VAADIKUTO   作:エグ・エルード

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第0話 親父黙れッッ!!

 VAADIKUO(ヴァーディクト)

日本のとある無名のゲーム会社同士が、その存続を掛け一世一代の大計画の末、成功を収めた作品だ。

その知名度と人気は、世界中に名を轟かせ、≪世界で最も普及しているバーチャルゲーム≫として、ありとあらゆる記事・雑誌を彩った。

 

このゲームの特徴は、世界初のバーチャルシステム前提のゲームである事と、ハードinソフト型にする事で従来のゲーム機と同様に、他社のタイトルが参戦し易くした上で、ハード対応作品のハード使用料を計画を実行した各社による『企業連合体』によって徴収する事で、莫大な富を築き上げ、その資金を活用して、非常に地味な超頻繁なアップデートにより、現実世界との極々些細な部分迄もが、現実世界と殆どと言って良い程、同一の物理法則を有しているのだ。

 

その一方で、タイトルの醍醐味である――――――――――

 

   ロボットのデザイン

   ロボットの改造、チューンアップ

   ロボットのパーツの作成、売買

 

                       ―――――――と言った点が、人気を博している。

 

 ロボット物として、世界初の試みである。

実際に人型戦闘ロボに乗って、そして操縦出来ると言う浪漫は、全世界の野郎共を虜にした。

 

最も、その一方で仕事を放り投げるサラリーマンや軍人が大続出し、一部のメディアと他国籍在住の『言っている事が理解不能な人達』に総叩きされたが、相手が全世界のファンだった上に、既に同胞達ですら、その魅力に魅了されて居た為、その話題は盛り上がる一歩手前で掻き消えてしまったと言う、ある種の裏話もあるが。

 

 

 さて、今日はVAADIKUO(ヴァーディクト)の発売日だ。

龍禅(りゅうぜん) 総十郎(そうじゅうろう)と言う大学生と、その父である善十郎(ぜんじゅうろう)、総十郎の幼馴染にして、善十郎に「息子を宜しく頼む」と、夏祭りの翌日の朝に両肩を掴まれて言われた、日向(ひゅうが) (あおい)の三人である。

 

元は善十郎がゲーム開発者の友人だった為、龍禅家に逸早く情報が伝わった事から始まる。

特に善十郎は、テストプレイヤー集めの際、余りにも気合を入れ過ぎたので同僚や総十郎から引き攣った苦笑を浮かべられていたが。

 

 海外で実験的に先行発売された事もあって、置いてけぼりを喰らった日本人は、海外版を購入、大手動画サイトで自慢しまくり始めていた。

善十郎は、それを見て悪代官の様に笑いながら、何時もPCに向かって言っていた。

 

「貴様等のやっている、そ れ(・ ・)は完成品では無い」…と。

 

正直気持ち悪さや不気味さ以上に、会社で部下を率いるカリスマモードがオーラを放って居た為、総十郎は実の父を「絶対悪魔だ」と言ってしまった程である。

 

 年の終わりが近づく十月の初め、龍禅家に閃光注文(誤字にあらず)されていた数が揃う形で、ハードとソフトが宅配便でやって来た。

 

 葵が巻き込まれたのは、善十郎曰く「夫が新たな世界へ挑戦するのだから妻も同行しなければなァ!?」だそうだ。

日向一族全員が巻き込まれそうになったのは言う迄もない(オーラがやば過ぎて文句を言えない)。

 

しかし其処は、勇者(少なくとも日向一族に取っては)である総十郎の、聖剣エクスカリバー…ではないが、実際家宝であるムーンライトソードと呼ばれる、偶然にも某ゲーム会社のゲームに必ず、登場している武器と同じ名前であり、性質も同じとしか言いようのない魔剣だったが。

 

 因みに明治時代中期に開発が開始され、平成9年に漸く完成した下手をすると斬撃が十数メートル迄ダムを破壊出来る威力で飛ばされる為、力加減には細心の注意が必要な魔剣だったりする。

 

 

 それは閑話休題として、兎も角数は揃った。

 

「さぁて、今開かん異界への扉ァアアアア!!」

 「………親父のテンションを誰か止めてくれ」

 

 椅子に座って、頭には専用のヘルメットを装着する。

そんな状態でハードを起動、スイッチを押すと…………―――――――――――――――――――――

 

 

 

―――………一瞬、気絶したかの様な感覚の後、荒野が広がっていた。

 

 「息子よ、此処は何処だ?」

「荒野だろ、見りゃ一発だろうが」

 

「…その荒野とは…何処だ、何処の荒野だ?」

「そりゃ知らん」

 

「…ロボットは何処だ?」

「愛機を探し当てるのが第一歩じゃね?」

 

「……………………。

ちょっと待て、奴の話では荒野から始まるなんて…。

だ、大体儂等がテストした時は、こんな始まり方では無かったぞ!?

 

 …ネットに繋いでから再起動した筈だ。

他のプレイヤーが居らんではないか!?」

「そりゃあ…此処が練習用のステージとか…じゃね?」

 

 受け答えをする内に、段々と善十郎が落ち込み………

 

「何故だァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッッッ!!!!!!!!!」

 

…怒りを大噴火させた。

 

 「親父、キレんなよ。

後怒りのオーラで地面を抉んな。

 

 …ギャグ漫画じゃないのに、何で地面が抉れてんだよ。

現実世界と物理法則一緒じゃねェのかよ、意味不明も限度があるだろうが…」

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