アビス:え、何コレ?こんな始まり方すんの?σ(∵`)?
ギィ:俺に聞くなよ......。(¬_¬)
語屋:というわけでお2人であらすじをどうぞ!
アビス:は?Σ(゚д゚;)
ギィ:あ?( º言º)
アビス:〝あらすじ〟って言われてもな......。(・・;)
ギィ:転生した。〝アビス・ヴァーミリオン〟という名を貰った。俺と旅をする事になった。以上。_(:3 」∠)_
アビス:大雑把だなオイ!?Σ(゚ロ゚;)
語屋:という事で始まります。
アビス:いやアレでいいのかよ!?Σ(゚ロ゚;)
ギィとの旅・呪われし聖槍と幽鬼の下僕
「ギィ......クリムゾン......?」
目の前でそう名乗った男に、俺は緊張が解けなかった。
肌で感じる禍々しいほどの覇気、全てを圧する鋭い眼光、有無も言わさぬほどの佇まい.........〝コイツに歯向かえば死ぬ〟という警鐘を脳が激しく鳴らしていた。
「おい。」
「あ?」
そう返事をして後悔する。
思わず出てしまったと言えど、この返事の仕方はアウトだった。
しかしギィ・クリムゾンはイラつくどころか眉を顰める様子もなく話し始める。
「〝あ?〟じゃねぇよ。こっちが名乗ったんだからテメェも名乗れ。」
確かに彼の言う通りだ。
〝人に名乗らせておいて自分は名乗りません〟などというのは失礼にも程がある。
しかし困った......ここで前世での名前を名乗るか、それとも別の名前を考えて名乗るか......。
「もしかして名前がねぇのか?まぁ、普通は名前がねぇのは当たり前なんだけどよ。こうして出会ったのも何かの縁だ......せっかくだからこの俺が名前を付けてやるよ。」
〝結構です〟とは言えなかった。
もしその言葉を口にしようものなら、どんな悲惨な目に遭うか分かったもんじゃないからな。
「.........よし、思いついたぜ。」
ここで例え変な名前を付けられても〝嫌だ〟とは言えないが、それでもマシな名前を望んでしまうのは仕方ないだろう。
どんな名前を付けられるのかドキドキしながら待っていると、ギィが口にしたのはこんな名前だった。
「テメェは今日からアビス......〝アビス・ヴァーミリオン〟だ。この俺に名づけられたことを感謝しながらそう名乗るといい。」
「あ......アリガトウゴザイマス......。」
なかなかにカッコイイ名前でホッとしたが、ギィの手前心の底から安堵する事は出来なかった。
「そんなに畏まんなくてもいいぜ。......で、テメェはこれからどうする?」
「どうしましょうかね?〝どうする〟と聞かれましても、どうすればいいのやら......。」
「敬語も使わなくていい、つか止めろ。ふむ......それじゃあ暫くテメェを俺の部下とする。」
「え?」
「〝死神族〟なんて珍しい種族を部下に出来んのは嬉しいからな。ついでに色々と教えてやるよ。まぁ、テメェが別にいいってんなら強要はしねぇがな。」
俺としては不満は無かった。それにこの世界の事を教えてくれるなら、部下になるくらいのお礼はするべきだろう。
「それじゃあおね......頼む。」
「それじゃあ移動するか。流石にここじゃあゆっくり話も出来やしねぇ。」
「そういや、ここ何でこうなってんの?」
「ん?あぁ、ムカついたから国ごと消してやった。」
「えぇ......。」
どうやら俺の主はかなり過激な人物だったらしい。
こうして俺はギィの部下(仮)として、彼と共にこの場を離れるのであった。
▷▶︎◀︎◁▷▶︎◀︎◁
「なにっ、テメェ異世界からの転生者なのか!?」
道中ギィに自身の身の上話をしたところ、あれほど冷静かつ冷徹なギィが初めて驚愕の表情になった。
「しかし異世界からの転生者なんて聞いた事ねぇな。そんで転生後は
「いや......まぁ、俺も同じくそう思うよ。それよりも死神族ってのは滅茶苦茶上の存在なのか?」
「普通、
なるほど......それを聞くと確かに俺の存在は非常に珍しいのかもしれない。
「しかも聞いてみりゃ〝不老不死〟とかって何だそりゃ。卑怯級の強さじゃねぇかよ。」
「我ながらそう思うよ。ところでギィは悪魔族って言ってたよな?俺らこうして歩いてていいのか?人間が襲いかかってきたらお前さんはともかく、俺は武器なんかねぇぞ?」
「そん時ゃ気合いで何とかしろ。武器は無くても使えるスキルぐれぇは持ってんだろ?」
気合いときたか......まぁ確かに使えそうと言うか、ヤバそうなスキルはあるけどさ〜。
「なっ!?ま、まさかこんな所で魔物に出くわすとはな!!」
しかも噂をすれば武器持った人間達が現れるしな。
「丁度いい。テメェのスキルを見せてもらうか。」
「いつの間にそんな後ろに......。」
既にかなり遠くまで移動していたギィにジト目になりながら、俺は渋々人間達へと顔を向けた。
人数は5人......容姿を見るに冒険者のようだ。
冒険者達は全員武器を構えながら俺を睨みつけていた。
(え〜と......どのスキルを使おうかな?)
「〝魂強奪〟。」
「がっ......!?」
先頭にいた男に手を翳して唱えると、男の胸から光の球が抜け出て俺の手元へと来る。
すると男は目を剥いた状態で膝から崩れ落ち、そしてそのまま動かなくなった。
それを見ていた男の仲間達の表情が青ざめる。
「なるほど......これは相手の魂を奪い取るスキルなのか。」
男から奪った魂を眺めながらスキルの効果を確かめる。
「しかし奪い取ったところで俺には必要無いしな......。」
そう呟くと何の気なしにその魂を握り潰した。握り潰された魂が俺の手の中で霧散する。
特に俺の体に何かしらの効果は無い......なるほど、どうやら吸収する訳ではなくこうして消滅させる事が出来るようだ。
「こ、このぉ!」
そのうち仲間の男が剣を突き立ててくるが、〝不老不死〟と〝痛覚無効〟により痛みも無くダメージも無い。
「な、何で......。」
「あ、悪ぃ。俺は死なねぇんだ。」
俺はそう言いながら驚く男の顔を掴むと、違うスキルを発動させる。
「〝生命吸奪〟。」
「────っ、ぐあぁぁぁぁぁぁ!!!!」
悲鳴をあげながら手足をバタつかせていた男は、次第に動きが鈍くなり、遂には骨と皮だけの状態となってしまった。
「えげつねぇ......。」
我がスキルながら流石にえげつなさ過ぎる。
残りは3人......この調子でどんどんスキルを使っていこう。
(え〜と、あとは......うん、この〝魂掌握〟とやらを使ってみようか?)
「〝魂掌握〟。」
「ひうっ!!」
何となく後ろの方にいた女性に向けてそう唱えると、女性は小さい悲鳴を上げてから、虚ろな目になって動かなくなる。
〝死んだかな?〟と思ったけど、どうやら違うらしく、ただ立ってる状態のようだった。
「おい、大丈夫か!?」
「テメェ、彼女に何をした!!」
〝何をした〟と言われても......まだ何もしていないんだが。
「〝魂操作〟。そこの女、そこの斧持った奴に攻撃しろ。」
「はい.........〝
「ぐぎゃあぁぁぁ!!!!」
(なるほど......どうやら〝魂掌握〟は〝魂操作〟の効果を高める為のスキルのようだな。ふむふむ、何の抵抗も無く操れる。)
女性の魔法によって燃やされている男を眺めながら、淡々とスキルの確認を行う。
前世なら目を背けてしまう光景だが、どうやら〝死神族〟になった影響でその手の感情が無くなっているようだ。
「お〜い、何か魔法とかはねぇのか?」
「完っ全に観戦モードだな!まぁあるにはあるが......。」
ギィにツッコミを入れながら、俺は残る男に手を翳しながら魔法を唱えた。
「〝
「ぴぎぃぃぃぃ!!」
豚の鳴き声みたいな悲鳴をあげながら、男は炎に包まれて息絶える。
先程の〝生命吸奪〟を受けた男のように死んだので、どうやら魂まで燃やす炎の魔法らしい。
「名付けるなら死属性魔法だな。」
「見てないで手伝ってくれても良くないか?」
「別に一人でも楽勝だったろ。ところで残ったソイツはどうすんだ?」
ギィが未だ俺に操られている女性を見ながら訊ねてくる。
操られる前と違って血の気の無いどころか生気すら無い様子の女性......。
「今分かった。〝魂掌握〟を受けた奴はその時点で死んでるらしい。多分、〝魂掌握〟と〝魂操作〟を解いた瞬間に死ぬぞ?」
「どうすんだ?」
「このまま街に案内してもらうってのはどうだ?それに偵察に向かわせる事も出来るだろ。」
俺はそう言うと女性に〝街へと案内しろ〟という命令をした。
命令を受けた女性は無言で先頭を歩き出す。
俺らもその後をついて行くと、数キロ歩いた所で街らしき姿が見えてきた。
「よし、襲うか。」
「待て待て、着いたと同時に襲うとか......お前は一体何処の盗賊だよ?」
「俺を下等な人間の盗賊共と一緒にするな。」
「〝よし、襲うか〟と言った時点で思考は同じだと思うが?」
「ほぅ......どうやらテメェは死にてぇらしいな?」
「残念でした〜、俺は〝不老不死〟なんで死にましぇ〜ん♪」
ボゴォ────
はい、殴られました☆
消し飛んだ顔が修復してから、女性に街の中の様子を偵察するよう命じる。
「はい......分かりました......。」
街へと入ってゆく女性を見届けながら、俺は新たにスキルを試す事にした。
「え〜と、〝魂共有〟。」
「次はどんなスキルなんだ?」
「文字通り、あの女性の魂を俺の魂と
「なるほど、それで中の様子を見るってわけか。」
「そういう事。これで普段の街の様子を見れるし、その街の警戒レベルとかも分かる。」
「それは分かったが......テメェ、街に何か用事でもあんのか?」
「いや、何かしらの武器はやっぱり欲しいかなと思って......。」
「金もねぇのにか?」
「あ〜......ちなみにギィ、お前は?」
「ねぇよ。あっても持ち歩く事はしねぇかもな。」
「......。」
「......。」
『......。』
互いに沈黙する俺とギィ......。
「よし、一通り中の様子を見たら襲うか。」
「結果的にそれかよ。まぁ賛成だがな。」
うん、どうやら俺も盗賊共と同じ思考の持ち主だったらしい。
ともかく、今視線の先にある街に武器屋があるかどうかを確認せねばならないので、俺は視覚を女性の視覚と繋げる。
すると一瞬で景色が変わり、何故か複数人の男女に囲まれていた。
現在繋げているのは視覚だけなので、何かを言っているのは分かるが、何と言っているかは分からない。
別に知る気も無いし。
しかしこの女性がかなり慕われているのは分かる。
まぁ関係無いけど。
(おい、その街に武器屋はあるか?)
(あります......。)
俺が彼女の魂に語りかけると、女性はそう簡素な返事をした。
(よし、ならさっさとそこに向かえ。)
(かしこまりました......。)
戸惑う男女の間をかき分けて歩き出す女性......そして暫く歩いて目的の武器屋へと到着した。
(中に入って隅々まで物色しろ。)
(はい......。)
剣、斧、槍、盾.........どうやら刀っぽい武器は無いようだ。
しかし女性の視点が上へと向くと、そこには鎖で雁字搦めにされた一本の槍が飾られていた。
(おい、あの槍は何なのか店主に聞け。言っておくが、事細かにだぞ?)
(はい......。)
暫く女性が店主と話をしている様子が流れる......そして暫くして女性からこんな話を聞かされた。
(あれは最近、近くの洞窟から発見された古の槍らしいです......。何でも〝過去に魔神を屠ったが、それによって呪われた聖槍〟だとか......。)
(へぇ......ちなみに持つとどうなる?)
再び店主と会話する女性......。
(どうやら今はなんの変哲もない槍だそうですが、持った瞬間に禍々しい姿へと変わるようです。そして所有者を呪い殺すのだそうです......。)
呪われし古の聖槍、ねぇ.........ふむふむ、なかなかどうして素晴らしい槍じゃあないか。
「急にニヤけてどうした?お目当てのものは見つかったみてぇだが、それでも気色悪かったぞ?」
「お前のナルシストっぷりの方が幾らか気色悪........いえ、何でもありません、ごめんなさい。」
思わず思った事が出てしまった.........ギィが目の前で無言で握った拳を見せてきたので直ぐに謝罪する。
(よ、よし......なら、今そこで魔法を放て。そんでもって混乱に乗じてその槍を盗んでこい。)
(はい......ご命令通りに。)
〝魂共有〟を解除したのと同時に上がる炎。
その炎はあっという間に燃え広がり、街を丸ごと飲み込んだ。
そんな燃え盛る街の中から女性が出てくる.........その体には至る所に矢が突き刺さっており、どうやら俺に操られている間は不死身となるらしい。
そうして呪われた聖槍を手に戻ってきた女性は俺にその槍を手渡した。
手に取って分かる。
「なんでぇ、ただ鎖を巻いてるだけで封印されてねぇじゃん。」
「それは、こちらへ持参する際に私がその封印を解きましたの。」
「へぇ〜、そいつぁありがてぇ......────は?」
俺の疑問に答える声に、一瞬流しそうになったが、直ぐに気づいて女性に目を向ける。
すると虚ろだった目には光が戻り、まるで憧れの有名人を見るかのようにウットリとした表情の女性がそこにはいた。
「おいおい......〝魂掌握〟とかを解除したら死ぬんじゃなかったのか?」
「そうなんだが......だからぶっちゃけ驚いてる。」
〝魂掌握〟と〝魂操作〟が解けている様子はない。
だからこそ何故女性が自我を取り戻しているのかが尚更分からない。
「私には洗脳に対する耐性があるのですが、しかしご主人様の力がお強く、今になってやっと自我だけは取り戻せたのですわ。」
ご丁寧に自我を取り戻せた理由を述べる女性。
「ご主人様って呼ばれてもよ......。」
「それはご主人様の洗脳による影響ですわ。確かに私は自我を取り戻しましたが、ご主人様には今でも逆らう事が出来ません。改めてご挨拶を......私の名はレクシアと申します。」
自身をレクシアと名乗った女性は恭しくお辞儀をする。
「ともかく鎖を解けばいつでも使用可能です。」
「そうか、んじゃ早速............うおっ!?」
鎖を解き槍を手にした瞬間、なんの変哲も無かった槍が突如歪み始め、禍々しい姿へと変貌した。
「......。」
その光景に呆気に取られる俺.........するとレクシアが槍を興味深そうに見ながら口を開く。
「この槍は〝
「そうなのか?」
「はい。私、〝鑑定〟のスキルを所持しておりますので、もし不明の物があれば何でも聞いて下さいませ。」
「何でも......もしかして俺らについてくるつもりか?」
「〝ついてくる〟と言うか......〝ついて行かざるを得ない〟と言った方が正確ですね。何せ私、もう肉体がありませんから。」
「......は?」
レクシアの一言に俺は素っ頓狂な声を漏らす。
「ですから肉体が......。」
「うん、それは分かった......が、どういう意味だ?」
「はい。先程ご命令通りに魔法を使用し、街を襲ったのですが......如何せん火力が強く、この私も自身の炎に焼かれてしまいました。今の私は精神体......つまりは魂の状態です。〝幽霊族〟......いえ、〝
「なるほど......死んで魔物になったって訳か。」
「はい。そしてご主人様に魂を掌握されておりますから、そのままご主人様の下僕になっております。なのでご主人様から離れられないのですよ。」
「これって〝取り憑かれた〟って認識でいいのか?」
「知らん、俺に聞くな。」
下僕になったと言うのに妙に嬉しそうなレクシアと、この状況に首を傾げる俺、そしてその俺に問いかけられてぶっきらぼうに答えるギィ。
こうして俺は〝歪な神殺聖槍〟という名の呪われた聖槍と、予想外ながらレクシアという部下を得たのだった。
ギィ:感想とか書け。m9(・∀・)ビシッ!!
アビス:もうちょい優しく頼めよ......。(~_~;)