グレイシアの一件から一月が過ぎた頃、学園ではある行事に生徒達は緊張した様子で日々を過ごしていた。 その原因は毎年行われる1年生達を学園が所有している森の中で1週間のサバイバルをさせられるからである。 勿論サバイバルをやっている間も評価に加算されるので一切の油断もできないと言われている
勿論食料や飲み水なども支給されないので現地調達になる。 特に水は命に関わるので水がある所は自然と激戦区となる。仮に確保できても必然的に他の生徒達から狙われやすくなるから疲弊するのは目に見えている
しかも面倒な事に個人戦と言いながらルールではチームを組むことを禁止していないから複数対一になる事は良くある話だ。 そして終了間際に裏切りや他のチームに密告も有るらしく、チームを組んでもお互いに疑いの目を向け会うと言う事も良くある話だそうだ。 勿論生徒では対処できない事が起これば控えている教師達が出てくるのとか
そしてそんな色々とヤバイ事が起きそうな事態を知りながらイクスはそのサバイバルに参加した。 理由は護衛対象の勇者二人の監視と護衛を兼ねているからである。同じクラスの勇者の真人とは顔見知り程度で済ませているので特に怪しまれる事は無かった。 そして現在は気配を完全に殺して、木の上で護衛対象を監視をしていた
「グレイシア達は今頃はあっちの勇者の監視に入っただろう」
グレイシア達は既にもう一人の勇者とはそれなりの仲になっており、自然と溶け込んでいた。 流石は情報収集と暗殺が得意なグレイシアだな
少し話は変わるが最近王国の動きが何かと怪しくなってきた。 少し調べた結果、一部の家臣達が王に隠れて魔族と手を組んでは勇者を暗殺と俺達の排除を目論んでいた。 理由は家臣達は戦争になれば一部の商人と儲け話の理由から勇者の存在が邪魔と考えており、魔族も勇者と言う存在を排除したいと考えている
家臣達が何をしようが俺には関係無いが俺の部下であるグレイシア達に危害を加えるのであれば俺はこの国を滅ぼす。 俺の家族であり部下であるグレイシア達に手を出すのなら話は別だ。 俺は魔王や神でも殺してやる
パキッと何かが割れる様な音が聞こえたがイクスの耳には聞こえることは無かった
「それにしてもこっちの勇者は順調に恋愛フラグを強化していってるな」
チラッと見たが既に巻き込まれ勇者には義妹、寡黙系の眼鏡っ子、気が強い子とか3人のフラグが建っているな
そう言えばここに飛ばされる前にアーシャが街で見知らぬ男に言い寄られていたな。 その時は適当にあしらっていたがあの時の表情は何処か嬉しそう……
パキッ、パキッ
再び何かが割れる音が何処からか鳴り響く、そしてイクスは不意に視線を下に向けると手に持っていた石が砕け、砂粒に変わっていた
「……何で砂になってるんだ?」
徐々にイクス君の様子が可笑しくなってますねぇ……