それだは、どうぞ。
※会話が見辛かったので、間を作ってみました
※9月29日、タイトル変更しました
青年、二代目クロノスになる
目が覚めると俺は真っ白な空間に立っていた。
はて、と俺は疑問に思った。記憶が正しければ俺は豪雨の中自転車をこいでいて、疲れたから休もうと思って自転車から降りたとたん雷かなんかに打たれて、『あ、俺死んだ』状態になったはず。なのになぜ………
疑問に思っていると、何かが後ろに現れたような感覚が走った。振り向くと、
「「本っ当にもうしわけございませんでしたああああぁぁぁぁぁぁぁ!」」
「へ?あ、あの」
「まさかあんなことになるなんて思わなかったんです!」
「私たちの不注意であなたを巻き込んでしまって!」
「わかった、わかったからいったん落ち着いて!」
閑話休題
「とりあえず、二人とも落ち着きましたか?」
「は、はい………」
何とか二人を落ち着かせる。年上に思える人は返事をしたものの、声に震えがあった。もう一人に関しては返事すらもできないぐらいの泣き顔だった。
「それで………ここはどこですか?」
「ここは神界、天国よりも上に存在する、神のみが入ることを許された世界です」
「ふぅん……………それで、なんで死者のはずの俺がこの世界に?記憶が正しかったら、俺はさっき雷に打たれて死んだはず………」
急に二人の顔が青ざめる。
これはあくまで俺の予想だが、もしかして二人は何かをやらかしてしまったのではないだろうか。そしてそれに巻き込まれたのが俺なんじゃないか?つまり、本来死ぬべきではないところで俺は死んでしまった。だからそれを謝るために魂をここに呼び寄せた、ということなんじゃないか?そう考えると合点がいく。
しばらくして、泣き顔だった方の女性が口を開いた。
「えっと………じ、実は………私達、さっき喧嘩していて………色々物を投げあっていたんです。その時………誤って、生者の棚と呼ばれる、今現在人間界で生きている人を整理する棚から本を取り出してしまって………」
「それが生者の本であるとは知らず………気が付いた時には、雷で………」
「燃やしてしまった、と。そして死んだのが俺………というわけか」
「は、はい。ゆ、許してもらえるなんて思っていません。あなたには謝っても許されないことをして………グスッ、ご、ごめんなさい………」
再び二人は泣き始める。そんな二人を見て、俺は笑顔で答えた。
「いいですよ」
「「ふぇぇ⁈」」
許されるとは思ってなかったのだろうか、二人は驚いた表情で顔を上げた。
「い、いいんですか⁈私達は、あなたの人生を………う、奪………」
「謝ってくれたじゃないですか。それでもう十分ですよ」
「で、でも、でも………あなたは、私達の喧嘩に巻き込まれて………」
「過ぎたことを責めることはできませんよ。起こってしまったものは仕方がありません」
「だ、だからって………」
「………じゃあ、こうしましょう。今から願いを言うので、それをかなえてください。それで今回の件はチャラにします」
「は、はい!どんな願いでも言ってください!」
ほんとにどんな願いでも叶えてくれそうだけど………俺の一番の願いはあれだけだ。
「それじゃあ──────
─────二人とも、僕の家族になってください」
「「………………はい?」」
間の抜けた声を出す二人。そんなことでいいのかとでも言いたそうな顔だ。けど、俺にはこれだけでいいんだ。
「実は俺……………家族がいないんです。なんでも幼い頃みんな死んでしまったらしくて…………だから、家族というものに、とても憧れていたんです。それに、二人とも優しそうだから、二人が家族になってくれたらうれしいな………なんて。ダメ、ですか?」
「い、いえ、そんなことありません!でも………そんなことでいいのですか?」
「そんなこと
二人の顔から不安が消える。そして二人は笑顔になって立ち上がった。
「わかりました。あ、いや………わかったよ、かな?」
「うん、それでいいですよ………じゃなかった、いいよ。そういえば自己紹介がまだだったね」
「俺は
「創真、創真………うん、覚えた」
「それで………俺はこれからどうすればいいのかな?」
「えっとね、創真は私たちの手違いで死んでしまった、つまり本来死ぬべきではなかった人間なの。そうなった人間は原則として、違う世界で新たな人生を歩んでもらうことになってるの」
「違う世界って、それを俺は選べるの?」
「もちろん。あと、その世界に転生する際、転生者が望む何かしらの特典を渡すのがルールなの」
「へぇ、特典か。それって制限ある?例えば、不老不死にはなれない、みたいな」
さすがに制限はあるだろう、なんて考えは即座に消された。
「「ないよ、だって創真神様になるんだし」」
「………はい?」
ちょっと待て、今彼女たちは何と言った?俺が、神様になる?
いや、確かに俺は神様の二人に家族になってほしいとは言ったよ。でも神様になりたいなんて一言も言ってないぞ。
「えっと………神様になるっていうのはどういうことなのかな?」
「まぁ、正確には私の息子、そして
「………………今更だけど、二人って何の神様なの?」
「あ、そっか。謝ることに夢中で私たちのこと言ってなかったわね」
まぁ、息子・弟・そして片方の女性の名がレアということからなんとなく予想はできるが。
「私は、ギリシャ神話の地母神が一人、二代目ガイア。そしてこっちが」
「同じく地母神が一人、二代目レア。よろしくね」
「ガイアとレア………………ということは俺は、クロノスってことになるの?」
「うん、そういうこと」
なんとなく予想はできていた。しかし一つ気になることが。
「あの、俺が二代目ってことは、初代がいたってことだよね?その人に許可をもらわなくてよかったのかな」
「あー………やっぱり気になるか………」
再び二人の顔が暗くなる。聞いてはいけないことだったのだろうか。
「あのさ、創真。さっきあたし達喧嘩してた、って言ったよね」
「うん、言ってたけど………」
「その喧嘩の原因が初代クロノスなの。実は彼、ある理由でその座を奪われたの」
「ある理由って?」
「初代クロノス……………あの子は禁忌を犯したの。元々とても真面目で、誰よりも頑張り屋だったのだけど、ある日彼は人間界から一か月以上も神界に帰ってこなかった事があってね。帰っては来たのだけど、その日から人が変わったように力を求めるようになって……………ついには他の神に攻撃をするようになったの。それに怒った主神たちは初代クロノスから神の座を奪い、人間界に追放したの。それによりクロノスの座は空席になった。だから二代目を決める必要があったの。そしてその役目を私たちに与えられたのだけど………」
「二代目にふさわしいものは誰かで意見がすれ違い、喧嘩に発展した………ってことか」
「そう。それであなたが巻き込まれて………」
「あー、その話はもう禁止。済んだことは何回も言わなくていいから」
ただ、と俺は顎に手を当てながら不安になっていることを伝えた。
「俺、クロノスといっても、
「あー、確かに同じクロノスだけど、それとは別よ。ていうか創真知ってるの、仮面ライダークロノスのこと?」
「もちろんだよ。自慢じゃないけど俺、平成仮面ライダーグッズはビルドまで全部持ってるし」
「「え⁈」」
なんか二人にめっちゃ驚かれた。いや、今時平成ライダーのグッズ全部持っている人なんてザラにいるよ。というかむしろ、神様の二人が仮面ライダーのこと知ってるほうがびっくりだよ。
「二人とも、仮面ライダーわかるの?」
「もちろん!だって私もお母さんも仮面ライダーファンだもの!」
「え、そうなの?ちなみに一番好きなライダーは?」
「あたしは鎧武!葛葉紘汰の『ここからは俺のステージだ!』っていう決め台詞がめっちゃ好きなの!なんかこう、『反撃開始!』みたいなフレーズが!」
「私はやっぱゴーストかしらね。偉人たちが主人公に力を貸す、ていうのがよかったわ」
「うわぁ、どっちもわかる!」
「でしょでしょ!創真は?」
「俺はやっぱ平成最後のライダーって言われてるビルドかな。有機物と無機物のフルボトルを組み合わせたときの『BEST MUCH‼』って音がたまらないんだよね!」
「あ、あたしもそれわかる!いいよねあの音!それであの………」
その後も会話は進み、気が付けば一時間ぐらいずっと仮面ライダーの話で盛り上がった。思えば誰かと仮面ライダーの話で盛り上がったのはいつぶりだろうか。その時ふと、特典についていくつかいいことを思いついた。
「そういえば………さっき特典に制限はないって言ってたよね」
「うん、そうだよ。もしかして決まったの?」
「うん………あ、その前に一つ。本人が望む以外に何か特典が付くこととかあるのかな?」
「あるよ。えっとね、まず身体能力が底上げされるよ。それと豊穣神になった事である程度自然を自由に操れる、これぐらいかな」
「その身体能力って、具体的にはどれくらい?」
「そうね、少なくとも私達よりかは強くなるわ」
「うん、軽く済ませてるつもりだろうけど、十分チートだよね」
そうかな、みたいな顔してるけど、神様二人より強くなるってすごいチートだよ。
「それで、創真の欲しい特典は?ちなみにいくつでもいいよ」
「あー、うん。とりあえず欲しい特典を紙にまとめたいから、紙とペンか何かくれないかな」
「オッケー、それじゃこれ」
初めから用意してたかのようにレアは懐から白紙とボールペンを出した。神様ってホントすごい。
閑話休題
「……………よし、とりあえずこんなところかな」
「書けた?」
「うん」
そういって二人に紙を渡した。内容はこんな感じだ。
『1.仮面ライダークロノス及びビルドに変身できる能力
2.必要な時のために他の仮面ライダーの変身用の道具(トランスチームガン・ガシャット等)を自由に作れる能力
3.豊穣神クロノスとしての能力を使いこなすための修業場所
4.転生するまで他の神様と交流を深める機会
5.転生先でも母親と姉にいつでもどこでも会える能力
6.これから家族になる二人から
「ねぇ、創真。1と2はわかるよ。3はどういうこと?」
「あぁ、それね。ほら、僕は豊穣神クロノスになるわけでしょ?力は持ったけど使い方わからない、とかなったら恥ずかしいじゃん?だから、自由に使えるようになっといたほうがいいな、って。あと4は、神様になったのならほかの神話の神様、北欧神話とか日本神話の神様に僕が二代目になったってこと話さないといけないでしょ?」
「なるほどねぇ。それじゃ、最後の二つは?」
「えっとね・・・まず5からだけど、転生先で困ったときとか、一緒にいてほしいなって時すぐに来てほしいっていう個人的なものだよ。それに、せっかく家族になったんだしね」
「そっか。それじゃこの6は?これの意味があまりわからないんだけど」
「6はなんとなく二人を見て考えたことだよ」
「私たちを?」
「だってさ──────
──────二人とも二代目ってことは、ちゃんとした元の名前があるわけでしょ?」
「………なんだ、気づいてたんだ」
「いつからわかったの?」
「二人が自己紹介した時だよ。さっき二人とも、自分たちのこと二代目って言ったよね。それってつまり、初代か周りの神様によって任命されたってことでしょ。ということは、ガイアやレアという名はいわゆる肩書のようなものになる。だから、神としての名前以前に本当の名前があるんじゃないかな、って思ったんだ」
「すごいね、あの一言だけでわかるなんて。その通りだよ。私は地母神レアだけど、本当の名前は
「私も肩書はガイアだけど、
「瑞樹と聖奈か……………いい名前だね。やっぱ聞いててよかったよ」
「ありがとう。それじゃ名前も言ったことだし、さっそく特典を渡すね」
そう言うと、二人は俺に向けて手をかざし、何かを唱えた。すると二人の手に光が収束していき、一瞬眩しく光り、閉じた目を開くと俺が見たことのある道具がそこに浮かんでいた。片方はレバーのついた黒いベルト型の機械に兎と戦車のマークがそれぞれ入った手のひらサイズのボトル、もう片方はゲームのABボタンらしきものが付いた水色の機械と緑色のカセットのようなものだった。
「これが第一の特典、ビルドドライバーとラビットフルボトルにタンクフルボトル。そしてバグルドライバー
「え、いいの?それじゃ………まずビルドドライバーから」
聖奈からビルドドライバーとラビットフルボトルとタンクフルボトルを受け取り、ドライバーを腰に当てると聞いたことのある音声が流れて腰に装着された。興奮した俺は、あの名台詞を言った。
「さぁ、実験を始めようか」
右手にタンクフルボトル、左手にラビットフルボトルを持ち、勢いよく振る。すると俺の後ろから様々な物理の方程式がいくつも現れる。しばらくして方程式が現れなくなったのを確認すると、フルボトルの蓋部分をボトルに合わせ、ドライバーの右にラビットフルボトル、左にタンクフルボトルを挿した。
【RABBIT!TANK!BEST MUCH!】
変身待機音声が鳴り響き、俺はレバーを回した。装着したフルボトルから中の成分であるトランジェルソリッドがドライバーに入り、中で混ざり合う。そしてドライバーから赤と青のパイプが伸びると同時に、スナップライドビルダーが周囲に展開される。パイプ内の成分は前方と後方にハーフボディを形成した。
【Are you ready?】
「変身!」
スナップライドビルダーに形成された二つのハーフボディが近づき、俺の体を包んだ。大量の煙がスーツから放出され、ベルトから音楽が流れた。
【鋼のムーンサルト!ラビットタンク!イェーイ!】
「勝利への法則は、決まった!」
決め台詞を言った後、俺は今の自分の姿を確認した。まぎれもない、平成最後の仮面ライダー、ビルドだ。
「すごい………ほんとにビルドだ!」
「喜んでもらえてうれしいわ。それじゃ次、試してみる?」
「もちろん!」
すぐさまドライバーからフルボトルを外し、ベルトをとって変身を解除する。そして俺は次にレアからバグルドライバーⅡと仮面ライダークロニクルガシャットをもらい、同じようにバグルドライバーを腰に装着した。
【ガッシャ―――ン】
これも聞いたことのある音声が鳴る。俺はベルトのAボタンを押して変身待機音を鳴らし、あの台詞を言ってガシャットを起動させた。
「今こそ審判の時」
【仮面ライダークロニクル】
起動した仮面ライダークロニクルガシャットは緑の光を放ちながら俺の周りを飛び、バグルドライバーにセットされた。
【ガシャット】
俺は一度深呼吸し、バグルドライバーの変身ボタンを押した。
「変身」
【Buggle up‼天をつかめライダー‼(ウォー!)刻めクロニクル‼今こそ時は、極まれり‼(ウォー!)】
上空に仮面ライダークロニクルのデータが浮かび、自分の周りにギリシャ数字が時計回りに現れ、Ⅻが現れたところでデータが急降下し、仮面ライダーエグゼイドの劇中ラスボスである仮面ライダークロノスへと変身させた。
「おぉ………こっちも変身できた。やっぱカッケーな、クロノス」
「ちゃんと動いたみたいでよかった。とりあえず特典の1つは完了っと。次の特典は………」
その後も特典の受け取りと確認作業が続いた。無論、ちゃんと他の神様にもあいさつには行ったし、修業場所も提供してもらった。そしてやるべきことがすべて終わったあと、とりあえず休もうと思って俺は母さんたちが住んでいるという神界の家に向かった。家に行って何をしたかって?特に何もせず、ひたすら寝たよ。今日は色々ありすぎた。さすがに疲れたからね。後はひたすら修業して、仮面ライダーの力を確認して、の日々が始まったよ。
あ、そういえば転生先決めてないや。ま、いっか、そのうち見つかるでしょ。
いかがでしたか?
一応主人公たちの姿で参考にしたキャラがいるので、イメージしやすいよう書いてみました。
創真:『GOD EATER 2』の主人公(初期状態)
瑞樹:『姉なるもの』の千夜(角生えてない時の方)
聖奈:『通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃のお母さんは好きですか?』の大好真々子
なんとなく想像はできたでしょうか。
以上、第一話でした。