奴』が来ちまうんだぞ……!」

『そうなったらそれまでだ。後悔するのは奴らになる。善か悪かも不明瞭な魔神皇帝を討ったら、マジに世界を滅ぼす魔神が顕れるんだからな』

「……それ言ったら、止まってくれるかね?」

『無理だろうなぁ、ここまで膨れ上がっちまったら。それに、仮にそれで生き残ったとしても『情けをかけられた』ってことで敗北判定。いずれにしろ『奴』は来る』

「なら……俺達は、もう」

 

 

 

『ああ―――詰みだよ。オレ達も、この世界も』

 

 

 

心が折れそうになる。

『奴』の姿が、声が、存在が。どんどん大きく、近付いてくるのがはっきりとわかる。

それでもなお顕れないのは、自分がまだ『負けていない』と判断されているからだ。

『心が折れない限りは負けじゃない』というのは、果たしてどこで聞いた言葉だったか。

 

だが、身体を動かすことが出来ない。指先一つもだ。

 

やがて、視界が光で埋まる。見上げれば、そこには自分達を追い込んだ軍勢の姿。

一誠やヴァーリの姿、仲間達がこちらに向かって来ている様子も遠くに見える。明らかに間に合いそうにないが。

 

(……あー、クソッ)

 

友や仲間との思い出が浮かんでは消えていく。

一誠との出逢い。魔神皇帝との邂逅。悪魔や堕天使達との遭遇。

 

(けどな。せめて、最期まで……)

 

光が大きくなっていく。

装甲が頑丈な分、それが砕け散るのが先か、或いは自分が蒸し焼きにされるのが先か。

 

だが、死が決定的だろうと、心まで折られるつもりは、無い。

 

残りの力をかろうじて引き出し、両腕を持ち上げて軍勢に向ける。

周囲に見えるように高く掲げて―――中指を立てた。

 

 

 

(―――テメェらに、抗ってやる)

 

 

 

「ターボスマッシャーパンチ」

 

 

 

理不尽な運命、不条理な宿命への怒りの鉄拳。

撃ち放った二本の拳で二人を仕留めたものの、それだけだった。

 

 

 

放たれた閃光の数々。

 

命を刈り取るには十分すぎる奔流。

 

 

 

(―――あー)

 

 

 

「レヴィアたんのうなじ、最高だと思ったのになぁ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――超必殺パワー」

 

 

 

 

 

 

 

―――『この世界』は、知らなかった

 

 

 

 

 

 

 

「サンダーボルトブレーカーッ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

―――『その存在』を、知らなかった

 

 

 

 

 

 

 

魔神皇帝に向けて放たれた必殺の光は、全てその雷撃に撃ち消された。

甲児を含め、だれもが起こったことを理解できず。

 

気付いた時には、魔神皇帝を庇うように立ちはだかる存在を見ていた。

 

 

 

「……なん、だ」

 

『……何故だ。何故、奴がここに―――!』

 

 

 

「―――グレートブラスタァァァァッ!!!」

 

 

 

機人の胸から放たれた熱線が、周囲全てを薙ぎ払う。

カイザーのそれと遜色ない波動が、甲児を包囲していた軍勢、その全てを撃ち落としていた。

 

「エンペラーソォォォォドッ!!!」

 

機人が空を指差した次の瞬間、その眼前に一筋の落雷が落ちる。

それが消えた時、そこには巨大な、一振りの剣があった。

 

機人の姿が消える。

彼方で叫び声と爆音が鳴る。重厚な姿からは想像も出来ない、超高速機動。

その大剣を扱う技量もさることながら、驚くべきはそれだけの速度の中でも―――誰一人、致命傷に至ってはいなかったのだ。

 

「強い……」

 

やがて、再び甲児の前に降り立つその存在。

太陽を背に受けて聳えるその勇姿を、改めて見る。

 

 

 

全体的に、カイザーとどことなく近しい全身。

だが、所々にあしらわれた金色、カイザーよりも更に隆々としたボディ。

黒目の浮かぶ金色のツインアイ。

殊更に特徴的なのが、背部にある四対八条にわかれたマント。先の高速機動の際、ブースターのような形状へと変形していた。

 

それは、まさしく『偉大』と称するに相応しい

 

見るのは初めて。だが、感覚として―――この存在も、『マジンガー』であると理解する

 

カイザーとは異なれど、その勇姿は―――まさに、『魔神皇帝』だった

 

 

 

「……なぁ。そのマジンガーは、何て言うんだ?」

 

「マジンエンペラーG」

 

「マジンエンペラーG……」

 

「マジンカイザーの兄弟だ」

 

「兄弟……」

 

 

 

「そうだ―――マジンカイザーと並び立つ、偉大なる魔神皇帝だ!」




最後がやりたかっただけとも言う

カイザー「ゲッター線当てたら出来た」
エンペラーG「ゲッター技術もろもろ使った」

兄弟だよネ!





ゲッペラー「二大魔神皇帝ってどうなの?」
ZERO「正直、興奮する」
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