俺はバスに揺られながら、これから行くこととなる場所について考えていた。
「
なかでも特徴的なのは、全校生徒が3000人を越える桜雲学園であろう。
そこでは〈未来科学〉というカリキュラムを学び、それにより与えられたタレントを駆使して、生徒同士で切磋琢磨しようというdevelop one's potential 通称
そんな学園に俺は明日から通うこととなっている。
以前、桜雲に住んでいたのだが、ある事情で少しの間都会の方で父と一緒に暮らしていた。
だから今、俺が向かっている桜雲は俺の知る桜雲とは違うのだろう。
どんな風に変わったのか、あるいは残っているのか昔の記憶と照らしながら商店街を歩くのもいいかもしれない。
〈次は、桜雲学園前です。お降りの方は······〉
これからの予定を考えていると、ちょうど目的のバス停についた。
桜雲学園前はその名の通り、俺が通うこととなった学園の近くのバス停だ。
家に帰るついでに学園の方も見ていこうと思ったのである。
夕日が沈みかけているこの時間帯、学園には部活動に励む学生が多くいるのだろうと思い、少し覗いて見ると、とても元気な声が聞こえてきた。
サッカー部だろうか、ドリブルをし、今、まさにシュートをしようとするところで、彼の右手にはカードが握られていることに気づいた。
「喰らえ! 必殺、火の玉シュート!」
彼がそういいながらシュートを打つと、夕日のせいだろうか、ボールがまるで火の玉のように赤く、めらめらと燃え上がっているように見えた。
そして、そのボールはどんどん大きくなってい······って、えっ? 大きくなっている?
いや違う、
なんと、彼が打ったシュートはまっすぐに俺の方へ向かってきていた。
やばい! 避けなきゃ!
でも、気づくのに遅れた俺は回避が間に合わなく、その顔面にボールが当たる.....ことはなかった。
「
誰かがそう叫ぶと、急に辺りの気温が下がったように感じた。
そして、俺の目の前にはまるでボールから俺を守るかのように氷の壁ができていた。
「大丈夫ですか?」
桜雲学園の制服を着た女の子が俺に訪ねる。
「大丈夫です。でも、今のって?」
「タレントですよ。でも、今回はケガがなかったからいいとしても、サッカー部には何かペナルティーを考えなくては......」
タレントか。そういえば学園のパンフレットにも書いてあったな。きっと、今のが〈タレント〉なのだろう。
「あなたは
「あっ、はい、すいません。俺はもう行きますので」
そういって、そそくさと、校門の外へと出ていった。
まあ、明日から俺も学園生なんだけどね。でも何かあったら嫌だし、素直に帰ることとする。
学園からそのまま、マンションへ。オートロックは事前にもらっている鍵で開け、階段を上り、部屋の前まで来た。
初投稿です。
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