幕間の余白   作:シベリアンハスキー

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長良:初恋はカフェオレとともに

俺には幼馴染がいる、そもそも幼馴染の定義と答えられないから恐らく言ったもの勝ちだろう

 

俺の家族は母方の祖父の家業である農業を継ぐと言って僕が物心着くかつかないかの頃に田舎へ引っ越した

 

あとから知った話だが、母さんも父さんも元々田舎へ引っ越すことは決めていたそうな

 

そしてこれは俺の幼馴染との話だ

 

一つ年上の彼女は俗に言う世話焼きな方で、初めてあった時も彼女の方が先に自己紹介を済ませて、僕の手を引きお気に入りの場所に連れていってくれた

 

彼女は

「ここがあてのお気に入りの場所なの!」

と言って少し小高い丘に登り、青々とした田んぼに割りと近くにある裏山と、説明しながら見せてくれた

 

俺は彼女を長良ねぇと姉のように慕っていた、初めてそう呼んだ時はえへへ、と照れたように笑っていた

 

それが田舎へ越してからの最初の記憶だ

 

彼女がそれを覚えているかはともかく俺は未だに覚えている

 

そんな俺らも小学校、中学校、高校と成長した

彼女は高校2年生、俺は高校1年、中学校からは町の中学校に毎日バスで通っていた

 

俺も彼女も部活はしておらず、終バスも早い時間に出るということで基本的に直帰、何らかの用事が出来たなら連絡を入れると言ったように話をつけている

 

だけどアイツから連絡が来ない、待ち合わせの食堂前にも来ない、俺は時間を潰すためにフルーツオレのパックを買って待つ

 

パック中身もそこそこ減った頃に先輩っぽい一団が通り過ぎた、話を盗み聞きする限りアイツに先輩の誰かが告白するらしい

 

俺はそれを聞いてアイツもモテるのかなという気持ちとかが渦巻いてモヤッとした

 

パックの中身が無くなる頃にアイツがパタパタと小走りで来る

 

アイツは

「ごめんね、待たせたね」

と申し訳なさそうに目を伏せる

 

俺は告白されたんだって?と聞いた、つい数瞬前はさっさと帰るか、と声をかけるつもりだった

 

アイツは悲しそうに

「あて、からかわれてるのかな…?」

と俯く、俺は彼女に声をかけられなかった

 

気づけば彼女より伸びていた身長のせいか彼女が酷く小さく、守ってあげたく見えた

長良:初恋はカフェ・オ・レと共に

 

俺には幼馴染がいる、そもそも幼馴染の定義と答えられないから恐らく言ったもの勝ちだろう

 

俺の家族は母方の祖父の家業である農業を継ぐと言って僕が物心着くかつかないかの頃に田舎へ引っ越した

 

あとから知った話だが、母さんも父さんも元々田舎へ引っ越すことは決めていたそうな

 

そしてこれは俺の幼馴染との話だ

 

一つ年上の彼女は俗に言う世話焼きな方で、初めてあった時も彼女の方が先に自己紹介を済ませて、僕の手を引きお気に入りの場所に連れていってくれた

 

彼女は

「ここがあてのお気に入りの場所なの!」

と言って少し小高い丘に登り、青々とした田んぼに割りと近くにある裏山と、説明しながら見せてくれた

 

俺は彼女を長良ねぇと姉のように慕っていた、初めてそう呼んだ時はえへへ、と照れたように笑っていた

 

それが田舎へ越してからの最初の記憶だ

 

彼女がそれを覚えているかはともかく俺は未だに覚えている

 

そんな俺らも小学校、中学校、高校と成長した

彼女は高校2年生、俺は高校1年、中学校からは町の中学校に毎日バスで通っていた

 

俺も彼女も部活はしておらず、終バスも早い時間に出るということで基本的に直帰、何らかの用事が出来たなら連絡を入れると言ったように話をつけている

 

だけどアイツから連絡が来ない、待ち合わせの食堂前にも来ない、俺は時間を潰すためにフルーツオレのパックを買って待つ

 

パック中身もそこそこ減った頃に先輩っぽい一団が通り過ぎた、話を盗み聞きする限りアイツに先輩の誰かが告白するらしい

 

俺はそれを聞いてアイツもモテるのかなという気持ちとかが渦巻いてモヤッとした

 

パックの中身が無くなる頃にアイツがパタパタと小走りで来る

 

アイツは

「ごめんね、待たせたね」

と申し訳なさそうに目を伏せる

 

俺は告白されたんだって?と聞いた、つい数瞬前はさっさと帰るか、と声をかけるつもりだった

 

アイツは悲しそうに

「あて、からかわれてるのかな…?」

と俯く、俺は彼女に声をかけられなかった

 

気づけば彼女より伸びていた身長のせいか彼女が酷く小さく、守ってあげたく見えた

 

俺は彼女を少しカフェにでも行かないか、と誘った

彼女は何故かわからないと言った顔をして、次に携帯で時間を確認して、了承した

 

彼女は

「それにしても、また急にどうしたの」

とふにゃふにゃ笑ながらメニューを見る

 

あれも美味しそう、これも食べてみたいと選ぶ彼女を見ていると、初めてのことではないのに、ふわふわと幸福感が出てくる

 

とりあえず俺はアメリカンをブラックで頼む、彼女はカフェ・オ・レを頼む

 

頼んだ品がそれぞれ届き、口をつける、外は木枯らしが走る音がする、暖かいコーヒーは体が温まるのを感じる

 

彼女が

「これ美味しいよー、飲んでみるー?」

と間延びした声で聞く

 

俺は味が気になり貰う、と言って一口

 

彼女は

「これもらうねー」

と俺のブラックを持って行って一口

 

カフェ・オ・レは少し甘く、口当たりも柔らかで美味しかった、対称に彼女は苦いと言った顔をしている

 

彼女がふと

「これって、間接キスって言われるやつよね」

ポツリと零した

 

彼女は自分の零した言葉に気がついたのか何でもない、と俯きちびりちびりとカフェ・オ・レを飲む

 

彼女が俺のことを意識してるのが嬉しくて、緩む口元をカップで隠す

 

お手洗いついでに二人分の会計を済ませておく、その時マスターが

「彼女、大切にしなよ」

と店のクーポンを渡してくれた

 

席に戻り彼女の前に座ると

 

彼女が

「いつか、好きな人が出来るやね」

とこちらを見ながら言う

 

俺はそうじゃない?と曖昧に濁す

 

姉のような幼馴染は俺の中でただの幼馴染から一人の女性へと変わった

 

それからというもの俺は彼女の一挙一動を気にかけるようになった

 

彼女は

「最近、よくあてと目が合うね」

と嬉しそうにする

 

初恋は叶わない恋だというけれど、俺は幼馴染のアイツが好きだ

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