目覚まし時計が鳴る前に起きてしまった。
時刻は5時30分、二度寝をするには中途半端な時間なので仕方なく起きることにした。
制服に着替え、リビングへ向かうと、なにやらいい匂いがしてくる。
「もう起きたんですね、
そう言ってエプロン姿の
その動作には無駄がなく本当に毎日ご飯を作っていることを伺わせた。
「それと、景兄さんの制服、似合ってますね。かっこいいですよ」
「えっ? あ、ありがとう。美咲も······その制服、すごく似合ってるよ」
「えっ? あ、ありがとうございます(もじもじ)」
いくら妹でも5年も会っていなかったし、それにこんなに可愛くなっていたら照れてしまう。
互いに顔を赤くし、面と向かって相手の顔が見れず、少し気まずい雰囲気が流れ初めた。
「あー頭痛い、みさき~、み~ず~、水ちょうだい」
二日酔いなのだろうか、頭を痛そうにしている
これで教師だというのだからちょっと心配になる。でも、ナイスタイミング!
「はいはい、直子さん。お水です」
すでにこうなることを予想してたのか、美咲はすぐに直子さんに水を渡した。
「景兄さんは7時に学園でしたよね? なら、私と一緒に登校しませんか?」
「本当に? でも、まだ学園に行くには早くない?」
「大丈夫ですよ。それと、もう一人も来るのですが、よろしいですか?」
「もう一人?」
「景兄さんのよく知ってる人ですよ」
朝食を食べ終えて登校する準備を済ませ、マンションの前で美咲の言っていた俺のよく知ってるもう一人を待っていた。
まぁ、誰だかは大体予想がついているんだけどね。
「ごめんね~美咲ちゃん! 遅れちゃったよ~」
と、女の子が息を切らしながら走ってきた。相当急いだらしい。
「いえ、大丈夫ですよ
それって、恋人の定番の
「おおー! 景くん大きくなったね。前はこのくらいだったのに~」
そう言いながら、
「いやいや志穂菜、そこまで低くなかったよ」
昔と変わらないマイペースな幼なじみの発言に苦笑いしつつ久しぶりの挨拶をする。
「久しぶり志穂菜。志穂菜も大きくなったね」
俺はあえてある箇所を見ないように意識しながら言う。
「景兄さん、どこのことを言っているのですか?」
「!? いっ、いや、それは······その······」
満面の笑みで美咲が聞いてくる。昨日は可愛いと思ったその笑顔が、今はなぜか背筋が凍るような恐怖を感じた。
どこ? どこってそりゃ······まあ······うん、あそこだよね? しょうがないよね? だって、さっき走ってきたとき揺れてたからね。俺は全然悪くないよね? これは不可抗力だよね?
「ん? どうかしたの? 二人とも」
俺と美咲に何かあったと感じたのだろう。志穂菜が問いかけた。
その内容まではわからなくても。
「さっ、さあ! そろそろ行かないと学校に遅れそうだ!」
俺は無理やり話題を変えて緊急回避を試みる。
「そうですね、景兄さん。でも、放課後は時間がありますよね?」
「えっ?」
「ありますよね?」
「は、はい。あります」
「よろしい」
「???」
「志穂はわからなくてもいいですよ。時間もないことですし、そろそろいきましょうか」
今日の放課後は長くなりそうだ。