《前回のあらすじ》
アビス:あ〜......仲間が増えた。
ギィ:テメェも大雑把じゃねーか。
アビス:なんか......頭の中で文章作ってたらめんどくなった。
ギィ:......分かる。
語屋:分からないで!!?
いきなり話が飛んだな〜と、思われるのは承知の上だが、それでもこの始めの言葉を放とう、〝あれから月日が経った〟......と。
ギィと出会った頃に比べて成長した俺.........多分、そのギィと行動を共にしているからこそ、かなりの成長を遂げられたのだと思う。
ここで現在の俺のステータスを変更点なども加えて教える事にしよう。
──ステータス──
名前:アビス・ヴァーミリオン
種族:
所属:白氷宮
称号:死神王、ギィの左腕
《魔法》
死属性魔法、死霊魔法、上位死霊召喚、上位不死系魔物召喚
《所持スキル》
呪殺、超速再生、霧状化、隠行
《ユニークスキル》
・〝
・〝
《アルティメットスキル》
・〝
《耐性》
不老不死、痛覚無効、物理攻撃無効、魔法攻撃無効、状態異常無効、聖魔攻撃無効、結界無効、精神攻撃無効、自然影響無効、即死攻撃無効
何コレ強すぎね?って感じになっている。
まぁ、ギィ自体敵が多い為にほぼ毎日戦いに明け暮れているからなのだろうが......。
ちなみに所属欄に記載されている〝白氷宮〟とはギィの根城であり、読んで字がごとく氷に覆われた城だ。
しかも城だけではなく周辺の大地まで凍っているのだから圧巻である。
そしてこの城にはギィを初めとした彼の手下達が住んでいる。
その全てが悪魔で、ギィは〝
そんな彼の部下の中で目立っているのが3人......ギィと同じ悪魔である〝レイン〟と〝ミザリー〟、そして〝竜種〟の四柱の1体である〝ヴェルザード〟だ。
レインとミザリーはギィにかなりの忠誠心を持っており、ヴェルザードも彼の相棒として存在感を放っている。
そんな彼らの中に自分がいてもいいのだろうかと思うが、どうやら3人は俺を受け入れてくれてるようだ。
表に出さないので分かりにくいが......。
という事でギィの部下としての生活を送っている訳だが、俺はギィに相当気に入られているのかかなりの高待遇である。
最初は客人扱いだし、今では自身の軍の将軍のような位置に置かせてもらっている。
(剣客......または食客みたいなものだろうか?)
「アビス様。」
等と考えていると、不意に後ろから名前を呼ばれた。
振り返るとそこには緑色の髪をしたメイドが立っている。
ギィの重臣であるミザリーだ。
彼女はこちらにお辞儀をすると恭しく要件を伝える。
「主がお呼びです。」
ここでミザリーが口にした〝主〟とは言わずもがなギィの事である。
確か彼は今、他の2人の魔王と共に〝
何か任務でもあるのか?
「あいよぉ。それよりもミザリー......俺は前々から〝別に敬語じゃなくていい〟って言ってんだろぉ?俺とお前は言うなりゃ同僚なんだしよぉ。」
「私としては、このような常識外れの方を同僚と思いたくないのですが......。」
「......。」
トリカブト並の毒を吐いたミザリーに思わず固まる。
「お前、俺の事嫌いだろぉ?」
「そんな事は御座いません。貴方に抱いているのは〝嫌悪〟ではなく〝畏敬の念〟ですので。」
例えそう思っていたとしても言い方ってあると思う。
確かに、たまにミザリーが俺に向ける眼差しは意中の人を持つ女性特有のものだったが、息を吐くように毒を吐くので全てが台無しになっている。
「さてと......呼ばれたからには行かなければなるまい。」
「えぇ......ですがその前に────」
ギィ達の所へと向かおうとした矢先、ミザリーが急に後方を向くと、その通路の角に向かって大声で叱咤する。
「そこにいるのは分かってるわよレイン!貴方の性癖にアビス様達を付き合わせないで!!」
「────!?」
「────!!」
ギョッとしてそちらを見ると、確かにミザリーと共にギィに仕えているもう一人のメイド、レインがこちらに熱視線を送っていた。
壁越しに彼女のトレードマークである青い髪がチラついている。
そしてその手に持っているメモ帳らしき物体を見た瞬間に、ミザリーの言葉の意味がわかった。
彼女......レインは誰もが分かるほどの腐った脳の持ち主(彼女は隠しているつもりらしいが......)だ。
彼女にとって、俺とギィの組み合わせはとても大好物らしく、いつも物陰から見ては更にその残念な脳を腐らせまくっている。
一応ギィもその事を知っているのだが、〝アイツの脳はもはや手遅れだ〟と既に諦めてしまっている。
なので俺とギィが会話している時はミザリーがそれを阻止してくれているのだ。
ちなみにレインはそれからというもの、今度は配下の悪魔達を標的に定め、日夜いそいそとメモをしては自身の欲望を発散している。
ホント、その事で泣きつかれる俺の身にもなって欲しいものだ。
「主が攻め......いえ、アビス様攻めも良いかも。あ!この際、主総受けもアリかなぁ......ハァハァ......。」/////
ギィは〝手遅れだ〟と諦めたが、これは諦めてはいけない案件だと切に思う。
ギィ......お前の配下はお前さんがこの城の全員から襲われる妄想をしてるぞ......。
「ミザリー、あとは任せたぁ。」
「はい、任されました。」
歩き出した俺の背後で鈍い音がしたが、俺は気にせずギィ達の元へと向かうのだった。
▷▶︎◀︎◁▷▶︎◀︎◁
「来たぞぅ?」
「遅かったな?」
〝
「レインがなぁ......。」
「あぁ......でも、ミザリーが止めたんだろ?」
「まぁな。なぁ......そろそろレインの事、どうにかしねぇかぁ?」
「諦めろ。」
「今度はギィ総受けとか言ってたぞぅ?」
「ふむ......流石に男の身で野郎共から抱かれる趣味はねぇ。確かに何かしらの対処はした方が良さそうだな。」
流石に自身が酷い目に遭わされる妄想は嫌だったのだろう、やっとギィがレインの件について真剣に考え始めてくれた。
今度、配下達から多大なる感謝をされそうだな......。
「......で、用件は何だぁ?また何処かの街を潰せばいいのかぁ?」
「いや、今回テメェに用事があんのは
「そうなのだ♪」
〝ミリム〟......ギィと同じ魔王の一角である
その名をミリム・ナーヴァと言い、〝星竜王〟と呼ばれたヴェルダナーヴァと人間の女性の間に生まれた存在である。
一つ言っておくが、彼女はこんな見た目でとてつもなく強い。
その実力は今この場にいる3人の魔王の中でも最強と言ってもいい程だ。
ギィの次に魔王になったのだが、魔王になる数千年前に可愛がっていたペットの竜を殺され、その怒りによって〝
それを止めたのがギィなのだが、その時は7日7晩の激闘を繰り広げた。
ちなみにその場に俺もいたんだよね。
うん、あれは.........正に死地だったな......。
《回想》
「帰りてぇ......。」
その日俺はずっとその言葉を連呼していたと思う。
周囲は所々破壊され見るも無残な状態に変わり果て、上空ではギィがミリムと激しく殴り合っている。
〝ガィン!ガィン!〟という、およそ人体を殴った音とは思えない音が鳴り響き、その音が俺を更に〝帰りたい〟と思わせていた。
「帰りてぇよぉ......。」
「待って待って。今貴方に帰られると、私達が困るのだけど。」
〝帰りたい〟と嘆く俺にそう声をかけてくる彼女は、ギィの相棒にして右腕であるヴェルザードだ。
この世界に存在する4体の竜種の一人で、今上空で暴れているミリムの叔母にあたる人物である。
人間体はかなりの美貌の女性ではあるが、一度龍の姿になると手が付けられない程の力を発揮する。
前に怒らせて氷漬けにされたのは記憶に新しい。
そんな彼女の言葉に俺は情けない声を出しながら抗議した。
「だってよぉ......これ、俺いらないよなぁ?来ても何の戦力にもならないよなぁ?だったら城に戻って守りを固めた方が何ぼか良いと、俺は思うんだがぁ?」
「あ、ミリムが攻撃を仕掛けるわ!出番よアビス!!」
「うん、聞いてないなぁ。人の話はちゃんと聞こうかぁ?と言うかなんで俺の首根っこ掴んでんだぁ?ねぇ?なんかすげぇ嫌な予感がするぅぅぅぅぅぅ!?」
投げられた......ヴェルザードに投げ飛ばされた。
投げ飛ばされた俺は猛スピードでギィへと飛んでゆくと、それを見たギィがニヤリと笑った。
あ......マジで嫌な予感......。
ギィは見事に俺をキャッチすると、そのまま自身の前へと突き出す。
その際に見えた光景は、俺へと迫り来る膨大な力を持ったミリムの必殺技だった。
「〝
あ......これ死ぬなぁ......。
体がどんどん燃えてゆく感触......痛みはないがその光景が痛みを錯覚させている。
そんな中、俺は全てを諦めて目を瞑るのだった。
「ふぅ......何とか凌いだな。」
「それは、よぅござんしたなぁ......。」
ギィに掴まれグテンとなりながらそう言う俺......。
もしかして俺......
「アビス、何とかしてミリムの奴を操れねぇか?」
「あー無理無理。さっきから〝魂掌握〟まで試してもてんで効果無し。お前さんと同様にかなりのレベル差の奴には効かねぇよぉだぁ。それか
「それは仕方ねぇこったな。それじゃあテメェも手伝え。」
「テメェで言ってて無茶振りだって自覚あるかぁ?」
「あるが......我儘言える場合じゃねぇだろ?」
「知ってらぁ......。」
さて、そうなると何とかして活路を見出さねばなるまい。
とは言っても俺ではミリムには太刀打ち出来んしな......。
「俺が隙を作るから、お前さんはその隙にトドメ刺せやぁ。」
「ふん、ならさっさと隙作れ。」
「あいよぉ。」
俺は槍を構えるとミリム目掛けて突撃した。
最初の一突きこそ躱されたものの、その後は〝
正に〝蝶のように舞い、蜂のように刺す〟だ。
「ぬうぅぅ、ちょこまかと......顔を布で覆った変人のくせに!」
「変人言うンじゃねぇよォ!こんのクソチビガキがぁ!!」
「お前、今ワタシの事を〝チビ〟って言ったのか?殺すぞ?」
「残念ながら俺ァ死なねぇんだぁ。」
「死ね。」
「無駄無駄無駄ぁ!」
スキル〝霧状化〟でミリムの攻撃を避けながら槍を振るう。
ミリムも俺の攻撃を弾きつつ、更に攻撃速度を早めていった。
「お〜い、まだか〜?」
「んな簡単に隙を見せるような奴に言えるかぁ!?つーかヴェルザードは傍観してねぇで手伝えやぁ!!」
「頑張って。」
「ザケンなぁぁぁぁぁ!!!!」
ヴェルザードの奴は一体何をしに来たのだろう.........見てるならせめて手伝ってくれてもいいと思う。
「はぁぁ!!」
「あぶねっ!?」
不老不死の身であるので死にはしない......死にはしないが計り知れないほどの膨大な魔力を纏ったミリムの拳を受ければ、当然体は弾け飛んでしまう。
しかし露骨に避けてしまえば体勢が崩れてしまい、立ち回りが難しくなる。
なのでギリギリでの回避に徹底しているのだ。
「しゃらぁっ!!」
「ぬ......!」
ミリムへ蹴りを入れた勢いを利用して遥か後方へと距離をとる。
そしてそのまま上空へと跳び、槍を構えて投擲の構えをとり、その槍に魔力を流し始めた。
(あんまり流し過ぎると〝魂喰モード〟になっちまうなぁ。)
〝魂喰モード〟......それは〝
この状態にしてしまうと、下手をすればミリムを殺しかねない。
いや、死なないだろうが余計なダメージを与えてしまう可能性はあるな。
「〝
魔力を纏った即死効果のある投擲......しかしミリムは不敵な笑みを浮かべながらそれを受け止め弾き返した。
「チッ......なら────」
俺は弾かれた槍を掴んで再度同じ構えをとった。
「また同じ技を放つのか?そんなんじゃ、ワタシを倒す事など......ましてや傷一つだってつけられないのだ。」
「さっきと同じかどうか......見てから判断しろぉ!!」
今度はスキルを使用し攻撃する......使うのは〝錬金術〟の権能である〝物質複製〟と〝量産〟だ。
「〝
渾身の一撃......それを見たミリムは鼻で笑った。
「ふん!何の変哲もない、先程と同じ攻撃ではないか!今度は槍をへし折って......────!?」
余裕の笑みから一変、ミリムは直ぐに驚愕の表情となった。
それもそのはず......再度投げ放った槍は途中で無数に枝分かれし、ミリムへと襲いかかったからだ。
「確かに1本だけなら防げらぁなぁ。だが、それが無限にも至る数なら流石のテメェもたまったもんじゃねぇだろぉ?」
「あぁあぁぁぁ......うあぁぁぁぁ!!!!」
叫びながら槍をへし折ってゆくミリム......だが、無数にも至る槍を捌ききれず、遂に飲み込まれてしまったのだった。
数秒後......。
なんとか耐え切ったミリムが佇んでいる。
しかし流石に回避しきれず体に傷を作り、呼吸もかなり乱れていた。
そんな彼女へと俺は握り拳を構えて突撃した。
「終いだァ!!」
「その程度......「こっちにもいんだよ。」────!?」
正面から来た俺を迎撃しようとするミリム......だがその後ろには既にギィが待機していた。
「え......あ......う......。」
そしてどちらを攻撃しようか迷うミリムに、俺とギィは同時に拳を叩き込んだのであった。
《回想終了》
そんな事があって以降、ミリムはすっかり俺に懐いてしまった。
実際には俺とギィの勝ちなのだが、ギィが〝二対一だったからな〟という事で両者引き分けとして決着が着いた。
「......で、用件ってなんだ?」
「実は前々からお前に聞きたい事があったのだ。」
「聞きたい事?」
「うむ......お前、魔王になる気はないか?」
「......は?」
ミリムからの質問に、俺は素っ頓狂な声を上げる。
現役魔王様から魔王へのお誘いを受けてしまった......。
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