やはり俺のゾンビ生活は間違っている   作:やりゾン

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こんばんわ!ヤリゾンです!

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2話 雪ノ下陽乃の妹

探求心とは正義であり、世の常である。

 

 

遥か昔より探求する心は大切だ。探求心が無ければ文明の利器も、現在話している言語でさえも人間は手にいれることは叶わなかっただろう。

 

つまり探求心とは大切であり、日頃よりゾンビについて探求している俺は正義であり世の常に乗っ取っている。

 

なので俺の意見を批判する人は、世の常より外れていることになる。

 

ゾンビを愛せないクソッタレ共一回死んでから出直してこい。

 

 

 

ーーーーーーーー。

 

 

「それで?なんなのだね、これは」

 

現在俺は放課後に国語担任である平塚静先生に生徒指導室に呼び出されていた。原因は間違いなく授業中に書かされた作文だろう。結構な出来だと思ったが駄目だったようだ。

 

「たくっ、こんな作文を書くならもう少しまともな作文を書きたまえ。君の成績なら問題なくかけるだろう?」

 

確かに書ける。だが書けるが俺は書くつもりはない。何故なら今回の作文のテーマは『高校生活を振り返って』だったのだ。俺のテーマは何処にもずれていない。

 

「俺の作文は、テーマに添ってると思いますが?」

 

「ああ添ってはいるさ。だが高校生としての作文ではない。君の作文は、探求心を求めているように一見して見えるがそうじゃない。君はゾンビが好きなことを書いているにすぎない。違うか?」

 

「いえ、違いません。それがいけないとも思いませんが」

 

平塚先生は呆れたように椅子に座り直し、煙草に火をつける。教師が学内で煙草吸って良いんですか?とは、聞かない。この人と本気で討論になったら絶対勝てない。触らぬ神に祟り無し。ならば無神論者よろしく、スルーしておくのが正解だ。

 

「他にないなら帰っても良いですか?」

 

平塚先生が携帯を弄り出したので帰宅を提案する。呼び出しておいて、煙草片手に携帯弄るとか教師としてどうかとは思う。

 

「ああ、すまないな。だがこれから君には少し付き合ってもらう。ついてきたまえ」

 

流石に歩き煙草は不味いのかLED付きのお洒落な灰皿で煙草を消している。因みに平塚先生はアイコスは使わないらしい。以前聞いたら吸ってる感じがしないんだと。どっちでも良いが。

 

文句も言えず大人しく平塚先生についていく。別館の一番奥まで来ると足を止めて教室の扉を開けた。高校二年だがここまで来たことが一度も無いのでどんな教室なのかも分からない。

 

「....雪ノ下、さん?」

 

一瞬、遠い日の思い出の一ページが蘇った気がした。教室の中には、女子生徒が椅子に座って本を読んでいた。腰まで伸びた綺麗な黒色の髪が、雰囲気がどことなく似ていた。だがそれは幻想だった。

 

「....平塚先生ノックを。それと私の事を呼んだ貴方はどなたかしら?」

 

「なんだ、比企谷は雪ノ下のことを知っているのか?」

 

偶然なのか分からないが、名字は同じ。だが決定的に違う箇所が二ヶ所ある。一つは話し方。もう一つは、胸。小学生の時の方が大きかったんじゃないかってくらい小さい。

 

「いえ..勘違いでした。俺が知ってるのは雪ノ下陽乃さんですから」

 

俺の言葉に教室の雰囲気が変わる。

 

「姉さんを知っているの?」

 

「驚いたな、陽乃の知り合いだったとは。ここにいる雪ノ下は、陽乃の妹だよ」

 

「平塚先生...あまり個人情報を喋って欲しくはないんですが」

 

「悪い悪い、でも別に知られたくない事じゃないだろう?」

 

「....それよりも比企谷、君だったかしら?」

 

「え、ああ」

 

未だに話すことに慣れていないのは仕方がないだろう。人生で話した異性は、陽乃さんか妹の小町か母親か平塚先生くらいなものだ。

 

「姉さんとは、どこで知り合ったのかしら?」

 

鋭い目付きで聞いてくる雪ノ下に答えるべきか悩む。別段隠すことでもないが、どこか気に入らない。

 

「別に話さなくちゃいけないことでもないだろ?」

 

「いいえ、貴方は話すべきよ。だってその話、私には聞く権利があるのだから」

 

いや聞く権利って...意味わかんないんだけど。さっき平塚先生に個人情報云々言ってたの誰だよ...。

 

「聞く権利ってのは?お前が妹だからか?」

 

「お前って誰の事かしら?私には雪ノ下雪乃という名前があるのだけれど、そんなことも理解出来ないのかしら?」

 

うわ、めんどくさ。

 

「ああ、と。平塚先生、俺帰るんで。それじゃ」

 

「待ちなさい」

 

一喝。今まで冷静に語ってきた雪ノ下が声をあげた。そこまで必死になって何故知りたい?俺は知りたい理由が気になっていた。

 

「あのさ、雪ノ下だっけ?」

 

「ええ、何かしら」

 

「どうして雪ノ下さんの事をそんなに知りたがってるんだ?」

 

「....そんなこと貴方には関係のないことよ」

 

「二人とも落ち着きたまえ」

 

いや先生、俺は落ち着いてますよ?目の前のこいつが思った以上に子供で驚いていただけです。どうやら雪ノ下さんは、そうとうめんどくさい妹を持ってしまったようだ。

 

「んんっ古来より争いが起きれば勝負で決着を着けるのが少年漫画の習わしだ」

 

この頃決着着かないのもありますけどね。

 

「この部でどちらが人に奉仕出来るか勝負だ!」

 

勝手に話を進めているが、俺はまだこの部が何なのかすら知らない。そもそも部活動の部室なのも今知ったくらいだ。

 

「勝った者は、負けた者に何でもお願いできる。で、どうだ?」

 

いや、どうだ?と聞かれてもどうでも良いし、やりたくない。正直めんどくさいので帰りたい。

 

「御断りします。この男といると身の危険を感じます」

 

「そんな慎ましやかな胸に興味はない」

 

「へえ....言ってくれるじゃない。そうね、姉さんは、大きいものね。分かりました、その勝負お受けします」

 

は?どうして受けちゃうの?もしかして今のが挑発になったの?ちょっと雪ノ下が予想より子供で辛い。

 

「いや俺は嫌なんですけど」

 

「あら、勝つ自信がないから逃げるのかしら?」

 

安い挑発だ。その程度の挑発で俺が乗るはずがない。

 

「姉さんの事、私に勝てれば教えてあげるわ」

 

「雪ノ下さんに何かあったのか?」

 

「それは勝てれば教えるわ」

 

「....分かった」

 

「では、決まりだな。この部の方針は雪ノ下に聞くのが良いだろう。私はもう帰るが部室の戸締まりはしっかりするように」

 

平塚先生が教室から出ていくと軽い説明が雪ノ下から聞かされた。何でもこの部は、依頼者を助けることではなく、手伝って自立を促すらしい。用は、ヒントをあげるから答えは探せって事だ。

 

「さて比企谷君。良いことを教えてあげるわ」

 

「何だよ」

 

「姉さんは、元気よ。特に何もないわ、残念だったわね」

 

微笑みながら椅子から立ち上がり俺を見下ろすように見てくる。成る程、雪ノ下さんの妹だと思った。

 

「...今日は帰るわ」

 

 

 

いつもの帰り道、夕焼けにより紅く見える空はどこか見覚えがあった。登下校で使っている自転車の方向を家から変える。

気の迷いか気まぐれなのかもしれない。もう一度あの場所に行きたいと思ったのは。

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