転生したら遠坂家!? 二代目赤い悪魔の魔術師生活   作:狩宮 深紅

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40話目です。

こんにちは、狩宮深紅です!
今回は頑張って1週間以内に投稿しようと思っていたのでしたが、筆?が進んで文字が増えてしまいました・・・。
ま、まぁ皆さん的にも読み応えがあっていいのかな?
最近、また20巻を読み直したのですが、改めて見て確認できたのですが、折紙さんの殲滅天使ファンネルの数増やしてたんですが・・・。

いや、まぁアニメの作画上仕方の無いこととは思いますがね・・・。



衝突

「やはりジェシカ達は失敗しましたか。おや、なるほどあなたでしたかリボンズ。」

 

エレンはアリーナの中を見渡すと、倒れている〈ベルセルク〉と〈ハーミット〉を見てこれを誰がやったのかを想像するのは簡単だった。

 

「メイザースさん、わざわざ貴方が出てくるとはよっぽどのことというわけか。」

 

「ええ、アイクが今回の作戦の成功を望んでいますから。」

 

淡々と話す姿は、自分がDEMにいたときとは全く違う雰囲気を纏っていた。

 

「・・・、メイザースさん。なぜこの作戦でこの五河士道を捉える必要があるのですか。こいつはただの一般人です。」

 

「リボンズは知らないのですね。五河士道からは精霊と同じ反応が観測されています。それも1度や2度ではありません。」

 

「っ!!それは、本当なのですか・・・。」

 

「ええ、本当です。さらに五河士道からは今まで観測されている複数の精霊の反応も微量ながらですが確認されているため、詳しい調査が必要なのです。そして也より、私がそこの五河士道が精霊の天使を展開したことを実際にみました。」

 

・・・なるほど。そういうことか。某漫画で登場する能力使いのように精霊同士は惹かれ合うということか。

 

「おい、五河士道、さっきの話は本当か。お前は本当に天使を使ったのか?正直に答えろ。」

 

〈アロンダイト〉をもう一度突きつけ、嘘は許さないと言うように士道に聞く。

 

「・・・顕現させました。だけど!十香や耶倶矢、夕弦を守るためだ!後悔はしていない!」

 

はっきりと、明確な意志を持って放たれた言葉に紅輝は士道が嘘をついていないと判断する。

 

「そうか、ならもう1つ聞く。お前は精霊か?」

 

「違います、俺は人間です!」

 

「なら、なぜ精霊の力である天使を使える?」

 

「っ、それは・・・。」

 

口ごもる士道に紅輝は短くため息をつく。

 

──士道が精霊か人間かどうかは今のところは分からない、か。だがいいことを聞いた。もしかすると士道が士織を人間に戻す鍵になるかもしれない。

 

「〈プリンセス〉、気が変わった。あそこにいるメイザースさんに、同行するんだ。そうすれば士道を殺したりはしないさ。」

 

「なっ。」

 

「十香!俺のことはもういい!逃げろ!」

 

「おっと、逃げるなよ?もし、逃げたり抵抗したりしてみろ、その時は士道の首と胴体はさらならだ。」

 

「くっ・・・。」

 

「メイザースさん、連れて行ってください。」

 

「ふふ、貴方も中々に外道ですね。」

 

「君は精霊相手に手心を加えるのかい?」

 

「それもそうですね。」

 

エレンは、自分のやり方にそういうが顔は笑っており、本気で自分のことを外道とは思っているがどこか嬉しそうであった。

 

「十香!俺のことは気にするな!あれ(・・)があるから何とかなる!だから・・・!」

 

「・・・シドー。それでも私はシドーが傷つく姿を見たくないんだ。───連れて行け。」

 

その言葉を聞き、エレンは十香を抱え飛翔する。

数秒もしない内にエレンは入ってきた場所からアリーナから出ていき、見えなくなる。

自分はステージの床に投げるように士道の拘束を解き、ビームライフルを騒動に紛れて逃げようとしている〈ディーヴァ〉に向かって撃つ。

 

「きゃぁ!?」

 

「どこへ行こうと言うのかね?」

 

 

「っ!やめろ!」

 

士道直ぐに立ち上がると、僕と〈ディーヴァ〉の間に立ち腕を大きく広げ〈ディーヴァ〉を守るようにする。

 

「紅輝先輩達の狙いは俺と十香だろ!それ以外に手をだすな!!」

 

「士道、お前は自分の前にあるご馳走を食べずに取っておくタイプか?お前を捕まえることはそこの〈ディーヴァ〉を殺した後にもできる。」

 

「くっ・・・。(使えるか分からないけど、力を貸してくれ!)鏖殺公(サンダルフォン)〉!」

 

士道が剣を型どっている天使の名を叫ぶ。すると、彼の思いに答えるように霊力は収束し、その姿を顕現させる。

 

「・・・っ、どうやら話は本当のことだったようだね。僕の前でそれを出すということはもう言い逃れはできないよ。覚悟はできているかい?」

 

「覚悟なんざとっくの昔にしてる!うぉぉぉお!!」

 

士道は雄叫びを上げながら真っ直ぐこちらに向かってくる。

だが、その動きはほぼ人間とは変わりない。剣が士道の筋肉量とつり合っていないのか軸もぶれている、そんな状態で剣を振るったところでまともに扱えるわけが無い。

 

「・・・論外だよ。」

 

僕は〈アロンダイト〉を軽く振るい、大剣にぶつけて士道の体勢を崩す。

 

「うわっ!?」

 

そのまま士道の足を引っ掛けこかせる。

 

「ぐっ。」

 

「弱い、弱いよ。そんなのじゃ誰も守れない、僕と同じように失うだけだ。・・・それが嫌なら力をつけろ、士道。何ものも守れるほどの力を。そして、これは僕ができる最大限の慈悲だ。」

 

士道の頭に手を添え、人が許容できるかできない程度の魔力を流し込む。

 

すると、案の定脳が負荷に耐えられなかったのか。士道は声を上げることもなく気絶する。

 

──とりあえず、士道をDEMに連れていくか。士道は自分としても殺されては困るからな、士道に何かをするときは自分の監視を付けるという条件をつけさせて引き渡そう。

 

「そうと決まればさっそく───────。」

 

?「あらあら、士道さんを連れていかれるのは困りますわねぇ。」

 

「っ!誰だ!」

 

「ここですわ。」

 

その言葉と共に自分の背後に何者かが現れたことを察する。

己の後頭部に鉄の硬い感触が直に当てられていることから、身動きを取れば自分のことを今すぐに殺せるということをこちらに示していた。

自分は仕方なくアロンダイトを手から離し、両手を上げる。

 

「・・・っ。思い出したよ。お前とエンカウントするのはいつぶりかな〈ナイトメア〉。」

 

「思い出して頂いて光栄ですわ、遠坂紅輝さん。」

 

「こちらもまさか名前を覚えられているとはね。」

 

「わたくしとしては5年前の借りを返したいところですが、今はそれどころではないようですわね。ですので手短かにさせていただきますわ。【七の弾(ザイン)】」

 

その弾丸の名を聞いた瞬間、自分の意識はとぎれた。

 

そして、気がついた時には目の前に〈ナイトメア〉も士道も居らず、他の精霊共の姿も消えていた。

 

「〈ナイトメア〉め、僕から士道達を逃がしたか。まぁ、いい。士道が〈プリンセス〉のことを気にかけているのなら恐らく助けに行くだろう。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─────────────────────

 

「やあぁぁぁぁぁ!!」

 

「くっ、やめて!私は貴方と戦いに来たわけじゃない!」

 

「貴女に無くても私にはあるんです!」

 

美紀恵は一直線に〈クアンタ〉を纏う士織に突っ込む。

一直線のその行動だが何も考え無しの行動ではない。壁状の随意領域で士織の動きを阻害した上でその拳に魔力を込め、そのまま殴りかかる。

 

士織は、その攻撃に対し、ソードビットが付いているシールドを前にしてガードをするが美紀恵の猛攻に対抗できずにいた。

否、〈クアンタ〉の能力であれば、美紀恵の攻撃に対抗することは容易くは無くとも可能である。しかし、士織の優しさが無意識にその攻撃に反撃することを躊躇わせていた。

 

「ここから出ていけえぇぇぇぇ!!」

 

美紀恵の全力の一撃は、ガードをしていた士織を後方にはじき飛ばし、アリーナの天井を破り士織をアリーナの外に出した。

 

美紀恵は攻撃の手を緩めず、アリーナの外にでた士織を追い、自分も外に出ると、ビームサーベルで切りかかる

 

「こうなったら!行って!ソードビット!」

 

「っ!」

 

何とか反撃を試みた士織の攻撃を美紀恵はソードビットの攻撃をモード:アリスの機動力を活かし回避する。モード:アリスはユニコーンほどでは無いもののかなりの機動力を有しているため、その動きを捉えることは難しい。

 

「トラフィックフィン!ベル、制御お願い!」

 

『accept.』

 

〈アリス〉からビットのようなものが射出され、士織の起動線上に回り込むと突っ込み爆発を起こす。

 

「きゃあぁ!?」

 

「まだです!」

 

美紀恵はバックパックを砲撃モードに変更すると、士織に向かって照準を合わせ、砲撃を放った。

 

『士織!気を保て!』

 

「つぅっ・・・分かってる!」

 

脳内に響く刹那の声を聞き、士織は気合いで意識を繋ぐと、射出したいたソードビットを円状に展開し、GNフィールドを発生させ、美紀恵の攻撃を防ぐ。

 

美紀恵は砲撃が塞がれたことに少し驚くが、直ぐに意識を切り替え次の攻撃に移る。ビームライフルを撃ちながら一気に距離を詰め、そのビームサーベルで

もう一度斬りかかった。

 

士織も、GNソードVを美紀恵の攻撃に合わせ、鍔迫り合いを行う。

 

「美紀恵ちゃん、て言ったよね。なぜ貴方は紅輝君に味方するの?ASTの仲間だから?」

 

鍔迫り合いの中、士織は何とか美紀恵との戦いを辞めるために対話をしようとする。

美紀恵は士織の言葉に眉一つ動かさなかったが押す力を緩めずに言った。

 

「確かに、それもあります。ですがその前に1つ聞かせください貴女は遠坂さんに取って何者ですか!」

 

言葉に感情をのせ、美紀恵は押し切る。

 

士織は仰け反ったが追撃されぬように一気に後方へと下がる。

士織は、美紀恵が言葉を返してくれたことに対し、対話するなら今しかないと考え、美紀恵の言葉に答える。

 

「私は、紅輝君の恋人だよ。そういう美紀恵ちゃんは紅輝君の何者?」

 

「貴女が・・・。ううん、私は遠坂さんの後輩で味方です。」

 

美紀恵は目の前の精霊が、遠坂紅輝の恋人だということを知り、少し悲しげな表情を浮かべるが、直ぐに士織の言葉に答えた。そして、さらに言葉を重ねる。

 

「貴女は、遠坂さんがASTだと知っていて恋人になったんですか・・・!さっき貴女の力を見た遠坂さんの反応は並々ではない反応でした。それに!貴女は知らないでしょうけど、ここ最近の遠坂さんの様子は普通ではありませんでした、ずっと思い詰めた様な顔をして、基地に来ても夜遅くまで訓練ばかりして!・・・本当ならこういうときに彼女である貴女が支えるはずじゃないんですか!?」

 

「っ、それは・・・。」

 

「私は遠坂さんの恋人ではありません、どちらかというと私が勝手に兄のように慕っているだけです。そもそも、恋人同士の痴話喧嘩に赤の他人が首を突っ込むべきではないとは思います。ですが、私はこれ以上遠坂さんの辛そうな顔は見たくありません!・・・貴女がこれ以上遠坂さんを苦しめるというのなら今すぐに別れてください!」

 

美紀恵はビームライフルを士織に向けて睨みつけた。

 

最後に言った美紀恵の別れろという言葉は、基本的に怒らない士織の怒りに触れた。

 

「っ!!好き勝手言って!貴女に何が分かると言うの!?」

 

『冷静さを欠くな、怒りに任せては対話はできない!』

 

「私だって紅輝君のことが大好きだよ!でも、紅輝君は精霊を憎んでいる!それに!私が精霊の力で守らないと紅輝君は精霊の皆を殺しちゃうんだよ!?貴女は私に大切な人達が殺されるのを見ていろって言うの!?ふざけないでよ!」

 

『五河士織!!』

 

「っ!・・・ごめん、刹那。」

 

「・・・私は、精霊に殺されかせたところをASTの魔術師さんに偶然救われました。私もASTでの経験は長いわけではありませんが色々な人達を見てきました。空間震のせいで家族を失った人、精霊と私達の戦闘の余波に巻き込まれて大切な人を失った人。どれも私たちが守れなかった人達です。遠坂さんは言っていました、『僕の大切な人達のために精霊の居ない安心して暮らせる世界を作る』って。───私はその世界を作る手助けをしたい!さあ、構えてください!貴女が精霊で私がAST、それならやることは1つです。」

 

「・・・ごめんね刹那、私のせいで対話できそうになくなっちゃった。」

 

『士織、君の気持ちは分かる。だが、こちらに対話の意思がなければ対話は不可能だ。それだけは覚えておいてくれ。』

 

「うん・・・。」

 

「来ないのならこっちから行かせてもらいます!はぁぁぁぁぁあ!!」

 

美紀恵はビームサーベルを構えながらトラフィックフィンをベルに制御させ一気に近づく、士織はGNソードVを何とか相手のビームサーベルに合わせながらソードビットを操り、トラフィックフィンを撃ち落とす。

 

「くっ!ならばこれです!」

 

美紀恵は随意領域を展開し士織を閉じ込める、が、士織もさすが同じ手は喰らうまいとGNフィールドを展開し、量子ジャンプをし随意領域から脱出する。

 

士織が量子ジャンプからでた先は美紀恵の後ろ、GNソードVを射撃モードに変更すると、霊力を充填し中型のエネルギー砲撃を撃つ。

 

「あまり撃ちたくはないけど・・・!」

 

「っ!後ろ!ベルお願い!」

 

『随意領域展開。』

 

砲撃から美紀恵を守るために展開された随意領域は一切の傷が付かずその防御力の高さを物語っていた。

 

「これじゃ埒が明かない・・・!刹那!あれ使うよ!」

 

『分かった、だが俺達の目的は対話だそれを忘れるな。』

 

「うん、大丈夫!TRANS-AM!!」

 

その言葉と共に再び士織の霊装がGN粒子を放出し赤く発光する。

そして、士織はGNソードVにソードビットを繋げ、バスターライフルへと変形させる。

 

美紀恵は先程のアリーナでの経験を思い出す、随意領域が破られ目の前の精霊を解放させてしまった経験である。

 

「・・・!ベル、さっきの攻撃もう一度くるよ。準備はいい?」

 

『マスター、提案ですがこちらにも所謂、必殺技と呼ばれるものがあります。』

 

「っ!本当?それ、いまから使える?」

 

『yes、ですがそれを使えばこのCR-ユニットの貯蓄魔力は無くなります。その後の戦闘はマスター自身の魔力を使って頂くことになります。』

 

「いいよそれでも!ベル、その必殺技の準備をお願い!」

 

『accept.』

 

ベルmkIIが本状態で展開し、中からそれぞれのモードの武装を取りだす。

ユニコーンからは槍の部分を、レオンからはメガ粒子砲とそのトリガーを、ジャバウォックからは杭状の特殊弾頭を、チェシャーキャットからは今回は対精霊であるため魔力エネルギーを。

 

それぞれが変形し、巨大な超電磁砲に変化する。

 

「っ重い・・・。でもこれなら!」

 

それを士織に向け、標準を合わせる。

数秒後には標準が士織を捉え発射準備が完了する。

超電磁砲の前方にいくつもの威力増加のための随意領域が展開され、特殊弾頭にも様々な魔力強化が施される。

 

士織の方もGNバスターライフルに霊力を充填させ、それを美紀恵に向ける。

 

「刹那!威力は3割引だよ!」

 

『了解した。』

 

「ベル!行くよ!全力で!!」

 

『yes sir!』

 

「『トランザムライザーソード!!!!』」

 

「『フルアリスパワーフィニッシュッッツ!!』」

 

その瞬間、大きな爆音と共に二つの砲撃が放たれ、衝突する。

 

GNバスターライフルから放たれた巨大なエネルギーの奔流が美紀恵を捉える、が、その奔流の中を突き進むように超電磁砲から放たれた特殊弾頭が進む。

 

そして、数秒もしないうちに美紀恵が霊力の奔流に飲み込まれるが、杭状の特殊弾頭も奔流を掻き分け、抜け出すと士織の心臓を穿いた。

 

 

 




今回も見ていただきありがとうございます!
これからも見ていただけると嬉しいです!

良ければ感想くださいな〜。

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