転生したら遠坂家!? 二代目赤い悪魔の魔術師生活 作:狩宮 深紅
やっとテストが終わり、ひと段落着くことが出来たので何とか1話書くことができました!
いやー、夏も真っ盛りですね、皆さんは熱中症にお気をつけてください。
最悪、死んでしまうかもしれないのでこまめな水分補給を心がけるようにしてください!
楽しい夏を過ごせるように頑張っていきましょう!
「良い雰囲気のところすみません。ですが、迎えに来ました遠坂さん。」
「「美紀恵(ちゃん)!」」
「はい、岡峰美紀恵です。おっと、士織さん、仲間を呼ぼうとしても無駄ですよ。この部屋の防音は完璧、それにブザーをならそうとしても無駄です。この部屋の電子機器類はすでにジャックしています。」
何やら、ブザーの様なものをならそうとしていた士織だったが美紀恵の纏っているCR-ユニット〈不思議の国のアリス〉モード:ジャバウォックの効果により、無効化されている様だった。
「・・・嘘を言っているようには見えない、な。だけど、紅輝君は渡せない。私達の組織としても、私個人としても!」
士織は霊装を展開させ、戦闘態勢をとる。
しかし、美紀恵はそれに対して戦闘態勢をとる訳ではなく、無防備な状態で立っているままだった。
「士織さん、剣を下ろしてください。私は今回戦いに来たわけではありません。」
「・・・でも美紀恵ちゃんは紅輝君を奪いにきたんでしょ?」
「そうですね。遠坂さんの彼女である貴女からしたら私は彼氏さんを奪いに来た泥棒猫といったところですか。最初は私も力づくで奪おうとしていましたが状況が変わりました。これを見てください。」
そう言って、美紀恵は随意領域の応用で空中スクリーンを出すと、そこに映っていたのは、恐らく天宮アリーナの近くと思われる場所で何かを探しているように歩き回る大量の一般人がいた。この時点で自然的な現象からかけ離れているがこの一般人の様子は少し前に見たばかりの光景に酷似していた。
「〈ディーヴァ〉の仕業か。」
「はい、恐らくと言うよりはほぼ〈ディーヴァ〉の力によるものです。しかもその探している標的は
美紀恵にそう言われ、士織は言葉に詰まってしまう。
だが、数秒の後彼女は何かを決めたかのように拳に力を入れ、口を開いた。
「分かった。協力するよ。」
「ご協力感謝します。それでは────。」
「ただし!紅輝君は渡さない・・・!紅輝君はここに残ってもらうよ。」
美紀恵の言葉を遮り士織は条件として、僕がここに残ることを提示した。
美紀恵はその言葉は想定外だったのか、少し驚くような表情を浮かべるが、すぐに元の冷静な表情に戻す。
「残念ながら、状況としてその条件は厳しいです。」
「それは・・・どうして?」
「貴女方の組織が精霊を匿っていることを知っています。ですが、その匿っている精霊は今や〈ディーヴァ〉の傀儡になっています。先程の戦闘で負った〈ハーミット〉や〈ベルセルク〉の傷もそろそろ癒えている頃でしょう。その2体の精霊はどうやって対処するつもりですか?」
真剣な眼差しで士織を見つめる美紀恵に、彼女はその言葉を待っていたかのように言葉を発する。
「それも含めて私が何とかするよ。」
「・・・その言葉の根拠はあるのですか。」
「あるよ。だって、私の精霊の力は
力強く断言する士織に美紀恵は肩を竦める。
「・・・はぁ、分かりました仕方ありません。遠坂さんは一旦ここに置いておくとしましょう。」
「なっ・・・!?」
美紀恵の言葉に思わず言葉を漏らして閉まった。いや、助けに来てもらっている時点で僕に文句を言う筋合いはないのだが、あまりにあっさりと諦める美紀恵に驚かずにはいられなかった。
「すみません、遠坂さん。ですが、わかって貰えると嬉しいです。」
そう言ってぺこりと頭を下げる美紀恵にこれ以上言葉をかけるのは良くないと思い、押し黙る。
「それじゃあ美紀恵ちゃん。交渉はこれで終わりでいいんだよね。」
「はい、この後、私も精霊の迎撃行動に入ります。士織さんはその対話のための力というものを使用してください。ですが、万が一騙すようなことがあれば────。この船を堕とします。」
「・・・っ。分かったよ。それじゃあ行こうか。」
そう言って、美紀恵と士織はこの部屋から出て行ってしまう。
部屋に取り残された僕は、手足を縛られた状態で椅子に括りつけられており、どうすることも出来なかった。
「・・・一体、どうすればいいんだ。」
誰もいなくなったからか、思わず口から言葉が零れる。
僕は一体何をすればいいんだ。偉そうに言っておいて覚悟も無く、その上この状況に対して自分が何をしたいのかも決められていない。
それに、今の僕にはCR-ユニットもなく、精霊を倒すこともできない。
魔術はあるが、精霊は通じない。それこそ、サーヴァントが持っているような宝具でもない限り────。
『遠坂さん、おはようございます。』
「っ!誰だ。」
突如、機械音声が聞こえ、反射的に周りを見渡す。
だが、よく今の音声を思い出してみると、美紀恵のCR-ユニットに搭載されている〈ベルMk.II〉の声に酷似していた。
「もしや、〈ベル〉なのか?」
『YES、その通りです。マスターが私に貴方の脱出の手伝いをした欲しい、と仰り、ここに置いていかれたのです。』
「そう、だったのか。ここまでするとは本当に美紀恵は凄いやつだな・・・。」
『YES、マスターはとても素晴らしいお方です。ですが、貴方も凄いお方です。』
突然、〈ベルMkII〉が僕を褒めるような言葉を発したかと思うと、さらに言葉を続けた。
『私の記録の中には先代のサポートAIである。〈ベル〉・・・いえ、アルテミシア・ベル・アシュクロフトの記憶データも保存されています。その記憶の中で貴方は彼女達家族の支えとなっていました。私のオリジナルもセシル・オブライエンもアシュリー・シンクレアもレオノーラ・ティアーズも貴方のことを大切な人物として認めていました。』
〈ベルMkII〉は本状態のまま、ふわふわ浮きながらそう言う。
「だけど、僕は今回。1番大切なところで覚悟を示すことができなかった腑抜けだ。そんな僕が何かをしたところで意味はない。」
『Why?どうしてそう思うのでしょうか?』
「それは・・・。半端な気持ちで何かをしても、半端な結果しか残らないからだ。それに僕が今までいたところはそういうところだ。半端な気持ちじゃ、ただ殺されて死ぬだけだ。」
『なるほど、貴方のその考えは今までの経験から来ている、ということですか?』
「・・・そう、だな。」
『では、新しい考えを持ってみてはいかがでしょうか。貴方の戦う理由は五河士織が笑って暮らせる世界を作ること。ですが、貴方は今、覚悟を示すことが出来ずに立ち止まっている。しかし、私は人間という生物が、悩み、苦しみ、挫折しながら生きていく生物だと認識しています。そして、貴方は現在、挫折、という状況に陥っているのではないでしょうか?』
「挫折・・・か。確かにそうかもな。それで?僕に一体どういう考えを持てと?」
『JAPANの漫画にこういう言葉がありました。「逆に考えるんだ、あげちゃってもいいさ」とこの言葉を応用すれば・・・「逆に考えるんだ、覚悟を示さなくったっていいさと」です。』
よく、ネットなどで聞くような言葉を淡々と発する〈ベルMkII〉だが、その言葉にはどこか誇らしげにしているような感じを帯びていた。
だけど、この状況で〈
「はは、なんだよ、それ。それじゃぁ死んじゃうかもしれないんだぞ?」
『なら覚悟がなくても死なないようにもっと強くなればいいのです。』
脳筋が言いそうな台詞を躊躇いも無く発するこのAIに、どこかアルテミシアの影を見た気がした。
いや、元は一緒だからそれも当然なのか?
「・・・お前、本当にAIか?実はアルテミシアの脳内データが残っているんじゃないのか?」
『それは有り得ません。私は私です。それに、これで気持ちは少しでも楽になりましたか?』
「はっ、お蔭さまでね。覚悟がなくても死なないように強くなる、ね。いいよ、やってやろうじゃないか。」
僕はそう言って魔術回路を起動させ、腕の筋力を限界まで強化し拘束を無理やり解く。
足の縄も投影したナイフで切り、四肢が完璧に動かせるようになった。
「〈デスティニー〉は・・・さすがに見当たらないな。」
改めて周りを見渡し、〈デスティニー〉がないか。確認するが辺りにそれらしきものは見当たらない。
『貴方のCR-ユニット、〈デスティニー〉ならあの五河士織と呼ばれる女性からその反応がありました。現時点での回収は不可能かと。』
「おいおい、どうするんだ?魔術だけじゃ精霊と戦うにはキツすぎるぞ?」
『ご安心を、CR-ユニットなら他にもありますので。具体的にはこの艦の中には
「ほう?そんなことまで分かるのか。」
『YES、この艦全体をスキャンした時にCR-ユニットの反応がありました。』
「・・・驚いた、お前って本当になんでもできるんだな。」
『NO、私にできることは、機能内の範囲でしかありませんよ。』
「十分だよ。それじゃぁ案内してくれるだろう?」
『ACSEPT。案内を開始します。』
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〈ベルMkII〉の案内により、1度も誰かに見つかることもなく、そのCR-ユニットが保管されている場所に着くことができた。
『到着しました、ここが例の場所です。』
そこには第一格納庫と書かれた看板があり、電子ロックで閉じられている扉があった。
「〈ベルMkII〉開けることができるか?」
『EASY、この艦のシステムは全て把握しております。』
「ほう、それは頼もしい、それではお願いしようか。」
〈ベルMkII〉がピピと言う電子音が鳴ったかと思うと、電子ロックで閉じられていた扉がいともたやすく開かれた。
音を立てないように中に入るとそこには、〈ベルMkII〉の言っていた通り2機のCR-ユニットが存在していた。
近づいて確認してみると、そのうちの一機が僕には見覚えがあった。
それは、僕が以前アスガルドエレクトロニクスに潜入した時、一機だけ入手することができなかったあのCR-ユニットだった。
「これは、〈ν〉じゃないか。どうしてこんなところに・・・。いや、アスガルドエレクトロニクスが協力していたのは、この組織だったということか。」
もう一つのCR-ユニットの名前を確認して見ると、そこには〈Is〉と名を付けられているCRユニットだった。
「あいえす・・・?これはいったいなんだ?いや、そもそもすべてのCRユニットにガンダムの名前が付けられているとは限らないか。」
実際に、ASTの装備はDEMの使っている装備はガンダムの名前は付けられていない。そう考えると、この名前の付け方は普通のことなのかもしれない。
そんな僕はCRユニットに夢中になっていたせいか、背後から近づいてくる影に気づくのが少し遅れてしまった。
「そこを動かないでください、あなたが今回の騒動の犯人でいやがりますね。」
「誰だ!」
咄嗟に右手を後ろに隠し、ナイフを投影して声をかけてきた人物にそのナイフを向けた。
しかし、そこにいたのは五河士織によく似た中学生位の少女だった。
お気に入りに追加してくださった。
炎髪さん、コノコムトさん、ウァイオリンさん。
ありがとうございます!これからも見ていただけるとうれしいです!
単位取れるかなぁ…。
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