【完結】紳士的な異世界はスマートフォンとともに。   作:味音ショユ

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連続更新がここで途切れるとは……。
異世界スマホに疲れたのでちょっと更新を停止します、すぐ戻るかもしれませんが。


召喚、そして白虎。ガチャ1回目でSSRとか廃人に殺されるんじゃないか僕

「闇属性の召喚魔法は、まず魔法陣を描き対象を召喚する事から始めます。何が召喚されるかはランダムで、魔力や術者本人の質などに左右されるとも言われていますが、本当かどうかは分かりません」

 

 銀月の裏側で、ユミナは地面に大きな魔法陣を複雑な紋様を本を片手に描いていく。

 

「そして召喚したものと契約出来れば成功なのですが、契約には相手の条件を飲む必要があります。簡単な物から、不可能としか思えない物まで相手によって違います。ちなみに、私がこの子達と契約した時の条件は、お腹一杯食べさせてくれることでした」

 

 安い条件だな。いや、術者が貧乏ならキツイか?

 と思っていたらいつの間にかユミナは魔法陣を描き終えており、呼び出されていた銀狼の1匹の頭を撫でていた。それは額に十字の模様がある固体だった。それがユミナと契約した銀狼らしい。こないだ呼び出した他の銀狼は契約した狼の配下だとか、やっぱお前ら物見の為に生まれただろ。ちなみに名前はシルバ、まんますぎる。

 上位の魔獣と契約すれば、その配下も使役する事が可能らしい。つまり強いのと契約すれば数の暴力が出来るって事か。

 

「条件が満たされなければ召喚したものは去っていきます。そして同じ人物の元へは二度度と現れません。契約のチャンスは一度だけです」

 

 何か随分リスキーだな、一期一会にも程がある。

 

「というか危険は無いの? 凄いの来たらヤバくない?」

「召喚されたものは契約するまで魔法陣の中から出る事は出来ません。遠距離攻撃も全て魔法陣の障壁が防ぎますし。ただ、召喚者が入る場合は別ですが」

 

 つまりどうあっても危険な目に遭うのは多くて僕1人。ならいいか。

 

「いっちょやってみっか」

 

 完成した魔法陣の前に立ち、闇属性の魔力を集中して魔法陣の中心に集めていく。少しずつ黒い霧が魔法陣内部に充満していく。邪教の儀式にしか見えない。

 すると突然、爆発的な魔力が生まれた。

 

『我を呼び出したのはお前か?』

 

 黒い霧が晴れ、魔法陣の中に1匹の大きな白い虎が現れていた。僕がコイツを召喚した、のか? なかなか鋭い眼光と威圧感だけど、海外旅行中にうっかりマフィアのボスの娘を口説いた時に向けられた殺気に比べればどうってことは無い。遊んでるなこいつ。

 鋭そうな牙と爪、ビリビリとした魔力の波動。ただの虎じゃなさそうだ。

 

「この威圧感、白い虎……。まさか、白帝……!!」

『ほう、我を知っているか』

 

 白帝? は僕の後ろで銀狼に抱きつき、しゃがみこんでいるユミナを睨む。シルバも尻尾を丸めて耳を伏せ、怯えているようだ。

 

「そんな怖い顔で睨むなよ、女の子の扱いを知らない奴だな」

『……お前は平然としているのだな。我の眼力と魔力を浴びて立っていられるとは……。面白い』

「本気でもないくせに……。まあ魔力はともかく眼力ならよく浴びてたからね。というかいい加減その威圧感やめて、僕は良いけどユミナが怖がっている」

『よかろう』

 

 僕が抗議するとユミナとシルバは立ち上がっていて、怯えた様子は見えない。威圧感が消えない所から、どうやら威圧を僕1人に向けているらしい。

 

「で、ユミナ。白帝って?」

「召喚出来るものの中で、最高クラスの4匹、その内の1匹です。西方と大道の守護者にして獣の王、魔獣ではなく神獣です」

 

 さっきまで怯えていたとは思えない程よどみなく答えるユミナ。どうやらメンタルは強いらしい。

 

「それで、どうすれば契約してくれるんだ?」

『……我と契約だと? 随分と舐められたものだな』

「いいからさっさと言ってみろよ」

『ふむ……。随分と機嫌が悪いな、そこの少女を怯えさせたのがそんなに気に食わないか』

「え?」

 

 白帝の言葉に驚くユミナ。しかしそれは一瞬、あっという間にこっちを向いて楽しそうな眼をしている。やめて、僕を安いツンデレキャラみたいにしないで。どうせならベ○ータ位にして。あいつは安くない。

 

「ああ、僕は紳士だからね。美少女と美人を怯えさせる奴は嫌いなんだ」

『その言動が既に紳士では無いと思うが……。まあいい、お前の魔力の質と量を見せてもらおう』

「魔力を?」

『そうだ、我に触れて魔力を注ぎ込め。魔力が枯渇する寸前までだ。最低限の質と量を持っているなら、契約を考えてやろう』

「考えるだけか」

『確約させたければ最低限以上の物を見せる事だな』

 

 フン、と鼻で笑う白帝。ちょっと腹立たしいが、力を見せろというのなら見せてやろう。僕の力じゃないけど。

 とりあえず魔法陣に歩み寄り、手の平で白帝の額に触れる。すると白帝が話しかけてきた。

 

『奇妙だな……。お前からは何か力を感じる。精霊の加護……。いやそれよりも高位の……、何だこれは?』

 

 精霊よりも高位の加護……、神か。

 

「心当たりはあるし、契約した後になら話してあげるよ」

『ふん』

 

 言いたいことを言い終えたらしい白帝が黙ったので、手の平から虎に向けて魔力を流す。

 

『む、何だこれは……。この澄んだ魔力の質は……』

 

 白帝が何か言っている。そういやリンゼもそんな事言ってたっけ。まあいい、大丈夫そうだし一気に流そう。白帝へ流す魔力を一気に増加させる。

 

『ぬうっ! な、何っ!?』

 

 魔力が減ってる感覚が分からない。もっと流す。

 

『ふぐっ、これは……、ちょ、ちょっとま……!』

 

 足りないのか、更に増加。

 

『ま、まって……、これ以上は……、あううっ……!』

 

 まだまだ増加! これが神の力だああああああ!!

 あ、何となく減ってる感じがする。

 

『もう、やめ……お願……!』

「冬夜さん!」

 

 ユミナの声にハッとなって白帝を見ると、身体を痙攣させながら、口から泡を吹いて白目をむいていた。足を震わせながらも何とか立っているが、酔っ払いがかろうじて立っているようにしか見えない。

 慌てて魔力を流すのを止め、手を離すと、白帝は地面に崩れ落ちた。

 

「あれ? また僕なんかやっちゃいました?」

「やりすぎです」

 

 ユミナのツッコミを背に受けながら、とりあえず白帝に回復魔法をかけてあげた。

 すると白帝はヨロヨロと立ち上がり、僕の方へ寄ってくる。

 

『一つ聞きたいのだが、先ほどの魔力量でまだ余裕があったのか?』

「余裕バリバリ、はっきり言って僕の全力はあんまもんじゃない。というかもう回復してる」

『なん……だと……!?』

 

 白帝が驚愕する。成程、魔力の消費を感じなかったのはそれ以上に回復しているからか。これで遠慮なくネタ無属性魔法が使えるね。

 

「それで契約は?」

『……お名前をうかがっても?』

「望月冬夜。冬夜が名前だよ」

 

 いきなり口調を変える白帝に不信感を覚える僕。しかし白帝は頭を下げる。

 

『望月冬夜様。我が主にふさわしきお方とお見受けいたしました。どうか私と主従の契約をお願いいたします』

 

 やったー! 白帝を捕まえたぞ!

 

「契約ってどうするの?」

『私に名前を。それが契約証となり、この世界に私が存在する楔となるでしょう』

 

 名前、ねえ……。これでいいか。

 

「コハク。琥珀でいい?」

『こはく?』

「こう書くんだ」

 

 地面に琥珀、と書いて見せる。

 

「これが虎、これが白。そして横にあるのが王という意味なんだ」

『王の隣に立つ白き虎。まさに私の為にある名前。ありがとうございます、これからは琥珀とお呼び下さい』

「冬夜さん、やっぱり王様に……!」

「なる気はないよ」

 

 危うく言質を取られかけるもとりあえず契約完了。琥珀が魔法陣から歩きだし、こっちにやって来た。

 

「……それにしても凄いです冬夜さん。白帝と契約してしまうなんて……」

『少女よ、もう私は白帝ではない。琥珀と呼んでくれぬか』

「はい、琥珀さん」

 

 茫然と呟くユミナに琥珀が声を掛ける。そのユミナの後ろでは、まだ銀狼のシルバが怯えていたが、琥珀の視線に気付くと逃げるようにユミナの影の中に去っていく。何か今後の出番が心配だ。

 

『主よ、お願いがございます』

「何?」

『私がこちら側に、常に存在することを許可して頂きたいのです』

「どういう意味?」

 

 居たきゃ勝手に居ればいいのに。あ、でもこんなでかい虎が跋扈するのは問題あるか。

 

『通常、術死が呼び出し存在を保つには術死の魔力が必要です。故に存在し続ければ魔力が切れて我らも消える。これが道理。しかし、主の魔力は先程からほとんど減っておりません。これならば、常にこちらに存在していても問題ないかと愚考いたしまして』

 

 まあ、それはいいけどさ……。

 

「それはいいけど、流石にこんな大きい虎が町中に居るのは問題あるなあ……」

「ならば姿を変えましょう」

「え?」

 

 その刹那、琥珀は姿を子供の虎に変化させた。

 大きさは小型犬位。手足が短く太く、尻尾も太い。琥珀ってマスコット枠だったの!?

 

『この姿なら目立たないと思いますが』

「いや目立つよ。でもまあ、いっか」

『ありがとうございます。ではこの姿でぐふっ!?』

「キャ―――っ! 可愛い―――――っ!!」

 

 琥珀に抱き上げ、そのまま抱きしめるユミナ。顔をぐりぐりと押し付け、ジタバタチチタプと琥珀がもがく。ユミナもこうしてみると普通の女の子だな。

 

『ちょ、放せ! 何なんだお主は!?』

「私はユミナ、冬夜さんの妻です」

『主の奥方!?』

「違うよ」

 

 勝手に既成事実を作らないで。

 しばらく琥珀はユミナに撫でられまくり、げんなりしていた。

 琥珀も僕の妻を名乗るユミナに逆らう気が無いのか、なすがままになっていた。

 やがてユミナがもふもふに満足したころ、今度はエルゼ達が現れさっきまでのユミナ状態になってしまった。赤くは無いが3倍である。

 

『あ、主! 何とかして下さい!』

「がんばれ、がんばれ」

『無性に腹立つ!』

 

 あ、敬語取れた。

 やっぱり僕のCVじゃ伊藤ラ○フは無理だったか。

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