転生したら死神族だった件《リメイク版》   作:ΣiGMA

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魔王への進化

「魔王って......そんな軽い感じでなっていいもんなのかぁ?」

 

「駄目に決まってるのだ。」

 

 どうしよう......コイツが何を言ってるのか分からない。

 

「なら何故そんな事を聞いたぁ?」

 

「前々からギィと()()()()の3人で話し合っていたのだ。」

 

 真偽を確かめる為にギィ達の方を見ると、2人は同時に頷いた。

 

 ちなみに〝ラミリス〟とはギィとミリムと同じ魔王で、元々〝妖精族(ピクシー)〟を統べる女王だった小さな少女である。

 

 虫のように小さいので、たまに虫と見間違えるが......。

 

「そろそろテメェも魔王になってもおかしくない実力を付けたからな。」

 

「アタシ達としても新たな魔王が生まれるのは嬉しいのよさ!」

 

「しかしアビスの意見を聞いてから決めようと思って、だからこうして呼んだのだ。」

 

「なるほどなぁ......ちなみに〝なりたい〟っつったらどうすんだぁ?」

 

「その際はテメェには〝真なる魔王〟になってもらう。」

 

「真なる魔王?」

 

 ギィの説明によると、それに見合った実力を持った者は〝魔王種〟と呼ばれるらしい。

 

 その時点で魔王を名乗る資格があるのだが、たまに〝ある条件〟とやらを満たすと〝真なる魔王〟へと覚醒するという。

 

 その〝ある条件〟と言うのが......。

 

「魔王への進化の為に必要な魂を集めてもらう。」

 

 というものらしい。

 

「必要な魂......ちなみにそれはどのくらい必要なんだ?」

 

「知らん。だが、条件を満たすと、それを告げる世界の声が響く。俺の時もそうだった。」

 

 なるほど......つまりは魔王になるなら条件を満たすまで魂を狩れって事か。

 

 面倒この上ねぇな。

 

「どうだ......受けるか?」

 

 ギィに訊ねられ俺は暫く考える。

 

 別に今の状況に不満がある訳では無い。それどころか心地良いぐらいだ。

 

 いつも冷静で何かと俺を慕ってくれているミザリー......何かと腐った言動をするが悪い奴ではないレイン......心身共にクールビューティーなヴェルザード......俺の配下となって以降、とても従順なレクシア。

 

 そんな奴に囲まれて気を悪くするような事は全くない。

 

 しかし......。

 

 しかし俺に今以上を期待してくれる奴らがいるのならば、この誘いを受けるのも(やぶさ)かでは無いな。

 

「分かった、受けよう。だが、必要な魂は何処で狩ってくりゃあいいんだぁ?流石に手当り次第無差別って訳には行かねぇだろぉ?」

 

「それについては当てがある。」

 

 不敵な笑みを浮かべるギィ......どうやら碌でもない事を考えているようだ。

 

 俺は顔を覆う布の下で冷や汗を流しながら、ギィが提示する〝当て〟とやらを聞くのだった。

 

 

 

 ▷▶︎◀︎◁▷▶︎◀︎◁

 

 

 

 さて......真なる魔王への進化へと動く前に、ここでラミリスとの出会いについて話す事にしよう。

 

 彼女と出会ったのは深い森の中だった。

 

 当時の彼女はやんごとなき事情により力を使い果たし、今のような小さな姿で途方に暮れていた。

 

 本来の姿は見事な成人の女性らしいのだが、出会ったのが小さな姿なので想像がつかない。

 

「アタシの本当の姿を見たら、あんたなんか惚れちゃうんだから!」

 

 出会って早々そんな事を言われたっけ。

 

 それと〝しかもコテンパンにしちゃうもんねー!〟とも言っていたので、とりあえず鷲掴みにしてから頭を拗じってやった。

 

 そんな迷子の迷子の元妖精女王を城へと連れてゆく。

 

 意外にもラミリスはギィとミリムにすんなり受け入れられ、気づけば昔ながらの友人のような仲になっていた。

 

 それからラミリスは3人目の魔王となり、洞窟内に〝迷宮(ラビリンス)〟なるものを作って住んでいるらしい。

 

 しかしたまに城へと来てはギィとミリムと共にのんびり食っちゃべっているがな。

 

 とにかく彼女は何かと絡む性格らしく、よく俺に話しかけてきてはくだらない事を長々と話すのだ。

 

 その際は絶対の無視を決め込み、ラミリスが〝ギィに言いつけてやる!〟と言って終わる。

 

 はいはい、好きなだけ言いつけるといいさ。どうせ、真剣に聞き入れてくれないだろうがな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ......とまぁこんな感じでお馴染みの3人となったわけだ。

 

 そして今回、そんな3人と俺が肩を並べる事になるらしい。

 

 その為にギィが自ら用意した目的地は、白氷宮から遠く離れた街へと訪れていた。

 

 街とは言っても、そこはとある国の王都らしく人間達が賑わいを見せていた。

 

 ギィ曰く、表立って行動してはいないものの水面下ではギィを討伐するべく軍が動いているらしい。

 

 なので面倒くさい故に国ごと滅ぼしてやろうと考えていたギィだったが、ミリム達との会話で丁度いいから俺の魔王への進化への糧にしようとなったらしい。

 

 ならば俺はコソコソと隠れているその〝討伐軍〟とやらを引き摺り出すことにしよう。

 

「一体どのように引き摺り出すおつもりですか?」

 

 レクシアの質問はご最もだ.........やりようによっては出てくる人数が僅かという可能性もある。

 

「ここらで俺の妖気を放ってみるとしようかぁ?全ての制限を解放すりゃあ、否が応でも全員出張ってくんだろぉ。」

 

 俺はそう言うと、その場にて存分に妖気を放ってみた。

 

 すると数分してから出るわ出るわ.........まるで巣を突っつかれた雀蜂のように、王都から鎧を纏った兵士達が続々と出てくる。

 

「な、なんだ今の妖気は!?」

「おい見ろよ......あそこに魔族がいやがるぜ?」

「たった二人とは、我々を舐めているな!」

 

 口々にそう言いながら武器を構える兵士達。

 

 俺はその前でレクシアに下がるよう指示を出した。

 

「下がっとけぇレクシア。」

 

「如何様にするおつもりでしょうか?」

 

「先ずは奴さんに恐怖を与えてやろうかねぇ。」

 

 俺は兵士達に向けて手を翳すと、死属性魔法を放ったのだった。

 

「〝喰らう死獣(ガブリアス)〟。」

 

 俺が展開した魔法陣から放たれる黒き獣.........こいつが喰らうのは肉体に非ず、この獣に襲われた者達は例外無くその魂を喰われてしまうのだ。

 

 よって馬鹿正直に突っ込んできた兵士達は魂を喰われて次々とその場に倒れ伏す。

 

 直ぐにこれの危険性に気づき防御を試みた者もいたが、その努力虚しく同じように魂を喰われて死んでしまった。

 

 残った者達はその光景に悲鳴を上げながら中へと逃げ戻ってゆく。

 

「逃げましたが?」

 

「これで終わりなわけねぇだろぉ。まぁ見てろって。」

 

 俺は霧と化して王都の上空へと移動すると、そのまま〝死霊化〟でその場に留まる。

 

 どうやらこのスキルを使うと必然的に浮遊出来るらしい。

 

 上空から見下ろした王都では、逃げてきた兵士達から報せを受けたのか、かなりの混乱に陥っていた。

 

 中には上空にいる俺に気づき、指を差してくる者までいる。

 

「とりあえずはサクッと滅ぼすとしようかぁ。」

 

 そう呟きロンギヌスを握った手を挙げ、投擲の構えをとる。

 

「〝死閃投擲(デッドリーメイルシュトローム)〟。」

 

 一閃──────

 

 俺の手から放たれたロンギヌスは吸い込まれるように王都へと一直線に飛んでいき、それが着弾した王都に激しい衝撃が起こって次の瞬間には全てが灰や砂と化していた。

 

 当たったもの全てに死を与えるこの一撃により、王都ごとその全てが死に絶えたのだった。

 

 だがまだ足りない......。

 

「レクシア、次だぁ。」

 

「かしこまりました。」

 

 その後俺はレクシアを連れて王都周辺の街を次々に滅ぼして回った。

 

 それによって遂に〝魔王への進化(ハーヴェストフェスティバル)〟が始まり、俺は強制的に睡眠状態(スリープモード)へと移行したのだった。

 

 

 

 ▷▶︎◀︎◁▷▶︎◀︎◁

 

 

 

 俺が目覚めたのは、それから三日後の事だった。

 

 起きて直ぐにステータスを確認すると、全てのスキルが一括に纏められていた。

 

 そのスキルの名は......

 

 

 〝全能之神(ヤハウェ)

 

 

 ......だった。

 

 その究極スキルの権能を紹介するとしよう。

 

 

 全能之神......修練最適化、獲得経験値倍(超)、万能系、万能化、、万物創造、スキル創造、魔法創造、量産、魂感知、魂掌握、魂操作、魂共有、生命吸奪、魂消滅、死霊化、魂喰、幻影化、即死攻撃、死者蘇生

 

 

 うん......マジでチートだなって思ったよ。

 

 ちなみに強制睡眠状態に陥った俺を白氷宮まで送り届けてくれたのはレクシアで、彼女は俺が目覚めた事に気づいて誰よりも早く顔を見せに来た。

 

 まぁギィ、ミリム、ラミリスは心配していなかったようで、逆に俺が真なる魔王になった事を喜んでいたという。

 

 こうして俺は魔王の仲間入りを果たし、この時より〝死皇帝(デスエンペラー)〟を名乗ることになったのだった。

 

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