転生したら遠坂家!? 二代目赤い悪魔の魔術師生活   作:狩宮 深紅

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7話目です。

唐突ですが、自分はデート・ア・ストライクの三人娘の中でセシルが1番好みです。

それと、テンションを元に戻していきたいと思います。



Show the courage. Knock down a devil.

「<ブラスト>班はミサイルを一斉射撃で敵をかく乱しろ!<ソード班>はミサイルの間から奴を追え!相手に隙を与えるな!<フォース>班は敵の攻撃を防ぐ準備を整えながらビームライフルで相手の逃げ道を塞ぐんだ!」

 

『『『了解!』』』

 

自分が3つに分けた班に同時に指示をだす。《プリンセス》と呼称されている精霊は剣の薙ぎ払いによって生み出される衝撃波でミサイルを撃ち落としながらもビームライフルを巧みに避けていく。しかしその顔には少々苦しそうな表情を浮かべており、普段とは違う敵の攻撃に翻弄されている様子であった。

自分は<フォース>のウェポンパックを装備しており、

ビームライフルを撃ち込んでいるがいずれも当たることはなかった。

だが、アルテミシアは<ソード>班で《プリンセス》に食らいつく様に2本のエクスカリバーで攻撃を仕掛けていた。

アルテミシアの戦闘力は非常に高く、CR-ユニットを使った戦闘でならば、SSSに並び立つものはいないと言っても過言ではないだろう。

アルテミシアが果敢に攻撃を仕掛けていると、彼女は何とか鍔迫り合いまでに持っていくと、そのまま押し返したのである。

 

これは自分達にとって滅多にない奴の大きな隙だ。

 

「今だ!<ブラスト>班はケルベロス砲を最大出力で発射しろ!」

 

自分の指示を受けた<ブラスト>班が《プリンセス》に向かってケルベロス砲を発射する。

《プリンセス》は回避は不可能だと判断したのか<防性領域(テリトリー)>に似た障壁をドーム状に展開し、高出力のビーム砲を受け止める。

今なら奴の動きは止まっている、仕掛けるなら今しかない。

 

()も前に出る!レナ、エクスカリバーを貸すんだ。他の隊員も僕に続くんだここで決めるぞ!」

 

『了解!』

 

ソード班の1人に声をかけ、エクスカリバーを渡してもらい<フォース>の機動力で一気に加速し、その途中でエクスカリバーを1本に合体させると、バーニアを一気に噴かせる、シールドは突っ込む際に邪魔になるため投げ捨てた。

 

ケルベロス砲が止んだ瞬間に剣先を障壁に向かって突き刺し、バーニアの出力を最大にする。

他のソードの隊員も自分と同じように剣を障壁に突き刺し押し込んでいた。

 

「はあぁぁぁぁあ!」

 

少しづつだが、剣先が障壁を突き抜けていき、中に入っていくのを視認し、これなら行ける!と、思った時だった。

《プリンセス》はここに来て余裕の表情を見せていた。

 

「な・・・?そういうことか!!皆!退避しろ!」

 

その瞬間、《プリンセス》は持っていた大剣に力を纏わせ、障壁を解除した瞬間に一気に振り抜いた。

 

自分は緊急で<防性領域(テリトリー)>を展開するが意図も容易く切り裂かれてしまい、何とか盾のように構えたエクスカリバーで受け止めようとするが衝撃を殺しきれず、そのまま吹き飛ばされた。また、エクスカリバーは先程の攻撃によって破壊され、使い物にならなくなってしまった。

幸い、自分は浅い切り裂かれた程度ですんだものの逆転の一手は潰されてしまった。

 

「くっ・・・、やはり一筋縄では、いかないか!・・・っ!?」

 

周りの隊員の生存確認をしている時に自分はある人影を見つけた。

自分の倒れている場所の少し近くに自分と同年代程の女の子が重症の状態で倒れていた。

 

《プリンセス》の方を見ると、指揮を取っているのが自分だと確信したからか、自分を真っ先に潰そうと剣を先程とは比べ物にならないほど大きくし、こちらに狙いを定めていた。《プリンセス》はとても冷徹な目をしており、その視線から感じられる殺気はとても強かった。

 

「お前がこいつらのリーダーだな、目障りだ、消えろ!!」

 

《プリンセス》は剣を全力でこちらに振り下ろす、あれに直撃すれば自分は肉塊すら残らないくらい木っ端微塵にされるに違いない。

だが、まだ自分の纏っているCR-ユニットは生きている。全速力で逃げればカスリはするだろうが重症は免れるだろう。

しかし、この攻撃を避けようとすれば、さっきの女の子はどうなるだろうか、まず間違いなく死ぬだろう。

見殺しにするか?自分が?

だが、あの攻撃を防ぐのはほぼ不可能だろう。

 

 

・・・だとしても!仮にも自分は英国の軍人だ!

 

 

魔術と<随意領域(テリトリー)>制御で身体能力を強化し女の子を庇うように抱きつき、<防性領域(テリトリー)>を全力で展開する。

 

「うっ・・・、だ、誰・・・?」

 

いきなり抱きしめられたからか、女の子が驚いた様な声をあげる。

 

「安心するんだ、君は僕が守る。だから安心してくれ。」

 

《プリンセス》の一撃が自分の<防性領域(テリトリー)>に直撃し、一瞬で大きなひびを入れる。

そのひびはどんどん大きくなっていき制御に力を割いていなければ今にも破られそうであった。

 

このままじゃ不味いか・・・!?

流石にこれでは不味いと思い<防性領域>の制御の他に魔術で<防性領域>の補強をする。

宝石による盾はあの攻撃には盾にもなりはしないだろうがエメラルドを3つ使用し3枚の壁を作っておく、他に剣製で硬さに特化した宝具をいくつか投影し備えた。

 

投影をし終えた瞬間、意識を途切れされてしまい、<防性領域>が大きな音を立てて破壊され、その間にあったらエメラルドの盾も障子を破るように意図も簡単に破られ投影した剣も、1秒は保ったがそのまま破壊されてしまう。

 

もうダメかと思い、女の子だけでも守ろうと強く抱きしめる。

 

その時だった。横から猛スピードでアルテミシアが<フォース>にわざわざ換装し、シールドでその攻撃を受け止めていた。

 

《プリンセス》の大剣とアルテミシアのシールドがぶつかり合い、激し音を立て衝撃波を発生させる。

その数秒後、アルテミシアが<防性領域>を併用し、やっとの事で何とか受け止めたのである。

 

《プリンセス》は先程の攻撃が受け止められるとは思っていなかったらしく驚きの表情をしていた。

 

「大丈夫!?遠坂君、死んでない?」

 

アルテミシアも流石に防ぎきるので手一杯だったのか息も絶え絶えになりながらもこちらに気を遣ってくれた。

 

「あぁ、何とかね感謝するよ、アルテミシア。だが・・・。」

 

《プリンセス》の方を見ると、こちらをまるで親の仇を見るようかの目でこちらを見ていた。

だが、そんな時、《プリンセス》の体は粒子に包まれていた。

 

「ちっ、もう時間か。」

 

そう言うと、《プリンセス》の体は消滅する、恐らく<消滅(ロスト)>したのだろう。

 

 

《プリンセス》の<消滅>により、張り詰めていた緊張の糸が一気に緩み、脱力してしまう。

 

「ふぅ、何とかなったようだ、今回ばかりは死ぬかと思ったよ。君、大丈夫かい?」

 

自分は女の子の様子を改めてみると、かなり酷い状態だった。いくつか後遺症が残るかもしれないがまだ間に合うかもしれない。

 

「アルテミシア、今すぐ基地の医療室に行くぞ!あそこの医療用顕現装置(メディカルリアライザ)ならまだ命は助かる。急ぐぞ!」

 

「わ、わかった!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、魔力をフルで使い、全速力で基地に向かい、すぐに基地の医療用顕現装置での治療をしてもらった。自分を含め、負傷をしている隊員も多かったが、女の子に真っ先に使うことを拒む隊員はいなくてよかった。

負傷度の高い人から医療用顕現装置をつかっていったが、自分は傷が浅く、自分で何とかできる範囲だと判断し、他の隊員に先に使うように言っておいた。

 

そして、自分は軍医さんにあの女の子の様子を聞くためにあの女の子がいる、治療室の前に向かった。

自分がつく頃にはアルテミシアもその部屋の前に来ており、彼女はとても悲しそうな顔をしていた。

 

 

「アルテミシア、君も来ていたのか」

 

「あ、遠坂君、あなたも彼女のことで?」

 

「まぁ、な」

 

「私達、また、悲しむ人を増やしちゃったね。

精霊を打倒できる力を持ちながらも未だに一体も倒せていない、こんなんじゃ・・・。」

 

アルテミシアは言葉から分かるように酷く落ち込んでいた。その気持ちは自分も良くわかる、今回の作戦においては自分が周囲の確認をもっとよくしておけば、いち早くあの女の子を見つけ、すぐにでも治療をすればあんな重症にならなかったかも知らないのだ。

だから、アルテミシアが自分自身を責めるのはお門違いというものだ。

 

「自分自身を卑下するのは辞めるんだ、君はよくやってくれている、今回は自分の指揮が悪かっただけだ、責任は自分にある。」

 

「違うよ、私がもっと強ければ・・・!」

 

 

そうしているうちに、あの女の子が治療室から出てきた。

女の子はベッドの上で寝ており、ぱっと確認しただけで外傷は治っている様子だった。

中から出てきた軍医さんに、自分は話を聴いた。

 

「軍医さん、彼女の状態はどうなんでしょうか?」

 

「外傷はバッチリ治ったさ、だけど時間が経過しすぎた影響で、彼女の目と足はもう二度と治らないだろう。

こればっかりは医療用顕現装置でも不可能だ。」

 

「・・・っ!

そう、ですか。わかりました、ありがとうございます。」

 

「いや、こちらこそ、この程度の治療しか出来なくてすまない。」

 

「いえ、軍医さんは今ある設備で十分やってくれました。これ以上を望むのは罰が当たるというものです。

それでは自分は今からあの女の子が目を覚ますで近くに居ようと思います。アルテミシアはどうする?」

 

「私もそっちに行くよ。」

 

「わかった、それでは軍医さん、他のみんなの治療もお願いします。」

 

「あぁ、任せてくれ、それじゃあ、そっちは頼んだよ。」

 

軍医さんはそう言うと、他の隊員が使用している医療用顕現装置の元へ向かった。

自分とアルテミシアはあの女の子がいる病室へ行き、彼女が目を覚ますまで待っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

あの女の子は1時間もしない内に目を覚ました。

 

「・・・ここは?」

 

「目が覚めたかい?ここは軍の基地内の病院だ、空間震に巻き込まれた君をこちらで保護させてもらった。」

 

「・・・なるほど、私の目と足が動かないのはそういうことだったのですね。」

 

「・・・君は賢いみたいだね。アルテミシア、例の説明を頼む。」

 

「わかった。あ、その前にあなたの名前を聞いていなかったね、貴女の名前は?」

 

「私は、セシル・オブライエンです。」

 

「ありがとう、それじゃあ説明するね、貴女の巻き込まれた空間震、それを起こしたのが私達がさっき戦っていた存在、精霊だよ。私達はその精霊を倒すための組織、SSS私からの説明は以上だよ。」

 

アルテミシアが説明を終えるとセシル・オブライエンは恐る恐る手を上げる。

 

「あの、1つ聞いてもいいですか?」

 

「何かな?私が答えられることなら何でも答えるよ。」

 

「私の・・・パパとママはどこにいるのですか?」

 

彼女の言葉にアルテミシアは固まってしまっていた。

自分はそのフォローをするためにセシル・オブライエンの質問に答える。

 

「君を保護したときには、周囲に誰もいなかった、君と君の家族がシェルターに入っていなければ、恐らくは・・・。」

 

 

「っ!そんな・・・、う、ぐす、うぅっ、パパ、ママぁ・・・。」

 

セシル・オブライエンは自分の言った真実に泣き出してしまった。

無理もない、成熟した精神でさえも心に大きなショックを与えるのに、未だ未成熟な精神での肉親の死と言うのは非常に大きすぎるものだ。

 

 

自分とアルテミシアはその悲しみを少しだけでも和らげるために二人で彼女を抱き、泣き止むまでその悲しみを受け止め続けた。

 

 

 

 




今回も見ていただき、ありがとうございました!
感想や評価をして頂けると、作者のモチベーションの向上になりますのでどうか、よろしくお願いします!


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蛍さん、拝借さん ありがとうございました!
これからも見ていただけると嬉しいです!


用語解説

ウェポンパック編

<フォース>・・・モチーフはガンダムSEEDデスティニーに登場する、インパルスガンダムの装備の一つである、フォースシルエット。
ビームサーベルとビームライフルという標準的な武装に加えて、機動力に特化したバーニアもバーニアスラスターにより、従来のCR-ユニットの機動力向上を目指した。左腕に装着されているシールドは防性領域と組み合わせることにより圧倒的防御力を誇るようなる。

<ソード>・・・モチーフは<フォース>とほぼ同じで
インパルスガンダムの装備の1つである、ソードシルエット。
2つの大型レーザー刀とビームブーメランを装備しており、原作のソードインパルスとは違い、完全に近距離特化でビームライフルは装備していない。2つの大型レーザー刀、エクスカリバーは合体させることにより1本の大型刀にすることが可能。

<ブラスト>・・・モチーフは他の2つと同じインパルスガンダムの装備の1つである、ブラストシルエット。
二門の大型ビーム砲、ケルベロス砲に加え、レールガンや面制圧用の大型ミサイルポッドが装備されており、単純火力だけならばこの装備が1番高い。

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