クロノスになって百年後、転生先を考えていた創真は問題児世界での異変を知る。歴史の改変を防ぐべく、創真は箱庭にパラシュート無しのスカイダイビングをした。
以上
それでは三話目です、どうぞ
*今回試験も兼ねて、会話の最初に誰の言葉かを明記しています。
問題児、箱庭に召喚される
問題児たちの世界で起きた歴史の改変を防ぐべく転生した俺は、上空4,000メートルからのパラシュート無しスカイダイビングを体験していた。周りにはヘッドホンを付けた金髪の学生、お嬢様感半端ない少女、そして猫にしがみつかれている物静かそうな少女がいた。
一応落下先には湖があるので怪我をすることはまずないだろうが、やっぱり濡れるのは嫌なので、俺はビルドドライバーをセットし、ボトルをセットしてレバーを回した。
【TAKA!GATLING!BEST MUCH‼︎Are you Ready?】
創「変身!」
【大空の暴れん坊!ホークガトリング!イェーイ!】
ホークガトリングに変身した俺はタカボトルの能力で空を飛び、落下する三人を脇に抱え、猫を頭に乗せて着地した。全員が無事なのを確認してからボトルを抜いて変身を解除する。すると、学生服の青年が興味深そうにこちらを見ていたのに気がついたが、あえてスルーした。
着地してから数分後、第一声をあげたのはお嬢様風の少女だった。
?「し、信じられないわ!まさか問答無用でひきずりこんだ挙句に空中に放り出すなんて!」
?「右に同じくだクソッタレ。場合によってはゲームオーバーコースだぜ。これならまだ石の中に呼び出された方がマシだ」
?「いや、石の中に呼び出されたら動けないでしょう?」
?「俺は大丈夫だ」
?「そう、身勝手ね」
?「此処………何処だろう?」
?「さぁな。さっき世界の果てっぽいのが見えたし、さしずめどっかの大亀の背中とかじゃねえか?」
俺の記憶が正しければこの三人(俺を含めると四人)は初対面のはずだ。なのに此処まで自然と会話できるのが、彼らのすごいところだと思う。
?「んで………一つ確認しておくが、もしかしてお前らのところにもあの変な手紙が?」
飛「そうだけど………まずお前って言い方を訂正して。私は久遠飛鳥。飛鳥でいいわ。そこで猫を抱えてるあなたは?」
耀「春日部耀。以下同文」
飛「そう、よろしくね春日部さん。それで、そこにいる野蛮で凶暴そうなあなたは?」
十「高圧的な自己紹介をどーもありがとよ。見たまんま野蛮で凶暴な逆廻十六夜です。粗野で乱暴で快楽主義と三拍子の揃ったダメ人間なので、用量と用法を守った上で、適切な態度で接してくれよな、お嬢さん?」
飛「あんたの取扱説明書があったら、読んであげなくもないわ」
十「ヤハハ、マジかよ。じゃあ今度作ってやるから覚悟しておけよな」
飛「それで………最後に、よくわからないベルトで姿を変えて私たちを助けてくれたあなたは?」
創「俺は仮野創真。さっき使ったのはビルドドライバーって言う特別な変身アイテムだよ。まぁ仕組みとか話し始めると日が暮れるだろうから、詳しくはまた今度ね」
飛「そうなの。よろしくね、仮野君」
ところで、と十六夜はわざとらしく辺りを見回した。
十「ところで、人を呼び出しておいて歓迎一つないのはどういうことだ?」
飛「たしかに。自分勝手な上に失礼ね」
創「一応これでも俺は神様のはずなんだけどなぁ………まだ認知度が低いのかなぁ」
耀「創真、神様なの?」
創「まぁ、二代目だけどね」
十「へぇ、何の二代目なんだ?」
俺が神様だと言った途端、三人はとても興味津々な顔(特に十六夜が)でこちらを見つめた。まぁ、言っても問題はないだろうし、俺が誰かわかったら木陰に隠れている彼女もすぐに姿を見せるだろうしな。
創「それじゃ改めて、俺は仮野創真。又の名を────二代目クロノス」
十「クロノス?クロノスと言えば二人いるが、お前が言ってるのはギリシャ神話のウラノスとガイアの間に生まれたティーターン十二神の末弟の方か?」
創「一応正解。といっても二代目になったのは100年前だし、そこまで知られてはいないと思う」
十「一応ってことは、時間神のクロノスとも関係があったりするのか?」
創「そうだね。それにしても十六夜、だっけ?結構神話に詳しいんだね」
十「前に神話関係の本を読み漁ったことがあるからな。ある程度の知識は持ってるぜ」
創「ふーん、そうなんだ。まぁ、君の質問には追々答えることにしよう」
話していると木陰から何かが飛び出た。バニースーツをきたうさ耳の青髪少女だ。少女はボルトも驚く速さで駆けつけ、世界大会があったら優勝間違いなしの完璧な土下座をしながら俺の前に現れた。
?「本当に申し訳ございませんでしたああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!!!!!!」
創「ちょっ、落ち着いて!」
?「わざとやったわけではないのです!!黒ウサギの手紙に手違いがあったのか予定の場所から4,000メートルも上空に呼び出してしまった挙句、挨拶一つもなく木陰に隠れて一人コソコソ品定めなどという失礼極まりない行為をしていました!!!」
創「わかった、わかったから!」
閑話休題
創「落ち着いた?」
黒「イ………イエス………」
予想以上の過剰反応に戸惑った俺は、とりあえず黒ウサギを落ち着かせた。なんか100年前の姉さんと母さんみたいだな。
創「とりあえずさ、黒ウサギ………だっけ?俺たちが呼ばれた理由と、この世界のことについて出来る限り詳しく教えて」
黒「イ、イエス!了解したのですよ♪」
尻尾をフリフリしながら耳を真っ直ぐ立てて気を取り直す黒ウサギ。その姿に一瞬キュンとなってしまったのは秘密だ。
黒「それでは皆さん、ようこそ箱庭の世界へ♪今回我々はギフトを持ったみなさんに“ギフトゲーム”への参加資格をプレゼンするため召喚させていただきました♪」
「「「ギフトゲーム?」」」
黒「はい♪もうすでにお気づきかと思われますが、あなた方皆さんは普通の人間ではございません」
思い当たる節があるのか、三人は首を上下に動かした。
黒「その特異な力は様々な修羅神仏から、悪魔から、精霊から、星から与えられた恩恵でございます。『ギフトゲーム』はその恩恵を用いて競い合うためのゲーム。そしてこの箱庭の世界は強大な力をもつギフト保持者がオモシロオカシク生活できる為に造られたステージなのでございますよ♪」
飛「一ついいかしら。貴女の言う我々とは、貴女を含めた誰かなの?」
黒「YES!異世界から呼び出されたギフト保持者は箱庭で生活するにあたって数あるの中から1つの"コミュニティ"に必ず属していただきます」
十「嫌だ!」
黒「属していただきます!そして“ギフトゲーム”の勝者はゲームの“主催者”が提示した商品をゲットできるというとてもシンプルな構造になっています」
耀「……………主催者って誰?」
黒「様々ですね。暇をもて余した修羅神仏が人を試すための試練と称して開催されるゲームもあれば、コミュニティの力を誇示するために独自で開催するゲームもございます。前者の特徴はハイリスクハイリターン、後者はそうではない場合が多いですね。一部例外も有りますが」
耀「そのリスクとリターンって、例えばどんなの?」
黒「リスクはゲームの難易度によっては命を落とすことと、こちらの賭けたものが奪われることですね。リターンは相手が掲示したものを手に入れられることですね」
飛「そのチップって何を賭ければいいのかしら?」
黒「それも様々です。金品・土地・名誉・権利・人間………そしてギフトをかけることもできます。簡単に言えば、お互いが納得するものであれば何でも構いません」
耀「ゲームはいつ始められるの?」
黒「コミュニティ同士のゲームを除けば期日内に登録してもらえばOKです。商店街や露店では飛び入り可能なゲームが開かれていることもありますよ。さて、以上で箱庭に関する説明は終わりますが、黒ウサギに何か質問はございますでしょうか?どんなことでも構いませんよ」
十「じゃあ俺から質問だ」
黒「はい。ゲームですか?ルールですか?」
十「いや、違う。そんなことはどうでもいい。俺から聞きたいのはたった一つだ
この世界は………面白いか?」
黒「………YES♪黒ウサギは箱庭の世界は外界よりも面白いと保証しますよ♪」
十六夜の質問に黒ウサギは笑顔で答える。そして唯一質問していない俺の方を見た。
黒「ところで、クロノス様……あぁ、いや、創真さんは質問などよろしいのですか?」
創「俺?うーん………」
こんなこと言ってはいけないのだろうが、俺は黒ウサギの所属するコミュニティの現状をすでに把握している。黒ウサギ自身は隠せているように思ってるだろうが、少なくとも十六夜は気づいているだろう。だがここで黒ウサギにそのことを聞いてしまうのは些か可哀想だ。あ、そうだ。
創「じゃあさ、黒ウサギ。ずっと気になってたんだけどさ………なんでバニースーツなの?そういう趣味なの?」
黒「断じて違います‼︎黒ウサギとてこのようなふざけた格好をしたくてしているわけではございません‼︎」
創「じゃあなんで着てるの?」
黒「黒ウサギが世話になっている方に渡された水着やらレースクイーンやら巫女服やら訳の分からない服の中で露出度がマシだったのがこれしかなかったのです!」
創「何その人、相当変態だよね」
十「へぇ、そいつわかってるじゃねえか」
創「共感しちゃうんだ」
十「おい、黒ウサギ。今度それ全部着ろよ。写真に撮ってやるから」
黒「絶対嫌です!」
創「アハハ……………」
正直なところ、黒ウサギの巫女服姿を見てみたいという思いがあったのはここだけの話。
いかがでしたか?
多分次回、創真くんが神様の片鱗を見せると思います。
それではまた。