二人にタックルを受けてからしばらく経ってから俺達は森の奥に進んでいた。 何故森の奥に進んでいるのかと言うと依頼の狼の姿がその奥に有るからだ。 そしてグレイシア達はその森に住むキラーラビットの討伐との事らしいが……
そして現在グレイシア達の頭に大きなたんこぶが出来ているが気にしないでくれ。 最近何かと風紀を乱す現況にお灸を据えただけだから気にしないでくれ
「どうやらここの様だな」
真人の声に全員が足を止めて各々の武器を取り出す。 さて俺は少し気配を消してお手並み拝見と行きますか
「ふむ、全体の動きが悪いな。 彼処の場合は見方を守りながらカウンターを入れた方が確実なんだがな」
戦闘が始まってから少し経ったがやはりより即席メンバーではチームワークはこのくらいか
「クゥーン……」
チームメイトを眺めていると足に何か引っ張られて視線を下げると仔犬くらいの大きさの真っ黒な狼が俺を見上げていた
「……お前はあの狼と毛色が違うんだな」
「アウ!」
持ち上げてみると尻尾が引き千切れるくらいに尻尾をブンブンと左右に揺らしながら純粋な目で俺を見詰めてきた
「お手」
「アウ!」
「お代わり」
「アウ!」
「ちんちん」
「アウ!」
「……メスか」
「キューン……」
ついでに雄雌を確認したら仔狼に泣かれてしまった。 コイツは随分と人懐っこいな。 狼は仲間意識が強く、外敵には警戒心しか見せないはずだが
「アウ!アウ!」
抱き上げた狼は俺の腕から抜け出して俺の頭をよじ登って頭のてっぺんにペタんとお腹をくっ付けて、まるで此処が自分の指定席だと言わんばかりに仔狼の目が輝いていた
そして何度か頭から下ろしては腕の中に入れるが抜け出しては同じ所に居座るので流石に俺も諦めた
「……もしかして付いてくるのか?」
「アウ!アウ!」
当然と言わんばかりの表情を浮かべながらキラキラした目で見てくる仔狼に俺はどうしたものかと考える。 仮に飼ったとしてもアーシャ達が許すだろうか……
『家には狼を飼う必要性は無いでしょ!返してきなさい!』
『……非常食』
『実験に使って良いのでしたら』
……駄目だ。あの3人に見付かったらこの狼の命が無くなってしまう!
「仕方無い。お前の処遇は保留と言うことで連れて帰る。何か反論は?」
「アウ!」
無い!と言わんばかりに高らかに答える仔狼に俺は何処か家の小隊長の一人に似ている事で笑みが零れてしまった
「この糞狼が!貴様ごときがイクス様の頭の上に乗るとは万死に値する!」
「アウ!アウ!アウ!アウ!ウウウウウ!」
依頼が終わる頃に再び合流したグレイシアが頭の狼を見て血相を変えて仔狼相手にマジギレしてる所に俺はどうすれば良いのだろうか……
ここで遂にイクス君の癒しが登場か!?