転生したら遠坂家!? 二代目赤い悪魔の魔術師生活 作:狩宮 深紅
BBちゃん、引けませんでした・・・。
腹いせに普通のBBちゃんに聖杯を捧げてレベル100にしたいと思います。
初めに謝っておきます!
耶倶矢好きの方ごめんなさい!!
まぁ、リョナラーの方はむしろウェルカムなのかもしれませんが・・・。
それと最後にはご都合主義的展開があるけど、物語の進行上許してね♡
強奪任務からまた数日が経ったある日のこと
いつもの様に、ポストを確認しているとアルテミシア宛に一通の手紙が届いていた。
その手紙の差し出し先はあのDEM社だった。
「アルテミシア、君に手紙だ。」
「え、私に?一体誰からだろう?」
不思議そうに首を傾げながらアルテミシアは手紙を受け取ると、大胆にも封筒を手で切り開ける。
・・・相変わらず女子力が低いなぁ。まぁ、別にいいんだけど・・・。
アルテミシアは中に入っていた1枚の紙を取り出し広げるとしばらくその内容を見ていた。
正直、渡そうか迷ったが、一応DEMはSSSの上司にあたる会社だ、自分の勝手な判断で行動して彼女達に被害が及ぶ可能性だってある。自分も共犯とはいえ、あの会社はあまり信用したくはないな。
しばらくするとアルテミシアの目付きが変わっていた。それはいつものような優しい顔ではなく、精霊と戦うときのような、戦士の顔だった。
「どうかしたか?アルテミシア?」
「うん、少しね・・・。いや、ここは話しておこうかな。遠坂君、朝食の後時間ある?」
「・・・なるほど、わかった。アシュリー達はどうする?」
「そうね・・・伝えるべきだと思う。」
「わかった。アシュリー達にも言っておこう。」
「「「「「ご馳走様でした。」」」」」
全員が食事を終え、食べ物への感謝を言葉にする。
「いやー!やっぱ、コウキとセシルの料理は美味しいな!」
「そう言って貰えると嬉しいよ。作りがいがあるというものさ。」
「ふふ、和食って結構単純そうで難しいものだったから上手くできててよかったわ。」
食後の談笑の最中、アルテミシアが話を切り替えた。
「ちょっといいかな?みんなに相談したいことがあって・・・。」
「相談?あぁ、そういえばコウキが言ってたな。いいぜアルテミシア!なんでも相談しな!」
「う、うん!アルテミシアの相談ならいくらでものるよ。」
「ふふ、そうね。二人の言うとうりだわ。アルテミシアが相談なんて滅多にないし、結構重要なことなんでしょう?」
「ありがとう、アシュリー、レオ、セシル。相談したいことってこれの事なんだけど・・・。」
そう言ってアルテミシアは先程の手紙の中身を机の上に置いた。それはアルテミシアの類まれなる随意領域操作能力の調査、といった内容だった。
手紙の内容の前半部分には先日の強奪任務のことも少し触れられており、後半部分の最後にはこの調査のあかつきにはアルテミシア専用のCR-ユニットを開発、プレゼントするとも書かれていた。
なるほどな、確かにアルテミシアの随意領域操作能力はSSSの中でも最高レベルだ。その調査によって得られる価値は計り知れないほどだろう。
だけど、自分はDEMのことはあまり信用したくはない。それに、アルテミシアの身に何か起こらないという確信は持てない。
「なんか、これ胡散臭いよな。」
「そうだよね・・・。なんか怪しい。」
アシュリーが正直な感想を述べる。それに続いてレオもあまりに好ましくないという感想を言った。
「ふーん、なるほどね。私はこのお誘いを断るべきだと思うわ。これ絶対に裏に何かあるわよ。」
「・・・なるほど、内容は理解したよ。自分としてはDEMはあまり好ましくない会社だが、それはあくまで自分の意見だ。君自身はどうしたいんだ?」
「っ、私は・・・。私の力がみんなの役に立てるなら、精霊を倒して、みんなと仲良く暮らせるなら・・・!この誘いに乗ってみたい・・・かな。」
流石アルテミシアと言ったところかな。みんなの役に・・・か。夢物語みたいな考えだけど自分と違って彼女なら、いつか実現できるのかもしれないな。
だけど、やはり心配だ・・・。アルテミシアには悪いがこれは止めるべきかもしれんな。
そう結論づけ、アルテミシアにそう言うとした時だった。
「それに・・・。何かあったら、みんなが何とかくれるって信じてるからね!」
その言葉にアルテミシア以外の全員が一瞬ポカンとしたあと、思わず笑いだしてしまっていた。
「はははっ!当たり前だぜ!そう言われちゃ私はアルテミシアを止められないな!」
「ふふ、そうね。アルテミシアの信頼には答えなくちゃ。」
「あ、アルテミシアは私たちの家族だからね。そのために頑張るのは当然だから・・・ね!」
「あぁ、アシュリー達の言う通りだ。家族が何かあったら助けるのは当たり前だからな。それなら自分は君の考えを尊重しよう。」
「みんな・・・!ありがとう!私、絶対に帰ってくるから!精霊を倒せるくらいになって戻ってくるよ!」
しかし、次の日にアルテミシアがDEMに行き、帰ってきた彼女があんなことになるなんて自分たちは思いもしなかった。
~10月5日 台風の日
「〈ベルセルク〉が来た!全員、戦闘体制に入れ!」
「「「「了解!」」」」
荒れ狂う暴風が吹く中、1対の精霊と機械の鎧を纏った戦士達が居た。
1対の精霊〈ベルセルク〉は自分たちの勝負の水を差した者達へと視線を向けた。
「かかっ!我らの神聖なる闘いに水を差す無礼者には、我が闇の裁きを下してやろう!」
「賛同、全員まとめて吹き飛ばします。」
1対の精霊が天空を高速で翔ける。並のものならばそれを視認することは叶わず、その速さに翻弄されるのみだろう。
それは
そう、並の者でならば。
ーバシュンッ!
この戦場の中、高速で翔ける精霊を的確に狙った一つの光が〈ベルセルク〉の片割れである耶倶矢を捉えた。
「なっ!?」
「耶倶矢、危ない!」
もう1つの片割れである夕弦がその光を【
光が向かってきた方向に目を向けると、長身の女が狙撃銃でこちらを狙っていた。幸い何発も連射はできないらしく、二射目が来ることは無かった。
しかし、その狙撃に対し、足を一瞬止めてしまった二人に肉薄する赤い影があった。
そう、<エピオン>を装備したアシュリーである。
「はあぁぁぁ!!」
出力を上げたビームソードで叩き切ろうとするが、〈ベルセルク〉は持ち前の反射神経を活かし、身一つで回避する。
「ちっ!」
アシュリーは仕留め損なった精霊を睨めつけさらに接近を始める。
〈ベルセルク〉の2人は最大速度ですぐにアシュリーから離れると戦場を把握するために二手に別れて旋回しながら戦場を観察する。
その圧倒的な速さで旋回をした2人はお互いが交わる瞬間に情報共有をする。
見た限り同じような武装をしている人間が多く、その中でもさっきの赤い女と狙撃の女を含めた4名がそれぞれ違った武装をしていた。〈ベルセルク〉は狙いを絞り、まずは厄介な狙撃の女を狙うことにした。
お互いにアイコンタクトを取りながら意思の共有をし、狙撃の女が居る方向にお互いに交差しながら一気に接近する。
レオノーラの狙撃は正確に〈ベルセルク〉を捉えるが、着弾する直前にお互いをカバーするように霊装でその射撃を弾く。
「レオ!?くそ!間に合え!」
アシュリーがスラスターの出力を最大にするが、相手は最速の精霊。一向に追いつく様子はなく、それどころかその距離をさらに広げさせられていた。
レオノーラも何発か撃ち込み、このままでは自身の身が危険になると判断し、狙撃銃を収納し、ホルスターから2丁のビームピストルを撃ちながら後退する。しかし、〈ベルセルク〉の接近は止まらず、あっという間に2人の攻撃範囲内まで接近されてしまう。
「くっ。」
「くはは!もらったぁ!」
「てやー。」
耶倶矢は【
〈ベルセルク〉の攻撃がレオノーラにあたる直前、紅輝とセシルがその攻撃の間に何とか入り、防ぐ。
「なにっ!?」
「驚愕、受け止められた!?。」
渾身の一撃が受け止められた〈ベルセルク〉はその動きを一瞬止めてしまう。
そして、その攻撃を見逃す彼らでは無かった。
「セシル、今だ!」
「ええ!行きなさい!ファング!!」
セシルの駆る<アルケー>から10機ものファングが放出され、〈ベルセルク〉に狙いを定め砲撃を放ち、二人の霊装を僅かながらであるが傷をつける。
「くぅ!おのれ!」
「提案、下がるべきかと!」
このチャンスを紅輝は逃すことはできない。
「この僕を――忘れてもらっては困るなぁ!」
紅輝は<デスティニー>のアロンダイトで耶倶矢の腹部を斬るのではなく、殴り飛ばす。魔力と随意領域操作によって爆発的に上げれらた身体能力によって殴り飛ばされた耶倶矢は夕弦と離されてしまう。
「がっ!?」
「耶倶矢っ!!今助けます!」
「おっと、あなたの相手は私達。」
「そう簡単には抜け出させないよ。」
夕弦が耶倶矢を僅かながら受け止めに行こうとするが周りは<アルケー>のファングと紅輝によって囲まれ身動きが取れずにいた。
耶倶矢は精霊としての身体能力で何とか姿勢を立て直す。青ジミにはなってはいるが致命傷になっていないためすぐに回復するだろうと判断した耶倶矢は夕弦が囲まれているのが見え、助けに行こうとした時だった。
目の前に赤い女、アシュリーが現れ、ビームソードで既に斬り掛かってきていた。
「終わらせてやるぜ――〈ベルセルク〉!!」
「ひっ!?」
<エピオン>のビームソードが完全に耶倶矢を捉え、彼女の霊装に大きな切り傷をつけた。
だが、アシュリーの攻撃はまだ終わらなかった。
すぐにビームソードを構え直すと随意領域操作を利用し、人間がだせる限界を超えた速度で連続斬撃を繰り返し耶倶矢の霊装をズタズタに切り裂いていく。
「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァ!」
そして、最後の一撃にとビームソードの出力を最大まで上げ、上段の構えから一気にビームソードで耶倶矢を叩き切った。
いくら化け物じみた精霊とはいえ、これにはひとたまりもなく、地面にそのまま叩きつけられてしまう。
叩きつけられた耶倶矢の姿は体のあちらこちらに深い切り傷があり、ただの人間ならば既に出血死してもおかしくない量の血が流れていた。
トドメを刺そうとアシュリーがビームソードを構え直そうとするが、先程の随意領域操作の不可が全身を襲いふらふらと地面に着地した。しかし、アシュリーはそのまま不可に耐えられず、そのまま倒れ込んでしまう。
「っ、耶倶矢!今助けます!絶対に―――殺させない!はあぁぁぁ!」
「これは、竜巻!?うっ―――きゃぁぁぁ!?」
「くっ、こんな力があるとは・・・!。セシル!?レオ!アシュリーを回収しろ!このままじゃ巻き込まれて死ぬぞ!」
「わ、わかった!アシュリー!!」
夕弦が耶倶矢を助けるには今しかないと判断し、精霊としての全力を使い、周囲に巨大な竜巻を発生させ、周りにいた鬱陶しい人間達をその暴風で吹き飛ばす。
レオノーラは身動きの取れないアシュリーを竜巻に巻き込まれる寸前で何とか回収に成功する。
そして、その竜巻は次第にその大きさを拡大させ、耶倶矢が倒れているところまで移動すると、その動きを止め停滞し続けた。
竜巻の中心、傷だらけて倒れている耶倶矢に夕弦は近づいて霊力を分け与え、自己回復を促していた。本来ならば精霊であっても己の霊力を分け与えるのはほぼ不可能に近いが、元は同じ、1人の精霊であったからこそできることであった。
「耶倶矢!耶倶矢!しっかりしてください!あなたがここで死んだら、真の八舞を決める戦いはどうするのですか!いつもみたいに変な言葉を使いながら恥ずかしい言動をするあなたはどこに行ったのですか!ぐすっ、だから・・・早く目を開けてください・・・!」
そんな夕弦の必死の声が届いたのか耶倶矢の目が少し開く。
「っ耶倶矢!大丈夫ですか!気をしっかり持って!ここで死ぬなんて夕弦は許しませんよ!」
「ゆ、づる・・・。は、はは、いつも、みたいにからかってこないのね・・・。」
「何を言っているのですか!こんなときに耶倶矢をからかえるわけないじゃないですか!」
「そっ、か・・・。夕弦、実を言うとね、私は真の八舞になれなくてもいいと思ってたんだ・・・。」
「っ!なにを・・・言って―――。」
「今でしか、言えないと思うけど、自分勝手だとも、思うけど・・・。私は、夕弦のことが大好きだから―――。夕弦に、真の八舞になって欲しい。だから、私の力をあなたにあげる。」
「・・・ふざけないでください。」
「・・・ぇ?」
「夕弦だって、夕弦だって!耶倶矢のことが大好きです!真の八舞になれなくたって、耶倶矢さえ生き残ってくれれば!夕弦はそれでも構わない!だから夕弦は耶倶矢が死ぬことは許しません!絶対に!絶対にです!―――私を・・・1人にしないでぐたさい・・・!」
「ゆづる・・・。だけど、この竜巻も、後少ししかもたないん、でしょ。両方、死ぬよりも、ゆづるが私を吸収して、真の八舞に・・・なれれば、この状況を、打開できる。だから・・・!」
「まさか!だめです耶倶矢!やめてください!」
耶倶矢は傷だらけの体にムチを打ち夕弦の腕を握り、自分の霊力の全てを夕弦に流し込む。夕弦も霊力を押し返そうとするが耶倶矢の譲渡の量の方が上回っており、後数秒もせずに耶倶矢は夕弦に吸収され、真の八舞が誕生するだろう。
「私の!力を!夕弦に託す!――――――――大丈夫、私は夕弦の中で生き続けるから・・・!」
その言葉を最後に、耶倶矢の霊力は全て夕弦に譲渡され、耶倶矢の身体は消滅し、光の粒となると夕弦の中に吸収されていった。それと同時に夕弦の霊装が発光し始めると。霊装が以前の、1人の八舞として顕現したときに戻っていた。
「・・・耶倶矢。」
竜巻の中、1人の残された真の八舞、夕弦はポツンと呟いた。だが、彼女の中では煮えたぎるような憤怒で思考が塗りつぶされていた。
「仇は―――とりますよ。」
その言葉と共に八舞は自身を囲む竜巻を解除した。そして、空からこちらを伺っていた憎き人間達を鋭い眼で睨みつけた。
竜巻の外、SSSの隊員達はその竜巻が晴れるのを今か今かと待っていた。
竜巻が発生してから10分後、次第に風の勢いがおさまっていき、中の様子を確認することができるようになる。
「竜巻が晴れたようだ。ん?1人減っている?」
疑問に思った紅輝だが、恐らく死したか、消滅したと判断し、残りの一体を殺すためにアロンダイトを構える。
だが、その瞬間、その残りの一体の精霊が視界から消えた。
「っ、消えたどこに・・・!」
神経を研ぎ澄まし、周囲を探っていると自分と反対方向に配置していた、隊員達が次々と地面に堕とされていっていた。
「キャッ!?」
「エナ!?え?キャアァ!?」
「うわぁあ!?」
次々と周りの隊員達の悲鳴が聞こえ、地面に叩き堕とされていっていた。また1人、また1人と落とされていく隊員達にこのままでは全滅する可能性が高いと判断する。
「全員!こちらに集合しろ!孤立するな!孤立した瞬間に堕とされるぞ!。」
自分の声に近くに残っていた隊員は全速力でこちらに向かってはいるが、それでも次々と堕とされていた。
先程までは全力ではなかったということか・・・!これが精霊の全力か。この僕がまともに視界で追えないとは・・・!
〈ベルセルク〉が攻撃している瞬間はまだ視界におさめることはできるが、それ以外は全く視認することができなかった。
思考していた、その時、全身の毛が逆立つほどの殺気を感じ、その方向にアロンダイトを振るうと、先程までもう1人が持っていた突撃槍を片手に持ち、こちらを睨みつけていた〈ベルセルク〉がいた。ここでやっと精霊の姿をしっかりと視認する。明らかにさっきとは雰囲気が変わっており、精霊の鎧とも言える霊装も少し変化している様子だった。
「感嘆、私の速さに着いて来れますか。だけど、無駄。」
八舞は突撃槍を力任せに払い、アロンダイトを押し返す、思わず仰け反りかえってしまった瞬間、腹部に強烈な痛みが走ったかと思うと、いつの間にか凄い勢いで吹き飛ばされていた。
「がっ!?」
そのまま僕の体は地面に叩きつけられ、その衝撃て意識が飛びそうになるが、気合いで意識を繋げる。しかし、肺かどこかが出血したのか、口から吐血してしまう。
「ゔっ、カハッ。・・・はぁはぁ、くそ、化け物め・・・!」
随意領域操作で何とか止血しアロンダイトを杖替わりに何とか立ち上がる。
状況を確認するために空を見上げると、セシルが防戦一方ではあるものの何とか凌いでいた。その他の隊員は既に堕とされており、残るはセシルただ1人となっていた。対する〈ベルセルク〉は息一つ上がっておらず、淡々とセシルを追い詰めていた。
「賞賛、私の速さにここまで着いてこれるとは、貴女が初めてですよ。」
「はぁ、はぁ。それはどうも。こちとら目の強化には慣れているから。」
「そうですか、でもここで終わりです。貴女の後ろにいるあの赤い女を殺して耶倶矢の仇をとります。」
「はっ!私がそれをさせるとおもうかしら?アシュリーは私たちの家族、絶対に守ってみせるわ。」
「口だけではどうとでも言えますよ。」
「――え?」
―ザクッ
その瞬間、〈ベルセルク〉が消えたかと思うとセシルは腹部を突撃槍に貫かれていた。
「セシル!!?くそ!」
「あ・・・、う、そ・・・?」
〈ベルセルク〉は突撃槍で串刺しにしたセシルを無造作に投げ捨てると。既に倒れているアシュリーに目を向ける。レオノーラがアシュリーを守るため庇うように立ってはいるが、恐怖で足は震えており、今レオノーラが立てているのもやっとの状態であった。
「〈
夕弦がそう叫ぶと霊装である羽が大きな弓となり、先程持っていたペンデュラムがその弓の弦となり、夕弦は突撃槍をその弓に番える。
「消えろ・・・!人間!!」
夕弦は弓を全力で引き、精霊としての全力を持ってその一撃を放った。
レオノーラはこのままでは二人とも死んでしまうと察し、自分の持てる全てを随意領域操作をし、アシュリーを庇うように防御目的の随意領域を展開する。
そして、その命を刈り取る一撃が随意領域にあたる寸前――――。
紅輝が二人の前に立っていた。
「
紅輝の詠唱と共に7枚の花弁型の障壁が展開され、放たれていた突撃槍と激しい衝撃波を発生させながら衝突する。
しかし、宝具とはいえ、投影物であるためその勢いを止めることは難しく、1枚らまた1枚と破られていく。
そして、ついには最後の2枚となり、それを支える紅輝の腕は既に限界に達していた。
「ぐっ、くそ・・・!止まれ!止まれぇ!!!」
2枚目もついには破られ、残すは最後の1枚になっていた。その弓の一撃の衝撃がほぼ直で紅輝の腕を襲い、少しでも気と魔力を抜けば、その瞬間紅輝を含め、後ろにいる二人共死んでしまうだろう。
「死なせない!絶対に死なせたりはしない!!」
声に出すことによって意識を何とか繋げ、盾の維持を続けさせる、だが、紅輝の腕はとうに限界を超えてしまっていた。魔力も随意領域の制御を解除し、止血をやめ、リソースを防御に回していため、かなり危険な状態でもあった。
そして、数秒後。紅輝は、最後の1枚は破られたものの、精霊の一撃を止めきったのである。
流石にこれには夕弦は驚きを隠せず、狼狽してしまう。
「なっ!?馬鹿な!あの一撃を止めるなんて・・・!」
「く、はぁ、はぁ。どうだ・・・!これが人間の意地だ、化け物!」
「・・・っ!仕方ない、ここは一旦退かせてもらいます。だが、絶対にあなた達は殺します。だから敢えて言わせていただきます。覚えていないさい!」
〈ベルセルク〉はそう言うと霊装であった弓を解除し、空の彼方まで一瞬の内に飛び立っていった。
紅輝は〈ベルセルク〉が完全に見えなくなるまで見届けると、そのまま地に付してしまう。
「コウキ!!は、早く本部に連絡をいれないと・・・!」
この後、レオノーラはすぐさま本部に連絡をし、その後すぐさま救助隊が到着したため、隊員全員は一命を取り留めることができた。
しかし、重症を負っていた紅輝は魔力不足も相まってしばらく目覚めることができなかった。
~大西洋上空
「ぐすっ、耶倶矢ぁ、耶倶矢ぁ・・・!」
大切な半身を失った〈ベルセルク〉の1人、夕弦は泣きながらも海の上を飛行していた。
これからどうするか、1度臨界に戻れば耶倶矢は戻ってくるのだろうか。など、叶うはずのない願いを考えながらただ闇雲に飛行していた。
だがその時、不思議なことが起こった。
夕弦の体が発光すると、霊装から光の粒が出たかと思うと、その光か収束し、人の形を取ったかと思うと先程自分の中に取り込まれた耶倶矢が現れたのである。
「う、そ・・・。耶倶矢?・・・耶倶矢!!」
「ん・・・?ゆづる・・・?っ!夕弦!!」
もう二度と会えないと思っていた、故にこの状況は異常ではあるものの二人にとってそんなことはどうでもよかった。
「安堵、よかった!耶倶矢!もう一度会えて・・・!」
「夕弦・・・!私も、私もだよ!」
もう、お互いに大切そうに抱きしめ合う二人を邪魔する者はここにはいなかった。
今回も見ていただき、ありがとうございました!
感想書いて頂けると、作者が死ぬほど喜ぶのでよろしくお願いします!
また、お気に入りに追加してくださった。
両儀識さん、Raven(ゴミナント)さん、凛々♪さん。
ありがとうございます!また見ていただけると嬉しいです!
今回、結構投稿が遅くなってしまい、申し訳ございません!でもそれに見あったボリュームを頑張って書いてみました!
誤字があるかも、というか確認をしてはいますがある気がしますので見つけたら報告して頂けると嬉しいです!
投稿スタイルについて
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文字数いっぱいの読み応え重視
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投稿頻度を高くして短い感覚で継続性を重視