【完結】紳士的な異世界はスマートフォンとともに。   作:味音ショユ

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初戦闘、そして初報酬。狼に角はデザイン的にド○クエっぽくない?

 リフレットの町から歩いて2時間、僕らは目的地である東の森へ辿り着いた。僕としては馬車にでも乗りたかったが、残念ながら通ることは無くきっかり全部徒歩だった、

 鬱蒼とした森の中へ、注意をしながら僕らは一角狼を探して進む。僕は突然聞こえてくる動物の鳴き声や、小動物の気配にビクビクしながらだったが、段々慣れてきたのか気配が分かるようになってきた。まさかこれも神の力だろうか、だとしたら僕の存在意義って何だ。

 なんて疑問を思う隙も無く、右手前方から敵意を感じた。

 

「気を付けて、あっちから敵意を感じるから」

 

 僕の言葉に2人はすぐ立ち止まる。そして僕が敵意の感じる方向を指差すと、2人は戦闘態勢に入る。それと同時に草陰から黒い影が飛び出し、僕らに襲い掛かってきた。

 

「うおっ!?」

 

 慌てて体を捻り、攻撃を緊急回避。大丈夫、攻撃は見える。灰色の体毛に額から伸びる黒い角。大きさのは大型犬位だが、獰猛さは犬の比じゃない。これが一角狼、この角何のためにあるの? まさかファッションなのか、モンスター界のファッションリーダーなのか?

 という事を考えながら僕が飛び出してきた一角狼と対峙する。

 

「ゲヘヘ、今宵の刀は血に飢えておるぞ」

「今昼よ」

「何ですかそのキャラ……」

 

 僕の発言に姉妹でツッコんでいると、エルゼに向かって2匹目が飛び出してきた。

 エルゼは襲い掛かるそいつに真っ向から立ち向かい、渾身の一撃を一角狼の鼻っ面に叩きこんだ。エルゼの一撃をまともに喰らい、一角狼はその場に倒れた。

 

「凄い、一撃必殺だ!」

「ざっとこんなもんよ!」

 

 僕がエルゼを褒めていると、それを隙と見たのか僕と対峙していた方の一角狼が突撃してきた。

 僕は落ち着いて狼の動きを読み、それに合わせて鞘から刀を抜きだし振るう。これぞ抜刀術。

 

「ヒテンミツルギスタイル、支点を板に吊るしてギリギリ太るカレーセット!」

「何ですかその技名!?」

 

 抜刀では無い技名、しかもかなり懐かしいネタを叫びながら一閃。それにより狼の首が宙を舞い、そして地面に落ちる。

 初めて生き物、いやゴキブリとかは殺したけどそういうあれではなく刀で斬ったこの重みが少し気持ち悪い。だがそんなことは敵にとっては何の関係も無い、新手が4匹現れ、そのうち2匹がこっちに向かってきた。

 

「炎よ来たれ、赤の飛礫、イグニスファイア」

 

 リンゼのその声が聞こえたと同時に、僕に襲い掛かってきた狼の1匹が炎に包まれて火達磨になる。援護してくれたのか!

 

「ありがとうリンゼ!」

「お礼の前に残りを倒してください!」

 

 それもそうだ、僕は飛びかかってきたもう1匹に刀を振るう。

 

「切なさ乱れ討ち!」

 

 今度は3撃で狼を殺す。3度に分散させてもこの重みは変わりはしないな。

 エルゼの方を見ると、狼の腹に回し蹴りを叩きこみ、その横で最後の1匹がまた炎に焼かれている。

 

「ふう、片付いたわね」

「依頼は5匹だけど、1匹多くなっちゃったね」

「それは悪いことじゃありませんよ」

 

 そう言いながら僕たちは狼の角を切り取る。6匹分は分担すればそれほど大した作業では無いね。うん、初めての戦闘にしてはいい戦果だと思う。あ、初めては僕だけだった、戦闘童貞卒業したの僕だけだった。そして角をポーチに入れていき、森を出る。これをギルドに提出すればクエスト完了だ。

 森を抜けると帰りは運よく馬車が通りかかったので、乗せてもらえた。ありがたい。

 そしてギルドに角5本を提出、残り1本は僕が念のために武器としてもっておこう。使えるかもしれない。

 

「はい、確かに一角狼の角5本を受け取りました。ではギルドカードの提出をお願いします」

 

 僕らがカードを差し出すと受付の人はその上にハンコの様な物を押し付ける。すると一瞬だけ魔法陣のようなマークが浮かんだと思ったが消えた。なんじゃらほい。

 

「それではこちらが報酬の銅貨18枚です。これにて依頼完了です、お疲れ様でした」

 

 お姉さんから報酬を受け取ると、僕らは早速3等分で分ける。銅貨6枚、3日分の宿代か。まあまあかな。

 

「ねえねえ、初依頼成功を祝ってどこかで食事していきましょうよ」

 

 ギルドを出るとエルゼがそう言った。お昼抜きでお腹すいたから僕は賛成、リンゼも賛成した。

 僕らは町中の喫茶店に入る。僕はホットサンドとミルク、エルゼはミートパイとオレンジジュース、リンゼはパンケーキと紅茶を頼む。

 店員さんがそれらを持ってきて下がると、僕らは話し出した。

 

「それじゃ依頼も終わったことだし、宿に戻ったら冬夜に文字を教えてあげましょうか」

「あ、それなんだけどもう1つ頼んでいい?」

「何ですか?」

 

 僕の言葉に疑問を呈すリンゼ。僕はその問いに即答した。

 

「ついでと言ったらあれだけど、魔法も一緒に教えてくれないかな。僕も使いたいん

だ」

 

 魔法、それは勇気の証。魔法、それは未知への冒険。僕も使ってみたい!

 

「「え?」」

 

 何かハモってる!? また僕なんかやっちゃいました?

 

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