あの対戦から何日か過ぎて今日は学園が休みで俺達は伸び伸びと約束通りの屋敷に住んでいるがはっきり言って住人が3人だと暇だと気が付いた。 家事や洗濯と言った物は全部二人がやるからする事が無かった
普段なら山程の書類を片付けたり、部隊の稽古をしたり、会議に出たり、子供達や妻達の相手をしたりと自分に割く時間は無かったからいざ休みを与えられると暇だ……
ギルドカードも作ってからは1回も使用していないからランクも一切上がってないからモンスター討伐も出来やしない。本当に暇だな…………
「……散歩に行くか」
最終的に悩みに悩んだ結果俺は適当に近くを散歩する事にした。 これでは休日の全国の暇を持て余したお父さんじゃないか。 まあ、俺も一応はお父さんなんだがな
散歩に出たのは良いが特にこれと言った興味を引く物は無いな。 酒はたまにゆっくりと飲みたい時に寝る前に飲むし、女が商売している店には元から興味が無いし、名店や隠れ屋等は初日に全て見付けて品揃え元から覚えてるから意味が無いしな
そんな事を考えながら歩いていると目の前の女性専門店にグレイシアとカーラが何かを探していた。 そしてよく見れば隣には勇者の片割れが紙袋を持って何やら真剣な眼差しで口紅を見ていた
「……いやいや、まさかな」
最近何故か二人が街に出掛けては大量の化粧道具や変装道具や魔法薬と言った物を集めてるからと言ってそんな筈は無いだろう……
これ以上見ていると何故か駄目になりそうだったのでその場を離れた。 そして気がついたら飲食店中心の場所に来ていた
「そう言えば腹減ったな。何処か食べて行くかな」
そう言ってキョロキョロと辺りを見渡してみると左から怨念の様な存在を感じてそちらに視線を向けると長身美女の白髪の女性が涎を垂らしながらサンプル品を眺めていた
「…………」
はっきり言って物凄く逃げたい。 絶対にアレと関わると良い事が無いと俺の今まで作り上げてきた勘がそう言っている!
「うぅー、お腹すいたよぉ……」
その心からの声に俺の中の躊躇いが消えてしまった。 どんな場所であろうと俺は困っている人が居れば見捨てられない性分らしい
「折角の美人な顔が台無しですよ?」
「ふぇ?」
イクスの声にショーウィンドとにらめっこしていた女性が視線を上げると困った顔を浮かべながらイクスは会話を続ける
「そんなに見てるのなら入れば良いんじゃないか」
「あ、えっと、今お金が無くて……」グゥー
彼女の言葉と共に彼女のお腹から小さい音が聞こえてきて、イクスは小さい溜め息を吐いてから彼女の手を掴む
「ほら、行きますよ」
「え?」
未だに状況を飲み込めていない彼女をイクスは気にする事無く店の中に連れ込んだ
何時か嫁さん達に刺されないかと心配になりますね