不思議な星の輝きを貴方は見つめる事が出来るか。   作:泡 沫

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1.早朝の特訓。

♪…

 

 

「朝食の鐘が鳴ったな。今朝はここまでだな。」

 

ハロスは膝をつくアイズに向けて朝の特訓の終了を伝える。

周りも次々と特訓を切り上げシャワーを浴び、朝食を食べる為に館の中に入っていく。

 

 

しかし、

「....まだもう少しだけ。」

それに対しアイズはごねる。

まだやりたい。

まだ一太刀も反撃できてない

まだまだ!!

と目で訴える。

 

アイズにとって強さを追い求める事は何より大事なのだ。それこそ朝食なんかよりも。

 

 

しかし、ロキファミリアの約束事としてご飯は皆で食べる決まりがある。

それをハロスは大いに賛成していた。

この世の中は命が軽い。

昨日言葉を交わした相手が今日いるとは限らない。ましてやダンジョンに潜る探索系のファミリアなら尚更だ。そしてそれは都市最大派閥のロキファミリアとて例外ではない。

だから....とまぁそんな気持ちもないわけではないが、それが全てでは後ろ向きな感情すぎる。

ハロスは単純に飯は大勢で食べた方が美味い!

と思っているのだ。

 

でも目の前の少女は食事より特訓なのだ。

 

ハロスはアイズを見てため息を一つ吐き、

 

「フィンとリヴェリアに怒られるぞ。幹部が規則を乱していては示しがつかない。ってな。

それに食事は皆で食べた方が美味いぞ。」

 

アイズの目に動揺が生まれる。

幹部としての立場より、リヴェリアに叱られる事に怯えてるな。とハロスは思う。

 

しかしアイズはそれでも!!と強い眼差しを向けてくる。

 

ハロスは仕方ないと肩を竦め、

 

「ラウル、フィンとリヴェリアに上手く言い訳しといてくれ。」

と1人の青年に声をかける。

 

 

「そりゃないっすよー。俺、とばっちりじゃないっすかー。団長達に怒られるの勘弁っすー。」

ラウルは遠回しに断ろうとするが、

 

「頼んだぞ。ラウル。俺とアイズが今日朝食に有り付けるかはお前の努力次第だ。そして朝食は1日の活力だ。つまり今日、俺とアイズが無事に一日を過ごせるかは全てお前にかかっている。」

 

ハロスは認めない。

 

「無駄に責任重大じゃないっすかー。泣」

 

とラウルはハロスの言葉に負けて、フィン達の元へ向かう為に大急ぎで館の中へ入って行く。

 

 

ハロスはそんなラウルの姿を眺めた後、

「とりあえずはラウルに任せとけばいいだろ。でも、あと一戦だけだからな。」

とアイズに向けてラスト一戦の旨を伝える。

 

「....ありがとう。」

 

「感謝はラウルに伝えとけ。同時に謝罪もな。」

 

短い言葉だけを交わした後2人は向かい合い、そして高々と剣戟の音を再び響かせはじめる。

 

 

---

 

30分後。

 

館の廊下を2人が走る姿があった。

 

「やばいな。もう少し早く終わらせる筈だったのに。」

ハロスは予想以上に特訓が長引いた事に少し焦っていた。

 

「....何度も同じ攻撃は受けない。私の努力の賜物。」何故か胸を張るアイズ。

 

アイズは満足なのだろう。

徐々にハロスの攻撃に対応出来る様になって成長出来てると実感しているのだろう。

それでも結局一太刀も反撃は出来なかったが。

 

ハロスはその姿に苦笑し、この後の事を考えていた。

 

そう。朝食の行方である。

 

-ギィ。

 

食堂の扉を気持ちゆっくりと開き、中の様子を伺う。

 

まだ食事をしている者が大半であるが、既に用事の為に早めに食事を切り上げている者もいる為、空席も幾つかあった。

 

そして、フィンとリヴェリアの席は....

とハロスが目線を動かした時、

 

「...ハロス。」

 

後ろからアイズに呼ばれた。

 

「待て。今は最優先で確認せねばならん事がある。」

 

ハロスはアイズの声にそう応える。

 

しかし、アイズは

「...ねぇ。ハロス。」

再び声をかける。肩を掴むおまけ付きで。

 

「一体 なんだ!?」

 

とハロスは怪訝な顔でアイズに振り向く。

 

そしてさらにその背後を見た。

 

 

「やぁ。ハロスにアイズ。随分と遅かったね。僕はもう食べ終わってしまったよ。僕達を納得させられる言い訳でも考えていたのかな?」

 

「幹部2人揃って規則破りか。これは厳しい罰を与えねばならないな。」

 

笑顔なのに目元は笑っていない団長と副団長がそこにいた。

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