転生したら遠坂家!? 二代目赤い悪魔の魔術師生活   作:狩宮 深紅

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32話です。

皆さんおはこんばんにちわ!
ありきたりなサブタイで申し訳ないです・・・。

あ、最近、やっと自動車の免許を取得出来ました!!
まぁ、今のところ原付バイクは持ってるんで車を買う予定はないですが・・・。持っていて損は無いので早いうちに取れて良かったです!







覚醒-めざめ-

 

五河士織は気がつくと不思議な空間にいた。

そこは士織が今までに見たことの無い場所であり、一面真っ白な世界だった。

 

「ここ・・・どこだろう?夢なのかな?。」

 

それもそのはず、彼女にあるのはわくわくざぶーんから帰った後、疲れを癒すために早めにベッドに入った記憶しかない、しかし何故か服装は出かけた時の服装になっていた。

疑問を解消するために士織は自分の腕を少しつねり、その痛みを感じることができたことによってここが夢の中ではないと判断した。

 

思考を続ける内に、士織はいつだか夜刀神十香と精霊のことについて話した時のことを思い出した。

 

「もしかして、ここが十香ちゃんの言っていた隣界ってやつなのかな・・・。」

 

とりあえず、少し歩いてみよう、と。考えた士織は何もないただ白いだけの空間を歩いていると突然、今までの真っ白な空間から、一瞬で青空と一面の花畑に変化した。

 

「え!?なに・・・これ。 でも、何だかとても綺麗・・・。」

 

急な景色の変化に驚いた士織だったが、その驚きを超える目の前の景色の美しさに思わず心を奪われてしまっていた。

 

ふと、目の前の景色を見回すと、士織の目に飛び込んできたものがあった。

 

それは、花畑の中に佇んでいる大きなSFに登場するロボットの様なもの。体のほとんどが花に覆われ、本来の姿を見ることができないが、"それ"は人型のロボットが膝をついているようにも見え、翼のような形をしたものからはキラキラと翠色に光る粒子が放出されていた。

 

「もしかして、これが精霊の力の元である天使・・・?それにしては、十香ちゃん達のものに比べて何倍も大きい・・・。」

 

「天使とは少し違うな。」

 

「っ!だれ?」

 

突然、背後から男の声が聞こえ、振り向くと。

そこには何かの制服のようなものを着た、顔立ちの整っている男が立っていた。

 

「あなたは・・・?」

 

「俺の名は刹那・F・セイエイ。良ければ君の名前を教えてくれ。」

 

「・・・士織。五河士織。刹那さん?だっけ、さっきの言葉の意味はどういうことなの?天使とは少し違うって。」

 

「あれはガンダム。争いを止め、対話を実現するための力だ。」

 

刹那という男はそう言いながら、ガンダムと呼ばれた大きなロボットに近づいていく。

 

「がんだむ?」

 

士織は刹那の言葉を反復する。だが、彼女にその言葉は聞きなれない単語であり、刹那という男の言っていることが、突拍子すぎて頭がついていけなかった。

 

「あぁ。そして、これは今君の中にある〈霊結晶(セフィラ)〉の元となった存在だ。」

 

「っ!?私の中に・・・〈霊結晶〉が・・・?」

 

士織は、身に覚えのない真実が知らされ、〈ファントム〉にあった記憶を探そうとするが、当然あるわけが無い。

だが、記憶を探す中、1つだけ記憶が飛んでいるときがあったことを思い出す。

紅輝とのデートのおわり、空間震が起きてから意識を取り戻すまでの空白の時間。

 

「あの、刹那さん・・・。」

 

「刹那と、呼び捨てで構わない。」

 

「分かりました。刹那、少し前に空間震が起きて私が意識を失っていた間、何があったのか知ってる?」

 

「・・・もちろん、知っている。」

 

「っ!教えて!!私の知らないところで何が起きていたのか!その時に現れた精霊は本当に紅輝君が殺したのかを!」

 

士織は我を忘れ、鬼気迫る様子で刹那に詰め寄った。

 

「いいのか?今なら君はこの世界のことを全て忘れ、君が望むのならこの〈霊結晶〉は君の中に永久封印され、その力が発現しないようにすることができる。今日、君が体験したような平和な日々を送りたいのならやめておいた方がいい。生半可な覚悟なら紅輝という彼も、君自身さえも後悔する結果になる。」

 

士織は刹那にそう言われ、一瞬躊躇うような顔をするがすぐに元に戻す。

 

「・・・覚悟は今したよ。だから、教えて。あの時何が起きたのか。」

 

士織が刹那を真っ直ぐに見つめ、十数秒が経つ。その間士織は1度も刹那の目から自身の目を逸らさなかった。

そして、刹那は小さく「分かった。」と言うと、士織の額に人差し指で触れた。

 

 

その瞬間、士織の脳内にあの時どんなことが起きていたのかが、あの男の精霊目線での記憶が流れ込んでくる。

それと同時に、あのとき失っていた記憶が一緒に元に戻った。

 

「─つぅ・・・。そう、だったんだ。私は紅輝君を庇って1度精霊に殺されて・・・。紅輝君は殺した精霊の〈霊結晶〉を〈ファントム〉に渡して私を生き返らせた。そして私は〈ファントム〉の力で精霊に、か・・・。」

 

過去に何があったのか識った士織は一瞬達観したような顔を見せる。

脳裏に焼き付いたのは、紅輝の精霊に対する憎悪に満ちた表情が何度も頭の中をチラついていた。

 

そして、思い出すのは、自分が精霊になったあの日、紅輝が士織に向けて言った言葉。『精霊が君の命を奪うということがない限り。』

確かに嘘はついていない。事実として士織は1度精霊に命を奪われている。

つまり、紅輝が精霊を殺すための条件が既に達成されているということ。

 

「紅輝君が精霊をそこまで憎んでいるなんて・・・。

 

それなら、私は紅輝君を救いたい・・・。私はもう二度と紅輝君にあんな顔をさせたくない!だから!刹那、私にできることを教えて!!覚悟はもうできている!」

 

士織の言葉を聞き、刹那は彼女の信念の強さを感じ取った。

そして、かつて共に対話を実現するために共に戦った仲間たちのことを思い出す。

──五河士織、君が覚悟を俺に見せるなら、俺はその覚悟には答えねばならないな。

 

「五河士織、俺は君の強さを見誤っていたようだ。ひとまず謝罪させてくれ。・・・すまなかった。さあ、本題に入ろう。五河士織、君には二つの選択肢がある、1つは"戦い"の力を求めるか、それとも"対話"の力を求めるか、だ。」

 

「"戦い"と"対話"・・・。」

 

刹那が言った言葉に含まれている意味が分からず、反復し口に出す。

 

「君の選択によって、この機体、ガンダムは姿を変える、だが、士織、君がどちらを選んだとしても俺は最大限の力を貸そう。」

 

突然の選択肢に驚き、戸惑ったが。士織はハッキリとした口調で言葉を返した。

 

「前の精霊はどちらを選んだのか教えてもらえるかな?」

 

「・・・あいつは戦いを選んだ。」

 

それを聞いた士織はさらなる決意を固めた。

 

「分かった、私は"対話"のための力を選ぶよ。争いを止めるための対話の力を!」

 

「その言葉聞き届けた。五河士織、君に"対話"のための力を渡そう。そして、力を貸すこの機体の名前を教える。──その名は、ダブルオークアンタ。」

 

「ダブルオー・・・クアンタ・・・!」

 

士織がその名を呼ぶと、後ろで佇んでいた機体(ガンダム)が翠色の粒子へと変化する。その粒子は士織の周りに集まると、精霊の持つ鎧である霊装へと形作る。

粒子は士織の身体を包み込むと、ハードタイプのレオタードのような生地を生成し、同じく、肌の露出を防ぐためなのであろう、脚部も膝上まで薄い生地に覆われる。

そして、腕や胸部、脚部にまで元々ダブルオークアンタにあった装甲が士織の身体に合わせるように着けられる。

右手には青と翠の銃剣が握られており、左肩の近くには銃口のある大きな盾に六つの剣が着いていた。

士織は見た目の重そうな雰囲気とは異なり、手足の動きを阻害しないの体の軽さに驚きつつ、改めて、自分が精霊になったのだと自覚する。

 

「これが・・・私の姿・・・。これが、対話のための力。」

 

「そうだ。五河士織、君はこれから数多の困難にぶつかるだろう。だが、君の心が諦めない限り、俺とクアンタは力を貸し続けよう。」

 

「・・・ありがとう。それじゃあ、早速だけど、この武器の使い方を教えて、前の人がどれだけこの力を把握したいたかは私には分からない。でも、刹那、あなたができる最大限を使って私に戦い方を教えて!私は紅輝君のためなら何だってやるよ・・・!」

 

「その覚悟、確かに受け取った。俺も君の気が済むまで付き合おう、だが、手加減はしない。」

 

刹那がそう言うと、今度は周囲の景色が一面の大空に変わり、士織と刹那は宙に浮いていた。

既に刹那は自らダブルオークアンタを身にまとっており、すぐにでも戦闘ができる状況にしていた。

 

「もちろん、寧ろ手加減なんてしたら許さないから。」

 

「いくぞ、五河士織!!」

 

「・・・こい!」

 

 





今回はここまで!次回も見ていただけると嬉しいです!
お気に入りに追加して下さった。
fumin02さん、零桜紅雅さん、コンチキさん。
ありがとうございます!これからも見ていただけると嬉しいです!

次回からついに美九編に突入します。
もちろん、主人公と士織の活躍もちゃんとありますのでおたのしみに!

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