「シネシネシネシネシネシネシネ!」
既に男には正気は無く落ちていた自分の剣を拾い上げ闇雲に振り回しては何かを探している
「アイツ、私達の姿が見えてないのかしら?」
「恐らくは理性も何もかも失って狂人化してるんでしょうね」
グレイシア達は少し距離を離すと男はグレイシア達を見失なっているのかその場で停止した
「何か私達に反応するのかしら?」
シトリィが石を近くに投げ付けるが一切反応せずにただ立ったままだった。そして今度はグレイシアがゆっくりと近付くと男は狂った様に叫びながらグレイシア目掛けて接近して剣を叩き付けてくる
「ッチ、何で僕の接近は気が付くのかな」
「兎に角距離を取って相手を観察しましょ!」
シトリィの言葉に従いグレイシアは距離を取り、相手の行動を観察する
「もしかしてコイツ目が見えてないのか?」
「あの黒い靄に包み込まれてからは何かに蝕まれてるように辺りに攻撃していたのに………」
「なら」
グレイシアは音を出さずに男の背後に回り、短剣を突き刺そうとするが人間の反射速度を越える程の速度で防ぎ、逆に反撃をしてきた
「グオオオオオオオオオ!!」
「な、何!?何が起きてるの?」
「魔力が集まってますね」
男が叫ぶと周囲の魔力は男の体に吸収され、次第に男の体は大きく膨れ上がり、人としての形から変わっていくそれは例えるのなら大型の獣だ
「これは流石に不味いですかね?」
「どうするの!流石にあんなのが暴れたら私達だけじゃ不味いわよ!」
「ここで逃げたら被害も出ますしねぇ。どうしますか」
グレイシアは思考を巡らせる。 一番に思い付いたのは隊長であるイクスに報告することだがそれは自分の仕事を放棄したと見なされてしまう。それはグレイシアにとっては一番避けたい事態だった。 だがそれでも今の自分には恐らくは手に余る事態になるのも予想できてしまう
「恐らくはあの巨体の何処かに核があると思うんですがね」
腰に着けていた細長い棒状の様な物を投げ付け、巨体に深く突き刺さり、グレイシアは強力な電流を流して棒を爆発させるがほぼ無傷だった
「これでダメージが無いって事は確実に何処かに核がありますね」
「今のは何?」
「あれですか? あれは何て言うか色々と使うものですよ。 どうしても知りたいのなら後で教えます」
「むぅ、お姉さんに秘密を教えないなんて悪い子ね」
「それよりもカーラは?」
「治療は終わったわ。後は目を覚ますのを待つだけ」
グレイシアはカーラを見ると確かに傷は消え、安らかに寝ているように眠っていた
おや?グレイシアの会長への好感度が高いような?