※急いで書いたので意味不明な内容になっているかもしれません。後ほど修正させて頂きます。
ドーバー海峡上空を二つの影が並んで飛行している。鳥や航空機とはまったく異なる脚部が膨れ上がったような外見をした人型の飛行体。そんな珍重なシルエットをした存在は、一部のネウロイ以外ではこの世に一つだけ。飛行用ストライカーユニットを装備した航空歩兵――軍に所属する航空ウィッチないしウィザードである。
「今日は快晴だな」
哨戒飛行中のウィザード――扶桑皇国海軍遣欧艦隊の宮藤優人大尉は何気無しに呟く。
それは独り言のようで、実は空へ上がってから無言を貫いている僚機――リベリオン陸軍第8航空軍のフランシー・ジェラート少尉へ向けられたものだった。
「…………」
相も変わらず、フランは黙ったままで何の反応も示さない。彼女の視線は進行方向のみを注視し、優人には一瞥もくれようとはしない。
優人は「やれやれ」と肩を竦める。よもや、ここまでとは。芳佳が501に来る以前のペリーヌやバルクホルンにでさえ、ここまで拒絶されたことはない。
(何でコイツと……別に他の誰かだって……)
フランは苛立ちに満ちた心中で不平を漏らす。怪我をしたウィルマの代わりということならば、何も優人である必要はない。角丸やラウラ、アメリーの内の誰かでも問題はないはずだ。
フランとしては事故にしろ、意図的にしろ。自分の裸をバッチリと見た男と二人きりなどという状況は耐え難かった。彼女に限らず、まともな感性を持った女性なら皆そうだろう。
同じ目に合いながらも、優人に対して好意的に接しているウィルマやアメリー(アメリーに関しては、懐いているという表現が正しい)の方がおかしいのではないか、とフランは思う。
(……裸…………あっ!?)
不意に顔がカッと熱くなり、フランは赤面する。風呂場での記憶を思い起こして、怒りがぶり返したからではない。
あの時。フラン達よりも先に風呂に入っていたため、当然優人も裸であった。優人がウィッチ3名の美しい肢体を瞳に映したのと同時に、フランもまた自らの双眸で彼の裸体を捉えていた。“見られた”ことに気を取られ、“見た”ことを失念していた。
長年の軍隊生活で鍛え上げ、無駄な贅肉も無く引き締まった異性の――優人の身体が脳裏に浮かび上がる。蘇った記憶に羞恥心を刺激され、フランの心に動揺の波を立ち始める。
「フラン?」
「ひゃあぁっ!?」
突然耳朶を打った声に驚いたフランは、可愛らしい悲鳴を発すると共にビクッと両肩を跳ね上げる。
「どうした?顔が赤いな」
いつの間にか優人がすぐ隣まで近付いていた。彼は心配そうにフランの顔を覗き込み、彼女の額へスッと左手を伸ばそうとする。
「な、何でもないわよ!!」
フランはブンブンと右手を振り回し、優人の手を乱暴に追い払う。
「けど、顔が真っ赤だぞ?熱でもあるんじゃ――」
「あ、あたしは元々こういう顔よ!別にアンタの裸を思い出したからじゃ――」
「えっ?」
「……あっ…………」
優人に聞き返され、自分の失言に気付いたフランは最後に「とにかく何でもないのっ!!」と一言怒鳴り、逃げるようにして優人から距離を取った。
フランの言動に優人が首を傾げていると、二人のインカムに通信が入る。それはワイト島から発信されたものだった。
『宮藤大尉、フラン。聞こえますか?』
「角丸か?どうした?」
どころか緊急を孕んだ角丸の声に優人が訊き返す。
『緊急事態です!小型ネウロイの編隊が、そちらに向かっています!』
「…………」
ネウロイ出現の報告にフランは無言のまま表情を強張らせる。角丸はさらに詳細を伝えてきた。
数十分程前、小型ネウロイの大群がロンドンへ向けて侵攻。第11統合戦闘飛行隊――『グローリアスウィッチーズ』がすぐさま出撃・応戦し、ネウロイのロンドン侵入を阻むことに成功したが、半数のネウロイを南東部へ取り逃がしてしまう。
残存ネウロイの大部分は501基地方面へ向かったが、何体かはワイト島方面へも逃げ込んできたらしい。
「わかった、こっちで対応する」
『私もラウラとアメリーを連れて急ぎそちらに向かいます。どうか無茶だけはなさらないで下さい』
「了解した、隊長殿」
そう言って優人は通信を切ると、顔を上げて進行方向へ視線を戻す。すると、狙い済ましたかのように無数のネウロイが遠方で漂う雲の中から姿を現した。
角丸の報告にあった通り、すべて小型ネウロイであった。数は視認出来る限りで50機前後。
群れを成した多数の小型ネウロイは、螺旋を描くようにして優人とフランの元へ接近してくる。
(来たか……)
と心の中で独語し、優人は背負っていた九九式二号二型改13mm機関銃を手に取る。彼に続いて、フランも装備していたリベリオン製のM1A1トンプソン短機関銃を構えた。
フランのM1A1は、短機関銃の通例に漏れず拳銃用の45ACP弾を使用するため、重機関銃用の12.7x99mm弾を使用する13mm機関銃と比べて火力面で大幅に劣っている。だが、耐久力の低い小型ネウロイ相手ならば然したる問題は無い。問題なのはむしろ敵の数だ。
優人はともかく、フランはまだまだ航空歩兵としての経験が浅く、当然技量面でも501の精鋭達からすれば数段落ちる。ワイト島分遣隊の戦闘頻度の少なさから察するに多数の敵機を相手したことなど無いはずだ。包囲されでもすれば一巻の終わりだろう。
(まずは先制攻撃で数を減らすか……)
優人は13mm機関銃を構え、安全装置を外す。
「フラン、まずは射撃で――」
敵集団の先方に狙点を定めつつ、優人はロッテの長機として僚機に指示を出す。が、彼の言葉は二人の間を通り抜けた一条の熱線によって遮られた。
「なにっ!?」
優人は思わず目を見張った。自分達へ向けて放たれた熱線の正体は言わずと知れたネウロイのビームである。しかし、その威力は小型のそれにしては強大で、明らかに中型ネウロイ級のものだ。
新手が出現したのかと思い、優人は改めてネウロイ群へ視線を向ける。だが、前方に確認出来るのは小型ネウロイばかりだった。「どういうことだ!?」という疑問を優人が己の口から吐き出すよりも先に、速度を増した小型ネウロイの編隊が彼とフランに躍りかかった。
二人の眼前に迫るキューブ状の小型ネウロイ。それぞれが俊敏に動き回り、移動砲台のように多方向からビームを撃ってくる。
素早く身を翻した優人は、自分の身を貫かんとする無数の光条を軽々と躱して見せた。“ストライカーユニットの父”と渾名される父――宮藤一郎が設計した零式の運動性は伊達ではない。
「こいつらはっ……!?」
回避を続けながら優人は上下左右に視線を動かし、敵を観察する。彼は、このタイプのネウロイに覚えがあった。
501によってガリアが解放される少し前。パ・ド・カレーでミーナが想い人の遺してくれたワインレッドのドレスを見つけ、戦地へ赴く予定であった扶桑海軍の航空母艦『赤城』の乗員達のためにドレスを着た彼女を歌姫とした簡素なコンサートを催した日があった。
目の前にいるネウロイは、その日の昼間に戦ったネウロイと極めて外見が酷似している。
おそらくは同型の別個体なのだろうが、以前戦った個体に比べて動きにキレがある。また、以前の個体が基本的に数に物を言わせたゴリ押しだったのに対し、こちらは4体1組の隊形を取って波状攻撃を繰り返したり、優人に撃たれて撃破されかけた個体がいれば他の個体がビームを放って彼を牽制したり、と連携が見られる。
(厄介だ……)
優人は軽く舌を打つと、フランを探した。高出力ビームの初撃によって彼女と分断されてしまったが、まだそんな遠くには行っていないはずだ。
「いたっ!」
僚機の姿を認めると共に、優人を短く声を上げた。フランは10体ほどの小型ネウロイと交戦している。
目立った負傷はしておらず、ストライカーユニットにも被弾していない。一先ず優人はホッと胸を撫で下ろした。
『このっ!このっ!このおおおおぉ~!!』
インカムに声が届いた。喉から気合いと苛立ちを湛えた叫び声を迸らせ、フランはトンプソンを乱射する。しかし、どうも彼女は射撃が不得手らしい。俊敏に動き回る小型ネウロイにはさっぱり当たらず、銃口より迸り出る銃弾は蒼穹の彼方へ消えていった。
(フラン……無駄弾が多過ぎる。そんな戦い方を続けていたら……)
優人はフランに注意を向けながらも、既にネウロイを4体程撃破していた。彼女に優人の状況まで把握する余裕はないが、もし知っていたら実力の差を見せつけられ、悔しそうに奥歯を噛み締めていたことだろう。
すぐにでもフランの援護に行きたいところだが、ネウロイの波状攻撃に阻まれてしまっている。
ネウロイによる戦術レベルの攻撃。今までなら考えられなかった。ウィッチ隊の対大型ネウロイ戦術に似ているが、いつぞやの人型と同じく、航空歩兵の動きを模倣しているのだろう。
優人のようなエース級の航空歩兵でなければ、ろくに反撃も出来ず、ネウロイ側の攻撃に翻弄されっぱなしだったかもしれない。
『待ちなさいよ!コラァ~!』
フランと交戦中のネウロイが彼女を誘うような動きで、距離を取っていく。そしてフランは、その性格故にまんまと誘いに乗ってしまい、ネウロイを追って遠くへと離れていく。優人の位置からでは、視認が出来なくなるほど遠くへ……。
「フラン!罠だ!行くな!」
そう叫んでフランの元へ駆けつけようとする優人に、なおも無数の敵弾が殺到する。縦横無尽に純白の第一種軍装を纏った扶桑の航空歩兵へと襲いかかった。
妨害を受けて険しくなった優人の瞳が、周囲を飛び交うすべての正六面体を撫でた。
それと同時に、4体のネウロイが優人の正面で格子状の陣形を作り出す。その中央に形成された赤い光球が、優人に向けて放たれる。それは最初に優人達を襲った高出力ビームだった。そして小型ネウロイは、4体で一つの砲塔を形成し、互いに補い合うことで攻撃力を底上げしたのだった。
「くっ!?」
咄嗟にシールドを展開し、優人は己の身を守った。だが、いつまでも動きを止めはしない。すぐにシールドを解除すると、簡易砲塔を形成するため一ヵ所に集まったネウロイに銃弾を浴びせる。4体のネウロイは、水蒸気のような煙を撒き散らし、微細な金属片となって蒼穹に散っていった。
「同じ手は食わないさ」
優人はペロリと唇を舐めた。だが、まだ終わりではない。まだネウロイは残っている。それらすべてを叩かねばフランの元へは行けない。
「悪いが、お前らの相手をしている余裕はない」
そう呟く優人の身体からは、魔法力から変換された強力な冷気が発せられていた。
◇ ◇ ◇
「逃げるな!待ちなさい!待ちなさい、ったら!」
トンプソンで弾をばら蒔きながら、フランは怒声を飛ばし続けた。しかし、追撃している10体の小型ネウロイは鉄の雨を易々と躱し、掠りすらしない。そのことが、フランをますます苛立たせる。
弾を撃ち尽くして空になったマガジンを捨て、予備の弾倉を装填する。その隙にネウロイは速度を上げ、フランから距離を取っていた。
「待ちなさい、って……言ってんでしょう!」
フランはネウロイに追い付くため、自身の固有魔法『短距離加速』を発動させる。
この固有魔法は、シャーリーの『加速』とは違い加速を維持出来る時間が短いものの、瞬間的に爆発的な推進力を得られる。また小回りが利くため、より戦闘向きと言える。
「――っ!?」
固有魔法を駆使してネウロイに追い付いたフランだが、同時に彼女の表情は一瞬で凍りついてしまう。周囲の雲の中より多数の小型ネウロイが現れ、『短距離加速』を終えたばかりのフランを瞬く間に包囲したのだ。
すべての個体が彼女に砲口を向けながら少しずつ距離を縮めている。死が無音で歩み寄るかのように……。
「あ……ああ……」
真っ白になりかけた思考でフランは朧気ながら理解していた。狩る側だと思っていた自分が、狩られる側だったということを……。挑発に乗ってしまい、まんまと罠にかけられたのだということを……。
彼女の命は文字通り敵に手のうちに握られている。しかし、フランは諦めなかった。勇気を震い立たせ、一番近くにいる敵機へトンプソンを構えた。が、それよりも早く夥しい数の光条が全方位から猛然と襲いかかり、トンプソンを瞬時に破砕する。
すぐさまサイドアームのM1911A1をホルスターから引き抜こうとするが、それよりも早く一発のビームがベルトを掠めてしまった。ベルトやそこに携えられたホルスターは銃器の重力に引かれ、海上へと落下していった。手を伸ばそうとするフランに向けて、熱線の群れが続けざまに放たれる。
「きゃああああああああっ!!」
絶え間無く降り注ぐビーム群に、フランは自らを守るようにして身体を縮こまらせる。
近距離にも関わらず、どのビームも制服の布を剥ぎ取るかのように掠めるばかりで、今のところはフラン本人を傷付けていない。
その様は、まるで獣の群れがか弱い小動物をいたぶっているようだった。
(いや……いやっ!いやぁあああああっ!)
両手で頭を押えながら、フランは死の恐怖に怯えていた。小さな身体を震わせ、ギュッと閉じた瞳には涙が滲んでいる。
自分は死ぬ。ネウロイに殺される。おそらくネウロイは一頻りフランを悲鳴を聞いた後にビームの狙いを変えて皮膚を裂き始めるだろう。次に骨を焼き、内臓を貫き、全身から血を吐き出し、己の身体を形造っていた肉片がブリタニアの大空を紅く染め上げる。
(いや!いやだ!死にたくない!死にたくない!死にたくない!死にたくない!)
どれだけ強く願おうとも、自分襲うビームは一向に止む気配はない。
ふとフランの視界に違う景色が映り出した。それは現実逃避か、或いは走馬灯と呼ばれるものだったのかもしれない。4人の少女がフランに微笑み掛けていた。ワイト島遣隊の仲間達だ。
優しく家庭的で、泣き虫なのが玉にキズな戦友――アメリープランシャール。
ルームメイトで頼れる隊のエース――ラウラ・トート。
普段は優しいお姉さんキャラだが、怒るとちょっぴり恐い部隊長――角丸美佐。
実の姉のように自分を気に掛け、よく励ましてくれた大ベテラン――ウィルマ・ビショップ。
ここで死んでしまえば、彼女達とはもう会うことはない。一緒に訓練をすることも、ご飯を食べることも、海水浴に出ることも……。
ウィッチとして軍に志願した以上、死を覚悟していなかったわけではない。しかし、覚悟しているからといって
受け入れられるものではない。誰しも死を目の前にすれば揺らぎ、迷い、そして恐怖する。
フランっ!――
不意に何者かの声が耳朶を叩き、脳内に響き渡った。ワイト島遣隊の仲間達のものではない。とうに声変わりを終えた男性のものだ。
続いて聞こえてきたのは、機銃音だった。これもワイト島の仲間のものとは違う聞き慣れないものだった。機銃音が響く度に何かが破裂する音が続く。それが小型ネウロイが自壊する音だとフランが理解するのは、ビームの集中砲火が止んで身体だった。
「ん…………」
恐る恐る目蓋を開き、フランは状況を確認する。キラキラと輝きながら海へ降り注ぐ白い破片類が見えた。かつてネウロイを形造っていた金属片だ。
そして、視界の中央には扶桑海軍の制服を着た航空歩兵――宮藤優人が佇んでいた。彼は手に持った13mm機関銃を背中に戻すと、フランに振り返る。
「大丈夫か!?怪我はしてないか!?」
優人はフランに駆け寄り、彼女の無事を確認する。フランは何も答えないが、制服のあちこちが破れているだけで心配はなそうだった。
「悪い、助けるのが遅くなった」
と、謝罪する優人。自分の周りに群がっていたネウロイを固有魔法の『凍結』で一網打尽にした後。優人は急ぎフランを追い、彼女の窮地を救ったのだった。
後一歩遅ければ、フランの身体は無数の光条によって抉られ、跡形もなく消滅していたことだろう。
「…………」
「フラン?」
フランは何も言わない。麻痺してしまったかのように無反応だ。俯いているので表情を窺い知ることもできない。
「…………」
やがてフランはゆっくりと顔を上げた。その瞳からはボロボロと大粒の涙が零れ落ちていた。
「フラン……」
「うっ……ううっ……うわぁああああああああん!」
もうダメだ。もう堪えられなかった。飛び付くように優人に抱き着いたフランは、赤ん坊ように大声で泣き続けた。
「よぉし、よぉし。恐かったよな」
優人は一瞬だけ驚いたような顔をしたが、すぐに穏やかな表情を浮かべる。フランを優しく抱き締め、頭を撫でてやる。彼女の髪の柔らかい香りが、優人の鼻腔を擽った。
◇ ◇ ◇
数時間後――
基地に帰投した優人はフランと共に角丸に報告を済ませ、夕食まで休もうと自室――正解に言うなら客室――へ戻っていた。
少し仮眠を取ろうとベッドに横になると、ドアからノック音が聞こえきた。
「は~い」
やや気の抜けた返事をしながら身体を起こし、客人を出迎えるためにドアを開く。
「あっ……」
「フラン」
優人は目を丸くする。訪ねてきたのは先程分かれたばかりのフランだった。既に服を着替え、上はリベリオンの星条旗が描かれたTシャツに、下は重ね履きのショートズボンというラフな私服姿となっていた。
「い、今……大丈夫?」
少し前の優人に対する刺々しい態度はどこにいったのか。フランは遠慮がちな口調で訊ねる
「大丈夫だけど、なんか用か?」
「用っていうか……」
優人に訊き返されると、フランは何故かモジモジと腰を揺らし始めた。頬には朱が差している。
「その……えっと………助けてくれてありがとう。それとごめんさい……」
「えっ?……」
「お風呂の時に、桶投げつけちゃったでしょ?それに痴漢とか変態とか言って……本当にごめんなさい……」
照れ臭いのか。段々と声が尻すぼみとなる。フランからの素直な謝罪に面食らった優人だが、しばらくしてプッと軽く吹き出した。
「な、何よ?」
フランは上目遣いに優人を睨む。
「ごめんごめん。ありがとうとか、ごめんなさいとか。素直に言える子だったんだなぁ……って思ってさ」
「アンタ……あたしのことバカにしてる?」
「だからごめん、って……」
「…………まぁ、いいわ。それとお願いがあるんだけど……」
「お願い?フランが泣いてたことなら、誰にも話さな――」
「違うわよ!バカァ!」
フランは顔を真っ赤にして怒鳴る。そのあまりの迫力に優人はたじろいだ。
やはりというか。フランの性格からして泣いていたことを他です仲間に知られたくはないらしい。ネウロイとの戦闘後、救援に駆けつけた角丸達が二人を見つけるよりも、彼女が泣き止むが早かったのは幸いと言うべきか。
「今度はアメリーに射撃を教えるんでしょ?」
怒りで荒げた息を落ち着かせると、フランは話を戻した。
「あたしも、その……混ぜてくれない……かな?」
両手の人差し指を軽く突き合わせ、やはりモジモジとしながら頼むフラン。普段の強気なイメージとのギャップに優人は少しドキッとした。
「もちろん!」
と、優人は笑顔で返す。
「じゃ、じゃあ……よろしくね。優人……」
それだけ言うと、フランは逃げるように自室の方向へ走っていった。
「優人か……」
名前を呼ばれ、フランとの距離が大幅に縮んだことを自覚した優人は満足に微笑んだ。
「また可愛い妹ができたな」
◇ ◇ ◇
一方その頃、501基地では――
「………………お兄ちゃんが浮気してる……」
優人の妹――宮藤芳佳がニュー○イプ能力、或いは新種の感知系固有魔法のようなものを開化させていた。
重ね履きのショートズボン→ショートパンツのことです。ストパン世界において、どう表現すればいいか考えた結果こうなりました。
感想、誤字脱字報告をお願い致します。