幕間の余白   作:シベリアンハスキー

4 / 4
いわゆる後編じゃ


エンタープライズ:これからと

秋の残り香も薄れてきた近頃、僕は彼女と昼食を共にとる間柄へと進展した

 

周りは付き合っているんじゃないか?と怪しむけれど僕は決まって付き合う彼女が今までいたことが無いようなやつだぞ?と返す

 

彼女の方も同じらしく彼氏とはどうなの?とよく聞かれるらしい、彼女は苦笑しながら新鮮な気持ちを味わえるよと言った

 

寒くなりはじめた気温に彼女はマフラーで対抗するようだ、もうそんな季節かと僕が言うとスカートは寒くてねと

 

僕はそんなもんかと言うと彼女もそんなもんさと返す

 

彼女が駅で別々のホームに消える前、僕に連絡先の交換をしないかと提案する

 

少し躊躇いのあった彼女がどこか可笑しくて、僕は口元が緩みながら良いよ、と連絡先を渡す

 

寒さからか少しだけ紅潮した頬で笑うなよ、とむくれる彼女にじゃあなと声をかけて先にホームに降りる

 

彼女から最初に届いた言葉は"あの言葉は忘れてくれ、また明日"と彼女らしい簡潔な文で好感が持てる

 

この微温湯のような関係が春の足音どころか春が来るまでずるずると続き、ゴールデンウィークの頃に

 

彼女から

「あの、だな…今度の休みなんだが」

と声をかけられ

 

僕は先回りするように空いてるよと答える出鼻をくじかれた彼女は片頬を膨らまし抗議する

 

僕はそんなものどこ吹く風と言わんばかりにいつにする?と先を促す

 

観念したのか日取りを指定してくるその日は暇だろうから彼女に付き合う事にする、そのことを伝えると

 

彼女は

「なにか、上から目線な気がして不服だ」

とむくれる

 

僕はあははと笑いながら昼を食べきってじゃあ授業頑張りたまえと次の教室へ向かう

 

トークアプリに最新の通知が届く、開いてみると彼女から覚えてろとの言葉

 

普段通りじゃあ、と言って別れるところで不意に彼女が

「楽しみに、してる」

と裾を掴みながら俯きつつ話す

 

僕はそっかと言い降りていく、緩んだ頬があまり見られたくないからだ

 

当日、僕はあまり待たせてはなるまいと待ち合わせの20分程早く待ち合わせ場所に来た、どうせ早すぎても近場に何かしらあるだろうと待つ

 

待ち合わせに少しだけ遅れるとの通知が届く

 

僕は彼女も遅刻するのか、と納得する

 

待ち合わせより10分ほど遅れた彼女は白いノースリーブのシャツに膝より8cmほど上の黒のスカート、そして薄い黒のカーディガン、黒のロングブーツと彼女の白髪を含め、いいコントラストになっている

 

すまない、と一言謝るが、俺も大して待っていないので構わないと言う

 

行こうか、と言う彼女を見て気がついたが、薄く化粧を施して、普段はしていないイヤリングをしている

 

イヤリング似合ってるねと彼女を褒め、彼女の手をとる

 

彼女とはショッピングモールを歩いた、僕も彼女もファッションにそこまで明るくなく、とりあえずと言った具合で店内を一週して出る

 

彼女は

「この服や化粧も姉や妹に殆ど見てもらったし、私といてもつまらないだろう?」

と目を伏せる

 

僕は君といると退屈しないよと笑う

 

彼女はそうか、と笑う

 

その後映画を見て、名の売れてないような呉服屋を冷やかして楽しんだ

 

日もくれて空が朱く染まる

 

じゃあ、と別れる前に彼女が裾を掴む

 

彼女は

「恥ずかしいけど、伝えておきたいから」

と前置きをして

 

 

「好きです、前から」

 

 

と

 

僕は、それに対して僕は、僕で良ければ、と返す

 

彼女はそれを聞いて、前と同じくよろしく、と笑う

 

そうだ、僕は前から君の笑顔が、少し抜けているところが好きなのだ

 

だから僕は彼女に向かって伝える

 

「これからも、よろしく」と

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
点
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。