「こんな感じで王族は俺達を切り捨てる様だな」
先程まで書物の内容を二人に話してみると案の定鬼の形相を浮かべて手に持っていた石(カーラに投げ付けていた)を砕いていた、それも手に残った石が砂になるほどまでに潰されていた
「イクス様、ご命令してください!あの様な愚かな王族を一刻も早く殺せと!」
「そうですわ!イクス様を捨て駒扱いなど万死に値しますわ!主もこの殺戮は認めてくださります!」
自身の武器を取り出して殺る気満々の部下二人を見てイクスは小さい溜め息を吐く。此処に他の小隊長達が居ない事に本当に感謝していた。 もし仮にこの場に全部隊の小隊長達が集まっていたらイクスですら止める事が出来ずに1日で城に居る人間は例外無く殺され、王国の国民と言うことで一般人達にも被害が出ていただろう。 1日で王国の8割が死体に変わっていただろう
「お前等は少し落ち着け。 そんな事だから何時もアイツ等に小馬鹿にされるんだぞ?」
「「うぐっ!!」」
この二人は本当に頭に血が上り易い為に行動が少しと言うよりもかなりイノシシ思考なのがどうなのかと日々考えている
「今の所は俺達に害は無いから見逃しているが、今後何かあったら俺に報告しろ、それが些細な問題でもな。俺もお前達に情報を渡す。良いな?」
「「ハッ!」」
情報は何よりも大事だ。 例え些細な情報でも見落としてしまえば此方が危なくなるのは分かりきっている。 だからどんな小さい情報も部下には報告させる。 それが生き残る事なら尚更だ
「イクス様、勇者の方はどう処分致しましょうか?」
「勇者か……」
正直言って今の彼等を助けるメリット一切無いし、助ける理由も無いからどうなっても俺達にとってはどうでも良いんだがな
「お前達の意見を聞かせてくれ」
「僕は顔が良い勇者には好感が持てるので出来れば助けても良いかと」
「まあ!シーアはあんな顔だけの男に靡くのですね?イクス様を裏切るとはぶち殺すぞ?」
グレイシアの返事に何時もの口調が消えたカーラはモーニングスターを手に持ち、グレイシアに向けながら殺気をぶつける
「カーラ、落ち着け」
「ですが!」
「落ち着け! 理由を聞かせてくれるか?」
イクスの強めの言葉にカーラは渋々と言った感じでモーニングスターをしまうが殺気だけは先程よりも強くグレイシアにぶつける
「あの勇者は僕達に似ている所を感じました」
「……それは容姿とかの意味でか?」
「いえ、根っこの部分です。 僕達はイクス様に救われました。 そして僕達は部隊の仲間とイクス様の奥様達しか信用できません」
「…………」
「僕達はイクス様に対して強い依存をしています。 イクス様が望むのであれば僕達は喜んで自害をします。 恐らくはあの勇者ももう一人の勇者に依存しています。 それもアーシャ様の様に強い依存心です」
「アーシャと同じか……」
グレイシアの言葉に頭の中でアーシャを思い浮かべた。 確かにアイツは生前の頃から異常な程の依存心があり、アーシャの話によればあのツンデレの精神を破壊しかけた程だったとか
「それにあの勇者も僕達と同じ臭いがしてましたし」
「……一応聞くが何の臭いだ?」
「僕達と同じ様に一人の男性を愛する狂った獣の様な臭いで」
「まあ♪」
その言葉を聞いて俺は膝から崩れ落ちた。 何で最近のイケメンはヒロインとイチャイチャするよりも親友とイチャイチャするんだよ!多くないか!俺か!?俺が原因なのか!そうだったらごめんなさい!
「ですからあの勇者を一人前の【女の子】に仕上げたいと」
「ふぅ、シーアの熱意分かりましたわ。私もシーアの意見に賛成ですわ。 それとさっきは誤解して武器を向けて申し訳ありませんわ」
待って!カーラは何を納得したの!最近俺の回りに男付きの人が集まる理由はお前達の影響か!街を見回りしてる時に視線を感じるのはお前達のせいか!
その後勇者達の処遇は彼等の行動次第で一緒に助ける事にした
イクス君のお腹に穴が!誰か胃薬を!