アズレンスルホン酸ナトリウム   作:サッドライプ

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 超次元シリーズはやったことないしアニメも見てないけど可愛いと思ったのでとかいうクソ作者ムーブ。

 アズレンゲーム中のセリフから性格や口調を推定してかつ色々設定盛ってるので多分別人状態っていうかそもそも別人設定。

………まあコラボ元だと絶対に男とくっつかないキャラだろうし時限式の変身姿っぽいからその時点でキャラ崩壊起こしてるしね!(自己弁護)




パープルハート/山城

 

 この世界において海にはびこる怪物達と戦う戦力である少女達が冠する銘には、それぞれ由来となる艦―――基本的には二次大戦期に活動していたもの―――がある。

 それが何処の国の所属で何をしていた艦か、くらいは本人に訊けば教えてくれるし、銘については個人差があるが己の国には多かれ少なかれ絶対のプライドを持っている彼女達は、基本的に隠すことはない。

 その分太平洋戦争?の因縁で重桜とユニオンの艦同士が険悪あるいは気まずくなったりということなども多々あるが、それはさておき。

 

 その出自については大まかに分けて元の世界で言う日独米英のどれかの艦であることが殆どの筈なのに、明らかにそれらとは違う出身を語る娘がいた。

 勿論中国とかロシアとかいうオチでもない。

 

 

――――ねえ、ゆかりんゆかりん。

 

「あら、何かしら指揮官」

 

――――プラネテューヌって、どこ?

 

 あなたの問いに反応したのは、艶はあるのに跳ね癖が大きい長髪を三つ編みにして二つに分け、均整のとれた肢体を名と髪の色と同じ深い紫色のナイトドレスに包んだ少女だった。

 支給されたキューブを元に補充戦力を“建造”する設備がこの軍港にはあるのだが、ある日明らかに真打登場と思しき金色のエフェクトと基地全体を揺らす振動と共に現れたのが彼女である。

 

『プラネテューヌの女神、パープルハート。あなたが指揮官ね?これからよろしくお願いするわ』

 

 ベルファスト以来となる派手な登場で話題を浚(さら)い、彼女同様他と一線を画す突破性能で艦隊のエースの座をもぎ取っていくことになる存在の自己紹介。

 それを聞きながらも、あなたの視線は彼女の空色に輝く瞳にまっすぐ吸い込まれていたのをよく覚えている。

 

 

 なんでこの子は目に電源アイコンを飼っているんだろう、と。

 

 

 前世では目にハートマークを浮かべた女の子達には色々な意味でお世話になったし、しいたけや十字架を飼っている連中も漫画で見た。

 目から鳥が羽ばたく反逆の王子様もいたし、「お前の前のたなのオレオ取ってオレオ!!」とか言いながら相手に幻を見せる兄貴も変な目の模様だったと思う。

 

 だが電源アイコンである。

 寝ている時は消えるとかいう回りくどいネタなのだろうか。

 今改めて振り返るまでもなく至極どうでもいいことだが、無性にその時は気になってしょうがなかった。

 

 考えに夢中になっているせいで視線が剥がせず、彼女と真っ直ぐ見つめ合う形になっていた。

 それに対して何を好意的に勘違いしたのか、艶然と微笑んであなたの手を取った彼女はこう続けた。

 

 

『さあ、お近づきのしるしに一緒にゲームしましょう?』

 

 

 彼女も彼女でたいがい何かがおかしかった。

 

 彼女の言うゲームに何か駆け引き的な意味とか隠喩があったかと言えばそんなことはなく、純然たるテレビゲームの話だった。

 幸いあなたも嫌いではないしそれを趣味にしている艦は他にもいた為、そもそもゲーム機が置いていないということはなかったが、二次大戦期の軍艦の銘を持つものが出て来て真っ先に要求する対象としては明らかに変だろう。

 

 その後よくよく観察していると、戦闘服がサイバーな感じで光のラインが走っているぴっちりなスーツだったり、蝶を模した光の翅が生えたり、どこからともなく砲弾や魚雷としてゲームのコントローラーのボタンやディスクや乾電池をばらまいたり、必殺技と言って光を纏った剣を幾つも分裂させて敵のボス格を切り刻んだりと、一人だけなんか違うゲームやってるんじゃないか疑惑が発生してしまう。

 自己紹介の“プラネテューヌの女神”も、自分は女神のように美しい的なナルシスト全開発言だと思っていたが、微妙に違う気がしないでもない。

 

 そんなわけで、この日あなたは彼女に訊いたのだ。

 

「ライダー超銀河フィニッシュを決めながら?」

 

 いや、だって思いっきり張り付けになってたし。

 

「………もうっ、自機が電王で相方NPC鎧武とか軽く罰ゲームだと思うの。

 しかもあなたは相方クウガとか」

 

 ランダムセレクトに文句言ってくれ。

 あとこれで原作的に絆深まったりとかしない?

 

「ふふっ、どうかしら?」

 

 寮舎の和室でゲームしながら、そのノリでてきとーに訊いたのだ。

 肘が触れ合う程度に近くで三角座りするパープルハートは、神秘的な美貌で上品に笑いながら電源アイコンの目であなたを見るので、ごくたまに吹きそうになるのをこらえて一応神妙な態度にするのが大変だった。

 

 まあ、要するに彼女がこの世界の異端かもしれないというのは、あなたにとってはその程度の話。

 異端とか言い出したら一応仮にも転生オリ主である自分はどうなんだということになるし。

 

「そうね、お察しのとおり私は他の子達と違って軍艦をルーツに生まれた存在ではないわ」

 

 あ、そうなの?

 

「………そこからなのね。指揮官としてそれはどうなのかしら?

 パープルハートって名前、軍船としておかしいと思わなかったの?」

 

 言いづらいなあ、とは。だからゆかりんって呼んでるんだし。

 

「本人に向かって名前が言いづらいとか、あなたって本当馬鹿なのか大物なのか判らないわね」

 

 ご尤もなので視線を逸らして誤魔化す。

 一応あだ名の理由について説明しておくと、パープル⇒紫⇒ゆかり⇒ゆかりんである。

 バリィさん(仮)と違って特に文句も言われなかった。

 

「あだ名で呼ばれるのは気に入ってるからいいのだけれどね。

 これでもゲイムギョウ界の女神なのよ?キューブを媒介に召喚された分霊みたいなものだから、おかしな変質をしているし、シェアなんて無いも同然だから大した力も発揮できないけど」

 

 シェアって?

 

「そうね、この世界ではマグネタイトと呼ぶのだったかしら?」

 

………。今すっげえ厄い単語が聞こえた気がするんだが。

 

「…………………冗談よ」

 

 今の間はナニ!?

 

「ふふっ」

 

 一瞬建造とダブりと合体素材という言葉同士の関連性について考えてしまったが、闇に呑まれる前に無理やり頭から追い出すことにした。

 なので話を戻すと、彼女はどうやらゲームの女神様らしい。

 そんなのが存在してしかも実際にお目にかかれるとは、なるほど八百万と女体化の国は伊達ではないようだ。

 

 拝んだ方がいい?

 

「――――やめて」

 

 感心しながらもいつものように軽口を叩き―――返ってきたのは真剣な否定だった。

 はっと彼女の顔を見据えると、どこか哀願するような感情すら透けて見えていて、いつも気品のある態度しか見せていなかった彼女が初めて見せる顔をしている。

 

 いや、彼女の気品が崩れた瞬間という意味なら、他にも一度だけ見たことがある。

 

「あなたが私を個体名で名付けて<ゆかりんって呼んで>くれた瞬間から、私はあなたに縛り付けられたわ。

 今更ただの神様<パープルハート>に戻すことなんて、許さない」

 

 初めてあだ名で呼んだ時、そしてそれ以降。

 どこか超然として浮いたような距離感がなくなったように思えたのだが。

 

 打ち解けたのだと思ったのは違って―――彼女が真に“喚ばれた”のはあの時だったのかも知れない。

 

「他の子と違って、本体の影でしかない私は銘だけでは自意識を保てない。

 あなたの“ゆかりん”は此処に居る―――此処にしか居ない。居られない」

 

……神様ってのも大変なんだな、よく分からないけど。

 

「ええ、まったく分かってないのでしょうね、でもそれでもいいわ。

 二つだけ約束してくれれば」

 

 気づけばしなだれかかったパープルハートが吐息すら感じられる至近距離で、剣を握っているとは思えないほど爪までよく手入れされたように綺麗な指を二本立てる。

 その内の中指をたたみながら、

 

「ひとつ、呼び方は絶対に改めないこと」

 

 人差し指をたたんで、代わりに小指を出す。

 

「ふたつ、これからも私と一緒にゲームすること」

 

 時を待つこともなくその小指にあなたの指を絡めると、紫の少女は安心したように微笑んだ。

 

「指切ったわよ。守っていてさえくれるなら………そうね。

―――パープルハートは伊達じゃないわ。指揮官と、この港にいる皆を、一緒にゲームする時間を守るために、どこまでだって強くなる」

 

 言葉を途中で切り、覇気を込めた宣誓。

 その中にゲームの三文字が入っているのがなんともらしいが、不思議と締まらない感じはしない。

 

 頼りにしている、とあなたが珍しく指揮官らしいことを言おうと思って言うと、こくりと彼女は頷き―――リザルト画面で止まっているゲームのコントローラー二つを拾いうち一つをあなたに差し出した。

 

 

「じゃあ続き、しましょ?」

 

 

 そうやって誘ってくる笑顔や雰囲気は実に元通りの気品を取り戻していて。

 ただ肘どころか肩が触れ合っているところまで縮まった距離だけが、今日の変化を物語っていた――――。

 

 

 

 

☆ちょっとパターン変えて気分転換☆

 

 山城ちゃんがひたすら殿様を呼ぶシリーズ

 

 

「殿様、殿様ぁ~~~!!」

 

 今度はどこの備品壊したお前。

 

 

「とのさま………」

 

 うわ扶桑の帯ぐっちゃぐちゃじゃん。

………しゃーねえ付いてってやるから、謝りに行くぞ。

 

 

「殿様、殿様~っ」

 

 だから扶桑なら許してくれるって言ったろ?

 ま、良かったな。

 

 

「殿様っ、殿様っ?」

 

 お礼とかいいから。

 とりあえず落ち着け、人の回りをぐるぐるするな。

 

 

 

「殿様?と・の・さ・まっ?」

 

 あー、山城おはよう。眠い……ってまだ空暗いじゃねーか何時に起こしに来てんだお前!?

 

 

「とのさまぁ……っ!」

 

 だぁっ、仕事片付かなくて遅れたのは悪かったって!

 

 

「殿様ぁっ!」

 

 あんまり急かすな、山歩きには付き合ってやってんだから!

 

 

「殿様……?」

 

 ああうん綺麗な景色だねー。むっちゃ疲れたけど。

 

 

 

「殿様!殿様っ?」

 

 毬……というかボール遊び?

 たまに思うんだけど、山城って猫より犬っぽいよな。

 

「殿様!!?」

 

 

 

「殿様」

 

 第三艦隊出撃、旗艦山城。各員奮戦を期待する。

 行ってこい。

 

 

「とのさまぁぁぁああああ~~~~~っ、!!」

 

 おかえり、……ってだから艤装展開したまま跳びつこうとすんなって言ってんだろうがあああああっ!!!

 

 

「………とのさまぁ」

 

 寝言でまでとは家臣の鑑ですな山城殿。

………お疲れ、ゆっくり休めよ。

 

 

 

「殿様?とーのーさーまー?」

 

 ん?ああうん、今日も一日がんば………るのは俺だけでお前は頑張らなくていいや。

 

「殿様ぁぁ!?」

 

 

 

 





 ぐだぐだでおわり。

 あ、一応原作未プレイ組に誤解の無いようお伝えすると、アズレンの山城は別に言語障害患ってるキャラじゃないです。
 ただ殿様連呼して構ってもらいたがるのが可愛いだけの航空戦艦です。


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