【完結】紳士的な異世界はスマートフォンとともに。   作:味音ショユ

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激辛、そして白仮面。信じて下さいこれは尋問です!

 一通りの試し打ちとプログラムによる起動実験を終えた後、ブレードモードでの耐久性を確認した。

 適当に振り回し、思いっきり木に向かって振ると木は一刀両断で斬れた。切れ味は前の刀の比じゃない。

 それから僕らは再び城下町に戻り、ナイフ用の皮鞘3つと、更に大き目の皮鞘1つを購入。それをモデリングで変形させて、銃を収納するホルスターを作った。西部劇でよく見る、ヒップホルスターって奴。

 それと弾丸を入れておく専用のウエストポーチを2つ購入した。とりあえずリンゼにはパラライズを付与したゴム弾を渡しておいた。ぶっちゃけパラライズを付与する必要性がないかもしれないけど、獣人ならゴム弾だけじゃ倒れないかもしれないし。

 あ、今気づいたけど僕がリロードって言ったらリンゼの弾がリロードされるかもしれないな、その逆も然り。という事で改めて2つの銃をプログラムし直した。発言者が所有し、望む弾丸をリロードするようにする。まあ、プログラムの出来る範囲結構広いみたいだしこれでも大丈夫だろう、多分。

 

「せっかく城下町に来たんだから、何か食べていこうか?」

「いいですね。この国の郷土料理を食べてみたいです」

「……確か、カラエという料理が有名です」

 

 カラエか、どんな料理か今一つ分からんな。近くにあった屋台で売っているみたいなので行ってみた。立看板にビーフカラエ、チキンカラエ、カツカラエと色々なメニューが描いている。ん、なんだか知ってる匂いが……。

 ユミナはビーフカラエ、リンゼはチキンカラエ、僕はカツカラエを注文した。

 

〈琥珀は食べる?〉

〈私は遠慮させていただきます〉

 

 という風に琥珀は拒絶。

 屋台横のテーブルに着くと、すぐに注文したメニューが運ばれてきた。

 この見た目、この匂い……。やっぱりカレーじゃないか、これ。え、ご飯なし? 単体で食べるの?

 

「あのさ、これ……」

 

 辛いよ、と伝える間もなく2人はスプーンで掬って口に運んでいた。

 

「「ッ!?」」

 

 2人は口を押さえて立ち上がり、涙目になりながらテーブルにある水差しからコップに水を注ぎ一気に呷る。結構辛かったんだな……。

 僕も一口食べてみるが、予想通り結構辛い。まあ昔食べたキーマカレーよりは辛くなかった。本当に辛い物は最早味じゃなくて痛さしか感じさせないからね。それに比べればなんてことは無い。というか、普通に美味しい。辛ウマだ。

 というか何でカレーが半端に伝わっているんだ。やっぱりこの世界大きな謎があるだろ絶対。

 

「しゅごい味でしゅた……」

「みゃだ、舌がピリピリしまふ……」

 

 呂律が回らなくなる程辛かったかな、あれ。でもベルファストだと甘い物は結構見たけど辛い物って全然なかった気がするな。ホコ○テ星人かな? ……ってあれ?

 そんな事を考えていたら、何か視線を感じたので辺りを見回す。この感じ、前にもあったような……。

 

〈主、何者かがこちらを監視しております。おそらく以前の奴らと同じかと〉

 

 琥珀が念話で僕に話しかけてくる。やっぱりそうか。

 

〈ラングレーの町で僕らを見ていた奴らか……。よし、ちょっと質問してくるよ。どこにいる?〉

〈主から見て右手、一番高い建物の上です〉

 

 気づかれないようにこっそり琥珀の言った場所を見る。3階建ての屋上みたいな所に確かにいるな。結構遠いけど。

 

「リロード」

 

 腰に差した銃剣ブリュンヒルドにゴム弾をセット。

 

「冬夜さん?」

 

 突然リロードした僕に、2人が不思議そうな目で見てくるが、この場じゃ説明は出来ないな。

 

〈琥珀は2人を守ってて〉

〈御意〉

 

 よし行くか。

 

「アクセル」

 

 加速して一気に移動。屋根に跳び、そこから違う屋根へ一気に突き進む。そして謎の監視者が居る建物の上に辿り着く。

 

「オッス、オラ冬夜」

「「!」」

 

 軽く挨拶した僕の来訪に、2人の監視者は多分驚いていた。

 多分というのは、2人とも同じような黒いローブを纏い、僅かに見えたローブの下も黒い服で、なおかつ顔を白い仮面で隠していたからだ。額に奇妙な紋様が描かれており、1人は六角形、もう1人は楕円形の紋様が描かれていた。

 

「さて、何で僕らを監視しているのか聞かせてもらおうかな……っと」

 

 僕が近づくと、突然六角形の方が小さな試験管のような物を取り出し、それを足元に叩きつけた。瞬間、物凄い閃光が辺りを襲う。スタングレネードかよ!?

 

「くそっ……!」

 

 眩しさから回復した眼を開けるとそこにはもう誰も居ない。逃げられたか。でも大丈夫、スマホがあれば追いかけられる。……何て検索すればいいんだ? 仮面の不審者か? あ、引っ掛かった。北の裏路地を逃げているな、まだ追いつける。

 

「アクセルブースト!」

 

 魔法による超加速で屋根の上を駆け抜けて、あっという間に裏路地を逃げていく2人の姿を屋根の上から捉えることが出来た。

 そのまま屋根の上で見張りながら、スマホに手をかざし魔法発動。

 

「エンチャント:マルチプル。パラライズ」

 

 こうして、僕は2人を麻痺させた。

 

 

「さて、どうするかな」

 

 麻痺している2人を、モデリングで変形させたワイヤーで縛り上げて路地裏の壁にもたれかけさせる。仮面を外せば手っ取り早いんだろうけど、顔を見られた瞬間舌噛まれて自殺されても寝覚めが悪いからなあ……。麻痺治したらこのまま尋問しよう。

 

「リカバリー」

 

 柔らかな光が仮面の2人を包む。これで麻痺は消えた事だし、話してくれると楽なんだけど。

 

「さて、君達は何者? 何で僕らを監視していた?」

「「…………」」

 

 黙秘権を行使するとは……。

 と、ワイヤーが食い込んで痛いのか、それとも何かを取り出そうとしているのか六角形の方が身じろぎをした。これ以上抵抗されても面倒だし、用心の為に身体検査しておくか。

 僕は六角形の懐に手を入れた。

 

「ひゃうっ!?」

 

 六角形が可愛らしい声を上げ、僕の手には柔らかな感触が伝わる。これはもしや……、おっぱいか!?

 僕はその感触が本当におっぱいなのか確かめる為、もう1度揉む。間違いないおっぱいだ。しかもこの張りと柔らかさ、ただ者じゃない。

 

「んっ……、やぁ……! あぁん!!」

 

 そして聞こえる喘ぎ声。こんな時になんだけど、下品なんですが思わず勃起しちゃいまして……。ってこの声まさか!? もしそうならこれ以上は拙い!

 僕は慌てて胸から手を離し、六角形の仮面に手をかけ剥ぎ取る。

 するとそこには、顔を赤らめ瞳を少し濡らしながら荒く息をする、ベルファスト王都に居る筈のうちのメイド、ラピスさんの姿があった。

 

「やっば……」

 

 どうしよう、ノリノリでセクハラしちゃったよ……。




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